年収500万で住宅ローンはいくらまで組める?平均や無理のない目安を大公開!

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年収500万円の住宅ローンについて考える人のイラスト

「年収500万円で住宅ローンはいくらまで借りられる?」「頭金なしでも組める?」といった疑問を解決します!

借入限度額と無理のない借入額の比較や、統計から平均的な目安を解説します。住宅ローンに関する知識も、わかりやすく説明します。

金利タイプの違いや、返済期間などを比較したシミュレーションも紹介します。ぜひ、購入を検討する際に参考にしてください!

年収が異なる場合は、以下のリンクを参照してください。

年収ごとの住宅ローン記事
年収400万円 年収600万円
年収700万円 年収800万円

この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井勇太さんに監修してもらいました!

監修 岩井 勇太
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士

日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。

年収500万で組める住宅ローンの目安表

年収500万円で無理なく組める住宅ローンは「約2,700万円」です。これは1年間の返済額を、税金や保険料を引いた手取り年収の25%まで抑えた借入額です。

税金や保険料で年収の約20%引かれるので、手取り年収は「約400万円」です。月に直すと約33.3万円で、生活費や貯金まで考えると、住居費は25%ほどが適切です。

返済期間35年で、実際に借りられる上限額と「無理のない目安」を表にまとめたので参考にしてください。

借りられる目安 無理のない目安
年収500万円 4,717万円 2,684万円
年収510万円 4,811万円 2,749万円
年収520万円 4,906万円 2,814万円
年収530万円 5,000万円 2,846万円
年収540万円 5,094万円 2,911万円
年収550万円 5,189万円 2,976万円
年収560万円 5,283万円 3,008万円
年収570万円 5,377万円 3,073万円
年収580万円 5,472万円 3,137万円
年収590万円 5,566万円 3,170万円

※フラット35、ボーナスなし、金利1.56%、元利均等返済

表はあくまで目安の金額で、実際は家庭ごとに返済計画のシミュレーションが必要です。家族構成やお金を多くかける部分が、家庭によって異なるからです。

また、同じ年収500万円でも、月の手取り収入に差が出ます。ボーナスの割合や残業代など、職場によって違う部分があるからです。

住宅ローンは完済まで20~35年かかるので、将来のライフイベントや、老後資金まで考えた計画を立てましょう。

岩井
岩井
無理なく完済できるローンを、一般的な目安や、平均生活費を参考に見極めましょう。返済は毎月あるので、余裕がないと、収入が減ったり急な出費があったりしたときに耐えられません。

年収500万円ある人は約10%しかいない

国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、年収500万円台は全体の10.2%しかいません。以下で、年収別の比率を表にまとめました。

割合
年収400万円以下 55.1%
年収400万円超~ 14.6%
年収500万円超~ 10.2%
年収600万円超~ 6.5%
年収700万円超~ 13.6%

出典:国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査

給与所得者の平均給与は、全体平均で433万円でした。年収500万円ある人は、平均を超えた高めの収入です。

以下のグラフは同統計から抜粋したものです。内訳を見ると、平均が高い男性でも、年収500万円を超えるのは35歳以上からです。

年齢別の平均年収グラフ(男女別)

出典:国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査

住宅金融支援機構の2020年度フラット35利用者調査によると、公的ローン「フラット35」を利用する14%が、年収500万円台でした。

数にすると、全体で約7.8万人のうちの1.1万人です。年収が500万円以上ある人は少ないですが、家を買う人は多いと考えられます。

年収500万円だとどんな生活になる?

