「なぜ賃貸の仲介手数料は無料にできる?」
「デメリットはある?トラブルは起きない?」
せっかく引っ越すなら初期費用は抑えたいですよね!仲介手数料が安い不動産屋で契約したいと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし「仲介手数料無料」を謳う不動産屋で安易に契約するのは危険です。トータルの費用が高くなったり、トラブルに発展するケースもあります。
そこで当記事では、仲介手数料が無料の物件を契約するメリット・デメリットを解説します。初期費用を抑えるコツもまとめたので、ぜひ参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
賃貸契約でかかる仲介手数料とは?
お部屋を紹介した仲介会社に払うお金
仲介手数料とは、お部屋を紹介してもらった不動産屋に払うお金のことです。お部屋探しから入居までをサポートしてくれたお礼として手数料を払います。
内見の手配や大家さんとの交渉などは不動産屋でないと難しいです。入居希望者に代わって、ノウハウを知っている担当スタッフが動いてくれます。
仲介手数料の上限は決まっている
※承諾があれば片方に100%請求可能
国土交通省の規則によると、入居者(借主)が払う仲介手数料の上限は「家賃1ヶ月分+消費税」までと決められています。
家賃8万円のお部屋なら仲介手数料は8.8万円です。管理費や共益費は計算に含めません。
手数料に下限はないので「仲介手数料無料」をセールスポイントにした不動産屋も多いです。
法律上では大家さんと折半することになっている
賃貸契約において、不動産屋は仲介の報酬として入居者と大家さんに家賃の50%+税を請求できます。法律上では、仲介手数料を大家さんと入居者で折半することになっています。
原則として、入居者に請求できる仲介手数料は家賃0.5ヶ月分+税です。
しかし、入居者に仲介手数料を家賃1ヶ月分+税で請求できるケースもあります。
大家さんと折半するケースはほとんどない
実際、大家さん(貸主)が仲介手数料を50%払うお部屋はほとんどありません。例外として「支払う側の承諾があれば片方に100%請求できる」というルールがあるからです。
募集図面や見積書に、入居者が100%支払う旨が記載されています。入居希望者は書かれている内容を確認して申し込むため、不動産屋が提示した条件を承諾したとみなされます。
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
仲介手数料が無料になるからくり
管理会社が所有する「自社物件」のため
不動産屋が大家を兼ねている「自社物件」なら、仲介手数料が無料になるケースがあります。間に入る仲介会社がいないからです。
仲介手数料をもらえなくても、入居後の家賃収入で利益が出せます。
大家さんから管理を任されている「管理物件」だとしても、空室が続く物件なら仲介手数料を割引してくれるところもあります。
自社物件でも仲介手数料が発生することがある
「自社物件」として紹介している物件でも、貸主が別会社になっている場合は仲介手数料が発生します。
たとえば、大手不動産屋の「大東建託グループ」の物件は仲介手数料がかかります。仲介は「大東建託リーシング」がおこないますが、貸主は「大東建託パートナーズ」です。
同じグループ企業でも、別会社が仲介するので手数料が発生してしまいます。すべての自社物件で仲介手数料無料になるわけではないので注意しましょう。
大家さんから報酬がもらえるから
大家さんからもらえる報酬を「広告料(AD)」と呼びます。入居者が負担する手数料分の金額を、広告料という名目で大家さんに負担してもらえます。
空室が続いたり条件が悪いお部屋には、広告料をつけて不動産屋に優先的に紹介してもらいます。大家さんが「空室が続くより早く家賃収入がほしい」と考えるからです。
仲介手数料の安さを武器にしている不動産屋では、値引きできないことがあります。事前に、値引き可能かを不動産屋のスタッフに確認しましょう。
仲介手数料無料の不動産屋で契約する5つのデメリット
- 仲介手数料以外の費用を取られやすい
- 家賃が高めに設定されている可能性がある
- 「短期解約違約金」の特約がつく
- お部屋探しの幅が狭まる
- 入居までのサポートが手薄になる
仲介手数料以外の費用を取られやすい
金額 | |
---|---|
鍵交換費用 | 18,000~25,000円 |
消臭消毒費用 | 16,500円 |
24時間サポート | 16,500円 |
簡易消火器 | 5,000~7,000円 |
事務手数料 | 10,000~15,000円 |
書類作成費用 | 2,000~5,000円 |
