
「礼金はどうしてこんなに高いの?」
「礼金で家賃2ヶ月分も取るのは違法では?」
礼金ありの場合、オシャレな新築デザイナーズマンションや駅徒歩5分未満など条件の良いものが揃っています。
しかし、家賃1~2ヶ月分の礼金は高すぎるのではないか、もしかして違法な金額を払わされているかも…とモヤモヤする人も多いです。
そこで当記事では、礼金が高い理由や一般的な相場について解説しています。ぜひ参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴5年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
礼金の相場はいくら?
礼金の相場は家賃1ヶ月分
国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金の相場は家賃1ヶ月分です。
上記の円グラフは国土交通省の調査で礼金ありの物件を借りた人が、家賃何ヶ月分を支払ったかをまとめたものです。
約7割の賃貸物件は家賃1ヶ月分の礼金で設定しています。家賃が5万円なら、礼金5万円を初期費用として支払う必要があります。
その他には13%は、礼金なし、家賃0.5ヶ月分などが含まれます。
礼金が家賃2ヶ月分以上だと高い
契約したい物件の礼金が家賃2ヶ月分以上で設定されていたら高いと判断して良いです。
ただし、物件によっては家賃2ヶ月分以上が当たり前のものがあります。例えば新築やオシャレなデザイナーズマンションなど、礼金を払ってでも入居したいと思うような物件です。
西日本は礼金が高めに設定されている
関西や九州などの西日本は、他の地域よりも礼金が高めです。「保証金・敷引き」という昔ながらの慣習が残っているからです。
保証金とは物件の修繕費用などに備えて預けておくお金のことで、敷金と似たようなものです。敷引きは預けた保証金の一部を返金しない特約のことで、礼金と同じように扱われます。
保証金の相場は家賃の3~6ヶ月分、敷引きの相場は保証金の半額~6割程度と言われています。
敷金の相場は家賃1~2ヶ月分、礼金の相場は1ヶ月分なので、保証金・敷引き制度の方が高くなります。
トータルコストで判断するべき
保証金・敷引き制度が採用されている物件は、家賃が安い・更新料がかからないなど初期費用以外で優遇されていることが多いです。
初期費用だけでなく、2年間住んだときのトータルコストで判断するようにしましょう。
保証金・敷引きの制度は減少傾向にある
近年、全国展開の不動産屋が増えた影響で西日本でも敷金・礼金が一般的になっています。
保証金・敷引き制度は何に使われているのかわかりにくい、短期間の居住でも高額な費用を請求されるなどトラブルが起きやすいのも減少している理由の1つです。
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礼金が家賃2ヶ月分は違法?
2ヶ月分でも違法ではない
礼金は法律で上限が決められていません。2ヶ月分でも3ヶ月分でも違法ではないのです。
ちなみに居住用として借りる場合、消費税はかかりません。家賃5万円で礼金2ヶ月分の場合、10万円の支払いになります。
礼金2ヶ月分取る理由
礼金が高くても入居者が集まる人気物件だから
一般的に礼金2ヶ月分は高いです。どこにでもあるような普通の物件であれば入居者は集まりませんが、好条件で希少性の高い物件は別です。
高い礼金を払ってでも住みたいと考える人が多く、申し込みが殺到します。大家さんも商売ですので、多くの利益を上げるために強気の価格設定をするのです。
もし礼金2ヶ月で入居希望者が集まらない場合は値下げします。値下げせずに募集され続けているのは人気があり需要があるという証拠です。
すぐに退去されることを防ぐため
入居者にとって初期費用が安いのはありがたいことです。入居後に気に入らなかった場合でも、お財布へのダメージが少なく引っ越ししやすいです。
しかし、大家さんからするとすぐに退去されるのは困ります。家賃収入がなくなるだけでなく、物件の修繕や新たな入居者の募集など手間がかかるからです。
礼金2ヶ月分と高額にすることで「高い初期費用払ったからすぐに引っ越すのはもったいない」という気持ちにさせられます。
金銭的に余裕がなければ引っ越すのも難しいので、すぐに退去されるのを防げるのです。
礼金は支払ったら返金されることはない
礼金は物件を貸してもらうお礼として支払うもの
礼金は物件を貸してくれたお礼として大家さんに払うお金です。100%大家さんの利益になり、一切返金されることはありません。
賃貸物件の数が不足していた時代に生まれた慣習が残ったものとして知られています。
礼金は入居時の初期費用として1度だけ支払います。毎月の家賃と一緒に支払ったり、更新時に追加で請求されることはありません。
払わないと契約は難しい
