「同性カップルが賃貸で断られるのはなぜ?」
「LGBTQの審査が厳しい理由は?」
2023年現在、同性カップルに関する理解が広がっています。約3百箇所の自治体で「パートナーシップ制度」を設けていて、LGBTQの人が自由に暮らせる環境が整えられています。
しかし、同性カップルに偏見を持つ人は未だ一定数います。賃貸のお部屋探しだと、不動産屋から対応を断られるケースや、大家さんから入居NGが出ることも…。
そこで当記事では、同性カップルが賃貸の入居を断られる理由を解説します。スムーズに同棲するコツや、審査に落ちた後の対処法についてもまとめています。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 営業スタッフ
池袋にある仲介不動産屋「家AGENT」で勤務する営業スタッフ。女性視点できめ細やかな接客をしてくれます。同棲に関する悩みや地域の住みやすさについてのアドバイスに定評があります。
同性カップルが賃貸の入居を断られるのはなぜ?
- ・偏見を持っている大家さんが多い
- ・近隣トラブルを起こしやすいと判断される
- ・長く住んでもらえないと思われる
- ・家賃滞納の心配をされる
- ・親族にカミングアウトできていない
偏見を持っている大家さんが多い
同性カップルが賃貸の入居を断られるのは、偏見をもっている大家さんが多いからです。高齢の大家さんだと、より強い偏見を持ちやすい傾向にあります。
スーモが公表した「LGBTの住まい・暮らし実態調査2018」によると、約57%の同性カップルが「賃貸を探す時に居心地の悪さを感じた」と答えています。
近隣トラブルを起こしやすいと判断される
同性カップルが賃貸の入居を断られるのは、近隣トラブルを起こしやすいと判断されるからです。心配されやすいのは騒音トラブルです。
ケンカの声や生活音が響くと、住民からクレームが入ってしまいます。異性カップルでも条件は同じですが、LGBTQというだけで厳しく審査されます。
長く住んでもらえないと思われる
同性カップルが賃貸の入居を断られるのは、長く住んでもらえないと思われているからです。婚姻関係にないカップルだと、ケンカ別れによる同棲解消を心配されます。
2023年現在、国レベルでの同性婚は認められていません。信用を得るために「パートナーシップ制度」の証明書を提示する必要があります。
親族にカミングアウトしていない
同性カップルが賃貸の入居を断られるのは、親族にカミングアウトしていない人が多いからです。賃貸契約では、両親などを緊急連絡先(連帯保証人)に設定する必要があります。
スーモの調査結果では、親族にカミングアウトできている人は20%以下でした。親に言いにくい人は、兄弟・姉妹へ依頼するのもアリです。
同性カップルが断られずに賃貸を借りるコツ
- ・LGBTQフレンドリーの物件を探す
- ・レインボーマークがある不動産屋を頼る
- ・1人だけの収入で払える家賃帯を選ぶ
- ・ルームシェアとして申し込む
- ・最低でも緊急連絡先は決めておく
- ・入居が決まるまでは愛想良く対応する
LGBTQフレンドリーの物件を探す
同性カップルが断られずに賃貸を借りるコツは、LGBTQフレンドリー物件を探すことです。差別や偏見なく、入居審査ができる物件を指します。
スーモだと、キーワード検索で「LGBTフレンドリー」と入力するだけで探せます。2023年9月時点だと都内に23,225件募集されていて、希望物件にも出会いやすいです。
チャット型の不動産屋なら来店不要で気軽に相談できる
LGBTフレンドリーの物件を探したいなら、チャット型の不動産屋がおすすめです。来店不要で気軽に相談できます。
当サイト運営の「イエプラ」は、チャットやLINEから気軽にお部屋探しができます。不動産業者間サイトを使っているので、LGBTフレンドリーの物件に絞った提案が可能です。
スマホからレインボーマークがある不動産屋を頼る
同性カップルが賃貸を借りるコツは、レインボーマークがある不動産屋を頼ることです。同性カップルに理解があって、審査に通りやすい物件を紹介してくれます。
不動産屋の中には、LGBTQのスタッフが在籍しているところもあります。同じ立場からアドバイスをしてくれるので安心です。
1人だけの収入で払える家賃帯を選ぶ
家賃目安(手取り3分の1) | |
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手取り15万円 | 50,000円 |
手取り16万円 | 53,000円 |
