お部屋探しのコツや知識まとめブログ|Rooch(ルーチ)
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不動産のおとり広告とは?なくならない理由や見分けるコツを現役営業マンが解説

おとり物件から逃げる人のイラスト

不動産のおとり広告を見分けるコツは?
おとり物件は何でなくならないの?

検索サイトを見ていて、家賃が安い新築や好立地の築浅物件が見つかると、他の人に取られる前に申し込みたくなりますよね!

しかし、気に入った物件は実は契約できない「おとり広告」かもしれません。釣られてお店に行くと、希望とかけ離れた物件を紹介されて時間が無駄になってしまうことも…。

そこで当記事では、おとり広告が存在する理由や、騙されないために見分けるコツを徹底解説しています。ぜひ参考にしてください。

監修 阿部 陽一郎
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長

「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴5年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。

不動産のおとり広告とは?

集客目的の契約できない物件情報のこと

おとり広告とは、実際は借りられないお部屋の募集広告のことです。お客さんを集めるための悪質な集客方法で、おとり物件や釣り物件とも呼ばれます。

見栄えの良い物件情報に釣られて不動産屋に行くと「タッチの差で埋まりました」と言われ、結局は他のお部屋を紹介されてしまいます。

▶悪質な釣り物件の詳しい解説はこちら

おとり広告は罰則がある禁止行為

手でバッテンをする不動産屋

おとり広告は宅地建物取引業法32条で禁止されている「誇大広告」に該当します。情報量が少なく立場が弱い入居希望者を守るためのルールです。

景品表示法に基づき広告ルールを定めた「不動産の表示に関する公正競争規約」21条でも禁止されています。

おとり広告を使っている不動産屋には、法令に基づいて罰金や業務停止などの重いペナルティがあります。

阿部さんのアイコン 阿部
おとり広告を使うのは「リスクに見合わない」と考える不動産屋がほとんどです。ただ、バレにくいためゼロにはならないのが実情です。

どんな情報がおとり広告に該当する?

公正競争規約によるおとり広告の定義
  1. 物件が存在しないため、実際には取引できない物件に関する表示
  2. 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
  3. 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

出典:不動産の表示に関する公正競争規約

おとり広告の多くは2番です。物件は実在してもすでに申し込みが入っていたり、紹介できない物件だったりします。中には架空の物件情報もあります。

本当に募集中かどうかは不動産屋に確認するしかありません。見分けるコツはあるので後ほど詳しく解説します。

理想的な物件に引っ越したいときは、信頼できる不動産屋を見つけてお部屋を紹介してもらいましょう。ネット上の情報から自分で探すと、おとり広告に騙されるリスクがあります。

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おとり広告はなぜなくならない?

良い物件は数が少なくお客さんを集めるために使ってしまう

不動産屋はコンビニの数より多く、来店を増やすために手を尽くしています。

誰が見ても好条件な物件はおとり広告に使われる場合があります。問い合わせや来店を増やすきっかけになるからです。

良い物件は2週間もあれば入居者が決まります。入居者が決まった時点で役目を終わらせるのはもったいないと考える不動産屋もいます。

広告を手作業で掲載終了にするためタイムラグが発生する

インターネットの物件広告は、募集元の不動産屋が手作業で掲載したり外したりしています。検索サイトによっては、不動産屋側の更新からサイトの反映までに時間差があります。

入居者が決まった広告は、掲載終了にするまで不動産屋に悪意がないおとり広告としてネット上に残ります。

不動産屋が忙しくて、掲載終了にするのが遅れたり、広告を外すのを忘れていることもあります。最新情報は結局のところ電話などで確認が必要です。

阿部さんのアイコン 阿部
悪意がないおとり広告なら、電話すれば埋まっていると教えてもらえます。来店を強く促されたら、集客のためのおとり広告を疑ったほうが良いです。