礼金がついているお部屋なら、決まったお金を払わないと契約できません。大家さんがお部屋を貸すときの条件にしているからです。
入居者側からすると払う意味がないお金に見えますが、やむを得ない出費として予算に組んだ方が良いです。
敷金は預け金なので返金の可能性がある
初期費用として支払うことが多い「敷金」は退去時に返金される可能性があります。家賃滞納や退去時の修繕費用に備えて大家さんに渡しておく「預け金」だからです。
ただし、室内でタバコを吸っていた、故意に壁を殴って穴を開けたなどで修繕費用が高額になった場合は追加で請求されます。あくまでも借りているものですので大切に使いましょう。
礼金が高い5つの理由
- ・希望条件が整った人気物件
- ・少しでも利益を出したい
- ・家賃を安く見せたい
- ・収入が不安定な人を拒否したい
- ・法人契約が増える時期だから
希望条件が整った人気物件
- ・新築や築浅物件
- ・分譲賃貸
- ・デザイナーズマンション
- ・タワーマンション
- ・ペット可、ペット共存型物件
- ・楽器演奏可能物件
上記の特徴に当てはまる物件は礼金が高い傾向にあります。礼金を払ってでも住みたいと思う人が多く、大きな利益になるからです。
特に募集の少ないペット可や楽器演奏可能の物件は人気で埋まるのが早いです。
少しでも利益を出したい
礼金は大家さんの100%利益になります。大家さん商売ですので、最大限利益を上げられるように高めに設定しているのです。
人気が高い物件はもちろんのこと、1月~3月の新生活に向けた引っ越しシーズンも礼金が高めになっています。
何もしなくとも入居希望者が集まるので、他の時期よりも0.5~1ヶ月分ほど上乗せになっているケースも珍しくありません。
家賃を安く見せたい
家賃8万円 | 家賃7.8万円 | |
---|---|---|
礼金 | 8万円 (家賃1ヶ月分) |
15.6万円 (家賃2ヶ月分) |
家賃24ヶ月分 | 192.0万円 | 187.2万円 |
合計 | 200.0万円 | 202.8万円 |
家賃を相場よりも安くする代わりに、礼金を高くしている場合があります。
上記の表は家賃を8万円から7.8万円に下げ、代わりに礼金を1ヶ月分から2ヶ月分に上げた場合の大家さんの収益を比べたものです。
入居期間が2年間ならば、家賃を安くして礼金を上げた方が2.8万円も利益が増えます。
気になる物件が周辺の賃貸よりも相場が安い場合は、礼金含めたトータル金額で本当にお得か確認しましょう。
収入が不安定な人を拒否したい
礼金を支払う余裕がある=収入が安定していると認識できるため、審査前の人物確認として礼金を高く設定する大家さんもいます。
設定した礼金を支払えない人はお金に余裕がなく、大きなトラブルにあったときに家賃を滞納する懸念があるからです。

法人契約が増える時期だから
法人契約が増える時期(3~4月、9~10月)は、礼金が家賃2ヶ月分になっていることがあります。
特にビジネス街周辺など、福利厚生がしっかりしている大企業が多いエリアで見かけます。
礼金が高めに設定されている理由は企業が支払うからです。個人契約と違い、値引き交渉されることがないので大家さんにとってのメリットが大きいです。
礼金は工夫次第で安くできる
「値下げできたら必ず契約する」と交渉してみる
入居したい物件の礼金が高いと感じた人は、ダメもとでも値引き交渉してみましょう。
交渉するときは、大家さんにとってメリットと感じやすいように「値下げしてくれたら必ず契約する」「長期間住み続ける」などと条件をつけると応じてもらいやすいです。
ただし、あまり食い下がると大家さんや不動産屋に悪い印象を持たれる可能性があります。「値下げして当然」という姿勢で交渉しないように気をつけてください。

交渉しやすい物件を選ぶ
- ・礼金が相場よりも高い
- ・閑散期でも空室になっている
- ・空室が2ヶ月以上続いている
- ・駅から距離がある
- ・築年数が20年以上
- ・墓地や風俗街が近い
駅から離れている物件や築年数が古い物件は、人気がないので礼金交渉しやすいです。閑散期であれば入居希望者が少ないので成功する確率がさらに上がります。
空室が2ヶ月以上続いている場合は積極的に交渉してみましょう。大家さんは空室が続くのは避けたいと考えるので、交渉に応じてもらいやすいです。
交渉に強い不動産屋に頼むと成功しやすい
礼金の交渉は経験豊富な不動産屋に頼むと成功しやすいです。交渉は入居者が直接言うのではなく、不動産屋を通して大家さんにおこなうものだからです。
気軽に費用を交渉したいならネット上の不動産屋「イエプラ」がおすすめです。チャットやLINEでやり取りするので、対面で直接値引きをお願いするのは抵抗がある人でも利用しやすいです。
数々の交渉を成功させてきたスタッフが多数在籍しており、予算に収まるようにサポートやアドバイス可能です!
深夜0時までリアルタイムで相談に乗ってくれます。ぜひ気軽に利用してみてください!
