「マンションとアパートの防音性の違いは?」
「建物の構造で騒音はどのくらい違う?」
最近のアパートはマンションのように設備が充実しています。宅配ボックスや浴室乾燥など、マンションだと予算が厳しくて諦めがちな設備が揃っていて住みやすそうですよね!
しかし、アパートは「騒音が響く」「音漏れがひどい」といったネガティブな評判が多いのも事実です…。内見などで慎重に見極めないと、引っ越してから後悔しやすいです。
そこで当記事では、マンションとアパートの防音性の違いや、内見で音漏れする物件を見分けるポイントなどを解説しています。ぜひ参考にしてください。
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不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
マンションとアパートの防音性の違いは?
建物構造が違うため防音性に差が出る
マンション | アパート | |
---|---|---|
建物構造 | 鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 | 木造(W造)、鉄骨造(S造) |
階数 | 4階より高い | 3階より低い |
家賃 | アパートより高め | マンションより安め |
マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造、アパートは木造や鉄骨造の物件が多いです。あくまで一般的な区別で、マンションとアパートに明確な定義はありません。
マンションはアパートより壁や床が厚く、気密性に優れていて防音性が高いです。木造や鉄骨造のアパートは通気性が高く、基本的に音漏れしやすいです。
ただし、騒音が気になるかどうかは建築材料や立地によって変わります。防音性の高さの見極め方は後ほど解説します。
通気性が良い構造ほど騒音が気になる
騒音の伝わり方 | |
---|---|
空気伝搬音 | 空気が振動して伝わってくる騒音。隣室の話し声や外部騒音など |
個体伝搬音 | 建物が振動して伝わってくる騒音。上階からの足音や電車の振動など |
騒音は主に2種類あり、隣のお部屋の生活音や外からのサイレン音などは空気を通して伝わってきます。
アパートは通気性が高い構造なうえに、築年数が経つとすき間が広がって空気伝搬音が響きやすいです。車や電車、工事などの振動音も、木造や鉄骨造のアパートだとかなり響きます。
主要部分がコンクリートでしっかりしたマンションは、空気伝搬音と個体伝搬音どちらの騒音も防ぎやすいです。
防音性の高さが気になるならマンションがおすすめ
遮音等級 | 建物構造 | 音の聞こえ方 |
---|---|---|
L-75 | 木造 | 隣室のテレビや電話の音など、生活音がかなり聞こえる |
L-70 | - | L-75よりマシなレベルで大差はあまりない |
L-65 | 軽量鉄骨造 | 多少音量が軽減されるが、生活音はほとんど聞こえる |
L-60 | 重量鉄骨造 | 足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえる |
L-55 | - | 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない |
L-50 | RC造 | 子どもの泣き声や走り回る音は聞こえる |
L-45 | - | 子どもの泣き声や走り回る音は少し聞こえる |
L-40 | SRC造 | 防音性が高く外からの音も軽減されている |
L-35 | - | 日常生活で気になるような音はほとんど聞こえてこない |
表は建物構造ごとに床の遮音性能を示したものです。マンションに多い鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、防音性が木造や鉄骨造より大幅に高いです。
コンクリートのマンションはお部屋同士を仕切る壁が18~20cmあり、両隣からの生活音も軽減できます。
アパートは壁が10~15cmほどの物件が多く、生活音が響いてきやすいです。防音性が気になるなら、最初からマンションに絞って探してもらったほうが無難です。
アパートの防音性は壁や床などの素材による差が大きい
壁の厚さや工夫によっては防音性が高い
アパートでも壁にしっかり断熱材が入っていたり、遮音シートを貼るなど工夫がされていて静かに暮らせる物件が存在します。
ただ、建築コストがかかっているぶんアパートでも家賃が高めです。同じ予算でマンションを借りられないか慎重に考えたほうが良いです。
主要部分がコンクリートのマンションでも、お部屋とお部屋を仕切る壁が薄い石膏ボードのみなら騒音は気になりやすいです。
築浅物件は遮音性が高い床が使われているケースが多い
アパートを選ぶなら、築10年以内を目安に新しい物件にしましょう。防音性の高い建築素材が使われていることが多いからです。
例えば、大東建託のアパートは2011年6月から遮音性が高い「ノイズレスフロア」を導入しています。その後も高遮音階段などを取り入れて防音性が高められています。
