最終更新:2023年1月6日

「おとり物件の見分け方とは?」
「釣り物件に特徴はあるの?」
お部屋探しをしていて、手が出せる範囲の家賃なのに内装がオシャレな物件が見つかるとすぐにでも申し込みたくなりますよね!
しかし、条件が良すぎる物件は「おとり物件」かもしれません…。おとり物件に騙されると、時間や体力を大幅にロスしてしまいます。
そこで当記事では、厄介なおとり物件の見分け方をプロ視点で徹底解説しています。ぜひ参考にしてください!
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴5年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
おとり物件とは?
募集中でも契約できない物件のこと
おとり物件とは、募集中の広告が出ているのに実際は借りられない物件のことです。釣り物件とも呼ばれます。
お客さんを集めるための悪質な集客方法として有名です。釣られて不動産屋に行くと「タッチの差で埋まりました」と言われ、他のお部屋を紹介されてしまいます。
おとり物件は法律で禁止されている
おとり物件などのウソの広告(虚偽広告)は宅地建物取引業法三十二条で禁止されていて、行政処分の規定もある違法行為です。ただ、実態が掴みづらく根絶できていないのが現状です。
業界ルールの「不動産の表示に関する公正競争規則」でも禁止されています。不動産業界には立場が弱い入居希望者を守るために、ルールがたくさんあります。
おとり物件を使わない、モラルがある不動産屋を頼るべきです。少しでも早めにお部屋探しを始めて、信頼できる不動産屋を見つけておきましょう。
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おとり物件には2つのパターンがある
①集客のための悪意があるおとり物件
不動産屋に悪意があるおとり物件は、実在しない架空の情報だったり、実在しても埋まっていたりします。
意図的におとり物件を使う不動産屋は「会えば営業トークで何とかなる」と考えています。
希望の条件に合わないお部屋を勧められたり、強引な営業を受けやすいので避けたほうが良いです。後ほど見分け方を詳しく解説します。
②人為的ミスやタイムラグが原因で悪意がないおとり物件
多くの物件は、複数の不動産屋が同時に広告を出しています。例えば「A不動産」で募集されている物件に、別の人が「B不動産」から申し込む状況は日常的にあります。
不動産屋は定期的に大家さんや管理会社に空室状況を確認しています。申し込みが入ったお部屋の広告は手作業で掲載終了にしています。
空室確認のタイムラグや広告の消し忘れがあると、悪意がなくてもおとり物件と同じ状況が生まれてしまいます。

繁忙期は悪意がないおとり物件が増えやすい
引っ越しが多い1~3月や9~10月は悪意がないおとり物件が増えやすいです。接客が忙しくて広告の更新作業に手が回らないからです。
インターネットの広告からお部屋を探すと、実際は埋まっていたり、本当にタッチの差でお部屋を取られるケースが多く非効率です。
チャットやLINEで空室状況の確認や物件を紹介してもらえるサービスを活用して、効率良くお部屋を探しましょう。
おとり物件の7つの見分け方【不動産屋に聞いてみた】
- ・家賃や初期費用が相場より大幅に安い
- ・住所や物件名があいまい
- ・物件現地での待ち合わせを断られる
- ・情報登録日から時間が経っている
- ・他の不動産屋の情報と条件が異なる
- ・複数の不動産屋での取り扱いがない
- ・定期借家やシェアハウス
弊社「家AGENT 池袋店」の営業マン30名に、おとり物件の特徴をアンケートしてみました。条件が良すぎたり、内見を断られる物件は特に注意です。
おとり物件を避けるコツも聞いて7つにまとめたので以下で紹介します。
①内見を現地待ち合わせで頼んでみる
広告を出している不動産屋に電話して「現地で待ち合わせて内見したい」と頼んでみてください。もっとも簡単に確かめられる方法です。
「1度来店する必要がある」と来店を急かされたり「管理会社が現地集合を嫌がる」など理由をつけて断られたときは、おとり物件の可能性が高いです。

内見前に来店が必要なケースも稀にある
見たい物件が決まっていても、場合によっては来店を求められます。詳しいアンケートの記入が必要だったり、大家さんと面談が必要な物件などです。
稀なケースなので、現地集合ができない理由に納得できないときは他の不動産屋にも相談してみてください。
おとり物件を使わない不動産屋なら、お店まで行かなくてもできることはTV電話やメールなどで柔軟に対応してくれます。
②広告元とは別の不動産屋に空室か聞く
物件情報の問い合わせ先とは別の不動産屋に、空いているか確認してみましょう。既に申し込みが入っているパターンのおとり物件を見分けられます。
広告を出していない不動産屋でも、空室状況は確かめられます。ほとんどの物件情報は、業者だけが見れるデータベースで共有されているからです。

③家賃相場と比較して安すぎないか見る
家賃が安すぎる物件情報は、おとり物件の疑いがあります。基本的に相場とかけ離れることはないので、住みやすさの面からも避けたほうが良いです。
例えば、一人暮らし向けのマンションが家賃9万ほどのエリアに、似た条件で家賃6~7万の物件があるときは要注意です。
本当に募集していても、自殺や事件があった事故物件や、隣人がクレーマーなどのワケあり物件かもしれません。物件に問題がないか慎重に見極める必要があります。

