「月収12万円で一人暮らしはできる?」
「生活費をどうやって節約すればいい?」
月収12万円しかない人でも、一人暮らしをしている人は大勢います。家賃や食費を削るなど、上手くやりくりをしているからです。
しかし、月収12万円は決して高い金額ではありません。少しでも無駄遣いをすると、給料日前にお金が無くなり生活が厳しくなることも…。
そこで当記事では、月収12万円で一人暮らしする際のリアルな実態を紹介します。理想的な生活費割合や節約方法もあるので、ぜひ参考にしてください。
- 都市部での一人暮らしは現実的ではない
- 生活費を限界まで切りつめる必要がある
- 固定費である家賃を抑えるならイエプラに相談するのがおすすめ
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。お金に関する知識を活かし、一人暮らしからファミリー世帯まで幅広い世帯の生活費を算出しています。宅建士の資格も取得しており、お客様の収入に見合った家賃を提案するなど、生活設計についてのトータルサポートをおこなっています。
月収12万円で一人暮らしはかなり厳しい
月収12万円で一人暮らしする場合、生活はかなり厳しくなります。
食費や水光熱費を考えると家賃は3万円ほどに抑えなくてはいけないので、都市部での一人暮らしは現実的ではありません。
都市部から離れた家賃の安い地域でも、家計を限界まで切り詰める生活になります。一切遊びのない生活は精神的にもよくありません。
収入のほとんどが生活費となるので、自由に使えるお金は無くなります。友人との食事や洋服や化粧品、貯金に回すお金もほぼないと考えてください。
月収12万円の人の手取りは約10万円
月収が12万円の場合、実際に自由に使えるお金は約10万円です。
下記の例のように、給与からは自動で税金や保険料、厚生年金が天引きされます。月収のおおよそ8割が手元に残ると考えてください。
月収12万円の控除額と手取り額の例 | |
---|---|
厚生年金保険料 | 10,797円 |
健康保険料 | 5,823円 |
雇用保険料 | 360円 |
所得税(源泉徴収税額) | 930円 |
住民税 | 2,335円 |
月の手取り額 | 約99,755円 |
かなりの額を引かれているように感じますが、勤め先の企業が半分ほど納税を肩代わりをしてくれています。この仕組みは社会保険料控除と言います。
フリーターやフリーランスの人には社会保険料控除が適用されません。追加で毎月約2万円の納税の義務があるので、生活はさらに厳しくなります。
月収12万円の人の生活費目安
月収12万円の理想の生活費の内訳と割合は以下の通りです。
一般的に家賃は手取りの3割を目安にすることが多いです。部屋探しや家計管理の参考にしてください。
生活費内訳 | 理想的な割合 | |
---|---|---|
家賃 | 30,000円 | 30% |
食費 | 30,000円 | 30% |
水道光熱費 | 7,000円 | 7% |
通信費 | 10,000円 | 10% |
日用品・消耗品代 | 8,000円 | 8% |
娯楽・交際費 | 15,000円 | 15% |
予備費 | 0円 | 0% |
手取り10万円だと切り詰めた生活をしても予備費が0円になります。貯金ができないのはもちろん、病気やケガでの予期しない支出に対応できません。
電車賃やガソリン代の支払い、奨学金の返済がある人はさらに家計が圧迫されます。
一人暮らしの全国平均での生活費例
厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、19歳以下の平均月収が男性で約18.3万円、女性で約17.2万円です。
手取り14万円をサンプルとして、比較のために生活費のシミュレーションをしました。
先程と同じように、家賃は手取りの3割を、その他の項目は最低限の生活ができる金額を割り振っています。
生活費内訳 | 割合 | |
---|---|---|
家賃 | 42,000円 | 30% |
