家が欲しいけど住宅ローンが通らない?審査に落ちる理由と対策を徹底解説!

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ローン審査に通らない、通るか心配な人のアイキャッチ

「家が欲しいけどローンが通らない」「事前審査に落ちた」といったお悩みを解決します!

審査に落ちにくくするコツや、ローン審査に関するQ&Aを詳しく解説します。住宅ローンが組めない主な理由や、審査で見られる項目まで徹底解説します。

この記事は、ファイナンシャルプランナーの、岩井勇太さんに監修してもらいました!

監修 岩井 勇太
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士

日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。

ローンが組めない主な理由TOP3と解決策

ローンが組めない主な理由TOP3と解決策を、簡潔に紹介します。審査に出す前に、よくある通らないパターンに当てはまらないか、確認しておきましょう。

解決策
①信用情報に傷がある
(ブラックリスト)
信用情報が回復するまで貯金しながら待つ
②収入が少ない
(または不安定)
「頭金」を多く支払うか安く買える物件を選ぶ
③借入時と完済時の年齢が高齢 40歳までに借りるか親子二世代ローンを組む

ローン審査は「事前審査」と「本審査」で2回あります。事前審査に通過できれば、本審査も概ね通過します。

ただし、事前審査に通っていても、本審査では希望よりも借入額を減額されたり、5%ほどは落ちると言われています。審査に不利な状況でないか、以降で確かめていきましょう。

岩井
岩井
借りられない状態でなければ、対策できることは多いです。まずは代表的なパターン3つをより詳しく解説後に、審査に落ちにくくする5つのコツや、チェックされる項目を詳しく解説していきます。

①信用情報に傷がある(ブラックリスト)

「信用情報」に傷があると5~10年はローンが組めません。信用情報とはクレジットカードの利用状況や借金歴の記録で、金融機関はすべて確認できます。

事故歴はブラックリストとも呼ばれ、自分でも確認できます。過去の滞納などで、心当たりがあれば事前に確かめておきましょう。

記録は約5年で消されてホワイトに戻るので、事故歴がある人も、時間が経てば審査に影響はなくなります。自己破産など内容が深刻だと、10年は記録が残ります。

過去の借り入れを完済していても、滞納歴があると審査に落ちやすいです。家を買うときは、信用情報にネガティブな情報がないところからスタートしましょう。

信用情報の調べ方

信用情報機関は3つあり、情報は共有されています。自分の心当たりのある借金の、借入先が加盟する窓口で取り寄せると確実です。

加盟する金融機関
CIC(CREDIT INFORMATION CENTER) 主にクレジットカード関連の会社など
JICC(日本信用情報機構) 主に消費者金融や銀行、保証会社など
JBA(全国銀行個人信用情報センター、KSC) 主に銀行や信金、信用保証協会など

手数料1,000円前後で、インターネットまたは郵送で照会できます。JBA(KSC)は郵送のみの受付です。

岩井
岩井
少しでも心当たりがあれば、調べてみてください。事故歴があれば「異動」というステータスで記録されています。家を買うときは原則、消えるまで待つべきです。

②収入が少ないまたは不安定

住宅ローンは、支払い能力に見合った借り入れなら、問題なく借りられます。ただし、収入が少ない、または不安定とみなされ、審査に通らないケースがあります。

年収だけでなく職業も重要視されます。自営業やフリーランスより、会社員や公務員のほうが安定していると評価されます。

長くて35年の返済計画を組むので、どれだけ高収入でも、一時的なものと思われると審査は不利です。

対処としては、貯金から「頭金」を多く払って借り入れを抑えるか、買う家自体の予算を抑える方法があります。貸す側が問題ないと考える範囲の見極めが重要です。

岩井
岩井
現実的な計画かどうかは貸す側の判断なので、客観的な目線で考える必要があります。審査が通らないケースの多くは、信用情報に傷があるか、希望の借入額が大きすぎるかです。