年収500万円台は、平均を超える年収ですが、家族構成によっては節約が必要です。平均的な生活費から考えると、世帯人数3人以上から、充分な住居費が残らないからです。

総務省統計局の「2021年1~3月期家計調査」より、住居費と車のローンを除いた平均生活費を紹介します。月の手取り約33.3万円から、いくら余るかも参考にしてください。

住居費を除く
消費支出
残りの金額
世帯人数1人 118,549円 214,784円
世帯人数2人 200,858円 132,475円
世帯人数3人 241,126円 92,207円
世帯人数4人 287,752円 45,581円
平均 195,658円 137,675円

出典:総務省統計局 家計調査 家計収支編/総世帯

子どもがいると、平均的な生活費よりも節約が必要です。自炊したり娯楽費を削ったり、安い駐車場を選んだり工夫がいります。

一人暮らしと、夫婦二人暮らしは、浪費しなければ特別な節約は必要ありません。立地など、条件にこだわって物件が探せます。

生活費から逆算して予算を組むべき

住宅ローンなどの住居費にかけられる予算は、生活費から逆算して考えるべきです。年収から考えると、実際の支払い能力を超えても気付けないからです。

家計の円グラフのイラスト

総務省統計局の2021年1~3月期家計調査を参考に、年収500万円の平均的な生活費(住居費除く)を作成しました。

手取りが約400万円なので月に「約33.3万円」の予算です。二人暮らしで一人が生活費を賄い、そこまで節約はしていない想定です。

食費 58,000円
水道光熱費 20,000円
娯楽費・交際費 60,000円
通信費 20,000円
交通費 20,000円
衣類・日用消耗品代 30,000円
医療費 5,000円
出費合計 213,000円
残り 120,000円

残りの12万円から、住居費と貯金、税金などを捻出する必要があります。住居費を「手取りの25%」で考えると「約8.3万円」です。

平均的な生活費なら、毎月8.3万円の住居費は、特に節約せずに払っていけそうです。借入額に直すと、35年ローンで約2,700万円です。

借り入れを増やす場合は、娯楽費や食費を節約したり、パートナーに費用を出してもらったりする必要があります。

毎月の返済金額からもシミュレーションできる

毎月いくら住居費に回せるのかわかれば、金融機関のシミュレーターで、借入額の目安が調べられます。

フラット35と民間ローンの借り入れの目安を、返済期間35年で計算してまとめました。毎月無理なく払える金額をあてはめて、参考にしてみてください。

毎月の返済額 フラット35
(全期間固定金利)
民間ローン
(変動金利)
7万円 2,264万円 2,730万円
8万円 2,587万円 3,120万円
9万円 2,911万円 3,520万円
10万円 3,234万円 3,910万円
11万円 3,558万円 4,300万円
12万円 3,881万円 4,690万円
13万円 4,205万円 5,080万円
14万円 4,528万円 5,470万円

※ボーナスなし、固定金利1.56%、変動金利0.41%、元利均等返済方式

毎月の返済額は、なるべく抑えたほうが良いです。冠婚葬祭などの急な出費に備えた貯金や、固定費を払う余裕が必要だからです。

返済期間を延ばしたり、頭金を払ったりすると、毎月の返済額が抑えられます。

固定費は毎月3~4万円かかる

毎月の返済に回せる金額の目安は「約9万円」です。生活費を除いた残りの12万円のうち、持ち家の固定費が3~4万円かかるからです。

持ち家の固定費は主に税金と維持費で、他にも必要に応じた費用があります。以下で入居中に発生する費用をまとめました。

相場
固定資産税 物件評価額の1.4%程度/毎年
都市計画税 物件評価額の0.3%程度/毎年
修繕積立金と管理費 合計3万円程度/毎月
室内の修繕費
(不具合が生じた場合)
実費(箇所による)
駐車場代(使う場合) 1~5万円/毎月
駐輪場代(使う場合) 数百~千円程度/毎月
町内会費 数百~千円程度/毎月

修繕積立金と管理費は、マンションの住環境や資産価値を保つための費用です。管理の状況と値段が見合っているか見極めが必要です。

2020年度の東日本不動産流通機構の統計によると、管理費と修繕積立金の合計は、平均「約2.4万円」です。

不動産の所有者には、固定資産税と都市計画税(固都税)がかかります。軽減措置があり、年間で10~15万円が目安です。月に直すと「0.8~1.3万円」です。

岩井
岩井
持ち家の固定費は物件によっても異なります。事前に不動産屋に確認して、毎月のローン返済額を決めるときに、忘れないように気を付けましょう。
持ち家の固定費に関する記事