手取り17万円 | 56,000円 |
手取り18万円 | 60,000円 |
手取り19万円 | 63,000円 |
手取り20万円 | 66,000円 |
- 手取り21~30万円の家賃目安はこちら
同性カップルが賃貸を借りるなら、1人の収入だけで払える家賃帯から選んでください。万が一の滞納リスクに備えられるからです。
家賃目安は「手取りの3分の1まで」です。月の手取りが20万円なら、家賃は6.6万円までが目安です。
ルームシェアとして申し込む
同性カップルが賃貸を借りるには「ルームシェア」として申し込むと良いです。引っ越し理由が「ルームシェア」なら、他の人と同じように審査を受けられます。
お部屋の審査時に、関係性を追求されることはありません。万が一聞かれた場合は「友人です」と答えれば大丈夫です。
最低でも緊急連絡先は決めておく
同性カップルが断られずに賃貸を借りるには、最低でも緊急連絡先は決めておきます。賃貸では「緊急連絡先」が入居審査で必要になる項目だからです。
緊急連絡先とは、本人に電話が繋がらない時の連絡先のことを言います。基本的に、両親や兄弟に依頼することが多いです。審査中、本人確認の電話が入る旨を伝えておきましょう。
入居が決まるまでは愛想良く対応する
同性カップルがお部屋を借りる時は、愛想よく対応したほうが良いです。人柄も入居審査のポイントの1つだからです。
審査では内見時の服装も重要です。落ち着いた格好をしていくと、不動産屋の印象が良くなって審査に通りやすいです。
同性カップルが賃貸の入居を断られた時の対処法
- ・LGBTQに理解のある自治体で探す
- ・パートナーシップ証明書を取得する
- ・連帯保証人を立てる
- ・大家を兼ねる不動産屋の物件を借りる
LGBTQに理解のある自治体で探す
- ・世田谷区
- ・渋谷区
- ・中野区
- ・港区
- ・豊島区 など
同性カップルが賃貸の入居を断られた時は、LGBTQに理解のある自治体で探してください。街の不動産屋に対して、偏見を持たないよう指導してくれているからです。
都内の自治体だと、世田谷区と渋谷区が最も協力的と言われています。2015年に初めてパートナーシップ制度を開始したからです。
理解のある自治体なら、LGBTフレンドリーの物件が多いです。気に入ったお部屋があれば、スムーズに申し込み・審査が可能です。
パートナーシップ証明書を取得する
同性カップルが入居を断られた場合、パートナーシップ証明書を取得してください。異性と結婚した時とほぼ同様に扱われるため、審査に通りやすくなります。
証明書があれば、公営住宅に住めるようになります。証明書をもらうには、必要書類を用意して、自治体で手続きをおこなってください。
- 手続きに必要な書類はこちら
連帯保証人を立てる
同性カップルが入居を断られた時の対処法として、連帯保証人を立てる方法があります。収入が不安視された時に有効です。
連帯保証人は3親等以内であることが条件です。現在も働いている人にお願いすると、入居できる可能性が大幅に上がります。
大家さんを兼ねる不動産屋の物件を借りる
同性カップルが入居を断られた場合、大家さん(貸主)を兼ねる不動産屋で物件を借りるのもアリです。不動産屋側が事情に納得すれば、比較的ラクにお部屋が借りられます。
大家さんを兼ねる不動産屋は、スーモなどのポータルサイトで探せます。取引態様の欄に「貸主」と記載されていれば、大家さんを兼ねている不動産屋です。
同性カップルが賃貸を借りる時のよくある質問
同性カップルは賃貸でなぜ断られる?
大家さんからの偏見が多いからです。LGBTQフレンドリーの賃貸なら、審査に通りやすいです。
LGBTが賃貸を借りる時の問題は?
LGBTフレンドリーの賃貸が少ないことです。お部屋探し中に、疲れてやめてしまう人もいます。
同性カップルだと賃貸の審査は厳しい?
偏見が多いので、審査は厳しめです。偏見を持つ大家さんが多いためです。LGBTに理解のある自治体でお部屋探しすると、偏見を持たれにくいです。
同性カップルと申告せずに借りた時はどうなる?
最悪の場合、強制退去になります。隠して生活するより、最初からLGBTQフレンドリーの賃貸物件を探しておくと安心です。
同性カップルの同棲には親の協力は必要?
必要です。最低でも緊急連絡先、審査が難航したら連帯保証人を頼む必要があります。
LGBTフレンドリーの賃貸が探せる不動産屋は?
レインボーマークを掲げている不動産屋です。LGBTQの人がお部屋を借りられるように協力してくれます。