複数の不動産屋が広告を出している

広告掲載の流れの図解

多くの物件は、図のように複数の不動産屋が広告を出しています。入居者を早く決めるために広く募集をかけるケースが多いからです。

不動産屋が複数関わるため、A不動産で空室と言われても、B不動産から他の人の申し込みが入る可能性があります。タイミングによってはおとり広告と似た状況になります。

悪質なおとり広告を避けても、1番手で申し込むまではお部屋を取られる可能性があります。物件情報は常に動いているので、できるだけ早く動き出しましょう。

業者専用の情報サイトはおとり広告がない

募集元の管理会社が直接登録している

REINSとATBBは全国の賃貸物件の約8割を掲載している図解

不動産屋だけが見れる専用サイトのREINS(レインズ)やATBB(アットビービー)にはおとり広告がありません。

一般公開されていないので、来店や問い合わせを増やす目的でおとり広告を載せる意味がないからです。

お部屋は自分で探すよりも不動産屋に紹介してもらうほうがスムーズです。希望の条件に合う物件を、空いているか確認してから紹介してもらえます。

来店不要の不動産屋ならおとり広告に騙されずに済む

来店不要で物件を紹介してもらえたり、現地で待ち合わせて内見できる不動産屋なら、おとり広告に騙されずに済みます。おとり広告は来店させる目的で取られる手段だからです。

ネット上の不動産屋「イエプラ」なら、来店不要で「REINS」や「ATBB」の情報からお部屋を紹介してもらえます。おとり広告は一切ありません。

チャットやLINEで内見予約できて全物件が現地集合可能です。内見前も空室か確かめてくれるので、無駄足にはなりません。

「SUUMOで見つけたこの物件は空いてる?」「6万円以下で内見できる物件を探してほしい」など、スキマ時間に気軽に相談できます!

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おとり広告を見分けるコツ7選【不動産屋に聞いてみた】

  1. 家賃など条件が良すぎないか相場を確認する
  2. 現地集合で内見予約する
  3. 問い合わせた物件以外には興味がないと伝える
  4. 住所や物件名が詳しく載っていない
  5. 情報登録日から時間が経っている
  6. 定期借家やシェアハウス
  7. 他の不動産屋にも確認してみる

弊社「家AGENT 池袋店」の営業マン30名に、おとり広告を見分けるコツをアンケート調査してみました。

おとり広告の確率が高い内容から7つにまとめたので、ぜひ参考にしてください。

①家賃など条件が良すぎないか相場を確認する

賃貸物件の家賃が安すぎるときは要注意

家賃や初期費用が極端に安かったり、築年数が浅く住みやすそうな物件情報には要注意です。多くの人が良いと思う物件はおとり広告に使われやすいです。

エリアごとに家賃には相場があり、似た物件が極端に安くなることはありません。地域の家賃相場をスーモやホームズで事前に調べておくと良いです。

例えば、希望の条件を満たす物件が家賃10万円ほどで複数ヒットするエリアに、似た条件で家賃6~7万円の物件があるときはおとり広告かもしれません。

阿部さんのアイコン 阿部
家賃が極端に安い募集が実在する場合、ワケありの物件かもしれません。騒音トラブルがあったり事故物件だったりするので、物件に問題がないかは慎重に見極める必要があります。

②現地集合で内見予約する

現地待ち合わせが可能かどうかを電話で確認する女性のイラスト

広告に掲載されている番号に電話して「現地集合で内見したい」と言ってみるとおとり広告かどうか確かめられます。

来店を急かされたり、理由をつけて断られたときはおとり広告の可能性が高いです。もし入居者が決まっている状態なら案内はできないからです。

藤本さんのアイコン 藤本
現地集合を断られたときは、内見できない理由を質問してみてください。お部屋がクリーニング作業中、内装工事中などで見れないこともあります。

③問い合わせた物件以外には興味がないと伝える

おとり広告かどうか確かめたいときは、問い合わせた物件以外には興味がないとはっきり伝えましょう。

不動産屋が他の物件を紹介しても意味がないと思えば、来店を急かされたり強引な営業を受けずに済みます。

豊田さんのアイコン 豊田
おとり広告を使う不動産屋は「会えば営業トークで何とかなる」と考えています。契約が終わらないと報酬が発生しないので、釣られて来店すると強引な営業を受ける可能性が高いです。

④住所や物件名が詳しく載っていない

特定されにくくしているおとり広告の特徴
  • ・物件名が書いていない
  • ・住所の記載が不十分
  • ・物件の写真が極端に少ない
  • ・同じ写真を使いまわしている
  • ・設備などの詳しい情報が載っていない
  • ・「詳細は要問合せ」と濁してある など

