
「賃貸物件の築年数の目安は何年まで?」
「築年数が古い物件を選ぶデメリットは?」
築年数はお部屋探しで気にする人が多いです!お部屋がキレイだったり設備が整っているなど、築年数が浅いほうが良いイメージが強いですよね。
しかし、築浅の物件は家賃が高い、競争率が激しいなどのデメリットもあります。一概に築浅を選べば良いというわけではありません。
そこで当記事では、築年数は何年以内が狙い目かを解説します。お部屋探しにおける築年数の重要性や、築浅と築古のメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴5年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
築年数はお部屋探しに重要?
そもそも築年数とは?
築年数とは、建物が完成してから経った年数を示す数字です。1年未満の物件は新築と呼ばれます。築年数が新しめだと築浅、古めだと築古と呼ばれますが、明確な線引きはありません。
建物自体の耐久性だけではなく家賃(価格)に大きく関わるので、不動産広告への記載が義務付けられています。物件情報に書いてあるので、お部屋探しの際は必ずチェックしましょう。
築年数によって変化する要素
- 外装や内装の劣化
- たてつけが悪くなる
- コンクリートや鉄骨の老朽化
- 修繕工事が増えてうるさい
- 配管や設備の老朽化
築年数が経過すると、物件の内装や外装、建材、設備などが老朽化していきます。大きいのは見た目の変化ですが、暮らしの中で不便に感じる点も増えます。
例えば扉が開かなくなったり、配管が詰まる、電気設備が故障するケースが多いです。給湯器が付かなくなって、真冬に水しか出なくなることもあり得ます。
築古の物件には上記のようなリスクがあることを踏まえたうえで、実際に内見して「隙間風が入らないか」「設備の年式が古すぎないか」確かめると良いでしょう。
築年数が古くても住みやすい部屋もある
築年数が古くてもリフォームやリノベーションで住みやすいお部屋に生まれ変わっているケースがあります。築年数だけで判断しない方が良いお部屋に出会えます。
外観がさびれていても室内は新築並みにキレイ、というお部屋も良くあります。間取りや広さ、設備など総合的に考えてお部屋を選ぶのがおすすめです。
お部屋探しで築年数を気にするか200人アンケート
- 調査実施日:2022年8月末
- 調査媒体:ランサーズ
- 対象:男女200名
- 質問①:賃貸を借りるときのこだわり条件は?
- 質問②:妥協しても良い条件は?
- (質問①②は全28項目・複数回答可)
条件 | 得票率 | |
---|---|---|
1位 | 家賃 | 96.0% |
2位 | バス・トイレ別 | 65.5% |
3位 | 間取り | 63.0% |
4位 | 駅からの距離 | 55.0% |
5位 | 周辺環境(スーパーやコンビニ) | 54.0% |
6位 | 治安 | 45.0% |
7位 | エアコン付き | 42.0% |
8位 | 築年数 | 37.5% |
9位 | 最寄り駅 | 35.5% |
10位 | 2階以上 | 33.0% |
築年数は調査した28項目のこだわり条件のなかで8位です。お部屋探しのときに築年数にこだわる人はそこまで多くないことがわかります。
築年数にこだわらなければ、家賃を抑えて広いお部屋に住んだり、駅近の物件に住むなど、希望条件を増やしてお部屋を探せるのでおすすめです。
アプリやLINEで気軽にお部屋探し! | |
---|---|
![]() |
▼メリットたくさん ・すべてチャットで完結(来店不要) ・スーモにない未公開物件も探せる ・0時まで営業で仕事終わりに使える |
▶無料でお部屋を探してみる |
築年数は何年までが良い?狙い目を解説
- ・設備重視なら新築~築10年
- ・家賃の安さ重視なら築30~40年
- ・耐震性を気にするなら最大で築20年
設備を重視なら新築~築10年
お部屋の設備に機能性や新しさを求めるなら、新築~築10年以内の物件が狙い目です。各ハウスメーカーが新しい設備を導入しています。
