「告知事項ありの賃貸物件とは?」
「事故や事件性なしでも瑕疵になる?」
せっかく新居に住むなら、できるだけ希望条件に沿った理想の物件を選びたいですよね!なかでも、家賃はお部屋選びで重要な要素です。
しかし、家賃が安くても「告知事項あり」と記載された物件は注意が必要です。どんな特徴があるか理解しておかないと、入居してから後悔する可能性が高いです。
そこで当記事では「告知事項あり」とはなにかを紹介します。告知事項に当てはまる4つの瑕疵や、事件性がない物件も該当するかについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
告知事項ありの賃貸物件とは
告知すべきことがある物件
告知事項ありとは「契約の前に告知しないといけない内容がある」物件ということです。
入居者が心理的に住みたくない条件や、騒音を出したり治安を悪化させる建物が近くにある状態が該当します。
宅地建物取引業法の告知義務では「不動産屋は、契約するかの判断に重要な影響を及ぼす事項を入居者に説明しなければならない」と定められています。
さまざまな呼び方や表記がある
- ・事故物件
- ・訳あり(ワケあり)
- ・心理的瑕疵
- ・いわくつき
- ・要注意
- ・特別募集住宅
- ・特定物件
スーモやホームズなどネット上に公開されている物件情報は、掲載元の不動産屋によって書き方が異なることがあります。
「告知事項あり」のほかに「事故物件」や「訳あり」などと記載されていることがあります。物件情報の備考欄に明記されているので確認してください。
UR賃貸や公営住宅などでは「特別募集住宅」や「特定物件」と呼ばれます。
不動産屋からの告知義務がある
説明を怠ると法律違反になる
告知事項ありの物件は、必ず不動産屋が詳細説明をおこなわなければなりません。
告知事項を説明せずに契約を結ぶと「不告知」や「告知義務違反」として法律違反になり、裁判に発展する可能性があります。
多くの不動産屋は告知を怠ったあとのリスクを考えて、契約前に説明してくれます。
告知の対応は不動産屋によって異なる
告知事項があっても不動産屋によって対応が変わります。告知義務はあるものの、対応方法までは法律で決められていないからです。
たとえば、事件や事故が起こったお部屋に1度ほかの入居者が住めば、次の申込者には伝えないという不動産屋があります。
事故発生から3年間は告知義務がある
国土交通省が定めたガイドラインによると、人の死が関わる事故が発生してから3年間は告知義務があるとされています。
しかし、事件・事故が全国ニュースで取り上げられるなど、事件性や周知性が高いものに関しては、3年を超えても告知義務が発生します。
告知義務が必要ないケースもある
入居者が老衰や病死などの「自然死」と、入浴中の溺死や転倒での事故死などの「不慮の事故」は告知義務がありません。
ただし、遺体の発見が遅れて自然死か事故死か判断できない場合は告知義務が発生します。
告知事項ありに該当する4つの瑕疵
- ・心理的瑕疵
- ・環境的瑕疵
- ・物理的瑕疵
- ・法的瑕疵
過去に自殺や事故死などがあった「心理的瑕疵」
過去に自殺や事故死、殺人があったお部屋は物件そのものが「心理的瑕疵物件」として扱われます。入居者が精神的・心理的にストレスがかかる可能性がある物件を指します。
自然死や病死は基本的に心理的瑕疵には当てはまりませんが、遺体の発見が遅れた場合は該当することがあります。
遺体の腐敗によりお部屋が汚れた場合は特殊清掃をおこないます。特殊清掃がおこなわれた物件は心理的瑕疵物件として扱われます。
人が亡くなっていなくても心理的瑕疵になる
人が亡くなっていなくても過去に大きな事件や事故、火災が発生した場合は、心理的瑕疵物件に含まれることがあります。
心理的瑕疵物件として取り扱うかの明確な基準がないので、大家さんや管理会社の判断によって分かれます。
周辺環境に問題がある「環境的瑕疵」
物件の周りに嫌悪施設があったり、治安の悪化や騒音トラブルなどの公害の発生源が近くにある場合は「環境的瑕疵」に該当します。
周辺の嫌悪施設に不信感や不安を感じるかは個人差があります。そのため、物件によっては、周辺環境に問題があっても環境的瑕疵として取り扱いません。
「環境的瑕疵がある=実害がある」というわけではないので、「そういう施設があるんだな」程度に留めておくと、お部屋選びの選択肢が広がります。
環境的瑕疵になりうる嫌悪施設の一例
- ・ゴミ処理場
- ・軍事施設
- ・火葬場
- ・墓地
- ・暴力団事務所
