「不動産屋の上手な断り方は?」
「内見後や他社で決めた際はどう断る?」
理想のお部屋を見つけるために、複数の不動産屋を掛け持ちする人は多いです。問い合わせて比較すれば、どの物件が合うかスムーズに見極められます。
しかし、親身になってくれた営業マンへのお断り連絡に、苦手意識を持つ人が多いです。キャンセルを先延ばしにしていると、しつこい営業電話やメールが続く可能性も…。
そこで当記事では、不動産屋の上手な断り方を徹底解説します。内見前~契約後まで使えるメール例文もまとめたので参考にしてください。
- 不動産屋を断るのは失礼にあたらない!
- 上手に断るコツはすぐ・はっきり伝えること!
- 来店不要でお部屋を探したいならスミカがおすすめ!
・一都三県ほぼすべての物件を網羅
・早朝から深夜まで相談可能
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不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。
不動産屋を断るのは失礼にあたらない
不動産屋は断られるのに慣れている
前提として、お部屋探しでは不動産屋を断っても失礼にあたりません。利用した人のうち、実際に契約まで進む人は一部だけだからです。
また、不動産屋は比べられることを前提にしています。掛け持ちした他社に決めた場合でも、気にせずに断って構いません。
上手に断ってくれれば不動産屋も助かる
不動産屋の立場から見ても、上手に断ってくれれば助かります。見込みのありそうな他の顧客に時間を使えるようになるからです。
不動産の仲介は、契約してもらうことで初めて売り上げが生まれます。曖昧な態度を取られたり返事を無視されるよりも、きっぱりと断ってくれたほうが良いです。
不動産屋への上手な断り方【現役営業マン直伝】
- ・断ると決めた時点ですぐ連絡する
- ・断りたい理由をはっきり伝える
- ・メールでキャンセル連絡を入れる
- ・お礼の言葉を伝える
不動産屋への上手な断り方を、弊社「家AGENT」の豊田さんに解説してもらいました。現役営業マンからのアドバイスなので、穏便に断りたい人はぜひ参考にしてください。
断ると決めた時点ですぐ連絡する
不動産屋への上手な断り方は「断ると決めた時点ですぐ連絡すること」です。連絡が早いほど、営業マンや大家さんに迷惑を掛けないからです。
自分がキャンセル連絡を入れるまで、各関係者は次の手続きに向けた準備を進めています。多くの関係者を手間取らせないためにも、お断りの連絡は早めに入れてください。
断りたい理由をはっきり伝える
不動産屋へキャンセル連絡を入れる際、断りたい理由をはっきり伝えます。明確な理由があれば、不動産屋も納得しやすいからです。
引き続きお部屋探しをお願いするなら、NG理由を元に、より理想に近い物件を紹介してもらえます。他社で進める際は、不要な営業電話をやめさせられます。
メールでキャンセル連絡を入れる
不動産屋への上手な断り方として、メールでキャンセル連絡を入れるのも挙げられます。履歴が残りますし、言った言わないのトラブルが起きにくいです。
忙しい営業マンにとっては、電話よりメールのほうが助かるケースもあります。お断り連絡で使えるメール例文は、のちほど紹介します。
申し込み後なら電話もアリ
物件の申し込み後にキャンセルするなら、電話で連絡するのもアリです。要件をすぐに伝えられるので、契約準備を早めにストップしてもらいやすいです。
お礼の言葉を伝える
不動産屋へキャンセル連絡を入れる際は、スタッフへのお礼も忘れずに伝えます。感謝の気持ちを添えれば、お断り連絡であっても相手に好印象を与えられます。
不動産屋の断り方【メール例文まとめ】
不動産屋へのお断りメールの例文を、手続きの段階ごとにまとめました。文面やキャンセル理由などに悩んでいる人は参考にしてください。
①内見前に断るときのメール例文
