「アパートの退去費用は10年住めば減る?」
「安くなる箇所や経年劣化の対象は?」
アパートの退去費用は、10年住めば安くなるケースが多いです。大家さんが原状回復する「経年劣化」の損傷がほとんどだからです。中には、敷金が半額以上戻ってきた人もいます。
しかし、原因次第では入居者負担になる損傷もあります。ガイドラインの内容を知っておかないと、高額な退去費用を請求される恐れも…。
そこで当記事では、10年以上と長期間住み続けた人向けに、退去費用の相場や何年住めばどこが安くなるのかを解説します!
- 経年劣化分を請求されないので安くなる
- 契約内容によっては10年住んでも安くならない
- 退去費用で悩みたくない人はイエプラに定額のお部屋を探してもらうのがおすすめ
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不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
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賃貸アパートの退去費用は10年住めば安くなる
自然消耗の「経年劣化」分は負担が減る
退去費用は主に「原状回復費用」と「ハウスクリーニング費用」の2つに分かれます。10年住んでいた賃貸アパートは、自然消耗の「経年劣化」分の原状回復費用が安くなります。
賃貸物件の経年劣化とは「普通に暮らしていれば自然とできる傷や汚れ」のことです。フローリングや壁紙の日焼け、家具を設置していた部分のへこみなどが当てはまります。
一般的には6~8年で退去費用が安くなる
耐用年数 | 設備 |
---|---|
5年 | 流し台 |
6年 | 壁紙、カーペット、エアコン、インターホンなど |
8年 | 書棚、タンス、戸棚などの金属製ではない家具 |
15年 | 便器、洗面台の給排水設備、金属製の家具など |
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、一般的には6~8年で退去費用が安くなります。
設備の耐用年数を基に、減額が決められているからです。耐用年数が6年のものは「同じお部屋に6年住み続ければ経年劣化に当てはまる」とみなされます。
契約書に「特約」がある場合は注意
賃貸契約に関しては、国土交通省のガイドラインよりも賃貸契約書の内容が優先されます。「特約事項」が記載されている場合は、退去費用が掛かります。
「退去時のクリーニング費用は別途〇万円」「敷金0.5ヶ月分はクリーニング費用とする」など、明確に記載されています。
今からお部屋を探す人は、契約前に特約事項に記載されている金額が妥当かも確認すべきです。締結後は一切変更できません。
そもそも退去費用の相場はいくら?
間取りごとの退去費用相場
退去費用の平均額 | |
---|---|
ワンルーム、1K、1DK、1LDK | 49,980円 |
2K、2DK、2LDK | 79,924円 |
3DK、3LDK、4K、4DK、4LDK | 90,139円 |
無人契約機検索サイト「アトムくん」を使って、間取りごとの相場をまとめました。
おおよそ間取りごとの平均家賃より下回る金額が、退去費用の相場と言えます。敷金ありのお部屋だと、十分に賄える範囲です。
箇所ごとの退去費用目安
箇所ごとの単価 | |
---|---|
壁紙の張替え(㎡) | 1,000~1,500円 |
フローリングの張替え(㎡) | 10,000~20,000円 |
カーペットの張り替え(㎡) | 8,000~15,000円 |
フロアタイルの張替え(㎡) | 4,000~6,000円 |
クッションフロアの張替え(㎡) | 2,000~4,000円 |
網戸の張替え(枚) | 3,000~4,000円 |
油汚れの除去(キッチン) | 15,000~20,000円 |
水垢やカビの除去(浴室) | 10,000~20,000円 |
汚れの除去(トイレ) | 8,000~10,000円 |
便座(座る部分) | 10,000~13,000円 |
鏡(枚) | 8,000~10,000円 |
柱の修繕 | 10,000~40,000円 |
よくある修繕箇所ごとの費用をまとめました。品質や素材によってもことなるので、あくまで目安としてください。
なお、フローリングは素材次第です。1部分のみの貼り替えが出来る場合は安いですが、全面貼り替えしかできない素材だった場合は高額になりやすいです。
退去費用の基準はガイドラインで明確に決められている
10年住んだら貸主負担になる箇所例
- ・建物の構造上で発生したカビ
- ・日光によるフローリングや壁紙の日焼け
- ・冷蔵庫やTVなどの家電による壁の電気焼け
- ・カレンダーや時計のために壁に開けた画鋲の穴
- ・エアコン設置によるビス穴や跡
- ・ベッドやタンスの重みでへこんだフローリング
- ・耐用年数経過による設備品の故障
- ・自然災害によるガラスや網戸の損傷
- ・破損や紛失以外の鍵の取り替え
- ・専用業者を入れないと清掃できない部分の汚れ
建物の構造上で発生したカビ