- ・風俗店
- ・ギャンブル施設
- ・病院 など
嫌悪施設とは、治安の悪化を引き起こす原因になったり、周囲に不安や不信感を与える施設を指します。
騒音被害につながる施設や、地域の治安や風紀が悪化する可能性があるものなど幅広いです。
物件を調べるときには周辺環境も合わせて確認しておくと良いです。
お部屋に欠陥が残る「物理的瑕疵」
物理的瑕疵とは、傷や傷みが手直しされずに残っている状態を指します。
タバコのシミや設備の経年劣化、シロアリによる構造材の傷みがそのままになっていることが多く、築年数が古い建物に多く見られます。
土地に問題があるケースもある
建物やお部屋ではなく、物件が建っている土地に何かしらの問題がある場合があります。
地盤沈下や土壌汚染、ゴミや廃材の地中埋設物があるなどのケースは、土地に関する物理的瑕疵とみなされます。
土地の利用や建築基準に違反している「法的瑕疵」
都市計画法や建築基準法、消防法の基準を満たしていない場合は「法的瑕疵」に該当します。建物や土地の利用を制限されています。
法的瑕疵が当てはまる物件は、主に築年数が古いものです。それぞれの法律が施行される前に建てられて、再建や改築がおこなわれていないものがほとんどです。
建物の強度が弱かったり、物件の設備が古いので、地震や火事などの災害時に適切な避難や消火ができない可能性があります。
告知事項ありの物件に住む場合の注意点
- ・人によっては嫌悪感を抱く
- ・ネット上に住所が出ている
- ・リフォームされてきれいな物件がある
- ・新築でも事故物件の場合がある
人によっては嫌悪感を抱く
とくに心理的瑕疵や環境的瑕疵がある物件は、嫌悪感を抱きやすいです。
入居後に心霊現象が起こったり、嫌な臭いや騒音に悩まされる可能性があります。
快適に住めないお部屋はストレスが溜まるばかりで、健康被害を及ぼすことがあります。神経質な人は避けるべきです。
ネット上に住所が出ている
人が亡くなっていたり、大きな事件・事故がある物件は、ネット上に物件名や住所が公開されているケースが多いです。
ニュース等で大々的な報道をされなくても、個人で投稿できる掲示板や口コミサイトなどに掲載されている可能性が高いです。
住所が特定されていると犯罪に巻き込まれる可能性があります。
リフォーム済みでも物理的瑕疵の可能性がある
告知事項ありの物件でも、大家さんや管理会社が次の入居者に配慮してきれいにリフォームしているお部屋があります。
一見、なにも問題ないお部屋に見えますが、物理的瑕疵が隠れている可能性があります。
新築でも事故物件の場合がある
ごくまれに、新築なのに告知事項がある物件が存在します。
建設中の工事で作業員が亡くなる事故が起こったり、建設後に土地の土壌汚染が見つかったなどが考えられます。
見かけることはほとんどありませんが、もし気になる新築物件に「告知事項あり」と記載されていたら、必ず詳細を聞いてください。
告知事項ありの物件でも快適に住める人の特徴
家賃の安さやお部屋の綺麗さを重視する人は向いている
- ・とにかく家賃の安さを重視する
- ・リフォームされたきれいなお部屋に住みたい
- ・霊感が全くなくホラーが得意
- ・ニオイに鈍感または慣れれば平気
- ・ネット上に住所が出ていても気にしない
- ・話のネタとして住みたい
告知事項ありの物件は「家賃が安い」「リフォームされていることがある」というメリットがあります。
家賃は通常物件の約2~3割安くなります。何度も引っ越しする予定があるという人は、あえて告知事項ありの物件に住む人もいます。
お部屋に欠陥がある場合は、一部がきれいにリフォームされている可能性があります。新しい設備に取り替えられることがあるので、瑕疵が気にならない人は内見してみると良いです。
告知事項ありの物件に住む人のリアルな声
今後は「告知事項有」の物件数が増える傾向です。ワタシが先月から借りた物件も「告知事項」付いてます。なかなか、快適なんですよ。家賃も激安ですしね。#告知事項物件 #特別募集住宅
— Deck Hashimoto (@DeckHASHIMOTO) August 13, 2022
我が家も事故物件やで
入居前にお祓いしたし家族みんな見えるもんしか信じへんからなんも問題ない
お札何回貼っても剥がれるけど湿気のせいやし
夜中家揺れるけど家鳴りの一種やろ~— 如月蓮 (@sarenzyu) August 18, 2018
事故物件って、その家や部屋で問題があった物件なんだろうけど、ウチの前の交差点で交通事故で10人以上亡くなってるんだけど、事故物件?