好条件で長期間募集されている物件は要注意
誰が見ても好条件のお部屋は、検索サイトの情報登録日をチェックしましょう。本当に良い物件は、掲載開始から2~3週間あれば埋まってしまいます。
家賃の安さや初期費用などの条件が魅力的なのに、1ヶ月以上前の登録だったり、何度も見かける物件は避けたほうが良いです。
④物件情報から場所を特定してみる
- ・物件名が書いていない
- ・住所の記載が不十分
- ・物件の写真が極端に少ない
- ・同じ写真を使いまわしている
- ・設備などの詳しい情報が載っていない
おとり物件は、場所を特定できないように情報が不十分なケースが多いです。架空の情報や、大家さんに無断でおとり物件に使っているのがバレるのを防ぐためです。
空室か問い合わせる前に、現地を見てみるのも手です。おとり物件だと「空室なし」の看板があったり、物件情報が「即入居可」なのに人が住んでいたりします。
ただし、新築で住所がまだ決まっていない、大家さんのプライバシーを守るためなど、あえて情報を隠していることもあります。

⑤大家さんとの関係性で見分ける
不動産屋と大家さんの関係性(取引態様) | |
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貸主 | 大家さん本人 |
代理・専任媒介 | 大家さんと関わりが深い代理人 |
仲介元付 | 大家さんから入居者募集を任された人 |
仲介先物 | 仲介元付に物件情報の掲載を任された人 |
物件情報の「取引態様」を見れば、不動産屋と大家さんの関係性がわかります。おとり物件を確実に避けたいなら「貸主」や「代理」の物件を選ぶと良いです。
大家さんや管理会社が直接募集する場合、おとり物件にする意味がありません。物件数は少ないですが「不動産広場」などの直接募集の情報だけを集めたサイトもあります。
「仲介先物」の不動産屋は、実在する人気物件をおとり物件に使っている可能性があります。大家さんと直接の関わりがなくバレにくいからです。

⑥定期借家やシェアハウスでないか見る
家賃が安い「定期借家」や「シェアハウス」はおとり物件として使われやすいです。「更新できる普通の賃貸物件か」を確認すれば見分けられます。
定期借家とは更新がない賃貸契約のことです。契約期間が終わると原則は出ていく必要があります。シェアハウスは、居室以外が共同使用の物件のことです。
広告に記載がない契約条件は来店後に説明して、結局は別の物件を紹介するケースもあるので要注意です。

⑦複数の検索サイトに載っているか見る
1つの検索サイトにしか載っていないときはおとり物件を疑ったほうが良いです。本当に入居者を早く見つけたいお部屋なら、複数のサイトに募集情報が載っているはずです。
また、他社で契約済みなのに掲載され続けていたり、サイトのタイムラグで残っている情報の可能性もあります。
広告元とは別の不動産屋に空室か確かめれば、悪意のないおとり物件も避けられます。

おとり物件に騙された人の体験談
実際におとり物件に引っかかった人の体験談を紹介します。
当サイト「Rooch」が独自に集めたアンケート結果と、Twitterからもリアルな口コミをまとめました。
アンケート回答による体験談