食費 | 30,000円 | 21% |
水道光熱費 | 7,000円 | 5% |
通信費 | 10,000円 | 7% |
日用品・消耗品代 | 8,000円 | 6% |
娯楽・交際費 | 15,000円 | 10% |
予備費 | 19,500円 | 21% |
家賃4万2千円でも、貯金に回すせる予備費を捻出できました。
総務省が公表している「家計調査2020年度平均(2021年2月公表)」の調査結果によると、家賃を除く一人暮らしの生活費の全国平均は約14.3万円です。
全国平均や統計調査と比べると、手取り10万円での一人暮らしがどれだけ厳しいかがが分かります。生活費の各項目について詳しく解説していきます。
食費
総務省が実施した一人暮らしの家計調査によると、1ヶ月の食費の平均額は約4万円です。しかし月収12万円の場合は、平均額より節約しなければいけません。
1ヶ月に使える食費が3万円の場合、一日当たり使える食費は千円です。
頻繁に外食していると、あっという間に3万円を越えてしまいます。コンビニの弁当1つ買うだけでも家計への大きなダメージになります。
スーパーの特売日に食材をまとめ買いし、できる限り自炊をするなどの工夫で毎日の食費を抑えてください。
水道光熱費
水道光熱費は、無駄遣いしなければ7千円程度まで抑えられます。夏や冬は冷暖房を使うほど、電気の使用量が増えるので注意が必要です。
使っていない電子機器のコンセントは抜く、残り湯で洗濯するなど、普段の生活の中の無駄を見直せば節約できます。
こまめな節約よりも、電気の契約プランを変更した方が効果的な場合があります。インターネットで簡単に見積もりしてみましょう。
通信費
総務省が公表している家系調査2020年(表番号1)によると一人暮らしの通信費の平均額は、約1万円です。ネット回線を契約していない場合は6千円ほどになります。
大手キャリアから格安SIMに変更すれば、スマホ代は約2千円で済みます。インターネット代は、ポケットWiFiで約3.5千円、光回線で約4~7千円です。
また、契約プランを見直して不要なものを解約するだけでも、千円近く費用を抑えられます。
日用品・消耗品代
一人暮らしの日用消耗品に使う費用の平均額は約1.5万円です。シャンプー、ティッシュ、洗剤といった日用品の購入代金が含まれます。
日用品・消耗品を気軽に買えるコンビニは便利ですが、ドラッグストアで買うより割高になってしまいます。
セールの時に買い溜めて、複数月の費用として計算したほうがトータルでは節約になります。
娯楽・交際費
一人暮らしの娯楽・交際費の平均額は1.5万円です。趣味娯楽費とは、友人との遊びや趣味に使うお金のことです。
手取り10万円でやりくりする場合は、この費用が実質的に予備費にもなります。
飲み会は毎月1回までにする、趣味にかける費用は1万円までにするなど、自分で制限を決めて節約してください。
家賃
一般的に家賃は手取り金額の3分の1までに抑えるべきと言われています。手取りが10万円なら3.3万円が目安です。
収入に対して家賃が高すぎると審査に落ちる可能性が高くなり、入居できるお部屋を探すのにはかなり苦労します。
家計を改善する最も効果的な方法
少ない手取りのなかで家計をやりくりするなら、固定費を削減するのが最も効果的です。
日々の節制やこまめな節約は常に気を配らなければいけません。それに対して固定費は最初に削ってしまえば、以降ずっと家計を助けてくれます。
家計の中で一番大きな固定費は家賃です。安い家賃の部屋を探すコツを紹介します。
家賃が安いお部屋を探すコツ
家賃が安いお部屋を探すコツをまとめました。
こだわりの条件が多いほど物件候補は少なくなります。都内で家賃3万円以内に収めるなら、他の希望条件は叶わないと考えてください。
・家賃と共益費込みにチェックを入れる
・1K、ワンルームのお部屋に絞る
・希望条件は1つだけにする
・不動産の繁忙期(1月~3月)は避ける
特にエリア選びは重要です。都心は家賃相場が高く、そもそも3万円以下の物件が無い地域もあります。
都内で家賃が安いエリアを探す場合は下の記事を是非参考にしてください。
