最終更新:2023年2月2日

「個人事業主だと賃貸審査は難しい?」
「住居用の物件は借りられない?」
個人事業主や自営業でも賃貸は契約できます!弊社「家AGENT」でも審査に通過できたフリーランスは多いです。
ただし、物件の借り方は事前に知っておくべきです。事業内容によっては、一般的な賃貸物件を借りられないからです。
そこで当記事では、個人事業主が賃貸審査に通過するコツや、お部屋を借りるときの注意点について解説します。賃貸以外で開業する方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。
個人事業主が賃貸を借りるときは契約方法を確認すべき
賃貸は住居用と事業用で契約方法が異なる
住居用 |
・住むためだけに借りるお部屋 ・個人契約として進める |
---|---|
事業用 |
・事業目的で使うお部屋 ・個人事業用契約として進める |
個人事業主が賃貸を借りるとき、住居用(居住用)か事業用どちらで契約するか決める必要があります。
住居用は、住むためだけにお部屋を借りる場合の契約方法です。本人が契約者になる個人契約で進めます。
事業用は、お部屋を事業目的で使う場合の契約方法です。居住用と同様に本人で契約するので「事業用個人契約」と呼ばれています。
物件を会社のオフィスや店舗として使う場合は「事業用」として契約する必要があります。
「自宅兼事務所」として借りられる物件は少ない
全体の物件数 | 事務所利用可 | 割合 | |
---|---|---|---|
1LDK | 13,287件 | 760件 | 5.7% |
2LDK | 4,020件 | 254件 | 6.3% |
※2022年12月2日時点
住居用で募集されている物件のうち、自宅兼事務所として使える物件は非常に少ないです。都内23区内で見ると全体の約5%しかありません。
図面などに「SOHO利用可」と書いてある物件は、自宅兼事務所として借りられます。ただし、仕事内容によっては「事業用」として借りる必要があります。
お部屋を事務所にしないなら住居用で問題ない
お部屋に事務所を置かないなら住居用の物件で問題ありません。「不特定多数の出入りがない」「自宅のPCだけで仕事をする」という人などです。
一般的な個人契約で進められるので、選べる物件数は豊富です。
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個人事業主の賃貸審査は難易度が高い
- ・収入が不安定と扱われやすい
- ・必要書類が多い
- ・連帯保証人がほぼ必須
- ・セキュリティ面に問題が出る
- ・大家さんの税金額が増える
- ・様々な法律に引っかかる可能性がある
- ・退去費用トラブルを心配される
収入が不安定と判断されやすい
基本的に個人事業主の入居審査は厳しめです。毎月の売上に波があり、収入が不安定だと判断されやすいからです。
入居審査では家賃の支払い能力を重視します。個人事業主は所得以外に、事業の規模や事業歴なども含めて支払い能力をチェックされます。
高収入でも、社会的な信用度はやや低いです。事業用の借り入れなど、返済中のものがあるとより厳しく審査されます。
必要書類が多い
一般的な正社員 | 個人事業主 |
---|---|
・本人確認書類 ・昨年度の源泉徴収票 ・現住所の住民票 ・印鑑登録証明書 ・印鑑(認印か実印) ・通帳と銀行印 |
・本人確認書類 ・3期分の確定申告書 ・昨年度の課税証明書 ・預金通帳の写し ・事業内容が分かるもの ・現住所の住民票 ・印鑑登録証明書 ・印鑑(認印か実印) ・通帳と銀行印 |
審査~契約までに必要な書類や持ち物をまとめました。一般的な正社員と比べて、個人事業主は必要書類が多いです。特に収入証明書は2、3種類出さなければいけません。
正社員なら源泉徴収票か給与明細で済みます。個人事業主は、3期分の確定申告書や課税証明書、預金通帳の写しなどが必要です。
経理関係を第三者に委託していると、すぐ用意できないケースが多いです。書類集めに時間がかかり、不動産屋に迷惑をかけやすいです。
連帯保証人がほぼ必須
連帯保証人とは、家賃滞納が発生したとき代わりに払ってもらう人のことです。会社勤めなら、連帯保証人の役割をしてくれる「保証会社」の審査に通ればお部屋を借りられます。
個人事業主だと、収入の不安定さから保証会社の審査に落ちやすいです。両親や兄弟といった、2~3親等以内の親族に連帯保証人を頼まなければいけません。
連帯保証人の必要書類もある
- ・本人確認書類のコピー
- ・実印
- ・印鑑登録証明書
- ・収入証明書のコピー など
連帯保証人に用意してもらう書類や持ち物をまとめました。契約書には実印で署名捺印してもらうので、印鑑登録証明書が必須です。
遠方に住んでいるなら郵送対応が可能です。必要書類は事前に伝えておいてください。
セキュリティ面に問題が出る
個人事業主の申し込みを受けた大家さんは、物件内のセキュリティ面を心配します。「入居者以外の人物が出入りするのでは」と考えるからです。
お部屋を仕事で使う場合、来客の有無や頻度を具体的に説明しなければいけません。人の出入りがある事業内容ほど審査は厳しいです。
大家さんの税金額が増える
「住居用」の物件なら、大家さんは固定資産税などの優遇措置を受けられます。家賃収入については消費税を免除されます。
しかし「事業用」で契約すると優遇を受けられず、税負担が増えてしまいます。大家さんの家賃収入が1,000万円を超えたら、消費税も払う必要が出てきます。

