「おとり物件の見分け方とは?」
「釣り物件に騙されない方法はある?」
おとり物件とは、借りられないのに集客用で掲載されているお部屋のことです。釣り物件とも呼ばれていて、国や不動産業界のルールで禁止されています。
しかし、大手賃貸サイトにある物件のうち、11件に1件はおとり物件だと言われています。騙されるとお部屋探しの時間が無駄になるうえ、何より気分が悪いですよね…。
そこで当記事では、おとり物件の見分け方を不動産屋が解説します。おとり物件を簡単に回避する方法や、見つけたときの対処法もまとめました。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
そもそもおとり物件とは
実際には借りられない物件のこと
おとり物件とは、実際には借りられない物件のことです。「すでに成約済み」「物件自体が存在しない」など種類は様々です。
一般的に、おとり物件はウソの情報で集客する悪質な広告方法として使われます。問い合わせ時に「直前に埋まった」と言って、別のお部屋を紹介する手口です。
事前に内見予約を取っていても、おとり物件は回避できません。来店してから「実はさっき埋まった」と言われるからです。同様に別のお部屋を紹介して、成約させようとしてきます。
スーモやホームズなどの賃貸サイトにはおとり物件が約9%存在する
- ・SUUMO
- ・LIFULL HOME’S
- ・at home
- ・CHINTAI
調査件数 | おとり物件の数 | 割合 |
---|---|---|
378件 | 33件 | 8.7% |
2022年9月の首都圏不動産公正取引協議会の調査によると、スーモやホームズなどに掲載されている約9%のお部屋がおとり物件でした。
おとり物件を載せるのは、宅建業法第32条で禁止されています。営業停止や免許取り消し処分など、厳しい罰則が設けられています。
他には、業界ルールの「不動産の表示に関する公正競争規則」でも禁止されています。不動産業界には立場が弱い入居希望者を守るために、ルールがたくさんあります。
サイトへの反映遅れや入力ミスでおとり物件になるケースもある
悪質的なもの以外だと、サイトへの反映遅れや入力ミスでおとり物件になるケースもあります。結果的におとり物件になってしまったパターンです。
スーモの場合、情報が反映されるのは3~5時間後です。必然的にタイムラグが発生して、成約済みの物件がしばらく載ってしまいます。
物件情報は全て手動で登録するため、業者の入力ミスで誤情報が載ってしまうこともあります。繁忙期で忙しい時期では、公開前の確認漏れが多発しやすいです。
おとり物件に騙されると、お部屋探しの時間を無駄にします。引っかからないためには、上手く見分けることが重要です。具体的な見分け方はのちほど解説します。
おとり物件ナシの不動産屋なら効率的にお部屋を探せる
当サイトが運営する不動産屋「イエプラ」では、業者専用サイト「ATBB」を使ってお部屋を紹介しています。リアルタイムで更新されるため、おとり物件は一切ありません。
提案するお部屋以外には、ほかサイトに載っている物件も併せて紹介可能です。物件URLを送れば、一緒に空室確認できます。
お部屋探しの依頼はもちろん、おとり物件チェッカーとして利用するのもアリです。さらに仲介手数料が基本0円なので、ぜひ利用してみてください!