▶【不動産屋が選ぶ】東京都内で家賃が安く住みやすい駅BEST10はこちら
不動産屋に頼るのが最も効果的
安くて質の良いお部屋は、不動産屋に直接問い合わせたほうが見つかりやすいです。希望条件をヒアリングし、より良い物件をスタッフが探して提案してくれます。
当サイト運営の「イエプラ」は、来店不要でLINEから相談できます。
仕事が忙しくて予定が合わないときや、遠方に住んでいて引っ越し先の不動産屋に行けない人にもおすすめです。
毎月の支出を減らす節約術
・電気代の安い会社を選ぶ
・光回線のサービスを見直す
・都市ガスのお部屋を選ぶ
・エアコンの温度を一定に保つ
・タップ式のコンセントにして待機電力を抑える
家計の助けになる節約方法を6つ紹介します。月収12万円で一人暮らしを始める人は、ぜひ参考にしてください。
コスパの良い食材で自炊する
コスパの良い食材を使って自炊すれば、月の食費を3万円以下に抑えられます。
もやし:1袋10~20円
たまねぎ:1袋約200円(3個入り)
じゃがいも:1袋約200円(3個入り)
えのき:1袋約80~100円
豆腐:1丁約20~30円
納豆:3パックセット約50~100円
豚コマ切れ肉:100gあたり約130円
鶏むね肉:100gあたり約70円
合い挽きひき肉:100gあたり約100円
乾燥パスタ:1袋約100~200円
カレーやお好み焼きは、コスパの良い食材がメインなうえ、1度に大量に作れます。冷凍保存でストックすれば食材を無駄にしません。
自炊が苦手な人は、電子レンジで作れる簡単料理から始めてみてください。
電気代の安い会社を選ぶ
2016年4月1日から始まった電力自由化により、消費者が自由に電気代の安い会社が選べるようになりました。
一人暮らしの電力使用量では、月1,000円ほど節約になり年間10,000円以上お得になることがあります。
電力会社比較ナビでは、電話で相談するだけで自分の生活に合った一番お得な会社を紹介してくれます。
以下のサイトから申し込むと最大1万円のキャッシュバック特典を受け取れます。開通工事も必要ないので、簡単に切り替えられます。
光回線のサービスを見直す
ネット代を節約するために、スマホのキャリアなど自分に合わせた光回線を選ぶべきです。キャリアと相性の良い光回線を契約すれば、お得にネット環境を整備できます。
スマホのキャリアに合った光回線を選ぶとセット割が適用され、スマホ1台につき毎月最大1000円も割引されます。
光回線の多くは2年契約なので24ヶ月で24000円もお得になります。
お得に使えるおすすめの光回線については、私たちの運営している光回線専門サイトで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
都市ガスのお部屋を選ぶ
これから一人暮らしのお部屋を探す人は「都市ガス」のお部屋を選びましょう。プロパンガスよりもガス代を抑えられます。
以下の表は、都市ガスとプロパンガスの料金の違いを比べたものです。表に記載している月間5㎥とは、一人暮らしで平均的に使用する1ヶ月のガスの量です。
都市ガス | プロパンガス | |
---|---|---|
1㎥あたりの料金 | 314円 | 504円 |
5㎥使用した場合 | 1,570円 | 2,520円 |
基本料金 | 750円 | 1,574円 |
月額合計 | 2,320円 | 4,094円 |
エアコンの温度を一定に保つ
エアコンの温度を夏は26度、冬は20度に固定すれば、月々2千円近く電気代を節約できます。
1度設定温度を変更すると、13%消費電力が増えると言われています。
エアコンはお部屋の温度を変化させるときに最も電力を使います。こまめに消すよりは、長時間一定温度でつけっぱなしのほうが電気代を抑えられます。
タップ式のコンセントにして待機電力を抑える
タップ式の延長コンセントにして、使用していない家電製品の電源をオフすれば、毎月150円ほどの電気代を節約できます。
とくに消費電力が多い、テレビ・ブルーレイレコーダー・パソコン・ドライヤーは寝ている時間だけでもオフにしましょう。