様々な法律に引っかかる可能性がある
- ・建築基準法
- ・消防法 など
建築基準法では「用途地域」が定められていて、エリアごとにおこなっても良い事業内容が決まっています。
お部屋を店舗や事務所として使う場合、用途地域のルールに違反する可能性があります。
また、消防法で定められているルールは、住居用よりも事業用のほうが厳しいです。条件をクリアするには、防火管理者を置いたり消防計画を作成する手間がかかります。
退去費用トラブルを心配される
お部屋を事務所として使いたい入居者がいたとき、大家さんは退去費用トラブルを心配します。修繕費が高額になって、入居者と揉めやすいからです。
入居者は、退去時にお部屋を元通りにする義務(原状回復義務)があります。内装や設備を変更するとき、原状回復にかかる費用はすべて入居者負担です。
そもそも室内を改装したい場合、事前に大家さんの許可が必要です。工事内容によっては、お断りされるケースもあります。
個人事業主で賃貸審査に落ちる人は?
個人事業主で審査に落ちる人の特徴
- ・事業を始めて間もない
- ・保証会社が利用できない
- ・節税対策で収入証明書の金額が低い
- ・確定申告していない
事業歴が1年経っていない個人事業主は、収入の安定性を判断できないため審査に不利です。
保証会社を利用できない人は、申し込み自体できない可能性が高いです。ほとんどの大家さんが「保証会社必須」という条件で、物件を募集しているからです。
紹介した通り、入居審査では所得から家賃の支払い能力をチェックされます。節税対策のために、所得を少なく申告している人は審査に落ちやすいです。

個人事業主のお部屋探しならプロの不動産屋に相談する
個人事業主やフリーランスで物件を借りるなら、不動産屋にサポートしてもらう方法が手っ取り早いです。入居審査に関する不安や、契約に関する疑問をすぐに解消してくれます。
ネット上の不動産屋「イエプラ」は、経験豊富なスタッフが多数在籍しており、個人事業主でも審査に通してきた実績があります。
LINEやチャットから「事務所利用しないのになかなか審査に通らない」「自営業でも借りられる物件は?」など、アレコレ相談できます。
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個人事業主が賃貸審査に通る5つのコツ
- 家賃を可能な限り抑える
- 個人事業を始めて2年目以降に引っ越す
- 預貯金の残高を示す
- 事務所やSOHO利用可の物件を選ぶ
- 審査が甘い保証会社の物件に絞る
①家賃を可能な限り抑える
年間所得の理想 | 月の所得の理想 | |
---|---|---|
家賃5万円 | 240~300万円 | 20~25万円 |
家賃6万円 | 288~360万円 | 24~30万円 |
家賃7万円 | 336~420万円 | 28~35万円 |
家賃8万円 | 384~480万円 | 32~40万円 |
家賃9万円 | 432~540万円 | 36~45万円 |
家賃10万円 | 480~600万円 | 40~50万円 |
家賃11万円 | 528~660万円 | 44~55万円 |
家賃12万円 | 576~720万円 | 48~60万円 |
個人事業主で審査するとき、家賃は「所得の20~25%」まで抑えてください。家賃に対して表の金額以上の所得があれば、支払い能力を認められやすいです。
家賃の一部を経費計上する場合でも、目安は変えないほうが良いです。あくまでも収入証明書の金額を見て、家賃が払えるかどうかチェックされるからです。
個人事業主は経費や個人事業税など差し引く費用が多いので、可能な限り家賃を抑えて探すべきです。
②個人事業を始めて2年目以降に引っ越す
個人事業を始めて2年目以降だと審査の通過率が上がります。事業が軌道に乗っている状況を示せるからです。3年以上の実績があるとさらに有利です。
お部屋ごとに大家さんが異なるため、事業歴が浅くても審査を受け付けてもらえる可能性はあります。2年未満の個人事業主は、1度不動産屋に相談してみてください。
③預貯金の残高を示す
審査に通る預金残高の目安 | |
---|---|
家賃5万円 | 約120万円 |
家賃6万円 | 約144万円 |
家賃7万円 | 約168万円 |
家賃8万円 | 約192万円 |
家賃9万円 | 約216万円 |
家賃10万円 | 約240万円 |
家賃11万円 | 約264万円 |
家賃12万円 | 約288万円 |
お部屋によっては、預金残高で審査する「残高審査」が可能です。目安として家賃2年分の貯金があるなら、職業を問わずお部屋を借りる手段があります。
通常の審査で借りられるお部屋が見つからない人は、残高審査に対応した物件を紹介してもらってください。

