「2,000万円の住宅ローンってきつい?」「年収はどれくらい必要?」という疑問にお答えします!
無理なく完済するコツや、年収ごとの適正な借入金額を解説します。2,000万円のローンについて、平均的な生活費を参考に、返済シミュレーションを紹介します。
借入金額が異なる場合は、以下のリンクを参照してください。
借入金額ごとの住宅ローン記事 | ||
---|---|---|
3,000万円 | 4,000万円 | 5,000万円 |
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
2,000万円の住宅ローンを組むには年収300万円は必要
2,000万円の住宅ローンを返済するには、年収300万円は必要です。年収300万円未満だと、無理なく返済できる「返済負担率」の限度を超えてしまうからです。
返済負担率(返済比率)とは、年収に対して返済が占める割合のことです。一般的に、返済負担率が25%以内なら、無理なく返済できると言われています。
例として、2,000万円借りた場合の、年収ごとの返済負担率を表にまとめました。年収300万円は、25%に収まるギリギリの範囲だとわかります。
年収 | 実際の返済負担率 |
---|---|
250万円 | 約29.7% |
300万円 | 約24.7% |
350万円 | 約21.2% |
400万円 | 約18.5% |
※35年ローン、フラット35、金利1.56%、元利均等返済方式
2,000万円を借りる場合、年収300万円以上を目安にしましょう。月収で言うと、約20万円以上は必要です。
返済負担率は「住宅金融普及協会のシミュレーター」で計算できます。自分の年収で計算してみてください。
岩井
返済負担率の上限はさまざま
金融機関のローン審査では、ほとんどの場合、返済負担率の上限があります。公的ローンの「フラット35」では、年収400万円を境目に、上限が定められています。
年収 | 返済負担率 |
---|---|
400万円未満 | 30%まで |
400万円以上 | 35%まで |
出典:フラット35 公式ホームページ
注意点として、金融機関によって審査の基準が異なります。ローン審査に関して不安があれば、審査に詳しい不動産屋に相談すべきです。
年収400万円以上なら余裕を持った返済ができる
年収400万円以上なら、余裕を持って2,000円を返済できます。月収で言うと、約34万円以上が必要です。
返済負担率を考えるときは、年収から税金や社会保険料を引いた「手取り年収の25%」で考えると余裕が作れます。
無理のない借入額の目安を表にまとめたので、参考にしてください。
年収 | 無理のない借入金額 |
---|---|
250万円 | 約1,358万円 |
300万円 | 約1,617万円 |
350万円 | 約1,876万円 |
400万円 | 約2,167万円 |
※35年ローン、フラット35、金利1.56%、元利均等返済方式
年収ごとに、無理のない住宅ローンの組み方を、下記リンク先で解説しています。
年収ごとの住宅ローン記事 | |
---|---|
年収350万円 | 年収400万円 |
年収500万円 | 年収600万円 |
ローン審査は高い金利で計算される
ローン審査では「審査金利」と言って、実際より高い金利で借入可能額をチェックされます。貸し倒れのリスクヘッジのためです。
2022年1月時点での金利相場は、変動金利だと約0.5%、固定金利だと約1.3%です。
審査金利の相場は3~4%です。適用金利で考えた場合より、借りられる金額が減る場合があるので要注意です。
例として、適用金利0.5%、審査金利3%で、借入可能額をシミュレーションしました。
年収 | 適用金利0.5% | 審査金利3% |
---|---|---|
300万円 | 約2,310万円 | 約1,550万円 |
350万円 | 約2,690万円 | 約1,810万円 |
400万円 | 約3,080万円 | 約2,070万円 |
※ネット銀行のシミュレーター、35年ローン
審査金利で計算すると、借入可能額が大幅に減るのがわかります。収入はやや少なめに、住宅ローンの負担は多めに考えると、借りすぎを防げます。
岩井
ローンの返済以外に固定費がかかる
購入後は、ローンの返済(住居費)の他に、固定費がかかります。主に税金と維持費です。マンションと戸建てで、入居中に発生する費用と相場をまとめました。
共通してかかる固定費 | |
---|---|
固定資産税 | 物件評価額の1.4%程度/毎年 |
都市計画税 | 物件評価額の0.3%程度/毎年 |
町内会費 | 数百~千円程度/毎月 |
室内の修繕費 | 実費(不具合が生じた場合) |
マンションでかかる固定費 | |
