
「賃貸保証会社はなぜ必要?」
「保証会社必須でも外す方法はある?」
賃貸保証会社は、保証人が立てられないときは強い味方です。入居希望者は借りやすく、大家さん側は貸しやすくできます。
しかし、加入を法律で義務付けられているわけではありません。加入せずに借りられる方法も知っておかないと、費用を損してしまう場合があります…。
そこで当記事では、賃貸保証会社に入らず借りられる物件の種類や探し方をわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください!
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。お金に関する知識を活かし、一人暮らしからファミリー世帯まで幅広い世帯の生活費を算出しています。宅建士の資格も取得しており、お客様の収入に見合った家賃を提案するなど、生活設計についてのトータルサポートをおこなっています。
賃貸保証会社に入らなくてもお部屋は借りられる
- 連帯保証人のみで借りられる物件
- 保証会社・保証人不要の物件
- UR賃貸
そもそも賃貸保証会社とは?
賃貸保証会社とは、家賃滞納があったときに立て替えるサービスを提供する会社です。滞納を心配せず貸し出せるので、大家さんにとっては使うメリットが大きいです。
使わなくても借りられる物件を選べば、初期費用が家賃の0.5~1ヶ月分は抑えられます。更新保証料もかかりません。

①連帯保証人のみで借りられる物件
連帯保証人のみで借りられる物件は、募集情報などの備考に「保証会社利用可」「利用の場合は保証料借主負担」など、利用が任意のニュアンスで書かれます。
連帯保証人を立てる場合、入居希望者と同様に支払い能力の審査があります。審査に通る目安は入居希望者と同じで「家賃の36倍の年収」が必要です。
収入などの審査基準を満たせないと、保証会社の利用を求められます。物件によっては、保証会社と連帯保証人の両方を求められるケースもあります。

民法改正で保証会社のニーズが増えている
2020年4月の民法改正で、連帯保証人の極度額(責任の上限)を定めるルールができました。連帯保証人を守るための法改正ですが、結果的に保証会社のニーズが増えています。
契約内容を調整する手間がかかるため、一律で保証会社必須としている管理会社も多いです。
保証会社を使わず申し込めても、入居審査では支払い能力を厳しくチェックされます。審査に通るかまで考えてお部屋を探しましょう。
②保証会社・保証人不要の物件
保証会社・保証人不要の物件は、いわゆる「自社管理物件」に多いです。「ビレッジハウス」や「大和リビング」など、物件の管理や建設をしている不動産屋が取り扱っています。
滞納リスクに備えるため、1~2年内の短期解約に違約金があったり、入居審査が厳しい場合があります。

③UR賃貸
UR賃貸は、独立行政法人の「UR都市機構」が運営する公的な物件です。いわゆる「団地」の賃貸物件です。
保証会社と保証人どちらも不要ですが、申し込みの条件が厳しいです。全体的に家賃が高めの物件が多く、家賃の4倍の平均月収が必要です。
築年数が古い物件が多かったり、交通アクセスが良くない物件も多いです。デメリットを知ったうえで、メリットが上回る人は検討してみてください。
UR賃貸は加盟店なら街の不動産屋でも探せる
当サイトが運営するネット上の不動産屋「イエプラ」は、UR賃貸の加盟店です。団地と普通の賃貸を比べながらお部屋探しが可能です。
業者専用のデータベース「ATBB」を使用しているので、保証会社不要の物件に絞っての紹介もしてもらえます。
来店不要でチャットやLINEでやりとりをするので、気になっているけど不動産屋に行くのが怖いなど不安な人でも利用しやすいです。
賃貸保証会社が不要な物件をネットで探す方法3選
- ポータルサイトでフリーワード検索
- UR賃貸は営業センターに問い合わせる
- 不動産屋に探してもらう
①ポータルサイトでフリーワード検索
物件情報のポータルサイトのフリーワード検索が便利です。サイトによって載せ方が異なるので「保証会社不要」「連保も可」など、色々な言葉で検索してみましょう。
例えば、ホームズで「保証会社不要」と検索すると、東京23区では1,000件ほど該当しました。条件を追加していけば、希望条件に合う募集があるか確かめられます。
保証会社が必須の場合、備考に「保証会社利用必須」などと書かれます。「保証会社利用可」だけの記載なら、加入せず借りられる可能性があります。