少し前まで、ラップ音とかハンパなくあったけど、もう全然気にしてないから霊的なのいても全然問題ないし、出てきたらむしろ会話してみたいわ。
家がホラー— デタラメ君さん (@DETARAME_JAPAN) September 7, 2022
告知事項ありの物件を住む人は、何かしらの理由があってあえて選んだという人がほとんどです。「家賃が安いことが魅力」という声が多かったです。
心理的瑕疵の告知事項がある物件を契約して、入居前にお祓いするという意見もありました。
告知事項あり以外にも安い物件がある
告知事項がある物件以外でも家賃が安くて住みやすいお部屋があります。ただ、スーモやホームズといったサイトでお部屋探しが可能ですが、時間と労力かかってしまいます。
家賃が安いお部屋を探すなら不動産屋に相談したほうが手っ取り早いです。お部屋探しのプロなので、条件に合う物件を見つけてくれます。
ネット上の不動産屋「イエプラ」は、LINEやチャットで手軽にお部屋探しの相談ができます。忙しい人でもスキマ時間でお部屋を探せます。
不動産業者専用のデータベース「ATBB」を使っているので、ネット上にない未公開物件も紹介してくれます。お部屋探しの幅が広がるので理想の物件を見つけやすいです。
知らされない告知事項を見抜く方法
- ・極端に相場より家賃が安い
- ・一部リフォーム済などと明記されている
- ・大島てるを見る
- ・物件名が変更されていないか確認する
- ・フリーレント付きの物件
極端に相場より家賃が安い
周辺の家賃相場よりも極端に家賃が安い場合は、高確率で告知事項あり物件です。
おおよそですが家賃相場に対して、2~3割程度安くなっています。事件性が高い場合は、半額以上安くしていることもあります。
瑕疵がない場合でも、周囲の相場より低く設定されている物件には、家賃を安くせざるを得ない理由があります。
好条件のお部屋を見つけてもすぐに飛びつかずに「なぜ安くなっているのか?」「その条件は自分にマッチしているか?」と、一度冷静に考えてください。
一部リフォーム済などと明記されている
「一部リフォーム済」「フローリング総貼り替え済」などと記載がある場合は、告知事故あり物件と疑いましょう。
遺体の体液が床にしみ込んでいた場合、事件や事故を連想させないように一部分だけリフォームしている可能性があります。
大島てるを見る
物件のおおおよその住所がわかる場合は「大島てる」で検索してみましょう。事件や事故の内容まで詳しく記されています。
告知事項ありには含まれないが、知っていたら住みたくないような事柄も記載されています。お部屋の所有者が25年間行方不明や、怪奇現象ありなどの記載もあります。
ただし、大島てるは誰でも事件や事故の情報を投稿ができるサイトです。噓の報告もサイト上に公開されている可能性があることを忘れないでください。
物件名が変更されていないか確認する
ニュースで報道されるような殺人事件や死亡事故が起こった物件は、マンション・アパート名を変更している場合があります。
ネットで検索したときに物件名が引っかからないようにするためです。
怪しいと感じたら、物件名や住所を検索してみましょう。過去の建物名が出てくる場合は死亡事故や大きな事件が起こっている可能性があります。
フリーレント付きの物件
告知事項ありの物件には、一定期間の家賃が無料になる「フリーレント」がつけられていることがあります。
敬遠される事故物件や、条件が悪く人気のない物件の入居率を上げるために設定されます。
フリーレントの期間は1ヶ月が一般的です。もし3ヶ月以上のフリーレントが付く場合は、なんらかの瑕疵がある可能性が高いので不動産屋に理由を聞いたほうが良いです。
告知事項ありの物件に関するよくある質問
訳ありや事故物件とはどう違うの?