▶修繕積立金と管理費の解説はこちら
▶固都税の解説はこちら

住宅ローンの目安を考える4つの方法

住宅ローンの借入額を考えるときの、一般的な考え方を以下で4つ解説していきます。借り入れに問題がないかは、さまざまな視点で確かめましょう。

  • ①借り入れが年収の5~6倍以内か
  • ②返済負担率が20~25%か
  • ③自己資金がいくらあるか
  • ④世帯収入がいくらあるか

①借り入れが年収の5~6倍以内か

一般的に、無理のない住宅ローンは「税込年収の5~6倍まで」と言われています。年収500万円だと「2,500~3,000万円」です。

予算を年収で割った「年収倍率」の統計では、中古の予算は年収の5~6倍、新築では6~7倍程度の傾向があります。

フラット35利用者調査から、年収倍率の全国平均を、直近5年分まとめました。

年収倍率の推移(2016~2020年度)

出典:2010~2020年度 フラット35利用者調査

借り入れが年収の5~6倍程度なら、平均的な予算と言えます。まず年収5~6倍で買える物件情報を探すと、相場の目安にもできます。

②返済負担率が20~25%か

返済負担率(返済比率)とは、税込年収から返済に回す割合のことです。無理のない返済負担率は「20~25%」と言われています。

年収500万円なら、毎年の返済額は100~125万円が目安です。返済期間35年で考えると、フラット35で「2,700~3,400万円」です。

統計でも、返済負担率が「25%以内まで」で住宅ローンを組んでいる人が多いです。

返済負担率の統計表

出典:2021年4月 住宅金融支援機構 住宅ローン利用者調査

返済負担率はローン審査にも関わります。金融機関によって異なりますが、多くの場合、返済負担率「30~35%」までは借りられます。

借入限度額から予算を考えると、借りすぎてしまうので要注意です。

③自己資金がいくらあるか

自己資金(貯金)からいくら払えるかによっても、借り入れの金額は変わります。

家を買うための費用は「住宅ローン部分+自己資金で払う部分」です。自己資金で払う部分には「頭金」「諸費用」「手付金」があります。

住宅購入に必要な費用の内訳

頭金が払えると借り入れが減らせます。例えば、3,000万円の家を買うために「頭金500万円」を払えば、住宅ローンは「2,500万円」で済みます。

自己資金が少なくても家を買う手段はあるので、後ほど詳しく解説します。頭金を払わない「フルローン」については、以下の記事でも解説しています。

▶頭金なしのフルローンの詳しい解説はこちら

④世帯収入がいくらあるか

共働きなら「ペアローン」や「収入合算」で借り入れを増やせます。ただし、完済まで共働きできるか心配なら、単独の収入が基準のローンを組むべきです。

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを組む方法です。収入合算は、ローンを組むのは一人で、収入を合算して審査する方法です。

片方の収入が減ると、返済が大変になるので要注意です。平成30年11月の内閣府男女共同参画局の統計では、第1子出産時に46.9%の女性が離職しています。

世帯収入を基準に借入額を増やすなら、必ずデメリットの説明まで受けてください。

▶ペアローンと収入合算の解説はこちら

金利によって返済の総額が変わる

住宅ローンを組むときは、金利で増える返済総額も意識しましょう。金利が1%違うと、返済総額が数百万円変わります。

金利は金融機関ごとに設定が違い、選ぶ商品のタイプで変わります。主に、以下4つのタイプがあります。

全期間固定金利型 完済するまで金利が変わらない
変動金利型 定期的に金利が見直される
固定金利期間選択型 一定期間毎に固定か変動か選べる
ミックス型 固定金利と変動金利で分けて借りる