建物の構造上で発生したカビは、対策が出来ないので貸主(大家さん)負担になります。
コンクリート打ちっぱなしのお部屋や、業務用室外機があって窓が開けられないようなお部屋が当てはまります。
日光によるフローリングや壁紙の日焼け
日光によるフローリングや壁紙の日焼けは、普通の生活では避けられないため経年劣化に含まれ貸主負担になります。
壁近くに設置していた棚の形に焼けていた場合も、日光による日焼けに含まれます。
冷蔵庫やTVなどの家電による壁の電気焼け
冷蔵庫やTVなどの家電による壁の電気焼けや黒ずみも経年劣化に含まれます。日常の生活に無くてはいけない設備を設置したためにできた汚れだからです。
ただし、冷蔵庫の水漏れやテレビや電子レンジの漏電による電気焼けは自己負担になるので注意しましょう。
プロは漏電で出来た電気焼けか、日常生活でできた電気焼けか見分けられます。
カレンダーや時計のために壁に開けた画鋲の穴
カレンダーや時計を壁につけるために壁に開けた画鋲の穴は、日常の生活における傷に含まれるため貸主負担になります。
画鋲の穴より大きな穴が開くネジや釘、壁紙の後ろにある下地ボードというものを貫通していた場合は自己負担です。
エアコン設置によるビス穴や跡
貸主から設置許可をもらって開けたエアコン設置によるビス穴や跡は、日常生活で必要な設備に含まれるので貸主負担です。
事前に貸主から許可をもらっていない場合や、お部屋にあるエアコンを無断で取り換えた場合は自己負担です。
ベッドやタンスの重みでへこんだフローリング
ベッドやタンスの重みでへこんだフローリングは、日常生活で徐々にできるへこみなので経年劣化の対象です。
家具の設置が多い場合も「設置によるへこみは自然消耗ととらえるのが妥当」とガイドラインに記載されているので貸主負担です。
耐用年数経過による設備品の故障
使っていて自然に壊れたものや、耐用年数経過による設備の故障はすべて経年劣化に当てはまります。
壊れた時に貸主に連絡をしていない場合は、その限りではないので注意してください。
自然災害によるガラスや網戸の損傷
地震や台風などの自然災害によるガラスや網戸の破損は、防げるものではないとされ入居者に責任はありません。
網戸入りのガラスなど構造上により自然と亀裂が入った場合も、入居者に責任がないので貸主負担です。
破損や紛失以外の鍵の取り替え
破損や紛失が無く次の入居者のために鍵を取り換える場合は、貸主もしくは次の入居者の負担になります。
契約書の特約事項などに「鍵の取り換えは退去費用に含む」など記載されていた場合は、特約事項が優先されます。
専用業者を入れないと清掃できない部分の汚れ
トイレやお風呂、キッチンなどの給排水設備や、換気口洗浄、エアコンの内部洗浄など、専用業者を入れないと清掃できない部分の汚れは、自然消耗になるので貸主負担です。
10年住んでも入居者負担になる箇所例
- ・換気や掃除不足で発生したカビ
- ・タバコのヤニによる壁紙の黄ばみ
- ・引っ越し時にできた傷や汚れ
- ・キッチンや水回りの油汚れや腐食など
- ・重量物をかけるために開けた穴
- ・キャスター付き椅子やキャリーバックによる傷やへこみ
- ・壊れた設備を放置していたもの
- ・鍵の紛失や変形
- ・ペットによる傷や汚れ
- ・その他の故意的にできた傷や汚れ
換気や掃除不足で発生したカビ
窓を開けられる状態なのに換気していなかった、結露を放置していてカビが発生した場合は、入居者負担となります。
カビは換気と掃除さえしていれば防げると判断されるからです。防犯上窓を開けたくないという人は、除湿器や空気洗浄機などを導入したほうが良いです。
タバコのヤニによるクロスの黄ばみ
タバコのヤニによるクロス(壁紙)の黄ばみは自己負担です。タバコの臭いを消すための消臭代もかかります。
引っ越し時にできた傷や汚れ
引っ越し時の荷物の搬入によりできた壁やフローリングの傷や汚れは、自然にできるものではないので経年劣化に当てはまりません。
引っ越し業者がつけた場合でも入居者の責任になるので、引っ越しする際は業者に傷をつけないよう念入りに言っておくべきです。
キッチンや水回りの油汚れや腐食など
長年放置していてこびりついた油汚れやスス、腐食などはすべて入居者が掃除を怠った責任と判断されるので自己負担です。
ただし、埋め込み式の換気扇や、取り外せないIHコンロ下の汚れは、業者じゃないと掃除できないので、経年劣化とみなされます。
重量物をかけるために開けた穴
付長押(つげながし)やピクチャーレールのように、壁に穴をあけて洋服や写真などを飾れる器具を取り付けた場合は、お部屋を元の状態まで戻せないので原状回復費用がかかります。
取り外した場合でも、自分で修繕できない大きい穴が残るのであきらめて支払いましょう。もともとお部屋についていた場合は、経年劣化に含まれます。
キャスター付き椅子やキャリーバックによる傷やへこみ
キャスター付き椅子やキャリーバックは、転がせば傷ができると事前に予測できるので自己負担です。
生活していれば出来ると言っても、カーペットを敷く・キャリーバックは持ち上げるなどで対策できます。
壊れた設備を放置していたもの