実際に月収12万円で一人暮らしをしている人の生活費例
実際に月収12万円で一人暮らしをしている3人の、生活費の実例をご紹介します。
また、インタビューで伺った内容をもとに、費用の内訳も解説しています。
飲食店アルバイトの男性(20代前半)
・葛飾区の家賃3万円のワンルーム
・週4~5ほど居酒屋でアルバイト
・食事はまかないとカップ麺中心
・趣味は筋トレ、ジョギング
住んでいるのは駅徒歩12分のワンルームのアパートです。とにかく家賃の安いお部屋を探したため、築年数が古い畳と和室トイレのお部屋で生活しています。
食事は勤務している居酒屋でまかないを食べたり、コンビニでカップ麺を買っています。1食を約300円程度で抑えているため、月の食費は3万5千円に収まっているそうです。
娯楽費や日用品も必要最低限に抑え、友達と遊ぶのは月に1回を限度にしているそうです。ジョギングや筋トレなど、お金をできる限り使わない趣味を楽しんでいます。
元正社員・現在派遣社員の女性(20代後半)
・江東区の家賃4万円のワンルーム
・食事は自炊中心、お昼はお弁当持参
・交通費別途支給
以前は正社員でしたが、現在は派遣社員として働いています。正社員時代から住んでいる家賃4万円のアパートから引っ越さずにいます。生活は厳しいそうです。
スーパーのセールを狙って食材を購入、昼食はお弁当を持参するなど、できるかぎり生活費を抑える努力をしています。
しかし、病気で数日間寝込んでしまった際は、医療費が家計を圧迫してしまいました。
どれだけ節約して生活していても、貯金ができません。病気やケガなど万が一の際に備えられないので、近いうちに転職を考えています。
シェアハウスで生活してるフリーランス男性(30代前半)
・渋谷区の家賃3万円のシェアハウス(ドミトリータイプ)
・食事は自炊中心
・趣味はゲーム
つい最近会社を辞め、かけだしのフリーランスとして一気転身した男性です。
渋谷区内のシェアハウスで、フリーランス仲間と一緒に生活しています。
元々自炊が得意だったので節約に対する不満は無いそうですが、シェアハウスで暮らし始めてから、プライベート空間が無い事がストレスになっています。
シェアハウスは、都内でも破格の家賃で借りられるものの、人によっては合わない場合があるので注意が必要です。
一人暮らしするまでに最低30万円は貯めておく
家賃3万円のお部屋に一人暮らしを始める場合、賃貸契約の初期費用や引っ越し費用、家電購入費などで最低30万円ほど必要になります。
一人暮らしするまでに必要な費用の内訳をまとめました。
賃貸の初期費用 | 約13.5~15万円 |
---|---|
引っ越し費用 | 約5万円 |
家具家電購入費 | 約10万円 |
賃貸の初期費用は、一般的に家賃の4.5ヶ月~5ヶ月分と言われています。敷金・礼金や仲介手数料などがかかります。
引っ越し費用は、引っ越し業者の利用料や自分で引っ越した際のレンタカー代です。家具家電購入費は、新居に設置する家具や家電を新しく購入した際の費用です。
一括見積もりサイトで安い業者を選ぶ
引っ越し費用は、1社のみに絞るよりも、複数の業者から見積もりをもらって比較したほうが費用を抑えられます。
理由は、引っ越し費用には定価がないこととオプションが追加されているからです。
業者によっては料金が倍以上も変わるので、一括見積もりサイトを利用してたくさん見積もりを集めましょう。
特に「引越し侍」は一括見積もりサイトの中でも提携業者数が多いのでおすすめです。2021年8月現在で約320社以上と提携しています。
余裕がなければ初期費用のかからない物件を選ぶべき
敷金礼金、仲介手数料などの初期費用が必要ないお部屋なら、もっと少ない貯金でも引っ越しできます。浮いたお金を貯金に回せるので収入が12万円の人でも生活に余裕ができます。
当サイト運営の「イエプラ」は仲介手数料が基本無料です。値下げ交渉しなくても初期費用が抑えられます。
LINEで気軽に相談できるので、忙しくて不動産屋に足を運べない人や遠方に引っ越す人にも大人気です。