④事務所やSOHO利用可の物件を選ぶ
収入面に問題がなければ、事務所やSOHO利用可の物件を選ぶのがもっともスムーズです。
自宅兼事務所の賃貸物件を借りるコツは、大家さんの不安材料を事前に解決することです。「自分以外の出入りは少ない」「外部向けの住所にしない」などと伝えましょう。

⑤審査が甘い保証会社の物件に絞る
- ・フォーシーズ株式会社
- ・日本セーフティー株式会社
- ・株式会社Casa(カーサ)
- ・日本賃貸保証株式会社(JID)
- ・株式会社フェアー信用保証
- ・株式会社ラクーンレント
- ・ハウスリーブ株式会社
- ・株式会社前田(エムぞう君)
- ・プラザ賃貸管理保証株式会社
- ・株式会社ダ カーポ
- ・株式会社オーロラ
- ・株式会社CAPCO AGENCY(れんぽっぽ)
個人事業主なら、保証会社の難易度が低いところで審査しましょう。フォーシーズを始めとした「独立系」の保証会社がおすすめです。
借金歴などの信用情報や、他社での滞納歴を調査されないので、個人信用情報に傷がある人でも使いやすいです。
お部屋の使い方について許可がもらえている状態で、保証会社の審査に通過できればほぼ貸してもらえます。審査がゆるい保証会社ランキングは、次の記事で解説しています。
個人自営業が賃貸を借りるときの注意点
- ・社名を表示するときは事前に許可をもらう
- ・事業によってはSOHO可でも断られる場合がある
- ・住居用の物件なら事業をおこなわない
社名を表示するときは事前に許可をもらう
- ・集合ポストなどに屋号や社名を表示する
- ・開業届の住所にする
- ・事務所として商業登記する
個人事業主であれば、申し込み段階で確認すべき項目がいくつかあります。建物内に屋号を表示させたいときや、開業届に物件住所を記載したい場合です。
大家さんの許可が出ないと、そもそも申し込みを受け付けてもらえません。商業登記したい人は、最初から「事業用」物件を探したほうが手っ取り早いです。
事業によってはSOHO可でも断られる場合がある
募集図面に「SOHO可」と書かれていても、事業内容によっては入居を断られるケースがあります。不特定多数の人物が出入りするような事業はNGです。
SOHO可とはいえ、物件は住居用として契約します。事業メインで使う場合は大家さんの許可が下りないので注意です。
住居用の物件なら事業をおこなわない
大家さんから許可を得て住居用物件を契約するなら、お部屋で事業をおこなわないよう徹底してください。勝手に事務所や店舗として使うと契約違反に該当します。
強制退去させられる恐れがありますし、違約金が最大6ヶ月かかる物件も存在します。決められたルール内で生活してください。

個人事業主が賃貸以外で開業する方法3選
- バーチャルオフィスを借りる
- レンタルオフィスを借りる
- シェアオフィスを借りる
バーチャルオフィスを借りる
バーチャルオフィスは、事業に必要な住所を貸し出しています。賃貸物件ではほぼ不可能な法人登記ができるようになります。
なかには会議室のレンタルができる会社もあり、在宅での仕事でも安心して続けられます。
都内で利用するとき、料金は月額で1~5千円です。青山や六本木など、見栄えの良い住所ほど料金は高いです。