おとり物件の見分け方5選【不動産屋直伝】
- 相場より家賃が安すぎないか
- 物件情報が明確に記載されているか
- 掲載業者と大家さんの関係性は近いか
- 複数のサイトに同じ物件が載っているか
- 内見可能なことを即答してこないか
おとり物件の見分け方は主に5つあります。おとり物件の特徴と併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。
①相場より家賃が安すぎないか
おとり物件を見分けるには、周辺の相場より家賃が安すぎないか調べると良いです。明らかに安い家賃のお部屋は、おとり物件である可能性が高いです。
疑うべき例として、1LDKの家賃相場が10万円のエリアにも関わらず、家賃6~7万円で募集されていたときです。ほぼ同じ条件なら、おとり物件を疑ってください。
ネットで「〇〇駅 家賃相場」と検索すれば、間取りごとの価格帯を知れます。近くにある類似物件と比べるのも効果的です。
注意点として、事故物件や訳あり物件で安く募集しているケースもあります。募集図面を確認するか、不動産屋に聞いておくと安心です。
好条件で長期間募集されている物件は要注意
好条件にもかかわらず、長期間募集されている物件もおとり物件の可能性があります。「新築・駅近なのに相場以下」などのお部屋です。
誰が見ても好条件に感じるお部屋は、掲載開始から1~2週間で埋まってしまいます。検索サイトの情報登録日を見て、募集から1ヶ月以上経っていたら避けたほうが良いです。
②物件情報が明確に記載されているか
- ・物件名が書いていない
- ・住所が町名までしか書かれていない
- ・物件の写真が極端に少ない
- ・同じ写真を使い回している
- ・設備などの詳しい情報が載っていない
おとり物件か見分けるために、物件情報が明確に記載されているか確かめてください。物件名がなかったり、住所が最後まで書かれていないお部屋などです。
おとり物件は、サイト上の情報が不十分であるケースが多いです。存在しないお部屋で釣るとき、場所を特定されないようにするためです。
空室か問い合わせる前に、可能であれば現地を見ておくと安心です。おとり物件だと「空室なし」の看板があったり、即入居可のお部屋に人が住んでいたりします。
③掲載業者と大家さんの関係性は近いか
掲載業者と大家さんの関係性(取引態様) | |
---|---|
貸主 | 大家さん本人 |
代理・専任媒介 | 大家さんと同じ効力を持つ代理業者 |
仲介・一般媒介 | 大家さんもしくは代理業者から募集を任された不動産屋 |
おとり物件の見分け方には、掲載業者と大家さんの関係性に着目する方法もあります。掲載元と大家さんの関係が近いほど、信用できる物件情報だと言われています。
関係性を調べるには、物件情報の「取引態様」を見ます。大家本人である「貸主」や、代理人として募集している「代理」であれば信頼できます。
「仲介(一般媒介)」のうち、代理業者から依頼を任された不動産屋は、実在する人気物件をおとり物件に使っている恐れがあります。大家さんと直接の関わりがなくバレにくいからです。
④複数のサイトに同じ物件が載っているか
おとり物件の見分け方として、複数のサイトに同じ物件が載っているかを確かめます。悪意のあるおとり物件は、バレないように掲載サイトを絞る傾向にあるからです。
不動産屋の自社サイトだけにある好条件なお部屋は、おとり物件を疑うべきです。他の不動産屋に依頼して、実在する物件なのか調べてもらいましょう。
⑤内見可能なことを即答してこないか
物件を問い合わせたとき「内見できます」「ご来店ください」と即答されたら要注意です。おとり物件である可能性が高いです。
問い合わせを受けた不動産屋は、まず大家さんへ空室確認するのが基本です。他の業者で申し込みが入っていないか確かめるためです。
確認なしで内見を提案された場合、自社で掲載したおとり物件の恐れがあります。入居できない物件だと分かっていて、無理やり来店させようとする悪徳業者の手口です。
おとり物件を簡単に回避する方法
- ・内見を現地集合で依頼する
- ・物件の住所やマンション名を聞く
- ・広告元とは別の業者に空室か確認する
内見を現地集合で依頼する
内見を現地集合で依頼すれば、おとり物件を簡単に回避できます。存在しないもしくは成約済みの物件に行っても、入室できないからです。
「1度来店する必要がある」と来店を急かされたり「管理会社が現地集合を嫌がる」など理由を付けて断られたときは、おとり物件の可能性が高いです。
稀に内見前の来店が必要なケースもある
見たい物件が決まっていても、場合によっては来店を求められます。詳しいアンケートの記入が必要だったり、大家さんと面談が必要な物件などです。
他の業者でも紹介可能なお部屋なら、不動産屋を変えるのも手です。おとり物件を使わない不動産屋なら、お店まで行かなくても柔軟に対応してくれます。
物件の住所やマンション名を聞く