お世話になっております。▲▲です。
「◯◯ハイツ ✕号室」の内見予約に関してご連絡致しました。
内見手配までしていただいたところ恐縮ですが、今回は見送りたいと思います。
駅から徒歩15分以上かかる点や、収納スペースが少ないところが気になったためです。
まだ物件は探すので、引き続きお部屋の紹介をしていただければ幸いです。よろしくお願い致します。
▲▲(自分の名前)
物件の問い合わせ~内見までに断るときのテンプレートです。キャンセルしたい理由は正直に伝えます。
不動産屋が内見手配を進めているので、遅くても前日までにはメールしてください。件名には「キャンセル連絡の旨」「物件名」を入れると伝わりやすいです。
②内見後に断るときのメール例文
お世話になっております。▲▲です。
本日は「◯◯ハイツ ✕号室」を内見させていただきありがとうございました。
長い時間付き合っていただいたところ恐縮ですが、別の物件も見てみたいと思います。
探し始めたばかりなので、別のお部屋もじっくり見てから判断したいです。
引き続き物件を紹介していただければ幸いです。よろしくお願い致します。
▲▲(自分の名前)
内見した物件の申し込みを断る際のテンプレートです。現地で断りづらいときは、一旦話を持ち帰ってメールで連絡すると良いです。
最後の1文は内見前の例文と同じです。引き続きお部屋を探すなら、紹介してほしい旨を伝えてください。
③申し込みキャンセル時のメール例文
お世話になっております。
先日「◯◯ハイツ ✕号室」を申し込んだ▲▲です。
申し込み後の連絡で大変申し訳ないのですが、物件のキャンセルは可能でしょうか。
家に帰って冷静に考えたら、予算ギリギリの家賃で大丈夫か不安になったからです。駅徒歩10分を超えるのもきついなと感じています。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します。
▲▲(自分の名前)
物件の申し込み後に断るテンプレートです。紹介した通り、キャンセルしたい理由は正直に伝えます。不動産屋が管理会社や大家さんに状況を説明できないからです。
今後の方針を話し合うため、キャンセル後スタッフから電話が入ります。無視すると何度も連絡が来るので、可能な限り対応してください。
④審査通過後~契約前にキャンセルするときのメール例文
お世話になっております。▲▲です。
先日は審査通過のご連絡ありがとうございました。
契約前のタイミングで大変申し訳ないのですが、今回の物件を見送りたいと考えています。
頂いていた見積もりより初期費用が高額で、引っ越しに使うお金を確保できない可能性が出てきました。予算オーバーなのでキャンセルを希望します。
このようなタイミングでの連絡で申し訳ありませんが、ご確認のほどよろしくお願い致します。
▲▲(自分の名前)
審査通過後から契約前に断るときのテンプレートです。各関係者が契約に向けた準備をしている段階なので、お詫びの一文は入れたほうが良いです。
費用面に問題があるなら、仲介手数料などの値引きで調整してもらえる可能性があります。せっかく気に入った物件なので、キャンセル以外の方法がないか相談してみてください。
⑤掛け持ちしていた他社で決めたときのメール例文
お世話になっております。▲▲です。
沢山のお部屋のご紹介ありがとうございます。
これまでご尽力いただきましたが、今回は他社の不動産屋でお願いすることに致しました。
大変短い期間でしたが、とても親身にご対応いただきありがとうございました。また機会がありましたら、その際はよろしくお願い致します。
▲▲(自分の名前)
複数の不動産屋を掛け持ちしていて、他社で決めた際に送るメールの例文です。お世話になった期間が長いほど、断るときには丁寧な文面を意識します。
複数の会社を回っているなら、不動産屋にも共有しておくと良いです。自社で決めるメリットや、値引きの限度を早めに教えてもらえます。
⑥しつこい営業を断るときのメール例文