住宅金融支援機構の集計によると、2022年4月時点の民間金融機関の金利(中央値)は、変動金利で約2.4%です。

2022年4月の民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

出典:フラット35公式ホームページ

過去には金利が8%台だった時期もあり、2022年現在の金利相場は低金利です。住宅ローンも安い金利で組めます。

ただし、審査では「審査金利」といって厳しめの基準で見られるため、限度に近い額は借りられない場合があります。

金利には優遇や引き下げがある

金融機関ごとの優遇や割引で、実際は固定金利で1%台、変動金利で0.3%台など、さらに安い金利で借りられます。

安定志向の人は、低金利のうちに固定金利型で組むのが無難です。ローンを組んだ後は金利相場の影響を受けないので、返済の計画が立てやすいです。

変動金利型は、固定金利より低い金利で借りられます。金利より住宅ローン控除(減税措置)のほうが大きい間は、特にお得です。

岩井
岩井
一般的に、同じ時点で考えると、固定金利より変動金利のほうが安いです。全期間固定を選ばないなら、金利上昇のリスクは考える必要があります。期間選択型やミックス型は、固定と変動のリスクを分散するイメージです。

頭金を払うと金利が安くなる場合がある

金融機関によっては、頭金を払うと金利が安くなります。

例えば、フラット35では9割以下のローンだと金利が約0.2%安いので、頭金を10%支払ったほうがお得です。

金利の範囲
9割以下のローン 1.440%~2.540%
9割超えのローン 1.700%~2.800%

出典:フラット35公式ホームページ

頭金は払いすぎにも要注意です。急な出費への備えも必要だからです。

初期費用や金利が心配なら不動産屋に伝えて、お得な手段を提案してもらいましょう。

金融機関によって特徴が異なる

借りる金融機関によっても、特徴があります。表に簡潔にまとめたので、紹介します。

審査 金利
都市銀行
(メガバンク)
厳しいが便利 安い
ネット銀行 厳しい 安い
地方銀行
信用金庫
融通が利く傾向 高い
フラット35 基準が明確 固定金利のみ

メガバンクやネット銀行は、利便性の高さや金利の低さがメリットです。地方銀行は、ローン審査の融通が利きやすい傾向があります。

事務手数料や保証料などの諸費用にも差があるので、もっとも条件の良い金融機関で借りられると理想的です。

ちなみに、金融機関ごとに特典も異なります。公共料金の引き落とし口座を変えたり、提携のカードを作ったりすると、金利の優遇を受けられるケースがあります。

金融機関をネットで比較できる

インターネット上で、金融機関の比較ができるサイトがあるので、活用しましょう。

住宅ローン比較窓口」のシミュレーションを使用して、以下の設定で金融機関を比較してみました。

  • ・年収500万円、ボーナスなし
  • ・返済負担率30%
  • ・35年固定金利
  • ・元利均等返済方式

借入可能額は「約4,300万円」で、金融機関による違いを表にまとめてみました。ローンの諸費用や、特典も比較できるので、自分に合った条件で試してみてください。

金利 借入可能額の目安
三菱UFJ銀行 1.200% 約4,285万円
新生銀行 1.400% 約4,149万円
住信SBIネット銀行 1.840% 約3,869万円
横浜銀行 1.550% 約4,050万円
auじぶん銀行 1.500% 約4,083万円

最低でも、3社は比較してみたほうが良いです。借りられる金額の他に、金利が0.1%違うだけで返済総額は数十万円も変わります。

不動産屋が、ローンを紹介してくれるケースも多いです。金利を優遇してもらいやすいので、あわせて検討するべきです。

岩井
岩井
返済負担率を「25%」に変えてみたところ、借入可能額は約3,600万円でした。「20%」だと約2,900万円で、大幅に結果が異なります。生活費を見直して、自分に合った返済負担率で試してみてください。

最終的な金額は金融機関の審査次第

最終的な借入可能額は、金融機関が審査して決めます。一般的に、ローン審査には「事前審査」と「本審査」の2段階あります。

事前審査に通ってから、物件の売買契約を結びます。その後「本審査」に通過すると、ローンの条件が確定します。

国土交通省の令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査より、審査でチェックされる項目から、重要なものを紹介します。

審査する金融機関の割合
完済時の年齢 99.1%
健康状態 98.2%
担保評価(不動産の価値) 98.2%
借入時の年齢 97.8%
年収 95.7%
勤続年数 95.3%
返済負担率(返済比率) 92.1%
雇用形態 76.4%
他の借り入れ 64.2%
その他の審査項目
審査する金融機関の割合
連帯保証 95.1%
金融機関の営業エリア 91.0%
融資可能額(購入) 74.3%
融資可能額(借り換え) 69.4%
国籍 69.3%
申込人との取引状況 45.8%
業種 30.1%
家族構成 23.7%
勤め先の規模 21.6%
所有資産 21.0%
性別 17.5%
その他 4.1%

