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定期借家はやめたほうがいい?借りて後悔する人の特徴やメリットを宅建士が解説

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定期借家はやめたほうがいい?
後悔せずに借りる方法は?

賃貸物件を探していて、家賃がやけに安い物件があるとすぐにでも問い合わせたくなりますよね!内装や設備が充実した住みやすそうな物件も、取られる前に申し込みたくなります。

しかし、そのお部屋は「定期借家」の可能性があります。定期借家は住める期間が決まっていたり、入居者を守るルールが少なくて契約後に後悔してしまう人もいます…。

そこで当記事では、定期借家ならではのメリットとデメリットや、向いている人・後悔しやすい人の特徴などをわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

監修 豊田 明
不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士

賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。

定期借家は長く住むならやめたほうがいい

定期借家とは更新できない賃貸契約のこと

定期借家とは、契約期間を更新できない賃貸契約のことです。定期借家の契約期間は一般的には1~2年です。1年未満の物件もありますが、契約期間後は退去しなければいけません。

自分の予定に合わせて更新したい人は、普通借家の物件を選んだほうがいいです。普通借家は、定められた契約期間より長く住みたいなら基本的に更新できます。

定期借家でも再契約すれば住み続けられる

定期借家でも「再契約」すれば当初の契約期間より長く住めます。再契約料などの手数料が家賃の1ヶ月分ほどかかるパターンが多いです。

再契約は、確実にできるとは限りません。再契約できるときは、契約終了の1年前から6ヶ月前までに届く「契約終了に関する通知」と一緒に再契約の案内が届きます。

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定期借家と普通借家との大きな違いは契約期間と更新のルール

定期借家 普通借家
契約期間 制限なし 最低1年以上
1年未満の契約 有効 期間の定めがないとみなされる
契約の更新 なし(双方合意での再契約は可能) 可能
契約の方法 公正証書などの書面 口頭の合意でも成立

参考:国土交通省ホームページ

定期借家は、大家さんが契約期間を自由に設定できます。入居者に住み続けたい理由があっても、所定の手続きをすれば大家さんは再契約を断れます。

普通借家は、大家さんが更新を断るときは「正当事由」が必要です。正当事由とは大家さんが物件を使いたい事情などで、内容によっては入居者に立ち退き料を払う必要があります。

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2000年3月に定期借家の制度が誕生して、大家さんは出張の間だけお部屋を貸したり、家賃を見直す計画を立てやすくなりました。入居者にとってリスクが大きいので、借りる際は注意点を知っておく必要があります。

定期借家で募集されている理由は?

  • ・大家さんが不在の間のお部屋を活用したい
  • ・大家さんがマンションなどに住み替える
  • ・建て替えや取り壊しを予定している
  • ・マナーがいい住人に借りてもらう
  • ・お部屋の修繕を計画的に進めたい など

定期借家として貸し出される理由はさまざまです。大家さんが期間限定で賃貸に出したいときの他、マナー違反の入居者に対処しやすくしているケースもあります。

物件によっては、再契約できる前提で募集されます。家賃滞納や入居中のトラブルがなければ普通借家と同じように住み続けられます。

再契約は、物件や貸す側の事情によっては断られやすいです。引っ越した後に長く住む予定なら、不動産屋には更新しやすい普通借家のお部屋を紹介してもらいましょう。

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定期借家は入居者に不利な面があるのでやめたほうがいい

定期借家を借りる7つのデメリット
  1. 契約期間より長く住める保証がない
  2. 基本的に中途解約ができない
  3. 家賃交渉が通りにくい
  4. 物件によっては家賃が割高
  5. 再契約で条件が変わる可能性がある
  6. 募集件数が普通借家より少ない
  7. 設備などの不具合に対応してもらえない場合がある