レンタルオフィスを借りる
- ・デスク
- ・チェア
- ・キャビネット
- ・インターネット回線 など
レンタルオフィスとは、業務に必要なスペースや諸設備を借りられるオフィスです。デスクや通信関係の環境が整っているので、本格的な事務所を借りなくても事業が始められます。
自宅兼事務所が借りられなかった人や、自分専用の個室が必要な人におすすめの方法です。
都内だと料金は月額3~5万円です。個室の広さやエリア、付随したサービスに応じて料金が変動しやすいです。

シェアオフィスを借りる
シェアオフィスとは、1つのオフィスを複数の企業や個人で共有するオフィスです。コワーキングスペースとも呼ばれています。
「仕事ができるスペースはほしいが個室まではいらない」という人に向いています。
都内で探すと、料金は月額1~3万円ほどです。レンタルオフィスと同様、住所利用や法人登記ができないことが多いので注意です。
個人事業主が賃貸を借りるときのよくある質問
個人事業主と自営業の違いは?
大きな違いはありません。
個人事業主 | 税務上の区分のこと |
---|---|
自営業 | 自ら独立して個人で事業を営む働き方 |
どちらも「会社に属さず独立して自分で事業を営む人」のことです。
「個人事業主」という言葉は、税務署などの書類上でよく使われています。「自営業」は働き方そのものを指しています。
個人事業主でも住居用の賃貸に住める?
住めます。
お部屋に事務所を置かないなら住居用の物件で問題ありません。「不特定多数の出入りがない」「自宅のPCだけで仕事をする」という人などです。
物件を事務所や店舗として使う場合は「事業用」で契約します。住居用のお部屋は借りられないことが多いです。
個人事業主1年目だと賃貸契約できない?
契約できない可能性が高いです。
1年目だと収入の安定性を判断できず、審査に落ちやすいです。個人事業主の場合、基本的に3期分の所得で安定性を確認します。
物件によっては、2年間の所得で見てくれるところもあります。
赤字の個人事業主は賃貸審査できない?
直近の3期のうち、赤字が1期だけなら審査してもらえる可能性があります。
家賃の支払い能力を判断するとき、個人事業主は3期分の所得を平均した金額で審査されます。
赤字が1期だけなら、平均すれば黒字になる可能性があります。物件数は多くないですが、審査を受け付けてくれるところはあります。
個人事業主の賃貸契約の必要書類は?
契約者と連帯保証人の必要書類は次の通りです。
- ・本人確認書類
- ・3期分の確定申告書
- ・昨年度の課税証明書
- ・預金通帳の写し
- ・事業内容が分かるもの
- ・現住所の住民票
- ・印鑑登録証明書
- ・印鑑(認印か実印)
- ・通帳と銀行印
- ・本人確認書類のコピー
- ・実印
- ・印鑑登録証明書
- ・収入証明書のコピー など
一般的な正社員と比べて、個人事業主の必要書類は多いです。特に収入を証明する書類を複数用意しなければいけません。
保証会社の審査に通らない場合、連帯保証人を付けます。保証人の必要書類も平行して準備しておきます。
個人事業主が審査に落ちた際の対処法は?
「代理契約」で進める方法もあります。
代理契約とは、入居者ではない人に契約してもらう方法です。連帯保証人を付けてもダメなら、他人の名義で物件を借りるのも手です。
代わりに契約してもらえるのは、2~3親等以内の親族です。家賃の36倍以上の収入がある人が好ましいです。
代理契約のやり方はこちらの記事で解説しています。なかなか審査に通らない人はぜひ参考にしてください。
個人事業主は借りている賃貸の住所で開業届を出しても良い?
事前に大家さんの許可が必要です。
大家さんが住居用でお部屋を貸していたら許可が下りにくいです。住むためだけの目的でお部屋を貸したいからです。
借りた賃貸で開業届を出したいなら「事業用」で募集されている物件を探してください。
個人事業主が借りた賃貸の家賃は経費として計上できる?
事業用として借りているなら全額計上できます。
自宅兼事務所なら、事業のために使っているスペース分の家賃を計上できます。
家賃10万円のお部屋で、専有面積50㎡のうち25㎡を仕事用で使っているなら、計上できる家賃は5万円です。
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