積水ハウスのアパートは、2010年9月以降に高遮音床システム「シャイド」を導入しています。築年数が古いとハウスメーカーに関わらず防音性が低い物件が多いです。
配管の防音性を高めている物件がある
アパートによっては、防音性を高めた配管を使っていて水が流れる音を抑えています。大東建託やレオパレスの「防音排水管」などです。
防音性が高めてあっても入居後に騒音が気になってしまうケースはあります。水の音のように入居前に確かめるのが難しかったり、音の感じ方が人によって違うからです。
不動産屋にはできるだけ詳しく物件自体の防音性について質問しておくと良いです。その後は必ず内見をして、音の聞こえ方を自分の感覚で確かめましょう。
賃貸物件の構造は予算に応じて選ぶと良い
- 木造は防音性が低いが家賃が安い
- 軽量鉄骨造の防音性は木造より多少マシ
- RC造は防音性が高くて安い物件がある
- SRC造は防音性が高いが家賃も高い
①木造は防音性が低いが家賃が安い
木造アパートの防音性は、建物構造別に見るともっとも低いです。通気性が高い、壁が薄い、振動が伝わりやすいなどの理由があります。
家賃が安いので予算を限界まで抑えたい人には向いています。同じ広さのマンションと比べて家賃を1万円以上抑えられることが多いです。
古くても築20年以内で探したほうが良いです。2000年より前に建てられた木造アパートには、地震や火事などの災害への耐久力に心配が残るためです。
②軽量鉄骨造の防音性は木造より多少マシ
軽量鉄骨造の防音性は木造より多少マシな程度です。骨組み以外は木造と同じようなアパートが多いためです。
家賃は木造よりやや高いですが、マンションと比べると安く借りられます。木造や軽量鉄骨造のアパートは、管理費(共益費)が安いのも魅力です。
骨組みが鉄でできているため、シロアリなどの害虫に強いメリットがあります。鉄骨に厚みがある「重量鉄骨造」は壁が厚い場合が多く防音性が比較的高いです。
③RC造は防音性が高くて安い物件がある
RC造は防音性が高く、騒音が心配な人にもっともおすすめです。気密性が高く、衝撃音と空気を伝わってくる音どちらも防げます。
家賃は比較的高めですが、立地や階数、駅からの徒歩距離などの条件を緩めれば、好立地のアパートと同じくらいの安く借りられるマンションがあります。
耐久力にも安心感があり、目安として築40年以内で探せば現行の耐震基準で建てられています。耐震基準とは、地震に対する強さの指標のことです。
④SRC造は防音性が高いが家賃も高い
SRC造とは、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた建物構造です。RC造との防音性に極端な違いはありません。
物件を検索するときは、SRCに絞らずRC造も含めて探したほうが良いです。SRC造に絞って探すとヒットする数が少なく、家賃が高いです。
予算に余裕がある人はSRCの物件を候補に入れてみてください。内見で防音性を実感して即決する人もいます。
内見時に防音性を見極める7つのポイント【不動産屋に聞いてみた】
- 壁の厚さが十分か確かめる
- 隣のお部屋の間取りをチェックする
- 過去に騒音トラブルがないか
- 両隣と上下階にどんな人が住んでいるか
- ゴミ捨て場や駐車場が近くにないか
- 共用部分が散らかっていないか
- 周辺に騒音が出る施設がないか
弊社「家AGENT 池袋店」の営業マン30名に、内見時に防音性を見極めるポイントを聞いてみました。
中でも意見が多かった7つの方法を紹介します。実際の経験に基づいたアドバイスなので、ぜひ参考にしてください。
①壁の厚さが十分か確かめる
- ・壁をノックする
- ・お部屋の中心で手を叩く
- ・壁に耳を当ててみる
- ・同行スタッフに協力してもらって確かめる
- ・隣のお部屋との距離を確認する
- ・不動産屋に壁の厚さを確認してもらう
ノックして軽い音がするお部屋は壁が薄い可能性が高いです。壁に十分な厚さがあればゴツゴツと詰まった音がします。
お部屋の中心で手を叩いたり、声を出してみるのもおすすめの方法です。防音性が高いお部屋では反響音が大きく返ってきます。
ドアや窓を閉め切って外から聞こえてくる音も確かめましょう。同行するスタッフに共用部分を歩いてもらうと足音の響き方を確認しやすいです。
②隣のお部屋の間取りをチェックする
図のように隣のお部屋と生活スペースが離れていれば、壁が薄くても生活音が気になりにくいです。
不動産屋に質問すれば、隣のお部屋との位置関係がわかる資料を取り寄せてもらえます。資料がない物件は隣とのドアの距離を外から見ると間取りや壁の厚さを推測できます。
③過去に騒音トラブルがないか
過去に騒音トラブルがあったかどうかを、前の住人が退去した理由とあわせて不動産屋に質問しておきましょう。
騒音トラブルがあったときは教えてもらえることが多いです。大家さんは同じようなトラブルが起きるのを避けたいためです。
④両隣と上下階にどんな人が住んでいるか
騒音が気になるかどうかは、物件自体の防音性だけでなく両隣と上下階に住んでいる人次第で変わります。
生活リズムが正反対の住人がいたり、子どもが住んでると防音性が高い建物構造でも騒音が気になりやすいです。
⑤ゴミ捨て場や駐車場が近くにないか