IHコンロや宅配ボックス、録画機能付きモニターインターホンなど便利な設備が整っていることが多いです。家賃が高くても便利なお部屋に住みたい!という人におすすめです。

家賃の安さ重視なら築30~40年
新築 | 30年前後 | 40年前後 | |
---|---|---|---|
家賃相場 | 9.5万円 | 6.5万円 | 5.8万円 |
家賃の安さ重視なら、築30~40年以内が狙い目です。不動産屋の専用サイトATBBで、池袋駅周辺の20㎡以上で、1R~1Kの家賃相場を築年数ごとに比較しました。
調査の結果、新築物件の家賃相場に比べると築30年は3割、築40年は4割ほど安かったです。外観や設備が古くても家賃を抑えたい、という人におすすめです。
築年数は指定しなくて良い
お部屋探しの段階では築年数を指定せず、家賃上限だけ設けると良いです。築年数指定なしなら、リフォームや大規模修繕で外装・内装が綺麗になったお部屋も出てくるので狙い目です。
ただ、安すぎる物件は建物やお部屋に欠陥があったり、隣人トラブルに発展するケースがあります。安いからといって即決せずに、内見で設備や壁の厚さをしっかり確認しましょう。
耐震性を気にするなら最大で築20年
耐震性を気にするなら、2023年時点で築20年以内が狙い目です。2000年基準を満たしている可能性が高く、地震に強いためです。
2000年基準とは、木造住宅の耐震性を大きく高める法改正のことです。木造物件で家賃を抑えて暮らすなら、築15~20年で探すのがおすすめです。
木造以外なら最大で築40年まで住める
鉄骨造やRC造、SRC造に住むなら、2023年時点で築40年以内の物件がおすすめです。1981年改正の新耐震基準を満たしている可能性が高いので、安全に暮らせます。
ただし、完成までにかかった年数次第では、築40年以内でも基準を満たしていないケースがあります。心配な人は不動産屋に「新耐震基準の物件ですか?」と聞くと確実です。
新築(築浅)物件と築古物件の比較
新築(築浅)物件のメリット・デメリット
新築(築浅)物件のメリットは3つ
- 外装、内装ともにキレイ
- 設備が充実している
- 前入居者がいない、少ない
新築の物件は、外装・内装や防音性、設備などを考慮すると住み心地の良い物件が多いです。全体的にハイグレードな暮らしが遅れるため、入居後の満足度が高いです。
築浅のお部屋は前入居者が少なく、新築物件であれば未使用の状態です。使用感があまりなく、お部屋全体がキレイなので気持ちよく過ごせます。
今のお部屋が汚くて人を呼べない、ウォークインクロゼットや独立洗面台などの設備にこだわりたい人は、新築・築浅の物件に住むのが向いています。
新築(築浅)物件のデメリットは5つ
- 家賃が高い
- 礼金がある物件が多い
- 人気があって競争率が高い
- 内見できないことがある
- 新築独特のニオイがある
新築・築浅物件の大きなデメリットとしては、高い家賃や礼金など費用面の負担が大きい点です。築30年ほどの一人暮らし向け物件を比べると、2万円ほど家賃が高いです。
また、1~3月の引っ越しシーズンになると、人気が集中してライバルに先を越されるケースが増えます。内見せずに契約して、イメージと違うと後悔する人も多いです。
お部屋の家賃を抑えたい人や、入居申込を急かされたくないという人は、新築や築5年以内の物件は避けて探すのがおすすめです。
古い物件のメリット・デメリット
古い物件のメリットは5つ
- 家賃が安い
- 初期費用を抑えられる
- 費用交渉しやすい
- 時間をかけて探せる
- 広めのお部屋が見つかることがある
古い物件の大きなメリットとしては、家賃・礼金など費用面の負担が少ない費用面の負担が少ないことです。人気のない物件が多いため、費用交渉に応じてくれる大家さんも多いです。
また、お部屋探しに時間をかけてもライバルに先を越されづらいです。納得いく物件が見つかるまで探せるので、住んでから後悔する可能性が低いです。
初期費用は30万円以下で礼金は絶対に無理!という人や引っ越しまで1ヶ月以上あるからじっくりお部屋探ししたい、という人は築20年以上のお部屋がおすすめです。
