「アパートは音漏れしやすい?」
「賃貸でも防音対策できる?」
アパートタイプのお部屋は家賃の安さが魅力です。家賃は生活費の中で最も大きい出費なので、できるだけ安い物件を選びたいですよね。
しかし、アパートのお部屋はマンションより音漏れしやすいんです。実際住んでいる人からは「壁が薄くて音漏れがひどい」「声や足音が筒抜け」という意見をよく耳にします。
そこで当記事では、音漏れしにくいアパートの探し方を解説します。音漏れの原因や、賃貸で出来る防音対策なども紹介します。
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・早朝から深夜まで相談可能
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不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
アパートで起きる音漏れは2種類
- ・固体伝搬音
- ・空気伝搬音
固体伝搬音
- ・足音
- ・ドアの開閉音
- ・何かを落としたときの落下音
- ・家電の稼働音(振動音)
固体伝搬音(こたいでんぱんおん)とは、振動や衝撃が原因で発生する音です。アパートの床や壁を伝って音漏れします。
代表的なのは、足音やドアの開閉音といった振動音です。隣人と生活リズムが合わないと、夜中や早朝の生活音が響きやすいです。
空気伝搬音
- ・話し声やテレビの音
- ・楽器音
- ・ペットの鳴き声
空気伝搬音(くうきでんぱんおん)とは、空気が振動して発生する音のことです。アパートの中では、壁や窓を伝って聞こえるケースがほとんどです。
代表的なのは、話し声やテレビやオーディオ機器による音です。物件によっては、楽器の演奏音やペットの鳴き声が聞こえてくる場合もあります。
音漏れが不安なら不動産屋に相談する
音漏れが不安なら不動産屋に相談すると良いです。防音性を重視したお部屋を紹介してもらえます。
アパートの音漏れ具合は建物構造で変わる
木造と鉄骨造のアパートは音漏れしやすい
建物構造 | 遮音性 | 音の聞こえ方 |
---|---|---|
木造 | × | 生活音がかなり筒抜けになる。ドアの開閉音、テレビ音、冷蔵庫や洗濯機の音はうるさく感じる。人の位置がわかるほどで、プライバシーの確保がしづらい。 |
鉄骨造 | △ | 木造よりはマシなレベル。ドアの開閉音、家具家電など振動を伴う音など、ほぼ生活音は聞こえる。上の階の足音が響く。 |
RC造 | 〇 | 子どもの泣き声や走り回る音は聞こえる。振動を伴う音は響くが気にならない程度。隣人のテレビ音やシャワー音は聞こえない。 |
SRC造 | ◎ | 子どもの泣き声や走り回る音や、落下音はかすかに聞こえる。上の階の音がわずかに聞こえるが気にならない。建物構造で最も防音性が良い。 |
引用:日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針」技報堂出版
木造や鉄骨造のアパートでは音漏れがしやすいです。壁に使われている木材や石膏ボードは、遮音性が低い素材だからです。
日本建築学会の「建築物の遮音性能基準と設計指針」によれば、木造や鉄骨造のアパートはドアの開閉音やテレビ音が気になります。
アパートの音漏れは、在宅率の高い夜間や土日ほど起こりやすいです。プライバシーを確保したい人は、騒音がひどいとストレスが溜まります。
RC造やSRC造のアパートなら音漏れしにくい
RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のアパートなら音漏れしにくいです。壁・床に使われるコンクリートは遮音性が高いからです。
木造や鉄骨造だと、壁・床の厚みは10~12センチほどです。RC造やSRC造は15~18センチと分厚く、周辺に音が響きにくい特徴があります。
注意点として、RC・SRC造のアパートは該当する物件数が減りやすいです。家賃も上がりがちなので家賃を重視する人にはおすすめしません。
音漏れしにくいアパートの探し方
- ・新築や築浅のアパートを探す
- ・生活スペースが隣り合わない間取りを選ぶ
- ・上階の足音が気にならないか調べる
- ・壁をノックして分厚さを確かめる
- ・窓が二重サッシになっているか調べる
- ・共用部分で住民のマナーが良いか確認する
新築や築浅のアパートを探す
騒音を避けたい人は、新築や築浅のアパートに絞ると良いです。最新技術を導入した素材が、壁や天井などに使われていることが多いからです。
築浅で探すなら築10年以内が目安です。柱や壁の劣化が比較的少ないので、音漏れがしにくいです。
大手ハウスメーカーだと独自の防音システムがある
防音システム | 採用年 | |
---|---|---|
シャーメゾン | シャイド50 シャイド55 |
2010年 |