ゴミ捨て場や駐車場の近くにあるお部屋は、住人の行き来が多く足音やエンジン音が気になりやすいです。
音の他にも夏場はニオイや虫が気になる場合があります。内見のときはお部屋に集中しがちなので、外も必ずチェックしましょう。
⑥共用部分が散らかっていないか
共用ポストの周りやゴミ捨て場などが散らかっている場合、入居マナーが良くない人が住んでいる可能性が高いです。
防音性が高いマンションでも、入居マナーが守られていないと騒音が気になったり、神経質な住人がいると自分が出す音にクレームが入るので要注意です。
⑦周辺に騒音が出る施設がないか
- ・線路や道路に面している
- ・繁華街の近く
- ・保育、教育施設の近く
- ・近くに救急病院がある
- ・飛行機が近くを飛ぶ
- ・工場や自動車整備工場の近く など
Googleマップなども見て、周辺に大きな音が出る施設がないかチェックしておきましょう。電車や車など、振動を伴う音は人によっては耐えられません。
驚きやすい人は警察や救急病院の近くに住むのは避けたほうが良いです。サイレン音は時間帯を問わず突然鳴ります。
マンションとアパートの騒音トラブル事例3選
- アパートに入居してうるさくて後悔した
- アパートで生活音は普通に聞こえる
- マンションを選んだのに騒音が気になる
①アパートに入居してうるさくて後悔した
コンクリートのマンションに住んでいた人は、アパートに引っ越すと騒音に耐えられないことが多いです。
最近はマンションと見た目や設備に差がないアパートも多いです。新しさやキレイさだけで決めずに、防音性までしっかり確かめましょう。
②アパートで生活音は普通に聞こえる
寝ている時間に静かかどうかが重要です。アパートでも、上下左右の住人と生活リズムに大きな差がなければ生活音は気になりにくいです。
郊外で住宅が密集していないエリアや、駅から15分以上離れた閑静な住宅街には、静かで住みやすいアパートが見つかりやすいです。
静かなアパートは、自分が出す音には特に気を付ける必要があります。物件自体の防音性が高くないので、気付かないうちに下の階や両隣の住人に迷惑をかけているかもしれません。
③マンションを選んだのに騒音が気になる
騒音が気になるマンションもあるので、内見でのチェックが大切です。コンクリートで物件自体の防音性が高くても、電車や車の振動はなかなか防げません。
物件自体の防音性が高いときは、周辺環境を念入りに確かめましょう。周辺に大きな音が出る施設がなければ、多くのRC造・SRC造のマンションで騒音は大して気になりません。
マンションやアパートの防音性は自分でもある程度高められる
- 騒音がうるさい壁側に家具を置く
- 隙間テープで窓やドアの隙間を埋める
- 防音カーテンに変更する
- 窓に防音シートを貼る
- 厚手のカーペットや防音マットを敷く
①騒音がうるさい壁側に家具を置く
隣のお部屋からの生活音が気になる場合、タンスや本棚などの家具は騒音がする側に配置しましょう。市販の防音対策グッズなどを買わなくても対処できる方法です。
壁から1cmほど離して置くと効果が大きいです。家具と壁の間に空気の層ができるため振動が軽減されます。
防音対策グッズを購入するなら、市販の吸音パネルを壁に貼ると騒音が抑えられます。退去時には撤去が必要なので跡が残らないように設置してください。
②隙間テープで窓やドアの隙間を埋める
外からの音が気になるときは、窓枠やドアの隙間が広がっている可能性が高いです。築年数の経った木造や鉄骨造のアパートによくある状態です。
窓枠に隙間がある場合は、市販の隙間テープで埋めると低コストで防音性を上げられます。ドアの建て付けが悪くなっているときは管理会社に相談してください。
隙間から風が入ってくると、冷暖房の効率が落ちて電気代がかさみます。光熱費が高いと、アパートで家賃を抑えても結局は毎月の出費が多くなってしまいます。
③防音カーテンに変更する
防音性が高めてあるカーテンを使えば、外からの騒音が抑えられます。注意点として、車や電車など、振動が原因の騒音はあまりカットできません。
商品ごとに性能の差が大きいので、購入する前に商品説明にしっかり目を通しておきましょう。どんな騒音に効果があるのかも記載されているケースが多いです。
④窓に防音シートを貼る
一般的な窓ガラスで外からの防音性が低い場合、透明の防音シートを貼れば騒音が軽減できます。防音カーテンと一緒に使うのがおすすめです。
内見時は窓が内側にもう1つある「二重サッシ」や、2枚以上のガラスを組み合わせた「複層ガラス」か見ておくと良いです。外との隔たりが増えるぶん防音効果が高いです。
⑤厚手のカーペットや防音マットを敷く
2階以上に住む人は自分の足音にも気を付ける必要があります。厚手のカーペットや防音マットを敷いて、スリッパやルームシューズを履けばかなり軽減できます。
アパートでの「かかと歩き」は禁物です。床の防音性に限度があり、振動を伴う音は下の階に響きやすいです。
上階からの足音がうるさいときは、管理会社に相談してみてください。上階の入居者に、トラブルにならないように注意してもらえます。
マンションとアパートの違いに関するよくあるQ&A
アパートとマンションどっちが良い?