②UR賃貸は営業センターに問い合わせる
UR賃貸を探すときは、公式ホームページで物件情報を探してみてください。気になる物件情報の詳細から、管轄の営業センターに問い合わせできます。
17~19時には営業所が閉まるので、電話で日中に問い合わせるのがおすすめです。メールでの問い合わせは24時間受付しています。

③不動産屋に探してもらう
保証会社を使わない物件は、自分で探すよりも不動産屋に探してもらったほうが効率的です。細かい条件は聞いてみないとわからない物件も多いです。
物件情報や図面に「保証会社利用可」とだけ書かれている場合、物件ごとに確認が必要です。自分で1件1件問い合わせるのは現実的ではありません。
不動産屋だけが見れるデータベースから探したほうが確実なので、まずは気軽に相談してみてください。
賃貸保証会社が不要の物件は少ない
保証会社を必須としている物件の割合 | |||
---|---|---|---|
期間 | 首都圏 | 関西圏 | 全国 |
2018年上期 | 77.0% | 82.5% | 78.7% |
2018年下期 | 83.9% | 84.9% | 81.5% |
2019年上期 | 82.7% | 95.1% | 84.0% |
2019年下期 | 82.2% | 92.1% | 82.2% |
2020年上期 | 87.7% | 89.6% | 83.7% |
2020年下期 | 90.8% | 87.9% | 85.4% |
2018~2020年の平均 | 84.1% | 88.7% | 82.6% |
管理会社200社以上のアンケート回答を集計している「日管協短観」によると、直近3年の平均80%以上の物件が保証会社「必須」です。
特に首都圏の直近の統計は90%以上です。連帯保証人のみで借りられる物件の極端な少なさがわかります。
不動産屋専用サイトでも絞り込みは難しい
保証会社不要の物件を探すときは、不動産屋だけが見れるデータベースでもフリーワード検索で探します。家賃や設備と異なり、絞り込みは難しいです。
試しに、不動産屋専用サイトのREINSとATBBで「保証会社利用可」に絞って探してみたところ、東京23区の約14万件ある情報のうち360件程度でした。
絞り込んだ中に予算や立地などの希望条件を満たす物件があれば、不動産屋は保証会社を不要にできるか電話で確認をとってくれます。

ポータルサイトは検索機能によっては絞り込めない
スーモで「保証会社利用可」に絞ると東京23区で約40万件ヒットします。しかし、中を見ると「保証会社利用可」とも「保証会社利用必須」とも書いてある物件が多いです。
「保証会社不要」で絞っても「大手法人は保証会社不要」などが一緒に出てきてしまいます。絞り込みに使えない単語はサイトによって違い自力で探すのは大変です。
物件情報自体が「おとり物件」の可能性もあります。理想の物件を見つけて問い合わせても、結局は別物件を紹介されて、時間を無駄にするケースは多いです。
保証会社不要物件だけに絞らず探したほうが良い
保証会社の有無だけに注目すると、理想に近い物件を見逃してしまいます。初期費用も礼金や敷金を減らせる物件のほうが、家賃1~2ヶ月分は安くできます。
ネット上の不動産屋「イエプラ」なら、家賃や初期費用のトータル予算をふまえて物件を紹介してもらえます。
どうしても保証会社に入りたくない理由があれば、気軽に相談してみてください。お店に行かなくても、チャットやLINEで簡単にやりとりを始められます。
UR取扱店なので、URと一般の賃貸物件を比較して探したい人にもおすすめです!
保証会社に入らず借りられる物件の成約例【不動産屋の実体験】
- ちょうど希望に合う物件が見つかった
- 交渉で保証会社を外してもらえた
- 保証会社利用料を大家さんに負担してもらえた
弊社「家AGENT池袋店」の営業マンが保証会社不要物件を成約したときの、体験談を3つご紹介します。
募集の件数を考えるとレアケースですが、相談するときの参考にしてください。
①ちょうど希望に合う物件が見つかった

希望にピッタリ合う保証会社不要物件が見つかるケースもあります。ただし、募集の数自体が少ないことは押さえておきましょう。
地域によっても異なりますが、ほとんどの不動産屋で、保証会社を使う前提で案内されます。使わずに借りれる物件は、募集が極端に少ないためです。
どうしても保証会社不要のお部屋が良い場合、引っ越し時期を前後させたり、エリアの変更も想定して根気よく探す必要があります。
②交渉で保証会社を外してもらえた