ヘーベルメゾン | ANRフロア | 2018年 |
D-room | サイレントハイブリッド スラブ50 |
2012年 |
DK SELECT | ノイズレスシステム | 2011年 |
大手ハウスメーカーが施工している新築や築浅のアパートには、独自の防音システムが取り入れられています。上記の表は、アパートに採用されている防音システムをまとめたものです。
ヘーベルメゾン物件には「ANRフロア」と呼ばれる床が2018年から採用されています。振動・衝撃音を抑える素材が使われていて、上の階から音漏れがしにくいです。
生活スペースが隣り合わない間取りを選ぶ
間取りに関して、生活スペースが隣のお部屋と隣接していないか気を付けましょう。図のように居室同士が水回りや廊下で離れていれば、隣人の生活音が音漏れしにくいです。
物件によっては、隣のお部屋の間取りが左右対称とは限りません。不動産屋に質問すれば、位置関係が分かる資料を準備してもらえます。
壁をノックして分厚さを確かめる
アパートが音漏れするかどうかは、壁の分厚さを確認すれば判断できます。内見時に壁をノックしてみて「ゴンゴン」と低めの鈍い音がすれば防音性は高いです。
逆に壁が薄い場合は、ノックしたときの音が高く聞こえます。壁にコンクリートが使われておらず、音漏れがしやすいです。
なお、内見時に壁をノックするときは、不動産屋に許可をもらってからおこないましょう。隣人が在宅していると、トラブルになりかねません。
上階の足音が気にならないか調べる
内見時に防音性を確かめるなら、上階の足音が気にならないかも調べたほうが良いです。足音以外にも、イスを引きずる音や物の落下音が響きやすい可能性があります。
上階の物音を確かめる場合、在宅率が高い土日がベストです。音漏れの程度を上下左右から確認するのに適しています。
土日に見学する際は、自分が普段在宅している時間帯に合わせるのがおすすめです。注意点として、土日は平日より予約が埋まりやすいので不動産屋への連絡は早めにしましょう。
窓が二重サッシになっているか調べる
アパートの窓に二重サッシが設置されているか調べれば、窓からの音漏れをチェックできます。窓が内側に1枚多く付いていれば、高い防音性が期待できます。
二重サッシと似た窓で「複層ガラス」が使われている物件もあります。2枚以上のガラスが一体化していて、防音性と断熱性に優れています。
共用部分で住民のマナーが良いか確認する
内見時には、共用部分で住民のマナーが良いかも確認すると良いです。集合ポストやごみ捨て場などが汚いアパートは、住人の居住マナーが悪くて音漏れする恐れがあります。
とくに、掲示板やエレベーターに「生活騒音に関するお願い・注意」の張り紙がある場合は注意しましょう。物件内で音漏れが頻発している可能性が高いです。
不動産屋にどんな人が物件内に住んでいるのか聞いてみるのも手です。単身やファミリー世帯の住んでいる比率などある程度の情報収集は可能です。
防音性の高いアパートは不動産屋に探してもらう
防音性の高いアパートは不動産屋に探してもらうと良いです。自分の予算やライフスタイルに合わせて、音漏れしにくいお部屋を紹介してもらえます。
アパートでおすすめの音漏れ対策5選
- ・テレビなどは直接床や壁につけない
- ・音漏れする壁側に家具を配置する
- ・防音カーテンを取り付ける
- ・室内ではスリッパを履く
- ・防音グッズを活用する
テレビなどは直接床や壁につけない
テレビやスピーカーなどの音が出る家電は、壁や床から離しておくと良いです。壁や床に伝わる音や振動を抑えられます。壁から30cmほど離すと効果的です。
音漏れする壁側に家具を配置する
背の高い家具を音漏れする壁に配置することで、防音性を高められます。壁側に届く音が家具で遮られるからです。
家具を配置するポイントは、壁から1㎝ほど離すことです。空気の隙間ができて、壁から来る音漏れが家具に伝わりません。
防音カーテンを取り付ける
防音カーテンを窓に取り付けることでも音漏れを抑えられます。特殊な繊維が高密度に編み込まれているので、普通のカーテンより防音性が高いです。
遮光や遮熱効果が付いている防音カーテンほど、多層構造で厚手になりやすいです。インテリアにこだわるなら、防音のレースカーテンを組み合わせるのもアリです。
室内ではスリッパを履く
出典:amazon.co.jp
室内ではスリッパを履いて過ごすと音漏れ対策になります。床に響く足音の振動や衝撃を軽減してくれます。
とくに、吸音素材が底面に使われていたり、かかとが付いているスリッパは足音が聞こえにくいです。かかと歩きで、床に音が響きやすい人には効果的です。
防音グッズを活用する
- ・隙間テープ
- ・吸音材
- ・防音マット
- ・防振ゴム
防音グッズを活用して、音漏れ対策するのもアリです。以下では、アパートでも使える防音グッズを4つ紹介します。
隙間テープ