予算と譲れない条件次第で変わります。
予算に余裕があるならマンションを選ぶべきです。ただ「譲れない条件があるのにマンションだと予算が足りない」といった状況が多いと思います。
優先順位が低い希望条件から徐々に緩めていくと、予算内で理想に近いマンションが見つかりやすいです。予算が譲れないなら、アパートも候補に入れて探してください。
アパートとマンションはどっちが防音性が高い?
アパートよりマンションのほうが物件自体の防音性は高いです。
コンクリート造のマンションのほうが、物件自体の防音性は高いです。マンションよりお金をかけて防音性を高めてあるアパートは、あるとしても稀です。
騒音トラブルはどんな物件でも起きるリスクがあります。物件が建っている場所や住んでいる人が異なるからです。内見で可能な限り事前に確かめましょう。
アパートが向いている人の特徴は?
家賃や初期費用を限界まで抑えたい人に向いています。
アパートの最大のメリットは家賃の安さです。家賃が安ければ敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用も抑えられます。
安さだけで決めると後悔するケースがあります。初期費用を抑えれば安く借りられるマンションもあるので、以下の記事も参考にお部屋を探してみてください。
マンションが向いている人の特徴は?
家で静かに快適に生活したい人に向いています。
マンションは防音性の他、セキュリティや防災性も高い物件が多いです。室内にも浴室乾燥などの便利な設備が充実していて、アパートより静かに快適に生活できます。
もちろん物件による違いはあります。マンションでも外壁や配管が経年劣化していたり、手抜き工事などで住みづらい物件もあります。借りる前に見極めは必須です。
楽器を練習したいときはアパートとマンションどっちを選ぶべき?
アパートとマンションどちらでも「楽器可」の物件を選びましょう。
一般的な賃貸物件は、騒音トラブル防止のため楽器演奏が原則NGです。音を出して楽器の練習がしたいなら、防音マンションや防音室付きのアパートを借りるべきです。
良い防音物件がないときは、エレキギターなどの電子楽器ならヘッドフォンを付ける、音楽スタジオで練習するなど工夫してください。
ペットを飼いたいときはアパートとマンションどっちを選ぶべき?
アパートとマンションどちらでも「ペット可」の物件を選びましょう。
ペットを飼いたいときは、ペット可の物件に絞って探しましょう。鳴くペットを飼える物件のほとんどはマンションです。
退去時の修繕費に備えて、敷金を1ヶ月プラスする契約内容が多いです。入居中にペットがお部屋を傷つけたり、ニオイが残る可能性が高いためです。
- 一都三県ほぼ全ての物件を用意
- 早朝から深夜まで相談可能
- ネットにない物件をタイムリーに紹介
スミカは、不動産屋に行かずにLINEで賃貸物件を探せるサービスです。いつも使っているLINEで気軽に部屋探しできる、完全無料のサービスです。
一都三県の全域に対応していて、業者専用のデータベースからダイレクトに物件を紹介してくれます。SUUMOやホームズで見かけたお部屋はもちろん、希望条件に合った新着物件の速報ももらえます。
また、AIではなくスタッフが丁寧に対応しているのも大きな特徴です。的外れな案内がないため、ストレスフリーと評判が良いです。夜間も営業しているので、昼間は忙しい人も、寝る前の数分を使ってお部屋を探してみましょう!
対応エリアは一都三県のみ