※調査期間:2022年1~3月(1都3県在住の男女50人)
おとり物件に引っかかると、時間を無駄にしてしまうケースが多いです。事前に見分けて釣られないようにするべきです。
頑なに現地集合を断られる場合は、物件が存在していないか、満室の可能性があります。一般的な不動産屋は、現地集合でも柔軟に対応してくれます。
Twitter上のリアルな声
引っ越しで物件探しに不動産屋巡りしたら、おとり物件に3件引っかかったよ。
現地集合拒否してくる。仕方ないから日にち変えて見れますっていうから言ったら昨日埋まっちゃいました。分かって行ってたし一応の物件だったからキレてないけど、そんな優しくないぞワタシとは思った。
— あゆ (@ayu_walk2525) November 29, 2019
おとり物件に遭遇した。
おとり物件とか言ってる人、被害妄想じゃないのかと思ってたけどリアルにあった。(徹底的に裏まで取った)
都市伝説だと思ってたけど本当にあるんだなぁ。。こわ。
— nana (@nana9547) July 31, 2021
ぼく「やっぱ見てみたいんで行きましょうよ~」
不動産「分かりました!車で行きましょう」
出発後不動産「スミマセン今店長から連絡入ったんですけど丁度申込入ったみたいで……」
ぼく「ふざけんな絶対おとり物件だろ(え~タイミング悪いですね~)」— シュガー (@sugar022269) November 23, 2021
おとり物件の認知度が高いこともあり、Twitter上では「問い合わせの段階で気づいた」という人が多かったです。
見分け方を駆使して、時間を無駄にせずに効率良くお部屋を探しましょう。
おとり物件の割合はどのくらい?
大手賃貸サイトの約9%がおとり物件
大手賃貸サイトのおとり物件の調査結果 | |
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調査対象 | おとり物件 |
賃貸物件378件 | 33件(8.7%) |
不動産屋48店舗 | 12店舗(25.0%) |
2022年9月に首都圏不動産公正取引協議会が発表した調査結果によると、スーモやホームズを含む大手賃貸サイトに掲載される物件の約9%がおとり物件でした。
過去にも調査がおこなわれていて、年々減ってはいますがゼロにはなりません。
国が検討している不動産IDルールが始まればおとり物件がなくなる可能性は高いですが、現状は対策が必要です。
現地集合の不動産屋ならおとり物件ナシ
内見前が現地集合の不動産屋なら、おとり物件を回避できます。しかし中には現地集合できない不動産屋もあります。
ネット上の不動産屋「イエプラ」なら、全物件が現地集合可能です。内見前も空室か確かめてくれるので、無駄足にはなりません。
不動産屋しか見れない最新データベース「ATBB」を使っているので、おとり物件の紹介は一切ありません。
チャットは深夜0時まで対応しています。「SUUMOで見つけたこの物件は空いてる?」「6万以下で、確実に内見できる物件を探してほしい!」など、スキマ時間に相談できます!
おとり物件を見つけたときの対処法
サイトの問い合わせフォームから通報する
「ポータルサイト広告適正化部会」の構成会社が運営するこれらの検索サイトでは、おとり物件を問い合わせフォームから通報できます。
掲載サイトは、おとり物件を把握すると掲載を取り下げます。
ペナルティのルールも整備されていて、違反した不動産業者の広告は1ヶ月以上掲載禁止になります。
通報時に必要な情報
- ・氏名
- ・メールアドレス
- ・不動産業者名
- ・物件番号(サイトの詳細画面に記載)
- ・問い合わせた日付
- ・不動産業者とのやり取りの詳細内容
問い合わせた物件情報はスクリーンショットをとって保存しておくと良いです。
おとり物件に騙されたら、泣き寝入りせず通報しておきましょう。将来のおとり物件の減少に繋がります。
公的機関に通報する
- ・各都道府県の不動産部門
- ・消費者庁
1ヶ月程度の広告掲載禁止では甘いと思ったら、各都道府県の不動産部門に連絡してください。違反が悪質だと認められると、業務停止などの重い処分が入ります。
東京都の場合、不動産相談のページで窓口が確認できます。おとり物件を通報したいときは「指導相談担当」に電話します。
不動産屋選びの4つの注意点
- 来店を急かしてこないか
- 店頭の物件広告が色あせていないか
- 違法な看板を出していないか
- 過去に行政処分歴がないか
①来店を急かしてこないか
こちらの話を良く聞かずに来店を急かしてくる不動産屋は避けましょう。おとり物件を使う不動産屋と考え方は同じで、営業スタイルが強引な傾向があります。
良い不動産屋は、こちらの要望や話をしっかり聞いてくれます。強引な不動産屋に主導権を渡すと、不動産屋が契約させたい物件に誘導されてしまいます。
できるだけ電話で問い合わせたほうが良い
- ・話し方や態度がわかる
- ・疑問や質問をその場で聞ける
- ・予約が優先的にとれる
おとり物件かどうか確かめたいときは特に電話がおすすめです。話し方や態度も確かめられるからです。
態度が悪く強引そうだったり「空いてます」と即答されたときは要注意です。通常は空室状況を確かめるため折り返しの対応になります。
また、電話のほうがメールより優先的に対応してもらえます。不動産屋は、接客や電話が落ち着いてからメールを返信するためです。
②店頭の物件広告が色あせていないか
店頭に張り出されている募集広告が、色あせて古い不動産屋は避けたほうが良いです。情報の更新が面倒で放置している可能性があります。
悪意がないおとり物件が発生しやすく、マメな対応はしてもらえません。トラブルや個人情報の流出に巻き込まれるリスクも高いです。
好条件の物件情報が、おとり物件として貼ってあるケースもあります。お店に入って「ちょうど埋まった」などと言われたときは別の店舗に行きましょう。
③違法な看板を出していないか
敷地からはみ出て歩道に立て看板を出したり、電柱に貼り紙(捨て看板)をするのは法律で禁止されています。
路上の違法な看板など、法律を守らない不動産屋はおとり物件を使いがちです。
おとり物件の有無だけでなく、ルール違反の有無で不動産屋のモラルが確かめられます。
④過去に行政処分歴がないか
国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」を見れば、不動産屋が過去に違反行為をしていないか確認できます。
内容にもよりますが、業務停止などの記録があるときはお店に行くか慎重に検討しましょう。ネットの評判も見ておくと良いです。
おとり物件を避けつつお部屋を探す方法
ネット上の不動産屋「イエプラ」は、リアルタイムで情報更新がされる不動産業者専用のデータベース「ATBB」からお部屋を紹介するので、架空の物件は一切ありません。
チャットやLINEから、ほかサイトの気になる物件のURLを送れば、おとり物件かどうかも調べてくれます。
また、内見前日にも最新の空室情報を確認してくれるので、万が一埋まってしまった場合も無駄足になりません。
内見時は現地集合なので、おとり物件に騙されることなくお部屋探し可能です。
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