①契約期間より長く住める保証がない

定期借家で「再契約可能」と募集されている物件でも、大家さんの事情によっては再契約を断られるリスクがあります。

契約時の初期費用や引っ越し費用を考えると、最初から普通借家を借りたほうがトータルでお得な場合があります。

定期借家に引っ越した後に出張の延長などで住みたい期間が変わると、再契約できないときは引っ越しが必要です。

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申し込む前に、定期借家で募集されている理由を不動産屋に確認しましょう。再契約を前提に募集している物件の他に、建物の取り壊しなどで再契約できない物件もあります。

②基本的に中途解約ができない

定期借家は契約期間の途中で解約できないのが原則です。物件の好みなどの理由で早く解約すると、契約期間が終わるまでの家賃や違約金が発生することがあります。

多くの場合、普通借家と極端な差が出ないような特約が設定されます。ただし、1年以内に退去すると家賃1~2ヶ月分の短期解約違約金がかかるケースが多いです。

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契約内容は前もって不動産屋に確認しておきましょう。ちなみに、床面積が200㎡未満の居住用物件は、やむを得ない事情があれば特約がなくても中途解約できます。

③家賃交渉が通りにくい

住人の交渉を渋る大家さん

定期借家は、普通借家より家賃の交渉が通りにくいです。契約条件が厳しいぶん入居希望者が集まりにくく、最初から相場よりも安い家賃で募集している物件が多いからです。

多くの物件で、大家さんは購入時のローンを家賃収入で返済しています。家賃が高く思えても限界まで安くしてある物件もあり、無理な交渉をすると入居を断られてしまいます。

内見などで大家さんと会う機会があっても、費用の交渉は不動産屋に任せましょう。経験豊富な不動産屋なら、少しでも安くできるように引き際を見極めて交渉してくれます。

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④物件によっては家賃が割高

定期借家の募集の中には、普通借家より家賃が高い物件もあります。大家さんが出張の間だけ賃貸に出しているタワーマンションや分譲賃貸などです。

大家さんが住むために購入したマンションは、賃貸の投資目的で建てられた物件より家賃が高く設定されます。内装や設備のグレードが高いためです。

定期借家でも家賃が安いとは限りません。申し込む前に、希望エリアの似た物件の家賃がどのくらいか確認しておきましょう。

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大家さんが転勤や海外赴任で一時的に貸し出している募集は「リロケーション物件」と言います。家賃が安い定期借家を探したいときは、リロケーション物件は避けましょう。

⑤再契約で条件が変わる可能性がある

定期借家を相場より安い家賃で借りても、再契約のタイミングで値上げされる場合があります。断ると再契約ができないので、住み続けたいなら承諾するしかありません。

再契約の事前通知に書かれた条件に納得できないときは、大家さんに丁寧に交渉してみましょう。同時に、断わられたときのことを考えてお部屋を探し始めたほうがいいです。

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⑥募集件数が普通借家より少ない

東京23区の定期借家物件の割合

出典:アットホーム調べ

アットホームの「2022年度 定期借家物件の募集家賃動向」によると、定期借家の募集件数は全体の5.7%しかありません。

間取り別に見ると、70m²以上の大型ファミリー向けの定期借家が多いです。高級賃貸や、大家さんが不在時に一時的に貸しているケースが考えられます。

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シングル向けの定期借家は、建て替えを控えた築20年以上のアパートが多めの傾向がありました。再契約が難しい物件は意外に多いので要注意です。

⑦設備などの不具合に対応してもらえない場合がある

建物の取り壊しや修繕の予定が決まっている物件は、設備などの不具合があっても迅速に対応してもらえない場合があります。

大家さんには使える状態の物件を貸す義務があります。契約期間が長く残っていれば修理の対応をしてもらえますが、新品への交換は期待できません。

内装や設備に問題がないかは、内見時にしっかり確認しましょう。設備の型が古かったり、ドアの建て付けが悪いような物件は避けたほうがいいです。

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定期借家を借りて後悔しやすい人の特徴

  • ・募集されている契約期間より長く住みたい
  • ・違約金が発生する期間に引っ越す可能性がある
  • ・家賃や初期費用を交渉したい
  • ・希望の条件にこだわりが多い
  • ・引っ越しを急いでいない