以前、お部屋探しでお世話になった▲▲です。
実はすでに新居が決まりまして、引っ越しが済んでいます。物件情報は不要なので、ご認識のほどよろしくお願い致します。
仕事で忙しいため、電話も控えていただけると幸いです。また機会がありましたら、こちらから連絡させていただきます。
▲▲(自分の名前)
しつこい営業電話やメールが続いているときのテンプレートです。断る理由は「他社で決まった」「引っ越し時期を改める」など、ストレートに伝えて問題ありません。
メールの中には、自動配信で送られているものもあります。ホームページ等でアカウントを作っていたら、削除するのも手です。
不動産屋への良くない断り方5選
- 曖昧に断る
- 適当な嘘を付く
- 不動産屋からの連絡を無視し続ける
- 後出しで予算オーバーなことを伝える
- スタッフや物件の悪口を言う
①曖昧に断る
内見や申し込みを断りたいとき、曖昧な表現を使わないように注意です。断ったつもりでも、相手側に伝わっていない恐れがあります。
検討したいときは「○日までに返信します」と期日を伝えると良いです。返信期日を曖昧にすると、様子を伺う連絡が何度も入ってストレスが溜まります。
②適当な嘘を付く
不動産屋を断る際、適当な嘘を付くのはNGです。万が一バレたとき、今後のお部屋探しに影響が出ます。
「引っ越しをやめた」と言って、別物件を探すときは要注意です。申し込んだ物件の管理会社が同じだと「本当に住む気があるのか」と不安視されて審査に落ちます。
③不動産屋からの連絡を無視し続ける
不動産屋を断りたいとき、営業マンからの連絡を無視するのはやめましょう。紹介した通り、さらにしつこい営業連絡が来やすいからです。
申し込み後の音信不通は、親族にも迷惑をかけます。本人と連絡がつかないと、申込書に記入した緊急連絡先や連帯保証人に電話されます。
④後出しで予算オーバーなことを伝える
不動産屋の断り方として、後出しで予算オーバーを伝えるのは避けましょう。今までの時間が無駄になりますし、再度お部屋を探し直す必要があるからです。
引っ越し費用が限られているなら、最初の来店・内見時に伝えます。予算に収まる物件だけ紹介してくれるので、スムーズにお部屋を決められます。
⑤スタッフや物件の悪口を言う
お断り連絡を入れるとき、スタッフや物件の悪口を言うのもNGです。営業マンや大家さんから悪い印象を持たれます。
不動産業界は横の繋がりが非常に強いです。他の不動産屋だったとしても、お部屋探しに影響が出る可能性があります。
不動産屋を断るときの注意点
契約後のキャンセルは違約金が発生する
契約後にキャンセルすると、ペナルティとして違約金が発生する場合があります。金額の相場は家賃1ヶ月分です。
賃貸契約を結ぶと、原則キャンセルができなくなります。通常の解約と同じ扱いで処理されるため、払った礼金や仲介手数料は戻りません。
申込金の返金方法をよく確かめる
審査前に「申込金」を払っていたら、返金方法をよく確かめてください。申込金は、契約を結ばなかったら戻ってくるお金だからです。
通常、申込金の入金確認が取れると「預り証」が発行されます。支払ったことを証明する書類なので、キャンセル時に提示して返金してもらいましょう。
不動産屋からしつこい営業が続いたときの対処法
宅建業法に違反している旨を伝える
- ・長時間の勧誘
- ・深夜など迷惑な時間帯に電話をする
- ・断られているにも関わらず勧誘を続ける など
不動産屋からしつこい営業が続いたら、宅建業法に違反している旨を伝えてください。悪質な営業は「宅地建物取引業法施行規則第16条」で禁止されています。
悪質な勧誘や訪問を続ける業者には、営業停止などの重い処分が下されます。不動産屋にとっては大きいデメリットなので、営業行為をやめてくれる可能性が高いです。
改善しない場合は免許行政庁へ通報する
しつこい営業行為が改善しないときは、免許行政庁へ通報するのも手です。免許行政庁とは、国土交通省が定めた各自治体の相談窓口のことです。