③借入時と完済時の年齢が高齢

ローンを組める年齢は、金融機関ごとにルールが決まっています。上限の多くは、借入開始で65~70歳、完済時は75~80歳までです。

ただし、上限に余裕があっても、実際の審査は年齢が定年に近づくほど厳しくなります。定年後は収入が下がるのが普通だからです。

毎月の返済額を抑えるために、長いローンを組むなら「40歳まで」がおすすめです。40歳を超えてから買うなら、返済期間を短くするか、頭金を多く払う必要があります。

40歳を超えても無理のないローンは組める

「親子二世代ローン」などの、50~60歳からでも無理なく組めるローンもあります。単独で借りられるかは、状況次第です。

審査のチェック項目は、支払い能力に関係する項目がほとんどです。

信用情報に傷がないか回復していて、現実的な返済計画が立てられるなら、心配しすぎる必要はありません。

審査に落ちにくくするための5つのコツ

ローン審査に少しでも落ちにくくするための、5つのコツを解説します。

審査は金融機関の判断によるので「絶対に通過する方法」はありません。しかし、有利にできる内容はあるので、参考にしてください。

  • ①不安要素を専門窓口に相談する
  • ②返済負担率を手取り年収の25%までに抑える
  • ③審査書類は正確に記入する
  • ④本審査までに資金状況を変えない
  • ⑤夫婦の収入を合算して挑む

①不安要素を専門窓口に相談する

審査の不安要素を洗い出して、専門窓口に相談するとアドバイスがもらえます。窓口には金融機関の他にも、住宅ローンアドバイザーやFP、仲介業者(不動産屋)などがあります。

過去の滞納や支払いに関するトラブルの他に、精神疾患などの持病も審査に関係します。

不安要素は自分から相談することが大切です。個人情報の関係で、関係者からは積極的に聞けない内容もあるからです。

審査でチェックされる項目については、後ほど詳しく解説します。

②返済負担率を手取り年収の25%までに抑える

返済負担率(返済比率)を、税金や社会保険料を引いた「手取り年収の25%」に抑えられるとベストです。生活費に余裕が作れますし、毎月の負担を減らせます。

返済負担率とは、年収から返済に回す割合のことです。返済負担率は25%までなら、収入を心配されにくいです。

住宅金融支援機構の「2021年4月住宅ローン利用者調査」の統計でも、25%までのローンを組んでいる人が多いです。

住宅金融支援機構による返済負担率の統計

出典:2021年4月 住宅金融支援機構 住宅ローン利用者調査

返済負担率が30%を超えると、借入額が多めだと心配されやすいです。予算を考えるときに、意識してみてください。

税込年収と手取り年収の比較

予算は「手取り」の収入から考えるべきです。税金や社会保険料を引かないと、支払い能力を実際より大きく見積もってしまうからです。

例えば、税込みの年収が400万円で、返済負担率25%のローンを組むなら、毎年の返済額は「100万円」です。

返済負担率の計算式
  • 年収×返済負担率(%)=年間の返済額
    例)年収400万円×25%=毎年100万円返済

年100万円の返済を35年続けると、3,500万円の出費です。実際は金利が差し引かれるので、金利をふまえた借入額は、全期間固定金利だと約2,700万円です。

手取り年収は大まかに8割程度です。年80万円の返済を35年続けると、出費は2,800万円で、借入額は約2,100万円です。借入額は、こちらが適切だと考えたほうが良いです。

欲しい家が2,700万円なら差額の600万円を「頭金」で払うなど、なるべく借り入れを減らすと、審査の心配がさらに減らせます。

借入額の目安は、年収ごとに以下リンク先でも解説しています。

年収ごとの住宅ローン記事
年収350万円 年収400万円
年収500万円 年収600万円
年収700万円 年収800万円

借入額を抑えるか、値段を抑えて物件を選べば、審査の心配は減らせます。

③審査書類は正確に記入する

金融機関の審査書類には、年収や資産、他の借り入れを記入する項目があります。すべて正確に、正直に記入しましょう。

審査では「総返済負担率」が重要です。カードの分割払いや車のローンなど、他の借り入れも含めた返済負担率で計算されます。

返済負担率の上限は借入先により異なり、統計だと35~45%が多いです。令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査より、返済負担率のアンケートを紹介します。

返済負担率の回答数
  • ・45%以内(41)
  • ・40%以内(33)
  • ・35%以内(33)
  • ・30%以内(14)
  • ・20%以内(5)
  • ・50%以内(1)
  • ・その他(73)

出典:令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査
(1,051の金融機関が回答)