出典:令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査

多くの金融機関では、借入開始年齢は65~70歳、完済年齢は75~80歳など、上限を定めています。借入先によってルールは異なるので、事前に確認しましょう。

審査によっては貸してもらえない他に、希望より少ない額を提示されたり、返済期間を短くされたりします。また、金利が高めに設定されるケースもあります。

岩井
岩井
売買契約の際は、希望のローンを組めなかったときの扱いを確認しておきましょう。ローンが組めないなら、ペナルティなしで解約できる特約を結ぶのが通常です。

返済負担率と他の借り入れの関係

審査で大切なのは「総返済負担率」です。年収から返済に回せる金額をチェックするときは、他の借り入れも含められます。

返済中の借り入れがあると、そのぶんローンの借入額は減ります。返済負担率に含められる借り入れの例を、以下にまとめました。

チェックされる借り入れの例

  • ・車のローン(カーローン)
  • ・クレジットカードでの買い物
  • ・楽器や家電の分割払い
  • ・消費者金融での借り入れ
  • ・奨学金の返済
  • ・教育ローン、学生ローン
  • ・携帯電話本体の分割払い
  • ・過去の滞納歴(事故情報) など

使わないキャッシング枠も、返済負担率に含められるケースがあります。使わないクレジットカードは解約しておきましょう。

金融機関には「信用情報」を見られる

金融機関は、借金歴などの「信用情報」を確認できます。他の借り入れや、返済中の支払いはすべて把握されると考えるべきです。

審査申込書には他の借り入れを書く欄があるので、正確に記入しましょう。

申込書の年収を多く書いたり、他の借り入れを書かなかったりすると、審査の印象が悪くなります。

総返済負担率の上限は35~40%が多い

国土交通省の令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査によると、総返済負担率の上限は35~40%の金融機関が多いです。

ただし、実際はほとんどの金融機関が非公開にしています。

返済負担率の回答数
  • ・45%以内(41)
  • ・40%以内(33)
  • ・35%以内(33)
  • ・30%以内(14)
  • ・20%以内(5)
  • ・50%以内(1)
  • ・その他(73)

出典:令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査

総返済負担率が知りたいときは、金融機関ごとのシミュレーターが参考になります。あくまで目安ですが、事前審査の前に確かめましょう。

ちなみに、公的ローンの「フラット35」は基準を公開していて、年収400万円以上から一律で35%です。

総返済負担率
年収400万円未満 30%以下
年収400万円以上 35%以下

出典:フラット35公式ホームページ

ローン審査の基準が明確なので、借りやすいです。信用情報に傷がなく、総返済負担率が基準を超えなければ、基本的に借りられます。

年収500万円の住宅ローン体験談

年収500万円台の住宅ローン体験談を3つ紹介します。当サイト「スマイノ」公開前、2021年6月に実施したアンケート結果です。

借り入れの条件などは、掲載の許可がもらえた範囲で記載しています。

新築に住みたいので郊外にした

Eさん(30代/男性)
男性のアイコン新築に住みたかったので、予算を抑えるために郊外で購入しました。共働きなので、毎月の返済の負担は、あまり感じていません。電車が止まるとやや不便さを感じますが、家は住みやすいです。

30代のEさんは新築に住みたいため、予算が抑えられる郊外で購入しています。交通機関が止まると大変な点を除けば、住みやすいとのことです。

共働きでも、無理のない範囲内の借入額にしています。

借り入れの条件
  • ・夫婦二人暮らし 共働き
  • ・借入時の年収 約500万円
  • ・郊外の新築マンション(2LDK)
  • ・価格 3,500万円
  • ・頭金 500万円
  • ・35年ローン 3,000万円
  • ・変動金利 返済2年目
  • ・毎月の返済額 約8万円
  • ・固定費 月あたり約3万円