「断ったのにしつこく電話をかけてくる」「自宅に押しかけられ強引に契約を迫られた」といった相談に乗ってくれます。相談先は国土交通省のホームページで確認できます。
不動産屋で実際に断った人の体験談
- ・内見したお部屋が気に入らなかった
- ・値引いてくれた他社で決めた
- ・転勤がなくなったのでお詫びのメールをした
内見したお部屋が気に入らなかった
30代前半
【内見後にメールで断った】
内見させてもらったお部屋がどれもいまいちだったので、検討すると言って申し込まずに帰りました。翌日にメールで「イメージと違ったから見送りたい」と伝えたら、スムーズに断れました。お部屋自体は継続して探してもらって、3ヶ月後くらいに気に入った物件を申し込みました。
内見したお部屋がイメージと違って断る場合は、具体的にどこが気に入らなかったか伝えましょう。
広さ・日当たり・防音性など、実際に内見して気付けたデメリットがあるなら共有したほうが良いです。今後のお部屋探しがスムーズに進みます。
値引いてくれた他社で決めた
20代後半
【安いほうが良いと背中を押してくれた】
仲介手数料を半額にしてくれた不動産屋に決めました。掛け持ちしていたもう一方にメールでお断りの連絡を入れたら「安いところを使うのは当然」「また機会あればお願いします」という丁寧な対応でした。
お部屋探しでは、複数の不動産屋の掛け持ちは一般的です。他社に決めたと断っても、怒られたり雑な対応を取られるケースは少ないです。
不動産屋によっては、対抗して初期費用の値下げ交渉に応じてくれます。あらかじめ不動産屋に掛け持ちを伝えておくと、費用面で得しやすいです。
転勤がなくなったので断った
30代前半
【お詫びしたらあっさりキャンセルできた】
申し込んだ後に退職者が出て、転勤の話が急になくなりました。不動産屋にお詫びの電話をしたところ、あっさりキャンセルできました。親身になってくれた営業マンだったので申し訳なかったのですが「転勤が無くなって良かったですね!」って自分のことのように喜んでくれました。
「転勤がなくなった」「家族に反対された」などの理由なら、スムーズに断れるケースが多いです。顧客に責任がないので、不動産屋との関係が悪化しにくいです。
断る際の電話・メールでは、お詫びとお礼を心がけましょう。不動産屋も人間なので、誠実な態度の顧客のほうが丁寧に対応してくれます。
不動産屋の断り方に関するよくある質問
不動産屋を掛け持ちするのはアリ?
問題ありません。
スーモが実施したアンケート結果によると、約35%の人が不動産屋を2件以上回っていました。お断り連絡の機会も増えるので、不動産屋のはしごは2~3社が目安です。
内見だけして断っても良い?
問題ありません。内見は住んでも後悔しないか判断するためにおこなうので、気に入らなかったら断りましょう。
不動産屋に他社で決めたと言っても良い?
正直に伝えて大丈夫です。他社で決まったと分かれば、不動産屋は顧客に連絡してきません。
物件をキャンセルできるのはいつまで?
契約を結ぶまでです。書類に署名捺印すると、契約が成立してキャンセルできなくなります。
申し込み後のキャンセル率はどれくらい?
弊社「家AGENT」のデータだと約10.4%です。約10人に1人が申し込み後にキャンセルしています。
不動産屋でキャンセルすると怒られる?
自己都合のキャンセルだと、営業マンによっては怒られます。怒られて理不尽だと感じたら、別の不動産屋を利用したほうが良いです。
キャンセルするのに費用はかかる?
契約後にキャンセルすると違約金が発生します。
自己都合のキャンセルだと、契約前でも「鍵交換代」などの費用を払うケースもあります。少しでも気がかりな点があれば、早めに不動産屋へ相談してください。
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