仲介手数料以外で請求されやすい費用をまとめてみました。主にオプション代や事務手数料などに上乗せされることが多いです。
入居者から仲介手数料がもらえない分、他の費用で利益を上げようとする業者がいます。
仲介手数料が無料だからといって油断せずに、トータルの初期費用が高くなってないか確認すべきです。
家賃が高めに設定されている可能性がある
仲介手数料が無料だと、家賃自体が高いケースがあります。管理会社や大家さんがより家賃収益を上げるためです。
同じエリアの似たような物件と比較して家賃が高すぎないかチェックしてください。初期費用が抑えられても、家賃が増えればトータルで考えるとお得にならないことがあります。
主要都市の家賃相場
1R | 1K | 1DK | |
---|---|---|---|
東京23区 | 約56,000円 | 約59,000円 | 約68,000円 |
名古屋市内 | 約42,000円 | 約43,000円 | 約56,000円 |
大阪市内 | 約50,000円 | 約53,000円 | 約57,000円 |
※駅徒歩20分以内・築年数指定20年以内・専有面積20㎡以上
2022年8月に業者専用のデータベース「ATBB」を使用して、各地域の平均家賃をまとめたものです。
東京23区、名古屋市内、大阪市内の賃貸物件を同じ条件で調べて、家賃が安い順50件の平均金額を算出しました。
SUUMOやHOME’Sなどの物件情報サイトでは、駅周辺の家賃相場を公開しています。気になる物件の家賃が妥当であるかを判断すると良いです。
「短期解約違約金」の特約がつく
特約とは、契約書に記載されている「特約事項」のことです。入居者と大家さんとの同意があれば、最優先されるルールです。
仲介手数料が無料の場合、短期間で退去したときの違約金が発生するお部屋があります。「1年以内に引っ越すと家賃1ヶ月分を払う」といったペナルティです。
「仮住まいとして住む」「転勤の予定がある」など、すぐに引っ越す可能性がある人は向いていません。
お部屋探しの幅が狭まる
仲介手数料の安さにこだわりすぎると、紹介してもらえる物件の幅が狭くなります。自社物件やAD付き物件を優先して紹介されるからです。
希望に近い物件を見逃してしまう可能性があるので、まずは仲介手数料にこだわらずに探すのがおすすめです。
仲介手数料が値引きできなくても、ほかの初期費用を抑える交渉が可能です。詳しくはのちほど解説します。
入居までのサポートが手薄になる
不動産屋の売上が少ないと、サービスの質や担当者のモチベーションが下がりがちです。
入居者が無事に引っ越せるように、営業マンはさまざまな関係者と連絡を取り合っています。内見の手配や契約書の送付などでは、お金もかかります。
頑張ってくれた営業マンへのお礼として仲介手数料をしっかり払えば、入居までのサポートが手厚くなる可能性があります。
仲介手数料なしのメリットは初期費用を抑えられることだけ
家賃1ヶ月分の費用を抑えられる
初期費用の各項目の相場 | |
---|---|
敷金 | 家賃1ヶ月分 |
礼金 | 家賃1ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃1ヶ月分+税 |
前家賃(翌月家賃) | 1ヶ月分 |
日割り家賃 | 入居日によって変動 |
火災保険料 | 15,000~20,000円 |
保証会社利用料 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
鍵交換費用 | 15,000~20,000円+税 |
賃貸契約の初期費用は家賃4~5.5ヶ月分が相場になっています。仲介手数料が無料になれば、最大家賃1ヶ月分の費用を抑えられます。
たとえば、東京都内の一人暮らし向け物件は家賃6~8万円ほどかかります。仲介手数料なしになるだけでもかなりお得です。
急な引っ越しでまとまったお金が用意できない人でも契約しやすいです。
- 初期費用の項目ごとの解説はこちら
引っ越し費用や家具家電の購入費にあてられる
一人暮らしの引っ越しであれば、5~10万円ほどかかります。仲介手数料分のお金で引っ越し費用を賄えます。
家具家電の購入費用にあてるのも良いです。家電量販店の新生活キャンペーンを狙えば、仲介手数料分のお金で一人暮らし向けの家電を揃えられます。
仲介手数料無料の物件を契約した人のリアルな声
トラブルなく初期費用を抑えられたという意見が多い
都内に引っ越すんですが、
敷金礼金なし
仲介手数料なし
一ヶ月フリーレント
初期費用10万円という破格の引越しになる。
不動産会社のパイセンに感謝。— SHIMA@クリエイター (@shimachin4) January 19, 2019