呼び方や記載方法が異なるだけです。
訳ありや事故物件、いわくつきなど、さまざまな呼び方がありますが意味はほとんど同じです。
不動産屋によって、ネット上に掲載する物件広告への記載方法が違います。
告知事項はいつ説明してもらえる?
不動産屋によって対応が変わります。
物件広告への「告知事項あり」の記載は必須ですが、口頭での説明のタイミングは不動産屋によって異なります。
物件へ問い合わせたタイミングや内見時、申し込みの前などに説明されることが多いです。
告知義務がある物件は、契約前に不動産屋が必ず伝えることになっています。なにも詳細説明がない場合は確認したほうが良いです。
心理的瑕疵の物件では心霊現象が起こる?
必ず起きるとは限りません。
物件によっても異なりますし、個人の感じ方によっても変わります。
霊感の強い人は、心理的瑕疵の物件は避けたほうが良いです。
近くで事件・事故があった場合は「告知事項あり」になる?
大きな事件や事故なら、告知事項ありの物件になる可能性があります。
ニュース等で大々的に報道された事件や事故により、ほかの住居への影響が大きい場合は「告知事項あり」の物件として扱われる可能性があります。
告知事項がない格安な物件は避けるべき?
内見や不動産屋からの説明をしっかり聞いて契約したほうが良いです。
告知事項の記載がなく家賃相場よりも大幅に安い物件は注意したほうが良いです。
瑕疵がなくても、隣人トラブルやセキュリティ設備が不十分などの理由で家賃が安くなっている可能性があります。
内見時に気になる部分はしっかり確認しておきましょう。
告知事項ありの物件は仲介手数料が安い?
不動産屋によっては値引きすることがあります。
告知事項ありの物件は入居率が低くなる傾向にあります。
初期費用を抑えて入居できるように仲介手数料や敷金礼金を無料にするケースがあります。
また、値引き交渉に応じてくれる可能性が高いので、初期費用を抑えたい人は不動産屋に相談してみると良いです。
- 関東圏の取り扱い物件が約4.8万件と豊富
- オリコン顧客満足度1位の接客サービス
- 未公開物件も紹介してもらえる
東京・神奈川・千葉・埼玉の部屋探しには、アエラス(AERAS)がおすすめです。
アエラスは1996年に池袋西口店をオープンしてから28年間にわたって拡大を続け、2024年現在ではグループ全体で67店舗を展開しています。
また、2023年、2024年のオリコン顧客満足度ランキング(賃貸情報店舗 東京都)で第1位を受賞しており、利用者からの評判も良いです。
他社が掲載している物件もまとめて紹介してもらえる
アエラスは、他の不動産屋が掲載している物件もまとめて調査し、紹介してくれます。複数の不動産屋に行かなくても、一度にすべて紹介してもらえるのは大きなメリットです。
また、ホームズやSUUMOなどに掲載されていない、いわゆる「未公開物件」も数多く扱っています。主要駅の駅前に店舗を構えているため、内見にも行きやすいです。
初期費用の分割払いに対応している
アエラスは、初期費用の分割払いサービスを全店舗でおこなっています。普段、現金よりもカード払いがメインという人でも安心です。
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