故意的に壊したわけでなくても、故障を見つけた時点で管理会社に連絡をしていなかった時点で、責任放棄とみなされるので自己負担になります。
鍵の紛失や変形
鍵の紛失や、不自然な変形はすべて使用していた入居者の責任です。
鍵穴の破損の場合は、よほど乱暴に扱わない限り壊れるものではないので、経年劣化の対象になる場合が多いです。
ペットによる傷や汚れ
ペットによる壁やフローリングの傷や汚れは、飼い主の責任になるので自己負担になります。臭いを消すための消臭代も自己負担です。
また、尿や糞などによるシミなどもキレイに掃除すれば未然に防げたことなので、飼い主の責任放棄とみなされます。
その他の故意的にできた傷や汚れ
その他、壁を殴ってできた穴や、モノを落としてできた傷など、普通に生活していて自然にできるはずのない傷や汚れは経年劣化対象に当てはまりません。
飲み物や食べかすによるシミや汚れも、きちんと掃除すればできるはずのない汚れになるので自己負担です。
退去時に大掃除をしても退去費用は発生する
クリーニング費用は必ず取られる
クリーニング費用 | |
---|---|
ワンルーム、1K | 30,000~40,000円 |
1DK、1LDK | 30,000~50,000円 |
2DK、2LDK | 40,000~80,000円 |
3DK、3LDK | 50,000~90,000円 |
4DK、4LDK | 70,000~100,000円 |
退去前に、排水溝や換気扇など隅々まで大掃除する人が多いですが、お部屋の見える範囲をキレイに掃除したくらいでは退去費用は変わりません。
必ず退去後に貸主が指定しているクリーニング業者が入り、退去費用として代金を支払うからです。
下手に修繕すると退去費用が高くなる
フローリングの抉れた傷の修復や、市販の洗浄薬を使ってのエアコン掃除などは、退去費用が高くなる原因です。
素人が自分で修繕しても、プロの目から見ると不十分なことが多いからです。また、設備が故障する可能性もあり、取り換え費用などが上乗せされるケースもあります。
退去費用は原則分割払いはできない
現金での一括振り込みが基本
賃貸アパートの退去費用は、現金での一括振り込みが基本です。分割にして逃げられるなどのトラブルを未然に回避するためです。
お金が無いからと言って分割してほしいとお願いしても、断られる可能性が高いです。
大手管理会社だとクレジットカード払いできる場合がある
「大東建託」や「レオパレス21」などの大手管理会社だと、退去費用をクレジットカードで払える場合があります。
カード会社のサービスである「あとから分割」や「あとからリボ」を選択すれば、分割払いが可能です。ただし、手数料がかかるのでトータルで支払うお金は高くなります。
退去費用に納得がいかない場合は見積りにサインをしない
まずは不動産屋に相談
退去費用に納得がいかない場合は、見積りにサインをする前に不動産屋に連絡してください。
ほとんどの不動産屋が、最初は多めに退去費用を請求してくるのが現状です。敷金より高い場合も、一度相談したほうが良いです。
その際に国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を手元に準備してから離すとスムーズです。
消費者センターに相談するのも良い
管理会社が交渉に応じてくれない、金額に納得がいかないまま話を打ち切られたという人は、消費者センターや国民生活センターに電話してください。
「退去費用の見積もりをもらったが、金額が高すぎるので相談に乗ってほしい」と伝えてください。窓口の人は対応に慣れているので的確なアドバイスがもらえます。相談料は無料です。
裁判は労力がかかるので最終手段
裁判に持ち込むのも手ですが、時間や労力がかかります。退去費用より裁判費用のほうが高くなる場合もあるので、あくまで最終手段にしましょう。
不動産屋側も、裁判になると面倒です。1度目の相談や、消費者センターへの問い合わせで、減額してくれる場合がほとんどです。
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- 未公開物件も紹介してもらえる
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また、2023年、2024年のオリコン顧客満足度ランキング(賃貸情報店舗 東京都)で第1位を受賞しており、利用者からの評判も良いです。
他社が掲載している物件もまとめて紹介してもらえる
アエラスは、他の不動産屋が掲載している物件もまとめて調査し、紹介してくれます。複数の不動産屋に行かなくても、一度にすべて紹介してもらえるのは大きなメリットです。
また、ホームズやSUUMOなどに掲載されていない、いわゆる「未公開物件」も数多く扱っています。主要駅の駅前に店舗を構えているため、内見にも行きやすいです。
初期費用の分割払いに対応している
アエラスは、初期費用の分割払いサービスを全店舗でおこなっています。普段、現金よりもカード払いがメインという人でも安心です。
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