隙間テープを使えば、室内の隙間を埋められます。窓やドアの枠に貼り付けるだけでも、気密性が高まって防音効果が出ます。
吸音材
背の高い家具がなくて、真ん中のお部屋に住んでいる場合は、吸音材を壁に貼るのがおすすめです。吸音材を貼った壁際に家具を寄せて置くと、さらに遮音性は上がります。
ウレタン製の吸音材は、50cm四方で1枚あたり1~2千円が相場です。Amazonなどの通販サイトやホームセンターで購入できます。
防音マット
防音マットを敷くことでも音漏れ対策になります。足音や物を引きずる音を軽減してくれるので、騒音トラブルの予防にもなります。
防音カーペットも販売されていて、インテリアにこだわっている人も使いやすいです。
防振ゴム
出典:amazon.co.jp
防振ゴムは振動が伝わりやすい家電に対して効果的です。洗濯機やエアコンの室外機の下に置くことで、振動による音漏れを軽減できます。
アパートで音漏れが原因のトラブルを防ぐ方法
- ・掃除や洗濯は早い時間に済ませる
- ・昼夜逆転している人はより生活音に配慮する
- ・小さい子どもがいれば事前に挨拶しておく
掃除や洗濯は早い時間に済ませる
アパートで掃除や洗濯をするなら、日中の早い時間に済ませると良いです。早朝や寝ている人が多い時間帯を避けておこなうことで、音漏れが原因のトラブルに巻き込まれにくいです。
仕事や学校で帰宅するのが遅い人は、土日のまとまった休みに家事をしましょう。音漏れが不安な場合は、コインランドリーを活用したり、静音機能付きの家電に買い換えるのも手です。
昼夜逆転している人はより生活音に配慮する
夜勤などで昼夜逆転している人はより生活音に配慮するべきです。寝ている人が多い深夜や早朝などの時間帯は、近隣に物音が響きやすいからです。
仕事などの都合で昼夜逆転が直せないなら、テレビの音量を下げたりドアを静かに開け閉めするなどの配慮が必要です。
小さい子どもがいれば事前に挨拶しておく
小さい子どもがいる場合は、事前に近隣住民へ挨拶しておくとトラブル防止になります。良好な関係を築いておけば、子どもの泣き声や足音がしても苦情が入りにくいです。
近隣への挨拶は、引っ越してからすぐのほうが良いです。物件によっては、子育て世帯が多く住んでいるアパートもあるので「お互い様」と理解が得やすいです。
アパートで音漏れに悩まされた際の対処法
- ・管理会社へ相談する
- ・耳栓やイヤホンを活用する
- ・弁護士や法テラスに相談する
管理会社へ相談する
アパートで音漏れに悩まされたら、管理会社へ相談するのが無難です。住人同士で解決しないことで、大きなトラブルに発展しづらくなります。
連絡する際は「いつ」「どこから」「どれくらいの頻度で」「どんな音がするか」を正確に伝えましょう。音漏れを録音したデータを提供するのも効果的です。
ただし、管理会社が必ず音漏れを解決してくれるとは限りません。なかには真剣に対応してくれないところもあるので、過信しないほうが良いです。
耳栓やイヤホンを活用する
「苦情を入れて妬まれたくない」「管理会社に連絡するのが面倒」という人は、耳栓などで対処してみてください。値段は1~5百円程度と手頃です。
耳栓が合わなかったり効果が薄いと感じる人は、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンもおすすめです。睡眠用の柔らかいタイプなら、ストレスなく使えます。
弁護士や法テラスに相談する
管理会社や自力で対処しきれない場合は、弁護士や法テラスの無料相談所に連絡するのも手です。アパートの音漏れに関する意見やアドバイスがもらえます。
第三者機関に相談するときは、音漏れのデータを証拠として持参しましょう。音漏れが原因で通院している人は、事前に診断書をもらっておくと真剣に対応してもらいやすいです。
アパートの音漏れに関するよくある質問
木造アパートの音漏れってどれくらい?
上下左右のお部屋から、テレビの音や話し声がそのまま聞こえて来るほどです。木造の賃貸は、建物構造のなかで防音性が1番低いからです。
アパートの音漏れは下の階からも聞こえる?
聞こえてきます。アパート内は壁・床・天井で繋がっているので、足音だと振動や衝撃音が上の階に伝わりやすいです。
アパートだと話し声も音漏れするって本当?
物件によりますが本当です。隣の部屋や廊下で会話をされると声漏れします。
アパートの音漏れを確認する方法はある?
内見する際に壁をノックすると、音の響き具合を確かめられます。防音性が高いアパートなら「ゴンゴン」と鈍い音がします。
賃貸マンションなら音漏れしない?
アパートより音漏れしにくい物件が多いですが、完全には防げません。とくに、子どもが多いマンションでは足音や泣き声が聞こえる可能性があります。
- 一都三県ほぼ全ての物件を用意
- 早朝から深夜まで相談可能
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