他の借り入れを内緒にして、後から発覚すると印象が悪いので要注意です。基本的に、分割で払っているものは、すべて把握されると考えてください。

返済負担率が「手取り年収の25%」の借り入れなら、金融機関の基準は超えないと考えられます。

ただし、大きな買い物をしている場合は、総返済負担率が35%を超えていないか、計算してみてください。他にも返済を抱えているほど、審査は厳しくなります。

④本審査までに資金状況を変えない

事前審査に通過しても、本審査までに資金状況が変わると審査に落ちやすくなります。

車などの大きな買い物をしたり、転職や独立で収入が変わったりしないように気を付けましょう。新たな出費は避けて、本審査の通過を待つべきです。

本審査があるのは、家の売買契約より後です。ローンが借りられないと、急いで別のローンを探す必要があります。

2~3つは事前審査を通しておいて、もっとも条件の良いローンで借りられるとベストです。

⑤夫婦の収入を合算して挑む

収入が足りず希望の金額が借りられないときは、夫婦の収入を基準としたローンを組む方法があります。

夫婦がそれぞれローンを組む「ペアローン」や、収入を合算して審査してもらう「収入合算」なら、借入額を上げられます。

ただし、産休や育休などで夫婦どちらかの収入が下がると、返済が難しくなります。

平成30年11月の内閣府男女共同参画局の統計によると、第1子出産のタイミングで46.9%の女性が離職しています。リスクは高い手段だと覚えておいてください。

岩井
岩井
夫婦でローンを組むのは、最後の手段と考えたほうが良いです。単独で組むローンより注意点が多いので、夫婦で借り入れするなら、必ずリスクの説明を受けましょう。

ローン審査でチェックされる項目とは

ローン審査でチェックされる項目のほとんどは「支払い能力」に関する内容です。

国土交通省の令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査で、審査でチェックされる項目が集計されているので紹介します。

住宅ローンを取り扱う全国1,132の金融機関が回答しています。

審査する金融機関の割合
完済時の年齢 99.1%
健康状態 98.2%
担保評価(不動産の価値) 98.2%
借入時の年齢 97.8%
年収 95.7%
勤続年数 95.3%
連帯保証 95.1%
返済負担率(返済比率) 92.1%
金融機関の営業エリア 91.0%
雇用形態 76.4%
他の借り入れ 64.2%
その他の審査項目
審査する金融機関の割合
融資可能額(購入) 74.3%
融資可能額(借り換え) 69.4%
国籍 69.3%
申込人との取引状況 45.8%
業種 30.1%
家族構成 23.7%
勤め先の規模 21.6%
所有資産 21.0%
性別 17.5%
その他 4.1%

出典:国土交通省 令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査

数ある審査項目の中から、重要なものを詳しく解説していきます。

年齢だけでなく健康状態も見られる

ローン審査では、健康状態も確かめられます。返済中の死亡や高度障害に備えた団体信用生命保険(団信)の審査があるためです。

通院中の持病があったり、過去3年以内に難病の通院歴があると、審査で申告する義務があります。

ほとんどの金融機関で加入は必須で、病気が原因で団信に入れないと、ローンが組めません。「フラット35」は加入が任意なので、団信に入れなくても借りる手段はあります。

年収は目安として350万円以上は必要

単独で無理のない返済計画を組むなら、目安として年収350万円は必要です。年収350万円あれば、審査の最低ラインを概ねクリアできるからです。

厳密に言うと、年収350万円未満でも借りられる金融機関はあります。ただし、生活費が捻出できませんし、住みやすい家も選べないので、おすすめしません。

年収350万円未満なら、収入を合算したローンを検討してみるのも手です。世帯の収入で350万円以上あるかを目安にしてみてください。

他の借り入れはカード類に要注意

他の借り入れがあると、総返済負担率に含められてしまい、審査が厳しくなります。

また、5年以内の滞納など、信用情報に事故歴があると、審査が不利です。チェックされる借り入れの例を、以下にまとめました。

チェックされる借り入れの例
  • ・車のローン(カーローン)
  • ・楽器や家電の分割払い
  • ・携帯電話本体の分割払い
  • ・クレジットカードでの買い物
  • ・クレジットカードの分割払いやキャッシング
  • ・消費者金融での借り入れ
  • ・アパートローン(投資マンション)
  • ・教育ローン、学生ローン
  • ・奨学金の返済
  • ・過去の滞納歴(事故情報) など