定期借家は、住む期間を自分の都合に合わせて調節しづらいです。引っ越したくても一定期間は住まないと違約金がかかったり、住み続けたくても再契約を断られるリスクがあります。

家賃や初期費用の交渉など、入居者からの要望が多いと入居を断られることもあります。物件数が少ないぶん、希望の条件を満たすお部屋が見つかりにくいです。

引っ越しを急いでいないなら、無理に定期借家に絞って探す必要はありません。気に入った物件が定期借家だった場合に、デメリットを上回るメリットがあるか検討しましょう。

▼定期借家ならではのメリット解説に移動する

定期借家を避けてお部屋を探す方法3選

  1. ポータルサイトの検索条件で定期借家を外す
  2. 定期借家の管理会社の物件を避ける
  3. 不動産屋に普通借家を紹介してもらう

①ポータルサイトの検索条件で定期借家を外す

ポータルサイトの検索条件の画面

自分で物件を探すときは、サイトによっては条件を指定して定期借家を外せます。例えば、大手検索サイトのSUUMOは「定期借家を含まない」を選べば普通借家に絞って探せます。

こだわり条件で定期借家を除外できない検索サイトは、契約期間や備考欄に「定期借家」と明記されていることが多いです。

自分で探すときは「おとり物件」に気を付ける

家賃が安いなど、条件が良すぎるあいまいな物件情報があったときは、来店を増やす目的の「おとり物件」かもしれません。

普通借家か定期借家かは、通常は物件情報に明記されます。中には間違っていたり、問い合わせを増やすためにあえて定期借家と明記されないケースがあるので気を付けましょう。

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②定期借家の管理会社の物件を避ける

管理会社の方針によっては、ほとんどの物件を定期借家で募集しています。首都圏で有名なのはアートアベニューやビルネットです。

自分で物件を探すと、希望のエリアによっては「気に入った物件が定期借家ばかり」といった状況もあり得るので要注意です。

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定期借家がメインの管理会社の物件は、家賃滞納や入居中の問題がなければ高確率で再契約できます。それでも定期借家を避けたいときは、不動産屋に候補から外してもらってください。

③不動産屋に普通借家を紹介してもらう

定期借家を避けてお部屋を探したいときは、不動産屋に普通借家に絞って紹介してもらいましょう。予算や希望の条件に応じて、理想にピッタリの物件を提案してくれます。

当サイト運営のチャット不動産屋「イエプラ」なら、チャットやLINEで気軽にお部屋探しを始められます。気に入った物件があれば内見予約もできて、現地で待ち合わせ可能です。

不動産屋だけが見れる更新が早いデータベースを使っているので、おとり物件は一切ありません。ネットには掲載されない未公開物件も紹介してもらえます!

定期借家は期間を決めて住むとメリットが大きい

定期借家を借りる5つのメリット
  1. 住む期間と同じ契約期間の募集がある
  2. 家賃や初期費用が安い物件が多い
  3. 前入居者の入居期間が短いと内装が綺麗
  4. リロケーション物件は設備や周辺環境が充実
  5. ファミリー向けの物件が探しやすい

①住む期間と同じ契約期間の募集がある

定期借家は、住みたい期間が決まっていればニーズに合う物件を探しやすいです。2年契約の他にも、契約期間が1年未満の募集や、3~5年と長めの募集もあります。

募集されている契約期間と住みたい期間が一緒だったり、柔軟に引っ越しに対応できるなら更新手続きがないぶん便利です。契約期間中は条件の変更がないので安心です。

普通借家は、更新が前提で契約期間が1~2年の物件が多いです。ちなみに、普通借家は契約期間が1年未満だと「期間の定めがない契約」になります。

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普通借家の「期間の定めがない契約」は、大家さんから解約したいときは6ヶ月前の通知と正当事由が必要です。大家さんにメリットはないので、1年以上の契約期間が定められます。