仲介手数料半額にもならないしいろんなサービス料がつくけど対応がとても良かったのでここで契約しました。
それでも初期費用30万かからなかったし
ありがとう●ウス●ム日●里店— わいこ丼 (@Yskogucci) July 7, 2019
新築のアパートって高いのかと思いきや、管理会社側は早く入居者をうめたいからって、2ヶ月フリーレント、不動産屋さんも仲介手数料ゼロ、2ヶ月シャッシャバック、にしてくれて、初期費用がかなり抑えられそう
— ぬこ (@nukonukolife1) July 7, 2022
とくにトラブルもなく、初期費用を大幅に抑えて契約できたという声がありました。
余計な費用が発生せずに契約できる不動産屋も多いです。初期費用の見積もりを出してもらって、契約の判断をしたほうが良いです。
オプション費用などの上乗せには要注意
自社管理物件で仲介手数料はゼロだったけど、その分敷金に上乗せされていたわw
— りぼん (@fm_2312) August 30, 2022
どうして、っていうのが多い
初期費用が余りにもかかりすぎ、
敷金、礼金、仲介手数料なしでも、
いざ見積りかけると、脇役が
凄く高くて気付くと
10万、20万平気で超えるから、
少し理不尽に思えてしまう。#アパマンショップ— 悠樹レン (@saksakimi34) April 4, 2020
敷金礼金なし仲介手数料なし物件で初期費用問い合わせたら、敷金礼金ある物件より高い資金提示されたんだけど、いったい何費用なんだよ。(内訳の記載がなかった)
この時点で予算オーバーだし。。— KEI (@JetlaG_KEI) December 29, 2020
本来、かなり費用を抑えられる敷金礼金なしの物件でも、予算オーバーするお部屋を紹介されたという意見がありました。
見積書をもらったときに、ほかの費用に上乗せされていないか必ず確認してください。相場よりも高いなら疑うべきです。
仲介手数料無料でなくても交渉で安くなる
値引き交渉は申し込み前におこなう
申し込みしたあとに交渉すると不動産屋の心象を悪くします。基本的に、募集図面の内容に納得してから申し込みするからです。
交渉するときは「値下げしてくれたら必ず契約する」と言えば成功しやすいです。契約する意志が伝われば交渉を頑張ってくれます。
高圧的な態度はNG
仲介手数料の交渉は「値下げして当然」という態度にならないようにしてください。スタッフの対応が悪くなる可能性が高いです。
不動産屋側の利益を減らしてでも「お客様のためなら」と思ってもらえるように話すのがコツです。
あらかじめ予算を伝えておく
事前に「初期費用を◯万円までに抑えたい」と予算を伝えておくのも大切です。予算内に収まるお部屋に絞って紹介してもらえます。
予算を超えてしまった場合は仲介手数料で調整してもらえるケースがあります。契約する気があるなら「なんとか入居させてあげたい」と、営業マンが頑張ってくれるからです。
交渉に強い不動産屋で相談するべき
初期費用の値引きは、不動産屋が窓口となって大家さんと交渉してくれます。交渉経験が豊富な不動産屋を選ぶと良いです。
ネット上の不動産屋「イエプラ」は、数々の費用交渉を成功させてきた営業マンが多数在籍しています。予算内で希望のお部屋に住めるように交渉してくれます。
主にLINEやチャットでやりとりするので、対面で話すことが苦手な人でも気軽に費用の相談がしやすいです。
イエプラは仲介手数料の交渉がしやすい「AD付き」の物件に絞って探してくれます。わざわざ来店しなくてもAD付きの物件を探せるので便利です。
仲介手数料以外の費用を抑える6つのコツ
- 不要なオプションを外す
- 礼金なしの物件を探す
- フリーレント付き物件を選ぶ
- 入居開始日を月初にする
- 閑散期に探す
- あえて人気が低いお部屋にする
不要なオプションを外す
- ・消臭消毒代
- ・24時間サポート
- ・簡易消化器 など
よく付けられるオプションは夜間などの緊急時にかけつける「24時間サポート代」や、入居前のお部屋を消毒する「消臭消毒代」などがあります。
不要なオプションを外せば、初期費用を2~3万円節約ができます。なかには便利なものもあるので、内容を確認してから判断しましょう。
火災保険は自分で申し込める
賃貸物件を契約するにあたって火災保険の加入は必須です。しかし、物件によっては自分で保険会社を選べることがあります。
ネットから手続きできる火災保険は、1万円以下で契約できるものが多いです。
ただし、大家さんや管理会社から補償内容を指定されます。自由にプランを選べないので費用が高くなることがあります。
礼金なしの物件を探す
礼金は、物件を貸してくれたお礼として大家さんに払うお金です。退去時に返金されないので、入居者には支払うメリットが少ないです。