おとり物件を回避するには、賃貸サイトに載っていない物件の住所やマンション名を聞くと良いです。おとり物件でない限り、正確に答えてくれます。
正式に流通している物件なら、お部屋の詳細を隠す必要はありません。大家さん都合でネットに載せていなくても、個人の問い合わせには回答してくれることが多いです。
不動産屋が詳細を伝えないまま来店を促したときは、おとり物件である可能性が非常に高いです。今後のトラブルも懸念されるので、利用しないようにしましょう。
広告元とは別の業者に空室か確認する
おとり物件を回避するには、広告元とは別の業者に空室か確認してみましょう。すでに申し込みが入っているパターンのおとり物件なら避けられます。
広告を出していない不動産屋でも、空室状況は確かめられます。ほとんどの物件情報は、業者だけが見れるデータベース「ATBB」「REINS」で共有されているからです。
チャット型不動産屋なら来店不要で空室かどうか確認できる
当サイトが運営するネット上の不動産屋「イエプラ」は、LINEからほかサイトの気になる物件のURLを送れば、おとり物件かどうか調べられます。
リアルタイムで情報更新される不動産業者専用のデータベース「ATBB」からお部屋を紹介するので、架空の物件は一切ありません。
また、内見前日にも最新の空室情報を確認しているので、万が一埋まってしまった場合も無駄足になりません。
内見時は現地集合なので、おとり物件に騙されることなく、仲介手数料も基本0円でお部屋探しが可能です。ぜひお試しください。
スーモやホームズのおとり物件は通報できる
サイトの問い合わせフォームから通報可能
スーモやホームズなどでおとり物件を見つけたら、一般ユーザーでも通報ができます。「ポータルサイト広告適正化部会」の構成会社が運営するサイトなら、問い合わせフォームから通報可能です。
掲載サイトは、おとり物件を把握すると掲載を取り下げます。ペナルティのルールも整備されていて、違反した業者は約1ヶ月広告を載せられなくなります。
おとり物件の通報に必要な情報
- ・氏名
- ・メールアドレス
- ・不動産業者名
- ・物件番号(サイトの詳細画面に記載)
- ・問い合わせた日付
- ・不動産業者とのやり取りの詳細内容
上記には、おとり物件の通報に必要な情報をまとめました。自分の氏名・不動産業者の名前・物件番号などが必要です。
問い合わせた物件情報は、スクリーンショットを撮って保存しておくと良いです。
悪質なら公的機関に通報する
- ・各都道府県の不動産部門
- ・消費者庁
「おとり物件のせいでトラブルが起きた」という人は、各都道府県の不動産部門に連絡してください。違反が悪質だと認められると、業務停止などの重い処分が入ります。
東京都では、不動産相談のページから相談窓口を確認できます。おとり物件を通報したいときは「指導相談担当」に電話してください。
おとり物件・釣り物件の見分け方に関するQ&A
おとり物件があるのはなぜ?
悪徳業者の場合、ウソの情報で顧客を集めるためです。存在しないような好条件の物件で釣るため、おとり物件は「釣り物件」とも呼ばれます。
他には、情報反映のタイムラグで結果的におとり物件になるケースもあります。正確な情報を知るには、最新の空室状況を問い合わせるべきです。
おとり物件って違法では?
おとり物件を含むウソの広告(虚偽広告)は違法です。宅建業法第32条で禁止されています。
おとり物件って内見できるの?
内見できません。存在しない物件や、成約済みのお部屋には入室できないからです。おとり物件は現地集合で回避できます。
スーモはおとり物件ばかり?
物件数No.1の影響から、おとり物件に当たりやすいです。「好条件なのに家賃が安い」などのお部屋は、おとり物件を疑ったほうが良いです。
おとり物件はホームズにもある?
あります。スーモ同様、掲載する業者が多いサイトでは、おとり物件が少なからず存在します。
おとり物件に騙された…むかつく!
スーモなどの大手賃貸サイトでおとり物件に騙されたら、問い合わせフォームから通報が可能です。大きなトラブルが起きた場合、公的機関に通報する方法もあります。
おとり物件がないサイトはどこ?
「ウチコミ」「不動産広場」など、大家さんが直接掲載する賃貸サイトです。不動産屋を通さないので、おとり物件はほとんどありません。
おとり物件チェッカーってある?
以前はありましたが、2024年現在はサービスを終了しています。
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リアルタイムで情報更新がされる不動産業者専用のデータベース「ATBB」からお部屋を紹介するので、架空の物件は一切ありません。
スーモやホームズに載っていない未公開物件も紹介してくれますし、不動産業者だけが有料で見ることができる更新が早い物件情報サイトからお部屋を探して見つけてくれます!
遠くに住んでいて引っ越し先の不動産屋に行けない人や、不動産屋の営業マンと対面することが苦手な人にもおすすめです。