②家賃や初期費用が安い物件が多い

定期借家の物件の多くは、入居者に早く借りてもらうために相場より安く募集されています。家賃だけでなく、敷金や礼金などの初期費用も抑えられるケースが多いです。

敷金と礼金が1ヶ月かかる物件が多いエリアでも、定期借家で探せば「敷金礼金なし」や「礼金なし」で家賃の1~2ヶ月分を節約できる可能性があります。

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③前入居者の入居期間が短いと内装が綺麗

定期借家は内装が綺麗な物件が多いです。入居者が入れ替わる前提で定期借家の物件は、修繕やハウスクリーニングが短期間でおこなわれるためです。

同じ築10年の物件でも、普通借家は前の入居者が10年以上住んでいて経年劣化がひどい場合があります。物件によるので、お部屋の傷み具合は内見して自分の目で確かめましょう。

④リロケーション物件は設備や周辺環境が充実

設備や内装のグレードが高い分譲マンション

リロケーション物件は、本来は大家さんが住むために設備や周辺環境にこだわっています。賃貸で分譲マンションなどの質が高い物件に住めるのは大きなメリットです。

物件の住みやすさにこだわりたい人や、分譲マンションの購入を検討している人が期間限定で住んでみたいときは、リロケーション物件を紹介してもらいましょう。

⑤ファミリー向けの物件が探しやすい

ファミリー向けの物件は定期借家で募集されていることが多いです。マンションの他に、賃貸では少ない戸建ての物件もあります。

例えば、子どもが大きくなった大家さんが住み替えるときや、別荘やセカンドハウスを使わない間だけ賃貸に出している場合があります。

定期借家が向いている人の特徴

  • ・転勤や出張が多い
  • ・住みたい期間が決まっている学生など
  • ・できるだけ家賃や初期費用を抑えたい
  • ・荷物が少なく引っ越しが苦でない
  • ・内装や設備のグレードが高い物件を借りたい

住みたい期間と同じ期間の募集があれば定期借家はピッタリです。周辺の普通借家より、家賃や初期費用を抑えられる物件が見つかる可能性があります。

契約期間より長く住みたいときでも、引っ越しが必要になるリスクがあります。荷物が少ない、気分を変えたいなど引っ越しが苦でないならそこまで困りません。

転勤や出張、学生などで住みたい期間が決まっているときは、不動産屋に好条件の定期借家も含めて紹介してもらうといいです。

定期借家を借りるときの注意点3選

  1. 定期借家で貸し出されている理由を確認する
  2. 契約内容を理解した上で判断する
  3. 居住マナーを最低限守る

①定期借家で貸し出されている理由を確認する

管理会社や大家さんが賃貸物件を定期借家として貸し出すには理由があります。持ち家を活用したかったり、大家さん自身の引っ越しをきっかけにしたケースなどがあります。

相場より極端に家賃が安い物件は、お部屋で死亡事故などが起きたことがある事故物件かもしれません。契約する前に告知事項の項目はないか確認しておきましょう。

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②契約内容を理解した上で判断する

定期借家を借りたいときは、申し込む前から再契約や中途解約に関するルールを確認しておきましょう。

契約内容の詳細は、宅地建物取引士から「重要事項説明」があります。通常は同じ日に契約手続きもするので、自分にとって不利な条件を知るタイミングとしては遅いです。

物件によっては不動産屋に頼んで契約書類のデータを見せてもらえます。内見時のお部屋の状況とあわせて、問題が起きないように前もって確かめておくべきです。

③居住マナーを最低限守る

入居中にトラブルを起こしてしまうと、大家さんや管理会社から再契約を断られてしまいます。騒音トラブルやゴミ出しのルール違反には特に気を付けましょう。

普通借家と定期借家で迷っている状況なら、不動産屋に相談してみてください。予算内で希望の条件を満たす物件をプロの視点で探してもらえます。

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