「礼金なし」の物件を選ぶのもアリ
約48%の物件は礼金なし
国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査」によると、礼金なしの物件は48.2%です。
また、日本賃貸住宅管理協会の「第25回賃貸住宅市場景況感調査」によると、全国で敷金礼金なしの物件や、フリーレント物件が増加傾向にあるという結果出ています。
賃貸物件の半分近くが「礼金なし」なので探しやすいです。ただし条件が良い物件はすぐに埋まる可能性が高いです。賃貸契約は先着順なので早めに行動しましょう。
礼金なしの物件は家賃相場と比較しておくべき
家賃6万円 (礼金1ヶ月分) |
家賃7万円 (礼金なし) |
|
---|---|---|
敷金 | 60,000円 | 70,000円 |
礼金 | 60,000円 | 0円 |
仲介手数料 | 60,000円 | 70,000円 |
鍵交換費用 | 15,000円 | 15,000円 |
保証会社利用料 | 60,000円 | 70,000円 |
火災保険料 | 15,000円 | 15,000円 |
管理費・共益費 | 3,000円 | 3,000円 | 家賃(12ヶ月分) | 720,000円 | 840,000円 |
合計 | 993,000円 | 1,083,800円 |
「礼金なし」の物件は周辺の家賃相場を調べておきましょう。家賃に礼金分が上乗せされて、相場よりも高いかもしれないからです。
上記は家賃6万円で礼金1ヶ月分の物件と、家賃7万円で礼金なしの物件で初期費用を含めた年間支払額を比較したものです。
礼金は入居時に1度だけ支払うものです。しかし、家賃は毎月支払いがあります。上乗せされていた場合は長期間住み続けると損します。
礼金に関するよくある質問
礼金が3ヶ月分なのは違法?
違法ではありません。礼金の上限は法律で決まっていないからです。
シャーメゾンの礼金が高いのはどうして?
物件のクオリティが高く人気があるからです。特に新築は人気があり、礼金2ヶ月分に設定されています。
建物はもちろんのこと、外構や植栽にも力を入れており高級感のある仕上がりです。多少家賃が高くても住み心地重視で探している人におすすめです。
礼金とはいつ払うもの?
初期費用として賃貸契約時に支払います。
基本的に口座振込ですが、不動産屋によってはクレジットカードやローンで分割払いできます。
礼金が高いメリットはある?
優良物件に出会える可能性が高まります。
しかし、礼金が高いからといって良い物件とは限りません。必ず内見して納得して契約するようにしましょう。
礼金以外で初期費用を安くする方法
- ・家賃が安い物件を選ぶ
- ・クリーニング代が固定の物件にする
- ・連帯保証人のみで入居可能の物件を探す
- ・フリーレントを付けてもらう
- ・月初か月末に入居する
- ・不動産屋のキャンペーンを活用する
家賃が安い物件を選ぶ
家賃が安い物件ほど出費が抑えられます。初期費用は管理費を除外した家賃をもとに計算されるからです。
東京都内であれば、相場が低い練馬区・杉並区・葛飾区・足立区あたりで探すと良いです。
ただし、安すぎるお部屋はそれなりの理由があります。地域相場よりも安すぎると感じた場合は、不動産屋に理由を聞きましょう。
中には事故物件や老朽化がひどいケースもあるので気を付けてください。
クリーニング代が固定の物件にする
敷金の代わりに、クリーニング代が固定になっているお部屋を探しましょう。
敷金は退去時の原状回復の預り金です。クリーニング代が固定のお部屋は、家賃1ヶ月分もかかりません。

連帯保証人のみで入居可能の物件を探す
連帯保証人を立てられる人は、保証会社不要のお部屋を探しましょう。家賃0.5~1ヶ月分の費用が抑えられます。
ただし、東京都内の8割の物件は保証会社必須となります。見つけにくいので希望条件はできる限り緩和したほうが良いです。
フリーレントを付けてもらう
フリーレントとは、一定期間の家賃が無料になることです。大家さんが「家賃1ヶ月分をフリーレントにする」と定めていれば、礼金1ヶ月分が無料になったのと同じ金額が抑えられます。
フリーレント付きの場合「契約期間1年未満の解約で違約金として家賃1ヶ月分を支払うとする」などの条件がある可能性が高いです。短期間で退去する可能性がある人は注意しましょう。

月初か月末に入居する
引っ越しのタイミングを合わせられるなら、月末か月初に入居しましょう。月の途中にお部屋を借りた場合、初期費用として「日割り家賃」が発生するからです。
例えば15日に入居すると家賃0.5ヶ月分と、翌月分の家賃を初期費用として支払う必要があります。月初であれば日割り家賃はかかりません。月末なら日割り家賃が2~3日分で済みます。
不動産屋のキャンペーンを活用する
「家賃◯万円キャッシュバック」や「契約したら家電プレゼント」など、不動産屋独自のキャンペーンを利用するのも手です。
ただし、消臭消毒などその他のオプションサービスで採算をとっている可能性があります。トータルで考えて本当に安くなっているのか確認したほうが良いです。
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