「先行申込と先行契約の違いとは?」
「内見後はキャンセル可能?不可能?」
見たい賃貸物件が居住中で内見できないときは「先行申込」や「先行契約」という方法があります。内見前に申し込みを入れるので、優先的に見学・契約できるようになります。
しかし、それぞれのデメリットは知っておくべきです。他の人に物件を取られたり、お部屋をキャンセルできなくなる恐れがあります…。
そこで当記事では、先行申込と先行契約のメリット・デメリットについて解説します。複数の物件を申し込みできるのか、同時審査になるのかもまとめています。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
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賃貸の先行申込とは
内見前にお部屋を申し込むこと
先行申込とは、内見前にお部屋を申し込むことです。申し込み時点では内見できない物件でよく見られます。
通常は内見してから申し込んで、入居審査を受けるのが一般的です。先行申込は先に申し込みと審査を済ませて、後日現地を見学します。
不動産業界では、最初に申し込んだ人を1番手、以降を2番手と呼びます。他の人より早く申し込みを入れるため、1番手として優先的に内見できるメリットがあります。
先行申込するお部屋の特徴
- ・退去前(居住中)
- ・室内クリーニング中
- ・大規模なリフォーム中
- ・建設中の新築物件
先行申込する代表的な物件は、退去前(居住中)で内見できないお部屋です。前の入居者が退去届を出したタイミングで募集が始まります。
退去後であっても、室内のクリーニング・リフォーム中だと内見できません。工事が明けたら内見できるようになります。
新築物件は完成の2~3ヶ月前から賃貸サイトに掲載されます。後日開催される内覧会で室内を見学します。
先行申込~入居までの流れ
- 申し込み
- 入居審査
- 審査結果が出る
- 内見
- 初期費用の支払い
- 賃貸借契約
- 鍵渡し(入居開始)
紹介した通り、先行申込は先に申し込みを済ませます。管理会社や保証会社の審査を受けて、無事に通過できたら内見日を調整しましょう。
実際にお部屋を見学をしたら、契約しても良いか判断します。契約する場合は初期費用の請求書が届くので、期日までに入金してください。
賃貸借契約を結んで書類に不備がなければ、契約開始日(入居日)の前日から鍵がもらえます。
「先行契約」という方法もある
先行契約とは、内見せずに賃貸契約を結ぶことです。「見ないで申し込む」という点では先行申込と似ています。
しかし、先行契約は申し込み・入居審査・契約を一気に進めます。遠方からの引っ越しで入居日まで現地へ行けない人や、引っ越し日まで時間がない人が使う方法です。
先行申込と先行契約の違い
先行申込 | 内見前にお部屋を申し込む方法 物件に満足できなかったらキャンセル可能 |
---|---|
先行契約 | 内見なしで契約手続きを進めること 原則キャンセル不可 |
先行申込は内見後にキャンセルできる
先行申込と先行契約の大きな違いは、キャンセルできるかどうかです。先行申込なら内見後にキャンセルできます。
先行契約は原則キャンセル不可です。入居後、室内のイメージが違ったとしても、契約は取り消せません。
先行申込にもデメリットはある
- ・先行契約する人に物件を取られやすい
- ・複数の物件を申し込むと審査に落ちやすい
- ・同時審査にされやすい
- ・引っ越し日の調整が難しい
比較的自由にお部屋探しができる先行申込にもデメリットはあります。代表的なものを4つ紹介します。
先行契約する人に物件を取られやすい
先行申込のデメリットは、先行契約より優先度が低いことです。1番手で申し込んでいても、あとから先行契約する人が現れたら順番を抜かされてしまいます。
どうしても物件を取られたくないなら、自分も先行契約で進める必要があります。「やっぱり室内は見ておきたい」という人は、諦めて物件を譲るしかありません。
複数の物件を申し込むと審査に落ちやすい
先行申込は日程に余裕が生まれやすいので、気になる物件をいくつも申し込みがちです。しかし、複数の物件を申し込むと審査に落ちやすくなります。
同じ地域の不動産屋は、互いに顧客情報などを共有していることが多いです。近い物件なら、管理会社が同じというケースもあります。
複数の物件を申し込むと「どれも住む気がないのでは?」と判断されて入居を断られます。
同時審査にされやすい
すぐに内見できない物件だと、同時審査にされやすいです。同時審査とは、申し込みの順番に限らず他の人と同時に審査を受けることです。
先行申込はキャンセルされやすく、次の入居希望者を待つ時間がもったいないためです。審査結果が出た人から、優先的に契約できる権利が与えられます。
審査に遅れが出ないよう、必要書類は不備なく準備しておきましょう。審査時に必要な書類はのちほど解説します。
引っ越し日の調整が難しい
先行申込は引っ越し日の調整が難しいです。いつ頃入居できるか曖昧だからです。
先に申し込みと審査を済ませても、2週間~1ヶ月ほど内見できない期間が続きます。見学して気に入らなかった場合は、別のお部屋を探さなければいけません。
なかなか物件が決まらず、予想よりもお部屋探しが長引く人が多いです。入居日が決まっている人なら、即入居可の物件を中心に探したほうが良いです。
先行申込・先行契約できない物件もある
先行申込・先行契約できない理由
- ・大家さんがNGを出している
- ・過去に何度もキャンセルされた