管理費+修繕積立金 | 合計3万円程度/毎月 |
駐車場(使う場合) | 1~5万円/毎月 |
駐輪場代(使う場合) | 数百~千円程度/毎月 |
戸建てでかかる固定費 | |
外装の修繕費 | 50~100万円/約15年 |
固定資産税と都市計画税(固都税)は、所有する限り毎年かかります。年4回で払うのが基本なので、毎月貯金しておく必要があります。
住居費は、賃貸だと「月収の3分の1まで」が目安ですが、ローン返済はさらに抑えましょう。持ち家の固定費については、以下の記事でも解説しています。
【年収別】2,000万円返済シミュレーション
35年ローンで2,000万円を借りた場合、現在の金利だと、月々約6万円の返済が必要です。
フラット35のシミュレーション
- 借入金額:2,000万円
- 金利:1.56%(2022年1月時点)
- 返済方法:元利均等返済方式
- 返済期間:35年
- ボーナス払い:なし
- 月々の返済額:61,826円
住宅ローンなどの住居費にかけられる予算は、生活費から逆算して考えるべきです。支払い能力以上に借りすぎてしまうのを防げます。
総務省統計局の2021年1~3月期家計調査を参考に、以下の条件で返済のシミュレーションをしました。
- ・2人暮らしで、1人が家計を支えている
- ・節約をしている
- ・毎月の生活費 合計15.4万円
- 食費 55,000円
- 水道光熱費 20,000円
- 娯楽費・交際費 30,000円
- 通信費 14,000円
- 交通費 15,000円
- 衣類・日用消耗品代 15,000円
- 医療費 5,000円
以降で、年収300万円・350万円・400万円でパターンを分けて解説していきます。
年収300万円の返済シミュレーション
年収300万円の手取りは「約240万円」です。毎月の予算は約20万円です。
- 月の手取り:20万円
- 支出:15.4万円
- 残り:4.6万円
- 返済額(6万円)を引いた結果:-1.4万円
ある程度節約した世帯でも、返済には毎月1.4万円足りません。より節約するか、パートでも共働きするなどの工夫が必要です。
分譲マンションなどの固定費がかかる場合は、さらに返済がきつくなります。
ちなみに、共働きなら収入を合算したローンが組めます。2人分の年収で審査するので、借入金額を増やせます。詳しくは、以下の記事で解説しています。
年収350万円の返済シミュレーション
年収350万円の手取りは「約280万円」です。毎月の予算は約23万円です。
- 月の手取り:23万円
- 支出:15.4万円
- 残り:7.6万円
- 返済額を引いた結果:+1.6万円
このシミュレーションでは、1.6万円余りました。浪費しなければ、無理なく返済できます。
しかし、無理なく返済できる手取りの25%は「約5.8万円」なので、少し生活費を圧迫してしまうのが予想されます。
年収400万円の返済シミュレーション
年収400万円の手取りは「約320万円」です。毎月の予算は約27万円です。
- 月の手取り:27万円
- 支出:15.4万円
- 残り:11.6万円
- 返済額を引いた結果:+5.6万円
シミュレーションによると、余裕を持って返済できます。生活費をより節約すれば、充分に貯金もしていけます。
ローンを組むときは、今後の生活スタイルの変化まで長期的に考えましょう。専門家にアドバイスをもらうと、自分にはない視点で問題点が見つけられます。
毎月の返済額を抑える3つのコツ
毎月の返済額を抑えるコツを、3つ紹介します。毎月の返済額を抑えれば、生活費が圧迫されず、急な出費にも備えられます。
- ①返済期間は最長で組む
- ②ボーナス払いはしない
- ③40歳までにローンを組む
続けて、1つずつ解説します。
①返済期間は最長で組む
返済期間を最長で組んで、毎月の返済額を抑えるべきです。一度ローンを組むと、後から延ばすのは難しいためです。
2,000万円借りたとき、返済期間の違いで月々の返済額にいくら差が出るか紹介します。
返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
15年 | 12.4万円 | 2,225万円 |
25年 | 8.1万円 | 2,417万円 |
35年 | 6.2万円 | 2,597万円 |
・返済期間25年と35年はフラット35を適応
・元利均等返済方式
・ボーナス払いなし
同じ2,000万円の借り入れでも、返済期間が20年違うと、毎月の返済額が倍近く変わります。
最初は、返済額が少ないプランでスタートさせましょう。将来の急な出費にも備えられます。
②ボーナス払いはしない
年2回の賞与で返済額を増やす「ボーナス払い」は、やめておいたほうがいいです。もし賞与が減ったときに、返済が大変になります。