古い物件のデメリットは5つ
- 建物や設備の劣化が進んでいる
- 外観と内装が古びている
- 防音性や断熱性が低い
- 前入居者のニオイが気になる
- 和室のお部屋が多い
築古物件のデメリットしては、やはり築年数の経過による建物・設備の劣化です。外装や内装が変色していたり、剥がれているケースも珍しくありません。
また、防音性や断熱性は建設当時から手が加えられていないことが多く、隣室の生活音が聞こえる、夏は暑くて冬は寒いなどストレスの溜まりやすい物件も目立ちます。
ただし、古い物件でもリノベーション済みでキレイな物件はあります。選択肢を狭めずに、不動産屋に「築30年以上でリノベ済みの物件はある?」と聞いてみてください。
築年数と耐震基準の関係
耐震基準とは
耐震基準とは、建築基準法で定められた「物件が最低限満たすべき基準」です。1950年に制定されて、大規模な地震が発生するたびに見直しが進んでいます。
現行の法律は1981年に改正された「新耐震基準」で、それ以前までの基準は「旧耐震基準」と呼ばれます。
ちなみに、木造に関しては2000年に制定された「2000年基準」をもとに物件を建てるのがルールです。
旧耐震基準と新耐震基準の違い
建築確認申請の時期 | 地震への強さの目安 | |
---|---|---|
旧耐震基準 | 1981年5月以前 | 震度5強程度の地震で倒壊しない |
新耐震基準 | 1981年6月以降 | 震度6強~7の地震で倒壊しない |
新耐震基準と旧耐震基準の大きな違いは耐震性です。特に震度6強以上の地震が発生した際は、新耐震基準でないと命の危険があります。
家賃を下げたいという目的があったとしても、最低でも新耐震基準の物件に住むべきです。もし旧耐震基準の物件に住むなら、耐震補強済みかどうか不動産屋に確認しましょう。
木造物件は2000年を境に耐震性が違う
- ・地盤調査が必須
- ・不同沈下を防ぐため地盤に応じた基礎の設計
- ・柱、梁、筋交いの接合部に金具の取り付け
- ・偏心率0.3以下で耐力壁の配置に偏りをなくす
木造物件は、2000年の6月に「2000年基準」と呼ばれる法改正がありました。地盤調査を必須にするなどの変更点があったため、以降の物件では耐震性が向上しています。
築年数の古い木造物件は、鉄骨造やRC造に比べて家賃が安くお得に住めます。しかし、大地震のリスクに備えるなら2000年基準を満たした物件に住むのを強くお勧めします。
耐震基準を満たした物件の見分け方
- 建築確認の時期を確認する
- 築年数から推測する
建築確認の時期を確認する
1981年6月以降に建築確認が済んでいる物件は新耐震基準を満たしています。ただし、建築確認は役所に建築の許可をもらったタイミングであって、完成した日付ではありません。
建築確認は不動産屋も把握しておらず、問い合わせても回答がもらえないことが多いです。役所で調べることも可能ですが、面倒なのでおすすめしません。
築年数から推測する
耐震基準 | 築年数の目安 |
---|---|
木造:2000年基準(2000年6月~) | 22年以内 |
木造以外:新耐震基準(1981年6月~) | 40年以内 |
耐震基準のおすすめの確認方法は、築年数から建築確認日を逆算することです。2023年時点では、木造は築22年以内、木造以外なら築40年以内が目安です。
マンションやアパートの建設に2年かかると仮定した数字です。100%見分けられる方法ではないですが、手間をかけずに耐震基準を推測できるので、目安にすると良いです。
築年数が古くても良い部屋を見つける方法
- リノベーション済みでキレイ
- メンテナンスがこまめで管理状態が良い
- 変な人が住んでいない
築年数が古いお部屋にも良い所があるのは分かったけど「じゃあどうやって見つけたら良いの?」と疑問に思う人は多いです。
そこで、築年数が古くても良いお部屋を見つけるポイントを仲介会社の『家AGENT』店長さんに聞いてみました。プロならではのお話が聞けるので参考にしてください!
