「礼金交渉はできる？成功率はどのくらい？」
「交渉のタイミングや言い方は？」

礼金交渉が成功すれば、初期費用が抑えられて新生活が楽になります。家賃1ヶ月分以上の値下げができるので、できれば削りたい項目です。

しかし、交渉のタイミングや方法が分からないと失敗しやすいです。契約前に交渉したせいで入居を断られたなんで話もあります…。

そこで当記事では、礼金の交渉方法を解説しています。成功率を上げるコツやお部屋を探す時の注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

礼金とは何に使うお金？

大家さんへのお礼金のこと

礼金とは、大家さんへ入居させてもらうお礼として払うお金のことを言います。古くからの慣習で、貸家が少ない時期に優先して入居するために払っていたものと言われています。

あくまでお礼として支払うので、返金されません。現在では賃貸物件の数が増えているので、入居者にメリットがない項目として多くの人に認識されています。

礼金と敷金の違い

敷金	大家さんに預けておくお金。退去時の修繕費用などに充てられる。残金は入居者に返される。
礼金	大家さんに支払うお金。物件を貸してもらうお礼に払う。退去しても返金されない。

礼金と敷金の違いは、戻ってくるお金かどうかです。敷金は契約時に大家さんに預けるもので、退去時にかかる修繕費用や家賃滞納の際に充当されるお金です。

敷金は入居者からの希望で、預ける金額の変更ができません。契約が終わったタイミングで、退去費用などを引いた残額が返金されます。

関西の「敷引き」は礼金と扱いが同じ

関西の敷引きは、礼金と扱いが同じものです。敷引きとは、預けている敷金の一部を返金しないという特約であって、戻ってこないお金だからです。

相場は、家賃の1～2ヶ月分です。最近では、関東の物件にも敷引きが設定されていることがあります。

礼金の相場は家賃1ヶ月分

全国の礼金の相場は、家賃の1ヶ月分です。0.5ヶ月などで設定されているお部屋は少なくて、礼金なしか1ヶ月かのどちらかで募集されているお部屋が多いです。

礼金の平均相場｜3大都市

	割合
1ヶ月未満	3.5%
1ヶ月ちょうど	72.1%
1ヶ月超2ヶ月未満	5.4%
2ヶ月ちょうど	14.7%

出典：国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」

3大都市の礼金相場も家賃1ヶ月分です。表には、国土交通省が発表している3大都市の礼金相場です。72%のお部屋が礼金1ヶ月で募集されていました。

礼金ありの割合は約51%

	全体の物件数	礼金ありの物件数	割合
東京都	136,812件	72,314件	52.8%
大阪府	18,896件	9,941件	52.6%
愛知県	18,739件	7,372件	39.3%
合計	174,447件	89,627件	51.3%

参考：ATBB(2023年10月時点)

3大都市圏の、礼金ありで募集されている物件の割合は約51%です。愛知県が礼金ありでの募集が約40%と、他の3大都市と比べて最も少ない結果でした。

礼金は費用交渉できる？値引き額や成功率は？

礼金交渉での値下げ平均は家賃0.2～0.5ヶ月分

礼金は交渉をすると、値下げできるケースがあります。交渉で下がる金額は平均で0.2～0.5ヶ月分です。

0.5ヶ月分以上の値引きは、ほとんど成功しません。無理な交渉をすると大家さんからの印象が悪くなって、審査に落ちやすくなります。

礼金交渉の成功率は10%ほど

礼金の交渉が、成功する確率は10%ほどです。礼金を交渉すると他の項目から値下げされるケースが多いので、礼金自体の交渉は失敗しやすいです。

礼金交渉が成功しやすい物件の特徴

礼金交渉が成功しやすい物件の特徴を、表にまとめました。一般的に人気のない条件の物件であれば、交渉しやすいと言われています。

中でも、1階や和室のお部屋だと交渉が成功しやすいです。築年数は30年以上を目安に探すと、初期費用を抑えやすいです。

礼金交渉のタイミングや言い方

礼金交渉のタイミングは入居申込前

礼金交渉のタイミングは、入居申し込みをする前にすると良いです。入居の意思が強いことをアピールして交渉できるので、成功率が上がりやすいです。

申込者は大家さんと直接会う機会がないので、不動産屋へ交渉します。不動産屋へ与える印象によって、成功率が変わるので丁寧に伝えると良いです。

申し込み後の礼金交渉は成功率がかなり低い

申し込み後に交渉すると断られやすいです。礼金が下がると契約書類の修正が必要になるので、交渉が通るケースは少なくなります。

礼金交渉したいときの言い方

礼金交渉の言い方の例
「予算に収まる金額まで下げてもらえないでしょうか？」
「周辺物件と同じくらいの金額まで下げられませんか？」
「長く住む予定なので礼金を値下げできないでしょうか？」