車や楽器、家電などの金額が大きい買い物や、各種ローンの借り入れは、住宅ローンの借入限度額を圧迫します。審査に落ちなくても、借りられる金額は減ります。

特に、リボ払いや分割払いは、審査で印象が悪いです。買い物の返済に時間をかけている時点で、住宅ローンの返済を心配されるからです。

金融機関によっては使っていないカードでも、キャッシング枠を返済負担率に含めます。明らかに使わないカードは解約しておきましょう。

携帯の本体料金を分割で払っていて、引き落としができなかったときも、信用情報に傷は残ります。心当たりがあれば、あらかじめ信用情報を調べておくことが大切です。

職業はさまざまな面からチェックされる

職業は収入が安定しているかをチェックされます。正社員や公務員でも、就職や転職したばかりで勤続年数が1年未満だと、不安定だと評価されます。

公務員や一部上場企業の正社員は、勤続年数が3年以上で長いと、金利面などでも良い条件で借りられます。金融機関にとって、貸し倒れのリスクが少ないからです。

派遣社員や契約社員などの非正規雇用や、自営業や個人事業主、フリーランスは、収入に波があると心配されやすいです。

審査は事情も理解してもらえる場合がある

職業面で審査が不利な人でも、事情によっては希望のローンが借りられます。

例えば、転職したばかりの人は、前職と同業種で間が空いていなければ、審査に通りやすいです。似たキャリアの連続なら、仕事が続く可能性は高いからです。

どの職業でも「頭金」を多く払うと、審査に有利です。借り入れ自体を減らせますし、貯金ができる人は堅実だと評価されるからです。

不動産の価値が低いと借りづらい

買う不動産の価値(担保評価)が借入額に対して低いと、ローンは借りづらいです。

返済が不可能になった場合は、金融機関は物件を売り(競売)に出して、お金を回収するからです。特に、建物の価値が下がっている中古で重要視されます。

物件の広さや、間取りが条件として決められているケースもあります。ワンルームマンションだとローンが組めないなどです。

物件探しの段階で、紹介する不動産屋が意識しているので、気にしすぎる必要はありません。

家族構成と性別による審査もある

住宅ローンは、一人暮らしだと厳しめに審査されます。賃貸に出す投資目的での購入を、疑われやすいからです。住宅ローンは原則、自分で住む必要があります。

女性が債務者になる場合は、妊娠中だと審査が厳しいです。団信の加入が難しいからです。

住む人数の多さには厳しくありません。ただし、家計まではチェックしてもらえないので、借りすぎは自分でセーブする必要があります。

金融機関ごとの審査基準を満たしていて、客観的に返済が現実的なら審査は通ります。審査の傾向に詳しい業者に頼めるとスムーズです。

金融機関によって重視するポイントが異なる

金融機関には種類があり、審査の傾向や金利に差があります。表にまとめたので、参考にしてください。

審査 金利
フラット35などの
公的ローン
基準が明確 主に固定金利
都市銀行
(メガバンク)
厳しいが便利 安い
地方銀行や
信用金庫・信用組合
融通が利く傾向 やや高い
ネット銀行 厳しい 安い
労働金庫や農協
(JAバンク)など
融通が利く傾向 組合員は優遇

以下で、それぞれ詳しく解説します。

フラット35などの公的ローン

フラット35とは、全国の銀行が住宅金融支援機構と提携して貸し出す、全期間固定金利型の住宅ローンです。

物件が基準を満たしていれば、職業による違いにはそこまで厳しくありません。

借入額は、以下の総返済負担率まで抑える必要があります。

総返済負担率
年収400万円未満 30%以下
年収400万円以上 35%以下

出典:フラット35 公式ホームページ

フラット35は公的機関が関わるためここでは公的ローンに分類しています。公的機関のローンには、他に「財形融資」や「自治体融資」があります。

財形融資は、勤め先で「財形貯蓄」している人が対象です。自治体融資は一部の自治体がおこなう貸付のことです。

銀行などの民間ローンが借りられないときは、審査基準が明確な公的ローンを考えましょう。金利面は、民間ローンのほうが安い傾向があります。

都市銀行(メガバンク)