年収500万あれば、新築マンションも選べます。ただし、中古マンションより高額なので、郊外を選ぶなど工夫して、無理のない借入額に抑えたほうが良いです。

新築は物件数が少なく競争率が高いです。新築で探して見つからなかったら、中古も選択肢に入れるべきです。

2021年4月の、全宅連の不動産市場動向調査でも、中古マンションは、新築マンションより約40%安いです。お部屋の中はリノベーションで新築同様にできます。

岩井
岩井
中古のデメリットは、物件選びとリノベーションでほとんど解決できます。リノベーションとは、大幅な工事でお部屋を生まれ変わらせることです。中古だと不安な人は、以下の記事も参考にしてください。

▶中古マンションのデメリットの詳しい解説はこちら

家は気に入っているが返済が大変

Iさん(20代後半/男性)
不満そうな男性のアイコン早めに引っ越ししたかったので、築10年以内のリフォーム済みマンションを購入しました。家は気に入っていますが、思ったより生活費がかさんで、返済は大変です。払えないことはありませんが、節約がストレスです。

20代後半のIさんは、子どもが生まれたタイミングで、広めの家を購入しています。節約が、やや大変とのことです。

借り入れの条件
  • ・夫婦+子ども1人の3人家族
  • ・妻は専業主婦
  • ・借入時の年収 約550万円
  • ・都内の中古マンション(3LDK)
  • ・価格 3,200万円 リフォーム済み
  • ・頭金 なし
  • ・30年ローン 3,200万円
  • ・変動金利 返済3年目
  • ・毎月の返済額 約10万円
  • ・固定費 月あたり約4万円

予算を考えるときは、毎月いくら余るのか正確に把握しましょう。ローンを組んだ後に条件を変えるのは、大変だからです。

特にファミリーは、生活費や教育費を長期的にシミュレーションしましょう。想定外の出費や過度な節約は、生活の質を下げてしまいます。

借り入れを抑えたのでストレスが少ない

Sさん(30代前半/男性)
男性のアイコン予算に収まるように、築古を買ってリノベーションしました。家で仕事する日もあるので、書斎や備え付けの本棚にこだわりました。借入額は抑えたので、特に大変さは感じていません。

30代前半のSさんは、気に入った完成物件が高すぎたので、築古を買ってリノベーションする方法を選んでいます。工夫次第で、予算が抑えられるメリットがあります。

借り入れの条件
  • ・夫婦二人暮らし
  • ・妻は専業主婦
  • ・借入時の年収 約530万円
  • ・都内の中古マンション(3LDK)
  • ・価格 1,600万円 リノベーション 1,000万円
  • ・頭金 なし
  • ・35年ローン 2,600万円
  • ・固定金利 返済2年目
  • ・毎月の返済額 約8万円
  • ・固定費 月あたり約3万円

新しいお部屋に住みたくて、立地にもこだわりたい人は、中古を買ってリノベーションするのがおすすめです。

内装をどのようにするかは、時間をかけてデザイナーと打ち合わせします。

予算からの相談も可能なので、理想にどれだけ近づけられるのかは、知っておいたほうが良いです。

岩井
岩井
リノベーションでは、予算と好みに合わせたプランが組み立てられます。注意点は多いので、物件探しからワンストップで対応できる専門業者に相談するべきです。物件探しや内装工事の窓口を分けると、業者間の調整や、手続きが大変だからです。
リノベーションに関する記事

▶リフォームとリノベーションの解説はこちら
▶リノベーションの費用目安はこちら

年収500万円の返済シミュレーション

シミュレーションは、自分に合った条件で繰り返すことが大切です。家庭ごとに生活費や貯金額、月の手取りが異なるからです。

以下で、子ども1人の家庭で3,000万円借りた場合の、返済シミュレーションを紹介します。少しずつパターンを変えて説明するので、参考にしてください。

フラット35の固定金利1.56%の場合

夫が年収500万円、妻が専業主婦で5歳の子どもが1人いる場合のシミュレーションです。35歳で中古マンションを購入して、定年の65歳までに30年で完済する計画です。