おとり広告は、物件名や住所が不十分で特定が難しいケースが多いです。大家さんや管理会社に、無断でおとり広告に使っているのをバレないようにするためです。

行ける距離なら現地を見てみるのも手です。おとり広告だと「空室なし」の看板があったり、物件情報が「即入居可」なのに人が住んでいたりします。

情報が薄いときは、空室か確認するときに理由を質問してみてください。例えば、写真が少ない物件には管理会社の変更や、内装工事中などの事情がある場合があります。

早川さんのアイコン 早川
新築で住所がまだ決まっていない、大家さんのプライバシーを守るためなど、あえて情報を隠していることもあります。

⑤情報登録日から時間が経っている

検索サイトの情報更新日

好条件の物件は、通常は掲載開始から2~3週間で埋まってしまいます。2週間経っている広告は古いと思ったほうが良いです。

いつ見ても載っている物件や、情報の更新が1ヶ月近く前の物件はおとり広告かもしれません。

鈴木さんのアイコン 鈴木
不動産屋の店舗の窓や看板にある物件情報にもおとり広告がある場合があります。色あせていて古いチラシの物件は、すでに申し込みが入っていたり、おとり広告の可能性が高いです。

⑥定期借家やシェアハウス

物件情報を見るときは、更新ができる一般的な「普通借家」かを確かめましょう。定期借家やシェアハウスだと家賃が安く、おとり広告に使われている場合があります。

定期借家とは更新がない賃貸契約のことで、契約期間が終わると原則は出ていく必要があります。シェアハウスは、居室以外が共同使用の物件のことです。

広告に載せていない契約条件は来店後に説明して、結局は別の物件を紹介されるパターンもあります。家賃や初期費用が安いときは特に気を付けてください。

石塚さんのアイコン 石塚
定期借家は「再契約」できれば住み続けられますが、普通借家よりも入居者の保護が弱いです。もし定期借家でも住みたいときは、注意点まで把握して契約しましょう。

▶定期借家についての詳しい解説はこちら

⑦他の不動産屋にも確認してみる

多くの物件情報は、どの不動産屋からでも申し込みができます。ほとんどの物件情報は不動産業者の専用サイトで共有されているからです。

広告を出していない不動産屋でも空室状況は確かめられます。「埋まっています」と言われたときはおとり広告です。

「うちでは紹介できません」と言われたときは、理由を聞いておくと良いです。数は少ないですが、特定の不動産屋を通さないと申し込めない物件もあります。

村野さんのアイコン 村野
不動産屋を2~3社比較して、自分に合った担当者を頼ると良いです。おとり広告を見分けるために頑張るより、相性の良い不動産屋に頑張ってもらったほうが効率的です。

不動産のおとり広告を見つけたときはどうする?

おとり広告を見つけたときの3つの対処法
  1. 別の不動産屋でお部屋を探す
  2. ポータルサイトで見つけたら運営元に通報する
  3. 悪質なときは公的機関に通報する

①別の不動産屋でお部屋を探す

おとり広告に引っかかってしまった場合、気持ちを切り替えて別の不動産屋に行きましょう。

引き止められたり手間賃を請求されても応じる必要はありません。物件の紹介やお部屋の案内だけでは手数料は発生しないルールになっています。

阿部さんのアイコン 阿部
ルールを守る気がない不動産屋では、おとり広告の他にもトラブルが起きるリスクがあります。手続きが進む前に距離を置いたほうが良いです。

過去に処分を受けた履歴はネットで見れる

国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」を見れば、不動産屋が過去に受けた行政処分を確認できます。

内容にもよりますが、業務停止などの記録があるときはお店に行くか慎重に検討しましょう。ネットの評判も見ておくと良いです。

②ポータルサイトで見つけたら運営元に通報する

各サイトの通報窓口

ポータルサイト広告適正化部会」の構成会社が運営する大手検索サイトでおとり広告を見つけたときは、問い合わせフォームから通報できます。

サイト側が悪質なおとり広告を把握した場合、おとり広告を使っていた不動産屋は1ヶ月以上の掲載停止などのペナルティがあります。

③悪質なときは公的機関に通報する

公的機関の通報窓口

どうしても許せないときは、各都道府県の不動産部門に報告してください。おとり広告が悪質だと認められると、業務停止などの重い処分が入ります。

東京都の場合、不動産相談のページで窓口が確認できます。おとり広告を通報したいときは「指導相談担当」に電話します。

▶おとり広告を通報する方法はこちら

不動産のおとり広告に関するよくあるQ&A

不動産のおとり広告は減っている?