およそ家賃1ヶ月分の費用を抑えられます。礼金があるお部屋でも交渉で安くなる可能性があるので相談してみましょう。
敷金なしの物件は選ばないほうが良い
敷金なしの物件なら大幅に費用抑えられますが、退去時に高額請求されてトラブルになるケースがあります。
敷金は入居者が退去時に負担するお金を先に大家さんに預けておくお金です。退去費用として使われなかったお金は返金されます。
契約前に、入居者が負担すべき退去費用について確認したほうが良いです。
フリーレント付き物件を選ぶ
「フリーレント」とは一定期間の家賃を無料にしてもらうことです。募集当時からフリーレントが付いていたり、交渉してあとから付けてもらうパターンがあります。
入居日から1ヶ月ほどの家賃がかからないので、仲介手数料が無料のときと同じくらいお得です。ただし、フリーレント期間であっても管理費は発生するので注意です。
入居開始日を月初にする
月初に入居すれば日割り家賃がなくなり、家賃0.5~1ヶ月分の初期費用を抑えられます。
不動産屋に相談すれば、大家さんに入居日の交渉をしてくれるケースがあります。
「即入居可」の物件は月の半ばに申し込むべき
即入居可のお部屋なら、15日あたりの申し込みがおすすめです。
一般的に入居日(家賃発生日)は、申し込みから約2週間後に設定されます。入居審査やお部屋のクリーニングに時間がかかるためです。
希望日に入居できない場合は値引き交渉をしてみましょう。日割り家賃分を無料にしてもらえる可能性があります。
閑散期に探す
賃貸の閑散期は4月~6月、11月~12月です。繁忙期と比べると引っ越す人が少ない時期です。
大家さんは閑散期でも空室を早く埋めるため、敷金や礼金の値引き交渉に協力的です。入居を急いでない人なら、時期をずらすだけでお得に引っ越しできます。
- 1年を通した費用早見表
閑散期は引っ越し費用も安くなる
5~2月(閑散期) | 3~4月(繁忙期) | |
---|---|---|
200km未満 | 平均41,750円 | 平均61,000円 |
500km未満 | 平均54,000円 | 平均90,000円 |
500km以上 | 平均65,940円 | 平均100,000円 |
引越し侍による調査から、閑散期と繁忙期の引っ越し料金を比較したものです。単身の引っ越しで、荷物が少ない場合の料金を参考にまとめました。
不動産屋の閑散期と同様に、引っ越し業界もオフシーズンなので料金が安くなります。
荷物の量や距離によっては閑散期に引っ越しすれば、3~4月の繁忙期より半額以上費用を抑えられることがあります。
あえて人気が低いお部屋にする
- ・築年数が古い
- ・設備が古い
- ・日当たりが悪い
- ・駅距離が遠い
- ・路線沿い
- ・お墓の近く
- ・繁華街の近く など
基本的に難しい家賃交渉ですが、条件があまり良くないお部屋なら成功する可能性があります。「空室が続くよりは早く入居してほしい」と大家さんが協力してくれるからです。
初期費用だけではなく家賃も下げたいなら、表のようなお部屋に絞って交渉してみましょう。
いわくつき物件には要注意
いわくつき物件とは一般的に「人が亡くなった物件」を指します。事故物件とも呼ばれます。
周辺の家賃相場と比べて安く設定されているケースが多いです。物件名が変えられていたり、お部屋の一部がリフォームされている場合は要注意です。
- 関東圏の取り扱い物件が約4.8万件と豊富
- オリコン顧客満足度1位の接客サービス
- 未公開物件も紹介してもらえる
東京・神奈川・千葉・埼玉の部屋探しには、アエラス(AERAS)がおすすめです。
アエラスは1996年に池袋西口店をオープンしてから28年間にわたって拡大を続け、2024年現在ではグループ全体で67店舗を展開しています。
また、2023年、2024年のオリコン顧客満足度ランキング(賃貸情報店舗 東京都)で第1位を受賞しており、利用者からの評判も良いです。
他社が掲載している物件もまとめて紹介してもらえる
アエラスは、他の不動産屋が掲載している物件もまとめて調査し、紹介してくれます。複数の不動産屋に行かなくても、一度にすべて紹介してもらえるのは大きなメリットです。
また、ホームズやSUUMOなどに掲載されていない、いわゆる「未公開物件」も数多く扱っています。主要駅の駅前に店舗を構えているため、内見にも行きやすいです。
初期費用の分割払いに対応している
アエラスは、初期費用の分割払いサービスを全店舗でおこなっています。普段、現金よりもカード払いがメインという人でも安心です。
分割する金額は初期費用の全額または足りない分から選べるので、引越しの負担を減らしたい人にもおすすめです。関東の物件を探している人は、LINEで来店の予約や相談ができるので、登録してみてください!