借入金額は3,000万円で「フラット35」「固定金利1.56%」「元利均等返済方式」の、頭金なしフルローンです。

  • 返済総額:約3,758万円
  • 月々の返済:約10.4万円

シミュレーターを使った試算では、月々返済が約10.4万円です。手取りの「約31%」にあたるので、少し無理をした返済計画です。

共働きや親の援助が受けられるなら、貯金しながら返済できます。子どもが成長すると教育費がかさむため、節約は必須です。

金利を2%にした場合

借り入れの金利は、審査によって決まります。勤続年数の長い大企業の正社員や、安定している人ほど安い金利で借り入れが可能です。

金利が安く借りられるとは限りません。金利を1.56%から2%に変えて、他は同じ条件で再計算しました。

  • 返済総額:約3,991万円
  • 月々の返済:約11万円

シミュレーターを使った試算では、月々返済は約11万円で、手取りの「約33%」です。金利が少し変わっただけで返済総額が「243万円」も変わります。

有利な条件で考えると、想定外の出費が起きやすいです。シミュレーションは、厳しい条件で考えたほうが良いです。

頭金を払って借り入れを減らせば、返済総額を抑えられます。また、ローン期間を延ばすと月々の負担を減らせます。

頭金を払って期間を35年に延ばした場合

頭金を500万円払って、借り入れを2,500万円、35年ローンにしました。金利は2%のままです。

  • 返済総額:約3,478万円
  • 月々の返済:約8.2万円

シミュレーターを使った試算では、月々返済が約8.2万円です。手取りの「約25%」なので、現実的な返済額に落ち着きました。

借り入れはなるべく抑えて、ローン期間は最長に延ばすと生活費に余裕が作れます。

繰り上げ返済や、金利の低いローンへの借り換えなど、返済中でもローンをメンテナンスする方法はあります。

ローンは賃貸の家賃より安く抑えるべき

住居費にいくら回せるか考える際に、賃貸では「手取りの3分の1まで」なら無理なく払えると言われています。

住宅ローンは「手取りの25%まで」に抑えるべきです。解説してきたように、返済の他にも不動産にかかる税金や、修繕費などの固定費があるからです。

返済負担率25%より抑えた「手取り25%」の住宅ローンなら、固定費が払えない事態は防げます。ローン審査でも支払い能力を疑われにくいです。

返済期間は最長で組んだほうが良い

住宅ローンの返済期間は、最長で組んだほうが良いです。月々の出費を減らせますし、原則は後から返済期間を延ばせないからです。

10年間は住宅ローン控除を受けながらローンを返済して、余裕ができてから繰り上げ返済する手もあります。

返済は期間が長いほど、金利で返済総額が増えます。また、完済年齢の上限(80歳など)も意識する必要があります。

岩井
岩井
定年を超えたローンも組めますが、購入は早めのほうが計画を立てやすいです。一般的に、定年後は収入が減るので、返済しやすい40歳までの購入がおすすめです。