おとり広告は減っています。

大手賃貸サイトのおとり広告の調査結果
調査対象 おとり広告
賃貸物件378件 33件(8.7%)
不動産屋48店舗 12店舗(25.0%)

出典:インターネット賃貸広告の一斉調査報告(第11回)

2022年9月に首都圏不動産公正取引協議会が発表した調査結果によると、大手賃貸サイトに掲載されている物件の約9%がおとり広告でした。

2022年1月の調査では約12%がおとり広告だったので減少傾向です。検索サイト側は改善を重ねていますが、ゼロにはなるまでは対策が必要です。

▲よくある質問に戻る

おとり広告が増える時期はある?

繁忙期は「悪意がないおとり広告」が増えます。

1~3月や9~10月は引っ越す人が多く、不動産業界の繁忙期です。

広告のメンテナンスに手が回らずに、掲載終了が遅れたり広告を外すのを忘れているケースが増えます。

繁忙期は特に、不動産屋にお部屋を探してもらったほうが良いです。無駄足を減らすためにも、不動産屋に空室状況をこまめに確認してもらいながら候補を絞りましょう。

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おとり広告は物件現地で待ち合わせれば確実に避けられる?

ライバルがいなければ避けられます。

同じお部屋が気になっているライバルがいる場合、1番手でお部屋を申し込むまでは常に取られるリスクがあります。

ライバルがいなければ、現地待ち合わせで内見を進めれば当日中に取られることは稀です。

他に申し込みを検討している人がいるかどうか気になったときは不動産屋に質問してみてください。

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大家さんに近い不動産屋のほうが良い?

おとり広告は避けやすいです。

不動産屋が管理している「管理物件」や、不動産屋自身が大家さんの「自社物件」ならおとり広告は避けやすいです。

管理会社や大家さんは、自分が関わる物件の申し込み状況はリアルタイムで把握できます。手数料や交渉に融通が利く場合も多いです。

注意点として、管理物件や自社物件に絞って探すと選択肢は減ります。希望に合う物件を探すなら、幅広く色んな管理会社の物件を紹介してもらったほうが良いです。

▶自社管理物件についての解説はこちら

▲よくある質問に戻る

不動産売買にもおとり広告はある?

購入や売却に関する情報にもおとり広告は存在します。

販売されている物件にも、契約済みなのに広告が出続けているおとり広告があります。

売却の場合、架空の買い手の情報で売主を集める業者がいます。すぐ売れると思って任せたのに売れず、時間が経つと買取保証サービスなどで安く買い取られてしまいます。

不動産屋が賃貸と売買どちらも対応している場合、売買の処分歴も調べておきましょう。

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おとり広告は自分で見分けられる?

全部を見分けるのは難しいです。

悪意がないおとり広告や他の不動産屋からの申し込みがある以上、自分ですべて見分けるのは難しいです。

国が検討している不動産IDルールが始まればおとり広告がなくなる可能性は高いですが、現状はどんな賃貸物件でも対策が必要です。

悪質なおとり広告はコツを駆使すれば見分けられます。お客さんを騙すようなことをせずに、ルールを守って営業している不動産屋を頼りましょう。

▲よくある質問に戻る

おとり広告を避けつつお部屋を探す方法

ネット上の不動産屋「イエプラ」は、リアルタイムで情報更新がされる不動産業者専用のデータベース「ATBB」からお部屋を紹介するので、架空の物件は一切ありません。

チャットやLINEで他のサイトの気になる物件のURLを送れば、おとり物件かどうかも調べてくれます。

また、内見前日にも最新の空室情報を確認してくれるので、万が一埋まってしまった場合も無駄足になりません。

内見時は現地集合なので、おとり物件に騙されることなくお部屋探し可能です。

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