お金に余裕ができたときに「繰り上げ返済」する方法があります。最初から、無理に予定に組み込む必要はないです。
③40歳までにローンを組む
40歳までに購入しておくと、余裕を持ってローンの返済ができます。最長の35年でローンを組みやすく、月々の負担を減らせます。
住宅ローンは、完済する年齢の上限が決まっています。金融機関によってルールがあり、75~80歳までの金融機関がほとんどです。
また、早めに完済すれば、将来の住居費を大きく減らせます。生涯かかる賃貸と購入のトータルコストを比べると、同じ規模のお部屋なら、購入したほうがトータルでお得です。
賃貸は、住み続ける限り家賃がかかります。購入すれば、完済後は毎月の住居費は一気に減り、老後の生活にゆとりが生まれます。
年金暮らしが始まるまでに完済できると理想的です。一般的に、定年後は働いても収入が減るためです。
健康なうちに買える
健康なうちは、ローン審査が有利です。多くの金融機関では、本人が完済まで健康的に働けるかチェックする団体信用生命保険(団信)の審査があるためです。
団信とは、返済中に死亡または重度障害になったとき、ローン残債がなくなる保険です。
年齢とともに病気のリスクが上がります。持病があると借りられるローンが減るので、健康なうちに借りるのがおすすめです。
ローン審査が不安でも解決方法はある
年収や雇用形態、他の借り入れなど、ローン審査に不安がある場合の対策を紹介します。
審査する金融機関の特徴や、審査の仕組みを理解すれば、ローンに通りやすくなります。以降で、詳しく解説していきます。
審査のゆるい金融機関を選ぶ
年収や雇用形態が不安な人は、審査のゆるい金融機関を選ぶと、審査に通りやすいです。
金融機関によって、審査に特徴があります。自分が通りやすい金融機関を選ぶといいです。以下で、おすすめの金融機関を3つ紹介します。
金融機関 | 特徴 |
---|---|
フラット35 |
・年収制限がなく審査基準が明確 ・全期間固定金利で先を見通せる ・団信加入が任意 ・持病があっても審査できる |
ろうきん (労働金庫) |
・年収150万円から審査できる ・審査金利が低い ・借入金額が伸びやすい |
信用金庫 地方銀行 |
・担当者の融通がきく ・収入が不安定でも相談可能 ・地域差への配慮がある |
審査がゆるい金融機関を選べば、収入が不安定と評価されやすい個人事業主や、シングルマザーでもローンが借りやすいです。
他の借り入れがあるなら早めに相談する
他の借り入れがある場合は、不動産屋に早めに相談してみてください。予算を決めるうえで、事前に返済が必要な場合があります。
ローン審査では、他の借り入れも含めた「総返済負担率」をチェックします。
返済中の支払いがあると、借りられる住宅ローンの金額が減ったり、ローン審査が通らない可能性が上がります。
- ・車のローン
- ・携帯電話本体の分割払い
- ・クレジットカードの分割払い
- ・キャッシング
- ・消費者金融での借り入れ
- ・奨学金 など
金融機関によっては、キャッシング枠を総返済負担率に含めるケースがあります。明らかに使わないカードは、解約しておきましょう。
金融機関の審査は「事前審査」と「本審査」の2段階です。事前審査に通っても、5%程度は本審査に落ちると言われています。
審査に落ちた経験がある人は、次の記事も参考にしてみてください。
物件代金の他に諸費用がかかる
物件代金の他にも、関係者への手数料などの「諸費用」がかかります。諸費用の目安は、販売価格の約10%で、内訳には以下のような項目があります。
内容 | |
---|---|
団体信用生命保険料 | 死亡など万が一に備えた保険料(金利に含めて支払うケースが多い) |
火災保険料 | 建物・家財の保険料 |
事務手数料 | 金融機関に支払う手数料 |
仲介手数料 | 不動産屋への報酬 |
登記代行手数料 | 司法書士への報酬など |
登録免許税 | 所有権と抵当権の登記にかかる税金 |
固定資産税清算金 | 売主が1年分払う税金の日割り清算 |
ローン保証料 | 保証会社に支払う手数料 |
印紙税 | 売買・ローンの契約書にかかる税金 |
リフォーム費用など | 内装工事費用・オプション設備費用 |
初期費用は、買う物件によって異なります。費用がどれくらいかかるか、購入前にしっかり確認しましょう。
購入時は販売価格の5~10%は現金が必要
購入時は、初期費用として販売価格の5~10%は現金が必要です。契約時に払う「手付金」の相場が、販売価格の5~10%だからです。
現金で払う部分には「手付金」「諸費用」「頭金」があります。ただし、頭金と諸費用はローンでも払えます。
金融機関によっては、ローンに含められない部分が増えます。