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
仲介会社「家AGENT」店長の中村さん。5年以上の業界歴があって、これまでに築年数が古くても住みやすい物件を多数紹介しています。築古物件のメリットとデメリットを知り尽くしている。
リノベーション済みでキレイ
築年数が古くてもリノベーション済みであれば、きれいで住みやすいお部屋が多いです。リノベーションとは、建てたときよりも高い性能の物件に工事することです。
物件によっては和室をフローリングにしたり、2Kを広い1LDKにするなど住環境が改善されています。賃貸サイトで探す際は「リフォーム済み」でも検索すると漏れがありません。

メンテナンスがこまめで管理状態が良い
定期的にメンテナンスが入っている物件は、築年数の古さを感じさせないほど住みやすいです。住んだ後でトラブルが起きても、対応してくれる可能性が高く安心です。
管理状態の良さは共用部で判断できます。駐輪場や階段にゴミが貯まっていないか、ポストが壊れていないかなどを内見の際に確認してください。

変な人が住んでいない
築古で家賃の安い物件には、民度の低い住民が集まることがあります。騒音やゴミ出しのマナーなどでトラブルになるのはできるだけ避けたいです。
内見の際に、エントランスに騒音に関する張り紙がないか、ゴミ出しマナーが守られているか、ベランダやポストが汚くないか可能な範囲でチェックしましょう。

築古物件に住むときの確認ポイント
- 設備が古すぎないか
- 水回りに問題が無いか
- 旧耐震でも耐震補強が済んでいるか
- 室内は細かく写真に収める
設備が古すぎないか
築古物件に住む際は、玄関のカギやエアコンなどの設備が古すぎないか必ず確認して下さい。特にエアコンが古いと電気代が高くついてもったいないです。
エアコンは内見の際に型番を調べて、発売が10年以上前なら入居前に交換可能か聞くと良いです。玄関のカギは防犯性の高い「ディンプルキー」か不動産屋に聞いてみましょう。
水回りに問題が無いか
築年数が古い物件に住むなら、水回りに問題がないか必ず確認してください。管理会社が適切なメンテナンスをしているか分かりやすいためです。
シャワーの水圧に問題ないか、水自体がカビ臭くないか、排水溝から変なニオイがしないか細かくチェックしてみてください。
旧耐震でも耐震補強が済んでいるか
旧耐震基準の物件に住むなら、耐震補強が済んでいるか不動産屋に確認してください。大地震の際に命の危険があるためです。
旧耐震基準の物件の築年数は40年以上が目安です。物件によっては1階しか補強していない物件もあるので「耐震補強はどこからどこまで補強したか」など具体的に質問しましょう。
室内は細かく写真に収める
築年数の古い物件に住むなら、室内をくまなく写真で撮っておくと良いです。前入居者付けたキズや汚れを退去時に請求されて、トラブルになるケースが多いです。
特に床と壁紙は請求額が大きくなりがちです。写真を残しておけば証拠になるので、内見時に気になったキズや汚れは見落とさないようにしてください。
賃貸物件の築年数に関するよくある質問
築浅や築古は完成から何年経った物件?
「築浅」は完成から1~5年以内、「築古」は30年以上経過してる物件を指します。
ただし「築浅」と「築古」の明確な定義はありません。不動産屋によっては、20年以上の物件を「築古」として扱う場合があります。
耐用年数が過ぎた建物は危ないの?
危なくないです。耐用年数とは、国税庁が定める「建物の価値がなくなるまで」の目安です。
勘違いされがちですが、耐震性や耐久性と直接関係がありません。耐用年数が過ぎていて、メンテナンスをしている建物は危なくないです。
- 建物構造ごとの耐用年数一覧
築50年以上の賃貸はやめたほうがいい?
耐震基準や建物の耐久性から避けたほうが良いです。旧耐震基準で建てられた物件は大きな地震で倒壊する恐れがあるため、安全性を確保できません。
リノベーション済みでも、建物内部の劣化が進んでいる可能性が高いです。また、家賃が安すぎて住人の質が悪く、隣人トラブルが起こるリスクも高いです。
築年数と部屋の広さはどっちが優先?
生活スタイルや物件に求める条件で違うので、一概には言えません。自分のライフスタイルや、新居に求める条件の優先順位の高さで決めましょう。
お部屋や建物のキレイさを求めるなら「築年数」を選んだり、荷物が多い、ゆったり生活したい人は「広さ」を優先すると良いです。
築何年からゴキブリに遭遇しやすい?
明確な年数はありませんが、築年数が古いほど遭遇しやすいです。建物の劣化が進んでできた隙間から侵入してくるケースが多いです。
ゴキブリの出やすさは、築年数の古さや階数、周辺環境などで変わります。ただ、築浅でもゴキブリが好む環境であれば、遭遇する可能性が高いです。
まとめ:築年数だけで判断しない
- 築古でもリノベーション済みならキレイ
- 新耐震基準を満たした物件が安全
- 築古物件に詳しい不動産屋を利用するべき
ここまで、築年数の狙い目や築年数が古くても良い物件を見つける方法を紹介しました。まとめると、築古で良い物件に住みたいなら、信頼できる不動産屋にお願いするべきです。
リノベーション済みで室内がキレイな物件の紹介や、エアコンの年式や排水溝のニオイの確認といった注意点も教えてくれるので、暮らしやすい物件が見つかります。
特におすすめなのは、チャットで深夜0時まで知識豊富なプロが対応してくれるイエプラです。「築30年以上でリノベ済みの物件はある?」などと気軽に相談してみましょう。
アプリやLINEで気軽にお部屋探し! | |
---|---|
![]() |
▼メリットたくさん ・すべてチャットで完結(来店不要) ・スーモにない未公開物件も探せる ・0時まで営業で仕事終わりに使える |
▶無料でお部屋を探してみる |