都市銀行や信託銀行は、対応エリアが広く便利で、金利は安く借りられます。ただし、審査は厳しめです。

職業や収入の安定性、物件の担保評価などに不安要素があるときは、審査に落ちる可能性まで考えたほうが良いです。

コールセンターなどのサポート体制が充実しているので、まず相談してみる窓口としてベターです。

地方銀行や信用金庫・信用組合

地方銀行や信用金庫、信用組合は、ローン審査にはそこまで厳しくありません。ただし、対応エリアが限定されます。

メガバンクで審査に落ちたら、相談してみるのも手です。勤続年数や職業に心配があるときでも、メガバンクよりは融通が利きやすいです。

金利が高めな場合がありますが、提携のクレジットカードを作ったり保険に入ったりすると、優遇を受けられるケースは多いです。

ネット銀行

ネット銀行は店舗がなく、運営コストを抑えているぶん金利が安いです。審査は厳しく、融通は利きづらいです。

前年の年収が400万円以上など、厳しめの条件が多いです。手続きがネットでできるところと、金利が安いのは大きなメリットです。

ローン保証料が無料といった特典が目立ちますが、代わりに事務手数料が高額でないかは確かめましょう。

労働金庫や農協(JAバンク)など

労働金庫や農協の住宅ローンは、関係者以外も組合費を払って利用できます。利用資格の確認とあわせて相談してみるのも手です。組合員は金利や手数料の優遇が受けられます。

預金口座を持たないタイプの、住宅ローンを専門に取り扱う「モーゲージバンク」と呼ばれる金融機関もあり、借入先の種類は多いです。

まずは住宅ローン比較窓口などの、ネットの比較サイトで、条件を比べてみるのがおすすめです。審査にかかる日数の目安や、特典も比較できます。

岩井
岩井
不動産屋が紹介できる「提携ローン」もあわせて検討してみてください。金利など条件の融通が利きやすく、審査の傾向を把握しているので、心配が少ないです。

ローン審査の流れと用意するもの

審査に落ちにくくするコツや、チェックされる項目をふまえて、事前審査と本審査の流れと、用意するものを解説します。

ローン審査の流れ
  • ①購入の申し込み
  • ②事前審査
  • ③物件の売買契約を結ぶ
  • ④ローンの本審査

購入の申し込み

物件が決まったら、購入の申し込みをします。買付証明書(購入申込書)に年収などの個人情報や、物件の情報を記入して提出します。

購入を申し込んだタイミングで、すぐ事前審査に出すのが一般的です。しかし、物件が決まっていない段階でも、事前審査は可能です。

審査に心配があるなら、物件探しより前に事前審査を受けたり、信用情報を調べたりしておきましょう。

②ローンの事前審査

事前審査は、不動産屋に紹介された金融機関や自分で探した金融機関に、ローン審査の申込書を提出して受けます。審査結果が出るまでは、3~7日が目安です。

郵送やインターネットでも受けられます。審査に不安要素があるときは、窓口で相談して進めるのがおすすめです。

現住所で自治体に印鑑登録をしていない場合は、印鑑登録も済ませておきましょう。後々、実印が必要になるからです。

事前審査に必要な書類

事前審査に必要な書類は、主に本人確認のための書類と、前年の収入証明書です。以下にまとめたので、参考にしてください。

事前審査の必要書類
  • ・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • ・収入証明書(源泉徴収票、課税証明書など)
  • ・確定申告書、納税証明書(個人事業主の場合)
  • ・物件資料(平面図やリフォーム見積りなど)
  • ・他のローンなどの残高証明書(他の借り入れがある場合)
  • ・印鑑(認印、シャチハタ以外)

個人事業主やフリーランスの場合、税金対策で所得を減らしていると審査が不利です。前年の収入だけでなく、3期分は証明が必要なケースが多いです。

物件が決まる前に事前審査を受けるときは、予算に近い物件の資料を持っていくとスムーズです。不明点は、金融機関に確認しましょう。

▶事前審査の最適なタイミングの解説はこちら

③物件の売買契約を結ぶ

事前審査に通ったら、物件の売買契約を結びます。売買契約は、物件の買付申込書を提出してから1週間後が目安です。

契約が終わったら「手付金」と言って、販売価格の5~10%程度を前払いします。契約する前に、契約書に「ローン特約」の記載があるかを必ず確認しましょう。

ローン特約がないと、もしどこの金融機関でも本審査に通らなかったら、手付金を没収されてしまいます。

売買契約で必要な書類

売買契約で必要な書類を以下にまとめました。手付金などの支払いがあるので、必要な金額や不明点を、前もって不動産屋に確かめておきましょう。

売買契約で必要な書類
  • ・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • ・印鑑(実印、銀行届出印など)
  • ・手付金
  • ・収入印紙または代金
  • ・仲介手数料(半額を前払いする場合がある)