▶家を買うベストな年齢の解説記事はこちら

元利均等返済と元金均等返済の違い

住宅ローンの払い方は「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」の2種類あります。

「毎月の負担」と「元金の減り」の、どちらを一定にしたいかで選びます。続けて、それぞれ長所と短所を説明します。

元利均等返済方式は「毎月の返済額が一定」

元利均等返済方式の図解

元利均等返済方式は、毎月の返済額が一定で、計画が立てやすいです。

ただし、返済の当初ほど利息を多く含むので、残債務が減るまで時間がかかります。

元金均等返済方式は「残債務の減りが一定」

元金均等返済方式の図解

元金均等返済方式は、利息を除いた元金が毎月一定です。返済当初は残債務が多いため金利分が大きく、生活費が圧迫されます。

繰り上げ返済や住宅ローン控除を活用すれば、大差ないとも言われています。ローンを選ぶ際に、アドバイスをよく聞いて決めてください。

購入時は「手付金」が払えれば家は買える

「手付金」が払えれば、自己資金が少なくても家は買えます。販売価格の100%と諸費用は、ローンを組めるからです。

手付金とは、売買契約時に代金の一部を支払う慣習で、相場は「購入価格の5~10%」です。50~100万円など、定額のケースもあります。

住宅購入に必要な費用のうちローンに含められる部分の図解

自己資金は、諸費用として購入価格の10%、頭金で購入価格の20%を用意できると理想的です。自己資金が少ないと、金利を高めに設定される可能性が高いからです。

希望の金額を借りられない可能性にも備えて、自己資金は多ければ多いほど安心です。

手付金は契約の意思表示

手付金は契約の意思表示なので、払った後に買主から契約解除すると、ペナルティとして没収されます。売主の事情で契約解除したい場合は、倍額で返金されます。

手付金の最終的な金額は、売主が決めます。交渉で安くしてもらえるケースもあるので、初期費用が心配なら相談の余地はあります。

申し込みの意思表示の「申込金」とは

物件によっては、申し込みの際の意思表示として「申込証拠金」「申込金」が必要なケースもあります。相場は10万円前後で、手付金と似た費用です。

契約すれば頭金として扱われますし、契約前にキャンセルするなら返金されます。お金を払うときは、名目を必ず確認しましょう。

諸費用の内訳を紹介

購入価格の10%程度の「諸費用」について内訳を紹介します。

内容
団体信用生命保険料 死亡など万が一に備えた保険料(金利に上乗せして支払う方法が多い)
火災保険料 建物・家財の保険料
事務手数料 金融機関に支払う手数料
ローン代行手数料 不動産屋へのローン紹介手数料
仲介手数料 不動産屋への報酬
登記代行手数料 司法書士への報酬など
登録免許税 所有権と抵当権の登記にかかる税金
固定資産税清算金 売主が1年分払う税金の日割り清算
ローン保証料 保証会社に支払う手数料
印紙税 売買・ローンの契約書にかかる税金
リフォーム費用など 内装工事費用・オプション設備費用

諸費用は物件によって金額が異なり、項目ごとに交渉するのは難しいです。負担を減らしたい場合は、支払い方法の工夫をしましょう。

また、分譲マンションでは、売主に管理費や修繕積立金の未払いがあると、買主が支払う必要が生じます。

資料だけではわからない部分もあるので、自分で物件を探すよりも、プロに紹介してもらったほうが安心です。

実際はさらにお金が必要

家を買うための費用の他にも、引っ越しに必要な費用があります。引っ越し代金はファミリーだと10万円程度で、家具家電もすべて揃えると、50~100万円は必要です。

家事や地震、病気に備えた保険に加入すると、さらにお金が必要です。

また、購入後は1度だけ「不動産取得税」がかかります。期日内に届け出すれば減税できるので、忘れないようにしてください。

▶不動産取得税の解説はこちら

住宅ローン控除を受けると実質的に低金利

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けると、年末のローン残債務の0.7%(上限あり)を、10~13年間も減税できます。還付金で、実質的に金利の負担を減らせます。

控除できる額より所得税が少なく引ききれないぶんは、住民税から減税できます。物件によっては減税が受けられないので要注意です。

住宅ローン控除が適用される条件
  • ・床面積が登記簿上の面積40~50㎡以上
  • ・所得が一定(1,000万円~)以下
  • ・取得後6ヶ月以内に入居して住み続ける
  • ・家の半分以上が居住スペース
  • ・耐震基準を満たす(1982年以降の建築)
  • ・10年以上の住宅ローンを組む など

減税を受けるための条件(要件)や、減税される上限額は新築と中古で異なります。「令和4年度税制改正」のパンフレットにも目を通しておきましょう。

制度は数年ごとに見直されるので、購入の際は優遇が受けられる条件とあわせて最新の情報をチェックしてください。

住宅ローン控除については以下の記事で詳しく解説しています。

▶住宅ローン控除の詳しい解説はこちら

控除を受けるためには確定申告が必要

住宅ローン控除を受けるためには、確定申告が必要です。会社員などの給与所得者は、給料の他に収入がなければ、2回目以降は年末調整で控除が受けられます。

税金の軽減措置は、期間限定のものや、自分で手続きが必要なものが多いです。

最新情報を調べるのは大変なので、不動産屋からもアドバイスを受けるべきです。ニュースや節税の情報は定期的に調べて、損しないようにアンテナを張っておきましょう。


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