貯金に余裕がなければ、不動産屋に早めに相談してください。ローン選びに時間がかかるためです。
余裕があれば頭金を払ったほうがいい
貯金に余裕があれば、頭金を払って借り入れたほうがいいです。また、借入金額を抑える以外に、メリットが3つあります。
- ・金融機関のローン審査で有利
- ・金利の優遇が受けられるケースがある
- ・返済総額が抑えられる
頭金を払うと審査に有利です。「貯金をする余裕がある」と、金融機関に返済能力を認めてもらえる可能性が上がります。
また、頭金を払うと、金利が優遇される場合があります。フラット35では、購入代金10%の頭金を払うと、金利が安くなるのでお得です。
頭金なし | 頭金10% |
---|---|
1.56% | 1.30% |
出典:フラット35 公式ホームページ
金利の違いで、数百万円の差がでるケースもあります。頭金に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
予算2,000万円で探すなら中古マンションがおすすめ
2,000万円の予算なら、中古マンションがおすすめです。主な理由は5つあります。
- ・物件価格が安い
- ・初期費用を抑えられる
- ・物件数が多く立地が選べる
- ・事前に確認できる情報が多い
- ・安さを活かしてリノベーションできる
以降で1つずつ解説していきます。
物件価格が安い
中古マンションは、新築マンションと比べると物件価格が安いです。首都圏での販売価格を、2021年1~7月までのグラフで比較しました。
出典:不動産経済研究所(新築価格) 東日本不動産流通機構(中古価格)
中古と新築の価格差は、統計を比較すると平均約2,500万円です。中古を探すのは、借入金額を抑える大きなチャンスと言えます。
初期費用を抑えられる
中古は、新築より初期費用を安く抑えられます。物件自体の価格が安く、販売経費は全体の10%程度です。
新築は、価格の20%は広告宣伝費などの販売経費です。「住むと20%価値が下がる」とも言われています。
新築の売主は主に法人で、建物価格に消費税が含まれています。個人の売主から中古を買うとき、消費税は非課税なので、新築は割高と言えます。
物件数が多く立地が選べる
中古は物件数が多く、希望するエリアで物件が見つかりやすいです。賃貸に空きが出たときのように、各地で1部屋ずつ募集されます。
買い物環境や駅までの徒歩距離など、利便性にこだわりがあっても、中古マンションで解決できます。
ちなみに、新築は好立地だと値段が高く、募集に対して競争率が高いです。申し込みが抽選のケースもあります。
事前に確認できる情報が多い
中古は、事前に確認できる情報が多いです。主な内容をまとめました。
- ・建物の管理体制
- ・各設備の状態や使い方
- ・室内での音の聴こえ方
- ・日当たり、眺望、風通し
- ・他の入居者の雰囲気
- ・管理組合の収支
- ・漏水などのトラブル履歴 など
新築は、モデルルームの内見のみで、お部屋を決めるケースが多いです。一方で、中古は実際のお部屋を内見できます。
音の聞こえ方や日当たりを確認すれば、入居後の騒音トラブルや、イメージと違って後悔するリスクを減らせます。
また、現地の駐輪場やゴミ捨て場を見て、住人マナーや管理体制が確かめられます。
安さを活かしてリノベーションできる
中古マンションは、リノベーションで新築ライクに生まれ変わります。内装を変えたり、間取りごと変更できます。
「予算内で物件が見つからない」という人は、築年数30~35年あたりの割安な中古で、リノベーションするのをおすすめします。
他にも、エリアを見直したり、支払い方法を工夫すれば、予算内で理想に近づけられます。
不動産屋からアドバイスをもらって、無理のない住宅ローンを組むようにしましょう。
【必見】自分にあった住宅ローンを比較検討したい方
初めて自宅を購入する場合、「いったいどのくらい住宅ローンを借りればいいんだろう?」「ローンを組むのに損をしてしまうのではないか不安!」と悩みますよね。
そんな方におすすめなのがモゲチェックという無料の住宅ローン比較サービスです。
モゲチェックを使えば、たった5分の入力で、主要銀行の住宅ローンを一括比較できます。審査に通る確率までひと目で分かるのでおすすめです。
また、「金利タイプが選べないので教えてほしい」「団信の種類を教えてほしい」など、細かい質問をプロのアドバイザーにすることもできます!住宅ローンの下調べに活用しましょう。
利用手順 |
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1.モゲチェックの公式サイトにアクセス 2.メールで会員登録&5分で情報入力 3.住宅ローンプランが比較できる 4.【必要に応じて】アドバイザーに質問できる |