物件の売買契約を結んだら、ローンの本審査に進みます。契約書は審査に必要な書類なので、大切に保管しておいてください。

④ローンの本審査

住宅ローンの本審査は、事前審査に通過した段階で送られてくる申込書類を使用します。事前審査よりも入念なチェックが入るので、結果が出るのは2~4週間後です。

事前審査と資金状況が変わっていると、落ちる可能性が上がるので気を付けましょう。

本審査に必要な書類

ローンの本審査に必要な書類は、事前審査で出した書類と、物件のより詳細な資料です。

本審査の必要書類
  • ・事前審査で提出した書類
  • ・住民票の写し(取得3ヶ月以内のもの)
  • ・印鑑登録証明書(取得3ヶ月以内のもの)
  • ・実印(印鑑登録の印鑑)
  • ・公的な収入証明書(課税証明書、住民税決定通知書など)
  • ・職場に関する書類(職務経歴書や給与明細)
  • ・物件資料(売買契約書、重要事項説明書など)
  • ・健康診断の結果証明書(団信の審査のため)
事前審査で提出した書類
事前審査の必要書類
  • ・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • ・収入証明書(源泉徴収票、課税証明書など)
  • ・確定申告書、納税証明書(個人事業主の場合)
  • ・物件資料(平面図やリフォーム見積りなど)
  • ・他のローンなどの残高証明書(他の借り入れがある場合)
  • ・印鑑(認印、シャチハタ以外)

職場に関する書類は、転職などがある場合に求められます。借り入れが大きい額だと、稀に健康診断の書類も求められる可能性があります。

住民票や印鑑登録証明書は、本審査に通って、ローン契約を結ぶ際に必要です。一度に準備できるとスムーズなので、必要書類は金融機関に早めに確認しましょう。

本審査に通過するまでは気が抜けません。また、金利は融資実行時のものが適用されるので、スケジュールは関係者全員と入念に打ち合わせましょう。

ちなみに、不動産屋の紹介する提携ローンは、スケジュール面でも融通が利きやすいです。

ローン審査に関するQ&A

ローン審査に関するよくあるQ&Aを、チャット不動産イエプラの岩井さんに回答してもらいました。

岩井さん(宅建士、日本FP協会認定のFP)
チャット不動産イエプラの岩井さん不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。

実際に経験した内容をふまえての回答なので、ぜひ参考にしてください。

ローン審査に関するQ&A
  • Q1.収入が高くても審査に落ちる?
  • Q2.住宅ローンの「審査金利」とは?
  • Q3.審査はいくつまで出せる?
  • Q4.審査が通りやすい金融機関はある?
  • Q5.事前審査に通ったのに本審査で落ちる理由
  • Q6.落ちたあとに再審査はできる?
  • Q7.他の借り入れは完済しておくべき?
  • Q8.信用情報はたった一度の延滞でもNG?
  • Q9.団信に加入したいが審査が心配
  • Q10.外国籍でも借りられる?
  • Q11.家賃収入がプラスでも審査は厳しいの?
Q1.収入が高くても審査に落ちる?
A高収入でも落ちるケースはあります。収入は安定性を重視されるからです。