先行申込に関して、大家さんがNGを出している物件は少なくありません。空室期間が伸びて、家賃収入が得られないリスクがあるためです。
申し込みが入ったときは、物件掲載を取り下げるのが一般的です。しかし、契約する見込みが高いユーザーを逃す可能性があるため、先行申込を嫌がる大家さんは多いです。
また、過去に何度もキャンセルされた物件だと、先行契約ができないケースがあります。管理会社が「またキャンセルされるのではないか」と不安に思うからです。
先行申込後の内見でチェックするポイント
- ・玄関周辺
- ・居室
- ・水回り
- ・窓やベランダ
- ・共用部分
- ・周辺環境
内見時にチェックすべきポイントをまとめました。家具家電が入るか調べるために、玄関の開口部や居室などは事前に採寸してください。
水回りはスペースの広さや機能、傷み具合の確認が必須です。シャワーの水圧が弱くないかも確かめておくと良いです。
共用部分は、防犯カメラやオートロックといった防犯設備を見ます。廊下や階段が清潔に保たれているかもチェックしましょう。
物件周辺の住環境にも注目です。スーパーなどの買い物環境が整っているか、実際に歩いて確認してください。内見時のチェックポイントは、次の記事で解説しています。
先行申込や先行契約に必要な書類
審査時(申し込み時)の必要書類
- ・本人確認書類(運転免許証など)
- ・健康保険証
- ・収入証明書(源泉徴収票など)
本人確認書類(身分証)は顔写真付きのものが好ましいです。運転免許証やナンバーカードなどを用意してください。
収入証明書は、1年以上働いているなら昨年度の源泉徴収票が必要です。勤続年数が1年未満の場合、直近3ヶ月分の給与明細を提出します。
引っ越し理由が就職・転職なら内定通知書で大丈夫です。必要書類は物件ごとに異なるので、事前に不動産屋に聞いておくとスムーズです。
契約時の必要書類や持ち物
- ・認印
- ・銀行印、届け出印
- ・本人確認書類
- ・現住所の住民票
- ・収入証明書
- ・家賃を引き落とす口座の通帳
- ・実印(実印契約の場合)
- ・印鑑登録証明書 など
契約書類に捺印をするので、契約者の認印もしくは実印が必要です。シャチハタは一切使えないので注意してください。
役所で取り寄せる住民票や印鑑証明書は、原則発行から3ヶ月以内のものを用意しましょう。家賃が口座引き落としなら、通帳と銀行印も準備します。
引っ越し先の不動産屋が遠ければ、契約書類を郵送してくれます。自分でコピーした必要書類を同封して返送します。
賃貸契約までに必要な書類や持ち物は、次の記事で解説しています。必要になる確率もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
先行申込や先行契約に関するよくある質問
見たい賃貸物件が居住中で内見できないときの対処法は?
「先行申込」という方法があります。
先行申込とは、内見前にお部屋を申し込むことです。見たい物件が理想に近いなら、先に申し込んで内見できる時期に見学するのも手です。
他の人より早く申し込みを入れるため、1番手として優先的に内見できるメリットがあります。
先行申込は内見後にキャンセルできる?
キャンセル可能です。
先行申込はお部屋に満足できなかったらキャンセルできます。1番手で申し込めて、嫌だったら別の物件を探せる手軽さがあります。
内見せずに契約するのはアリ?
大家さんの許可が出れば問題ありません。
内見なしで契約を進める方法を「先行契約」と呼びます。遠方からの引っ越しで入居日まで現地へ行けない人や、引っ越し日まで時間がない人が使う方法です。
物件を見ないで決めるときの注意点はこちらで解説しています。避けるべき物件の特徴もまとめています。
先行申込と先行契約の違いって?
2つの大きな違いはキャンセルできるかどうかです。
先行申込は内見後でもキャンセルできますが、先行契約は原則キャンセルできません。入居したあと室内のイメージが違ったとしても、契約は取り消せないので要注意です。
先行申込にデメリットってある?
先行申込のデメリットは以下の通りです。
- ・先行契約する人に物件を取られやすい
- ・複数の物件を申し込むと審査に落ちやすい
- ・同時審査にされやすい
- ・引っ越し日の調整が難しい
先行申込のデメリットは、先行契約より優先度が低いことです。1番手で申し込んでいても、あとから先行契約する人が現れたら順番を抜かされてしまいます。
また、申し込みの順番に限らず同時審査になりやすいです。先行申込はキャンセルされやすく、次の入居希望者を待つ時間がもったいないためです。
先行申込のデメリットはこちらで詳しくまとめています。先行申込を検討している人は参考にしてください。
先行申込と先行契約どちらが優先される?
先行契約が優先されます。
紹介した通り、先行申込が入っていても、先行契約なら優先的にお部屋を契約できます。
先行申込した人が契約するには、自分も先行契約で進める必要があります。「やっぱり室内は見ておきたい」という人は、諦めて物件を譲るしかありません。
内見予約が遅かったら先に契約される?
基本的に、契約できる人は内見予約の順番では決まりません。
内見予約や内見時間が遅くなっても、最初に申し込んだ順番で番手が決まります。無事に入居審査を通過すれば契約手続きを進めます。
しかし、内見の順番で番手を決める大家さんも存在します。トラブルになりそうな物件であれば、別のお部屋を検討するのも手です。
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