「退去立会いって何するの?」
「当日の流れはどんな感じ?」
新居への引っ越しは楽しみですよね。これからの新生活に胸が高鳴ります。
しかし、今のお部屋を退去するときは退去立会いをおこないます。初めて退去を経験する人だと「何するの?」「必要な持ち物とかはある?」と不安ですよね…。
そこで当記事では、賃貸の退去立会いの流れを解説します。チェックされる項目や、立会いまでに済ませておくこともまとめています。
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不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。
立会いは修繕費用を決めるためのもの
賃貸物件から退去する際の立会いでは、入居者と担当者が一緒にお部屋の現状を確認します。退去後の修繕費用を、貸主側・借主側のどちらが負担するのか決めるためです。
立会いは、部屋を明け渡す当日(引越し当日)に実施されることが多く、部屋数にもよりますが、一人暮らしの場合はだいたい20~40分程度で終わります。
退去後の敷金の精算に関わる重要な機会なので、トラブルを避けるためにも立会いの流れを把握しておくべきです。
退去の立会いの流れ
退去が決まってからの大まかな立会いの流れは、次の通りです。以下の項目でそれぞれ詳しく解説します。
①引っ越し日を決めて荷物を運び出す
②立会いの日程を決める
③担当者と一緒に部屋を確認する
④書類にサインして鍵を返却する
①引っ越し日を決めて荷物を運び出す
荷物を運び出して空になったお部屋で立会いをするので、退去日(立会日)までに荷物をすべて部屋から運び出しておきましょう。
運び出したら、できるだけ綺麗に掃除しておきましょう。掃除すれば落ちるような汚れが残っているせいで、退去費用が高くなってしまう場合があります。
②立会いの日程を決める
立会いの担当者と、事前に立会いの日程を決めます。管理会社に退去することを伝えたら、そのまま退去日について話しましょう。
不動産屋が繁忙期で忙しいなどの事情で希望の日時に立会いができない場合もあるので、できるだけ早めに調整しておくべきです。
③担当者と一緒に部屋を確認する
当日になったら立会いの担当者が部屋に来るので、一緒に床や壁などを確認していきます。
居室にある傷や汚れについて質問されるので、入居前からあったのか・入居後につけてしまったものなのか答えましょう。
入居前からあった傷は、内見の際に写真を撮っておくべきです。立会いの際に、証拠として担当者に見せられます。
④書類にサインして鍵を返却する
担当者との立会いが終わったら、立会いが終わったことに同意する書類にサインして、鍵を返却します。
敷金の精算に関わる大事な契約書なので、サインする前に、納得行かない部分がないかよく確認してください。少しでも分からない箇所があったら、迷わず質問するべきです。
退去時の立会いでチェックされる項目
退去時の立会いでとくにチェックされるのは、以下の項目です。
・壁紙の傷や汚れ
・床の傷や汚れ
・タバコの臭いやヤニ汚れ
・水回りのカビや水垢
・網戸の破損や汚れ
・エアコンやウォシュレットなどの動作確認
・換気扇の動作確認や汚れ
・畳
以下でそれぞれの項目のどんなところがチェックされるのかを、詳しく紹介します。
壁紙の傷や汚れ
主に壁に画鋲を刺した跡や、傷、汚れの有無がチェックされます。
日焼けや、冷蔵庫やテレビの裏の黒くなった部分は、生活する上で自然についてしまうものなので、修繕費用を支払う必要はありません。
床の傷や汚れ
家具を置いて凹んだフローリングや、ひっかき傷程度の傷や汚れなら、修繕費用は必要ありません。
重い物を落としてつけてしまった傷や、掃除を怠ってついたカビやシミは借主の負担になります。
タバコの臭い・ヤニ汚れ
部屋でタバコを吸っていた場合は、予め設定されているクリーニング代とは別に費用を請求される可能性が高いです。荷物を運び出した後に、入念に掃除しておきましょう。
タバコの煙は部屋の隅々まで蔓延してしまうので、壁紙や天井、床材をすべて新しくしても臭いがとれない場合もあります。その場合の消臭費用は、借主が負担します。
水回りのカビや水垢
トイレやお風呂、洗面台などのカビや水垢は、手入れ不足とみなされ借主の負担になることが多いです。
日頃からこまめに掃除をして、カビが発生しないように心がけましょう。
網戸の破損や汚れ
自然災害や、紫外線で劣化した網戸の場合は、貸主の負担になります。
飼っているペットがいたずらして網戸が破けてしまった、バルコニーで作業をしていて汚してしまったなどの場合は借主の負担なので、注意しましょう。
エアコンやウォシュレットなどの動作確認
部屋に備え付けられているエアコンやウォシュレットが、問題なく動作するかを確認します。経年劣化以外で壊れている場合は、借主が負担しなければなりません。
リモコンがついている機器は、リモコンをなくした場合も借主に請求されます。
畳
掃除すれば避けられたシミなどの汚れは、借主が修繕費用を支払います。
ただし、汚してしまった部分の1枚単位での負担です。まわりの畳をすべて交換することになっても、すべての畳交換費用を負担する必要はありません。
退去の立会いまでにしておくべきこと
退去が決まったら、立会い日の当日までに以下のことを済ませておきましょう。
掃除・補修
自分でできる範囲の掃除・補修をしておけば、退去費用が安くなる可能性があります。
本格的な掃除はクリーニング代として借主の負担に入っているので、必要ありませんが、今までお世話になった部屋への感謝の意味もこめて掃除すると良いです。
とくに、冷蔵庫や洗濯機を置いていた場所は汚れやゴミが溜まっているので、入念に掃除しましょう。
鍵・印鑑・口座番号がわかるものを用意する
鍵は合鍵も合わせてすべて返却するので、用意しておきましょう。失くしてしまったりして返却できないと、鍵の交換費用を請求される場合があります。
また、立会後のサインで印鑑と敷金の返金先の口座番号が必要になるので、忘れずに用意しましょう。
入居時に撮った写真を用意する
入居時からついた傷などを写真に残している場合は、自分が付けた傷ではないという証拠になるので用意しておきます。
写真は日付が入っていると良いですが、スマホで保存している場合は、撮った写真の保存日がわかれば考慮してくれる場合もあります。
転居・住所変更手続き
以下の転居・住所変更の手続きを順次済ませていきましょう。
・役所での転出手続き
・電気、ガス、水道の転居手続き
・電話、インターネットの移転手続き
・クレジットカードの住所変更
・NHKの住所変更
・郵便物の転送手続き
・粗大ごみの回収依頼
立会いした後の流れ
立会いが終わったら、チェックした項目をもとに修繕費が見積もられます。修繕費は敷金から差し引かれて、残った金額が借主に返金されます。
だいたい2~3週間の間にいつごろ返金されるのかという書類が届きます。
実際に口座に振り込まれるのは退去から1ヶ月後くらいが多いですが、契約内容によって異なるので、不動産屋に確認してみましょう。
立会いに行けない場合の対処法
立会い担当者に、立会いができない理由を伝えて、日程変更を依頼しましょう。
代理人を立てることはできますが、思わぬ退去費用の請求やトラブルに繋がる場合があるので、できるだけ自分で立ち会ったほうが良いです。
どうしても日程変更ができない、借主本人が立ち会えないという場合は、委任状を提出して、代理人に立ち会ってもらいましょう。
気になることや立会いの担当者に伝えたいことがある場合は、忘れずに代理人に伝えておきましょう。
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