会社員や公務員が有利なのは、安定しているイメージだけでなく、納税額に疑問が生じないからです。

自営業やフリーランスの人は、3期分は収入証明を求められるので、希望の借入額によっては3年前から対策する必要があります。

水商売や芸能関係で高収入の人は、現金での購入がスムーズです。収入の安定性が書類で証明できるなら、結局は金融機関への相談次第です。

Q2.住宅ローンの「審査金利」とは?
A審査金利とは、金融機関があえて高めの金利で審査することです。

金融機関は、金利相場が上がった場合のリスクヘッジとして、高めの金利(審査金利)で審査するケースが多いです。

例えば、変動金利0.3%台で借りられる金融機関でも、審査時は2~3%の金利で審査するなどです。

借入額が収入に対して適切な金額なら、気にしすぎる必要はありません。心配なら、金融機関ごとのシミュレーターで借入額を試算してみてください。

Q3.審査はいくつまで出せる?
A数に上限はありませんが、10以上出すのはおすすめしません。

金融機関を比較する情報は、インターネット上に充分あります。実際に審査に出すのは、2~3に絞るべきです。

審査に出すと、半年ほど信用情報を照会した情報が残ります。結果までは残りませんが、履歴が多いと審査落ちを疑われやすいです。

最有力候補と、妥協した候補、滑り止めで3つ、同時進行できるとベストです。

Q4.審査が通りやすい金融機関はある?
A職業などの属性によって通りやすい金融機関が変わります。

金融機関によっては、職業などの属性を見て受付しないケースがあります。

通りやすい金融機関は人によって異なるので、審査が心配なら多数の銀行を紹介できる不動産屋などに、相談してみるべきです。

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Q5.事前審査に通ったのに本審査で落ちる理由
A資金状況の変化と、事前審査が甘いケースがあります。

事前審査に通っても本審査に落ちるのは、事前審査のときと状況が変わっているケースがほとんどです。他には、事前審査が甘いケースがあります。

インターネットの事前審査だと、収入面が充分なら通ってしまいます。最終的な審査項目は多いので、本審査だけ落ちる可能性は0にはできません。

審査に不安材料があるなら、収入証明書や物件資料の提出が必要な、窓口などで受付している事前審査を受けたほうが良いです。

Q6.落ちたあとに再審査はできる?
Aできる場合もあります。ただし、審査に落ちた状況は改善されている必要があります。

一度審査に落ちると、状況が同じなら再審査しても通りません。受付を断られる可能性もあります。

審査に落ちたときは、担当者に質問してみてください。収入が足りなかったのか、物件が良くなかったのかなどです。

教えてもらえないケースがほとんどですが、改善できるきっかけのアドバイスをもらえる場合があります。

原因に見当がついて改善できれば、通過できる場合もあります。半年など、一定の期間は空けたほうが良いです。

Q7.他の借り入れは完済しておくべき?
A総返済負担率によります。

総返済負担率の範囲内なら、他に借り入れがあってもローンは組めます。細かい借金を急いで完済すると、かえって印象が悪いケースもあるので要注意です。

キャッシングは完済しておき、明らかに不要なクレジットカードは解約しておきましょう。

生活費を借りないといけない状況だと思われると、審査には悪影響です。

Q8.信用情報はたった一度の延滞でもNG?
A1度だけなら見逃してもらえるケースもあります。

分割払いの1回目の延滞などは、見逃してもらえるケースが多いです。手続き上の不備かもしれないからです。

間隔を空けて何回も滞納している場合は、審査は通りにくいです。支払いがルーズだと思われると、住宅ローンは組めません。

税金や公共料金の未払いも印象が悪いです。隠せる内容はないと考えて、早めに相談しましょう。

Q9.団信に加入したいが審査が心配
A団信に加入しないか、審査がゆるやかなワイド団信があります。

健康状態に不安があるなら、団信に加入せずフラット35で借りるか、審査がゆるやかな「ワイド団信」に加入する手段があります。

ワイド団信は、通常の団信で断られる糖尿病や肝機能障害があっても、審査に通る可能性があります。基準は保険会社によるので、相談が必要です。

団信に加入していれば、返済中の死亡や、重病で働けなくなったときでも、要件を満たせば保険会社が残債務を支払ってくれます。

団信に入らないときは民間の「収入保障保険」に入るなどの工夫が必要です。家族の安心のために、保険もしっかり検討しましょう。

Q10.外国籍でも借りられる?
A金融機関によっては借りられます。

外国籍でも住宅ローンは組めます。ただし、金融機関によっては日本国籍に限定している場合があります。

帰国して返済が滞ると回収が難しいので、やや敬遠されます。条件を具体的に公表している金融機関なら、審査はスムーズです。

永住権の有無や、日本国籍の連帯保証人が用意できるかなど、状況により難易度は異なります。

Q11.家賃収入がプラスでも審査は厳しいの?
A他に借り入れがある状態として扱われるので、審査は厳しいです。

投資マンションの家賃収入があっても、ローンが残っていると審査は厳しいです。家賃収入がプラスでも、空室が出たらマイナスになるからです。

借入額を抑えるか、売却するのが無難です。ちなみに、フラット35は1棟を賃貸経営しているローンなら、総返済負担率に含めず審査してくれます。

岩井
岩井
心配な人は、審査に詳しい窓口に相談してみたほうが良いです。相談だけなら無料のケースは多く、予算を見直すきっかけにもできます。


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