保証会社は、ほどんどの物件の契約条件になっています。しかし、大家さんに許可がとれれば外してもらえる場合があります。
例えば、連帯保証人の支払い能力が十分あり、家賃滞納や夜逃げのリスクは少ないと判断してもらえるケースなどです。
大手不動産会社の物件だと交渉は難しいです。小規模な管理会社や、大家さん自身が管理する物件では、会社のルールに縛られず柔軟に対応してもらえる可能性があります。
③保証会社利用料を大家さんに負担してもらえた

保証会社を外せなくても、まれに大家さんに費用を負担してもらえる場合があります。交渉が通る確率は空室期間の長さなどで変わります。
キャンペーンで、最初から「初回保証料無料」と募集されることもあります。事故物件などの特殊なケースで「保証会社と保証人は不要」と募集される物件もあります。
安くできる物件ほど入居者が決まらない問題を抱えている可能性は高いです。安いメリットが強調されている場合は、お部屋の質まで慎重に見極めましょう。
保証会社利用料を払いたくないときの対策3選
- 連帯保証人について詳しく不動産屋に伝える
- 保証会社利用必須でもダメ元で交渉してみる
- 貯金に余裕があれば家賃を2~4年分前払いする
①連帯保証人について詳しく不動産屋に伝える
連帯保証人を立てられるなら、引き受けてくれる人との関係性や、職業、年齢などの情報を不動産屋に詳しく伝えましょう。
管理会社や大家さんに、保証会社を外す交渉をしやすくするためです。できれば保証会社を使わずに済むように、貸す側に相談しながらお部屋を探してもらえます。
ちなみに、保証会社を外せないとしても、連帯保証人を立てると保証会社利用料が20~30%安くなる場合があります。
必要なものは事前に揃えてもらうべき
- ・身分証明書(免許証、保険証、パスポートなど)
- ・収入証明書(源泉徴収票か給与明細3ヶ月分)
- ・氏名、住所、生年月日、電話番号
- ・勤務地の正式名称、住所、電話番号
- ・部署名、役職、年収、勤続年数
「収入が安定した2親等以内の親族」が連帯保証人になれると交渉しやすいです。両親か兄弟に引き受けてもらうお願いをして、必要書類も揃えてもらいましょう。
連帯保証人は、入居希望者との関係性が近くて収入が高いほど貸す側に信頼されやすいです。

②保証会社利用必須でもダメ元で交渉してみる
不動産屋には「できれば保証会社を使いたくない」と相談をしてみてください。言うだけならタダです。
保証会社を外す交渉だけではなく、他の部分で費用を抑えられないかも考えてもらえます。
運が良ければ、交渉が通ったり代わりの提案をもらえる場合があります。過去には、保証会社利用料と同額の「フリーレント」を付けてもらえた実例もあります。
③貯金に余裕があれば家賃を2~4年分前払いする
前払いする家賃の総額 | ||
---|---|---|
家賃 | 2年分 | 4年分 |
家賃5万円 | 120万円 | 240万円 |
家賃6万円 | 144万円 | 288万円 |
家賃7万円 | 168万円 | 336万円 |
家賃8万円 | 192万円 | 384万円 |
家賃9万円 | 216万円 | 432万円 |
家賃10万円 | 240万円 | 480万円 |
家賃11万円 | 264万円 | 528万円 |
家賃12万円 | 288万円 | 576万円 |
先に家賃を払ってしまえば、前払いした期間は貸す側に滞納リスクがありません。保証会社が必須でも、外してもらいたいときに有効な交渉方法です。
ただし、前払いの交渉ができる物件は限られます。2年分以上払わないと交渉の土台に乗れないケースが多いです。
トータルで損得を考えることが大切
保証会社の有無にこだわりすぎると、希望の条件を満たすお部屋を見逃したり、他の人にとられてしまう確率が上がります。
ネット上の不動産屋「イエプラ」なら、予算に収まる理想的なお部屋が見つけられます。保証会社の有無や初期費用を比較しながら提案してもらえます。
わざわざお店まで行かなくても、チャットやLINEでお部屋探しを始められます。お店と同じ環境で物件紹介を受けられます。
不動産屋だけが見れるデータベースから、検索サイトに載らない非公開物件も紹介可能です。交渉も得意なので、予算を少しでも抑えたい人は気軽に相談してみてください!