「賃貸の退去費用は分割できる?」
「クレカ払いにしてあとから分割は可能?」
新しいお部屋に引っ越しする際、退去費用を減らすために大掃除しますよね!自分なりに綺麗にできれば、敷金が戻ってくると期待します。
しかし、配管などのクリーニング費用がかかったり、敷金なしのお部屋の場合は預け金が無いので全額請求されます。まとまったお金がなく、困る人も多いです。
そこで当記事では、賃貸の退去費用を分割払いできるのか、クレジットカード払いは可能かを解説します。少しでも負担を減らしたい人は、参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。
退去費用は分割払いできないことが多い
退去費用は現金での一括振込が基本なので分割払いできないことがほとんどです。
ごくまれに、企業ではなく大家さんが個人で管理している物件では「初めにまとまったお金を支払って残りを分割」としてくれることがありますが、期待しないほうが良いです。
家賃や入居時の初期費用をクレジットカードで決済できた不動産屋でも、退去費用は口座振込しか対応していないことが多いです。クレジット払いできない以上、分割では支払えません。
クレジット払いに対応しているならば「あとから分割」を利用できる
もしも物件の管理会社が退去費用をクレジットカード決済に対応しているならば「あとから分割」や「リボ払い」などを活用することで、支払いを分割できます。
退去費用のクレジット払いに対応している不動産屋は「1回払いのみ」と定めていることがほとんどですが、決済後にクレジットカード会社に連絡すれば支払いコースを変更できます。
下記の表には、退去費用のクレジット払いに対応している管理会社をまとめました。大手の不動産屋でも、退去費用のクレジット払いには対応していない会社はあります。
退去費用のクレジット払い | |
---|---|
大東建託 | 対応 |
レオパレス | 対応 |
ピタットハウス | 対応 |
ミニミニ | 対応 (ミニテックカードのみ) |
ダイワハウス | 対応 (D-room Cardのみ) |
エイブル | 非対応 |
アパマンショップ | 非対応 |
積水ハウス | 非対応 |
ハウスメイト | 非対応 |
ミニミニとダイワハウスは、指定された独自のクレジットカードであれば退去費用の支払いに使えます。カードを作っていないならば、退去手続きの前に問い合わせましょう。
退去費用の支払いは退去から約1ヶ月後
退去費用の支払いは、退去から約1ヶ月後です。新しい住所に「請求書」か「見積書兼請求書」が届くので、記載された金額を指定の口座に振り込みます。
入居時に預けた敷金で退去費用をまかなえた場合は、請求書は届かず、返金について電話がかかります。敷金が返金されるのも退去から1ヶ月後が目安です。
もしも、敷金を預けているのに1ヶ月以上経っても退去費用の連絡がないときは、自分から電話しましょう。余った敷金を横領するために、わざと連絡してこない不動産屋の可能性があります。
退去費用は高額で請求されることが多い
賃貸物件の管理会社は、実際にかかった費用よりも高額の退去費用を請求することが多いです。損をしないために、請求書の内容は必ずチェックすべきです。
請求書が届いたら、内訳を見て、不自然に高い金額になっていないか、退去立ち合いの話とズレていないか、確認しましょう。退去時の写真があれば、客観的な判断材料になります。
退去者の負担範囲は国土交通省のガイドラインで確認できる
退去者の負担する費用の範囲は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にまとめられています。
以下に、ガイドラインに書かれている修繕箇所の内訳をまとめました。請求書の内容と照らし合わせるのに使ってください。
・落書きによる壁紙の汚損
・結露を放置したことで発生したカビ
・雨水による畳、フローリングの変色
・金具のない天井につけた照明器具の跡
・家具の移動によってできた傷、汚損
・キャスター付のイスによるキズ、へこみ
・布団を敷きっぱなしにして発生したカビ
・ペットによる傷、汚損、におい
・エアコンの水漏れによる壁や床の腐食
・台所、換気扇の油汚れ
・風呂、トイレ、洗面台のカビや水垢
・過度なタバコのヤニ汚れ、におい
・釘穴、ねじ穴
・鍵の紛失、破損
・こぼした飲食物を放置してできた汚れ
・冷蔵庫、TVによる壁の電気ヤケ
・ポスター、カレンダーなどの跡
・画びょう、ピンの穴
・エアコン設置によるビス穴、跡
・自然災害によるガラスの損傷
・耐用年数経過による設備品の故障
・破損や紛失以外の鍵の取り替え
・畳の表替え、裏返し
・フローリングのワックスがけ
・網戸の張り替え
・エアコンの内部洗浄
・台所、トイレの消毒
・ハウスクリーニング代
入居時に特別な取り決めをしていて、賃貸契約書に「ハウスクリーニング代を負担する」というような特例を書いていなければ、国土交通省のガイドラインが適用されるのが一般的です。
ガイドラインによると、退居者が負担するのは故意や過失でつけた汚損の修繕費用だけです。例えば「日焼けを修繕するために壁紙を張り替える」ときは、大家さんや管理会社が費用を出します。
また、退去時の修繕は「誰が住んでも、このぐらいの状態にはなった」という段階まで部屋を回復すれば十分です。ガイドラインにも借りた当時の状態まで戻す必要はないと書かれています。
もしも請求書の内容がガイドラインに違反している場合は、口座に振り込む前に不動産屋に連絡して、訂正した請求書をあらたに送ってもらいましょう。
悪意のある高額請求は宅建協会や消費者センターに相談する
ガイドラインの内容を指摘しても改善されないような、悪意のある高額請求については専門機関に相談しましょう。下記の機関であれば、相談料はかかりません。
なかには「宅建協会に相談しました」や「国民生活センターに問い合わせる」と伝えると、対応が良くなる不動産屋もあります。
・全日本不動産協会
・国民生活センター(消費生活センター)
・法テラス
退去費用の支払いは拒否できない
退去費用の支払いは拒否できません。届いた請求書を無視していると、最悪の場合、訴訟を起こされる危険があります。
十分なお金がない、請求されている金額が高すぎるなどの事情がある場合でも、必ず不動産屋には連絡しましょう。
退去費用を支払うお金が手元にないならば、両親や兄弟に相談して借してもらうべきです。頼れる人がいない場合は、消費者金融などの利用を検討します。
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初期費用の分割払いに対応している
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