礼金の交渉が成功しやすい言い方を、表にまとめました。不動産屋へ伝えることになるので、丁寧な言葉遣いを心がけてください。

礼金交渉の成功率を上げるコツ【不動産屋直伝】

初めに予算を伝えておく

礼金交渉の成功率を上げるには、初めに予算を伝えてください。〇万円以上だと契約できないと伝えると、不動産屋が予算に合わせるように交渉してくれます。

伝える予算は、現実的な金額を伝えてください。初期費用の相場は家賃の4.5～5ヶ月分なので、最低でも家賃の3.5ヶ月分以上の金額を伝えてください。

交渉に成功したら必ず契約すると言う

礼金を交渉する時は、成功したら必ず契約すると不動産屋に伝えてください。入居意思が強いということを示すと、印象が良くなり交渉が成功しやすいです。

交換条件を提案してみる

交渉の成功率を上げるには、交換条件を提案するのも手です。大家さん側のメリットがあれば、礼金が抑えられる可能性が高いです。

大家さんがメリットに感じやすいのは、長期間住むことです。〇年間は住むという特約を付けてもらって良いや、違約金を設定しても良いなど伝えると成功しやすいです。

広告料付きのお部屋を紹介してもらう

礼金交渉するには、広告料付きのお部屋を紹介してもらってください。広告料とは、不動産屋が大家さんからお部屋の契約が決まった時にもらえる報酬のことです。

多くの大家さんが、礼金を広告料に充てています。広告料があると不動産屋の利益が増えるので、仲介手数料などの他の項目から減額してもらいやすくなります。

4～8月の閑散期を狙って交渉する

礼金交渉の成功率を上げるには、4～8月の閑散期を狙ってみてください。お客様が少ない時期なので、交渉が成功しやすいです。

11～12月もおすすめの時期です。1月からの繁忙期に向けての準備期間で、残っているお部屋を値下げするケースが多いです。

最初から「礼金なし」で探す場合の3つの注意点

	礼金なし物件の割合
東京23区	44.4%
東京23区外	60.3%
名古屋市内	69.1%
大阪市内	55.7%
福岡市内	45.3%
札幌市内	84.6%

※2023年10月時点

2023年現在、募集されている物件の礼金なし割合をまとめました。礼金なしで募集されているケースが意外に多いですが、注意点が多いのでこの後詳しく解説します。

注意点1：家賃が高めになっているケースがある

礼金なしの物件は、家賃が高めに設定されているケースが多いです。家賃が高くても入居のハードルを低くすると、入居希望者が減らないからです。

中には、相場より5千円以上高いお部屋もあります。相場を調べたい時は不動産屋に聞くか、物件検索サイトで同条件を入力すると探せます。

注意点2：駅から離れている物件が多い

	物件数
3分以内	5,384件
5分以内	11,817件
10分以内	20,315件
15分以内	23,344件
20分以内	25,346件

※東京都23区内の1K(2023年10月時点)

礼金がない物件は、駅から離れているケースが多いので注意してください。駅徒歩10分まで伸ばすと、物件数が増えてきます。

記載の時間より1～5分遅く到着することがほとんどです。実際に歩いてみると、信号の待ち時間が長かったり急な坂道などのデメリットに気付けます。

注意点3：築年数が古い可能性が高い

	物件数
新築	2,109件
3年以内	3,485件
5年以内	4,606件
10年以内	6,096件
15年以内	6,874件
20年以内	9,166件

※東京都23区内の1K(2023年10月時点)

東京都内の礼金なしで、募集されている1Kの物件数をまとめました。築年数が古くなるほど、礼金なしで募集されているお部屋が増えます。

築年数が古くても、築40年以内なら特に問題ありません。1981年に耐震基準法が施工されているので、1981年以降の物件を目安に探すと良いです。

礼金交渉以外で初期費用を抑える方法

もともと初期費用が安い物件を探す

礼金以外で初期費用を抑えるなら、もともと初期費用安い物件を探してください。敷金がなかったり、仲介手数料がかからないと安く抑えられます。

物件検索サイトの条件で「仲介手数料無料」と入力すると探せます。予算を不動産屋に伝えると、全体の予算に遭ったお部屋を紹介してくれます。

初期費用トータルで費用交渉する

礼金以外で初期費用を抑える時は、他の項目と併せてトータルの金額で交渉すると良いです。〇万円下げてほしいと伝えた方が、不動産屋が交渉しやすいからです。

表にまとめた項目が、礼金より交渉が成功しやすいです。火災保険は自分で安いものに加入するだけで安くできますが、大家さんから了承をもらう必要があります。

礼金交渉に関するよくある質問

東京・神奈川・千葉・埼玉の部屋探しには、アエラス(AERAS)がおすすめです。

アエラスは1996年に池袋西口店をオープンしてから28年間にわたって拡大を続け、2024年現在ではグループ全体で67店舗を展開しています。

また、2023年、2024年のオリコン顧客満足度ランキング(賃貸情報店舗 東京都)で第1位を受賞しており、利用者からの評判も良いです。

他社が掲載している物件もまとめて紹介してもらえる

アエラスは、他の不動産屋が掲載している物件もまとめて調査し、紹介してくれます。複数の不動産屋に行かなくても、一度にすべて紹介してもらえるのは大きなメリットです。

また、ホームズやSUUMOなどに掲載されていない、いわゆる「未公開物件」も数多く扱っています。主要駅の駅前に店舗を構えているため、内見にも行きやすいです。

初期費用の分割払いに対応している

アエラスは、初期費用の分割払いサービスを全店舗でおこなっています。普段、現金よりもカード払いがメインという人でも安心です。

分割する金額は初期費用の全額または足りない分から選べるので、引越しの負担を減らしたい人にもおすすめです。関東の物件を探している人は、LINEで来店の予約や相談ができるので、登録してみてください！