「賃貸契約でよくあるトラブルとは?」
「解決できない場合どうしたらいい?」
お部屋探しで良い物件を見つけたら、誰よりも早く抑えたいですよね!
しかし、契約内容や物件をよく確認しないまま契約するとトラブルに巻き込まれます。余計なお金がかかって損することも…。
そこで当記事では、賃貸契約でよくあるトラブルを紹介しています。自分で解決できない場合の対処法も解説するので参考にしてください。
不動産屋「家AGENT」の営業マン
宅地建物取引士
賃貸の仲介会社「家AGENT」の現役の営業マン。宅地建物取引士の資格を取得している。営業マンとしての経験と専門知識を活かして、お部屋探しや入居審査についての不安や疑問を解決しています。
賃貸のトラブルの相談数は年間3万件以上
国民生活センターの発表によると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)に寄せられた賃貸アパート・マンションに関する相談件数は以下の表の通りです。
年度 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
---|---|---|---|---|
件数 | 33,779 | 32,819 | 31,932 | 32,342 |
毎年約3万件以上の相談が寄せられています。2018年度は、約99万件の全相談の約3%が賃貸マンション・アパートに関する相談という結果になっていました。
一体どのようなトラブルによる相談が寄せられているのか、代表的なトラブル例を申し込み時・契約時・入居時に分けて紹介します。
申込時に起こるトラブル
賃貸物件の申し込み時によく起こるトラブルは以下の3つです。
・キャンセル料を請求された
・申込金を返してくれない
それぞれのトラブルに関して、実際の体験談を交えて対応策と回避方法を紹介します。
審査結果の連絡が来ない
物件の入居審査の結果連絡がなかなか来ない、というトラブルはよく起こります。
もし1週間以上連絡が来ない場合、2つのパターンが考えられます。
書類不備があったり、本人確認の連絡がつかず保証会社の審査が止まっている場合と、不動産屋が連絡を忘れてしまっている場合です。
対応策
1週間経っても連絡が来ない場合、まずは不動産屋に連絡しましょう。保証会社に確認して審査の進捗を教えてくれます。
もし不動産屋が連絡を忘れていた場合は、すぐに結果を教えてくれます。
トラブル回避方法
必要書類は全て提出し、申込書の記入欄は全て埋めれば、審査スピードが早くなります。
また、保証会社からの本人確認の電話には必ず出ましょう。
キャンセル料を請求された
キャンセル料を請求してくる不動産屋は、ごくまれにいます。
申し込みの時点では契約は成立していないため、キャンセル料を支払う義務はありません。
しかし、キャンセルは不動産屋だけでなく管理会社や大家さんなど複数の人に迷惑がかかる行為です。できる限りキャンセルしないように、申し込みは慎重にしましょう。
対応策
もし不動産屋がしつこく請求してくる場合、全国宅地建物取引業協会連合会に相談しましょう。
全国に協会が設置されているので、最寄りの窓口に出向いて相談することもできますし、電話での相談も無料で受け付けています。
トラブル回避方法
申込のキャンセルはトラブルの元になるため、なるべく控えましょう。
物件の情報をよく確認し、本当に住みたいと思った物件にのみ申し込むことでトラブルを回避できます。
申込金を返してくれない
申込金とは「他に申し込みがあった場合に優先的に入居審査をしてもらう」などの目的で、不動産屋などに預ける金銭です。
申し込みをキャンセルしても返してもらえないといったトラブルは近年多くなっていますが、宅建業法で禁止されている立派な違法行為です。
対応策
もしキャンセルしても返還してくれない場合、全国宅地建物取引業協会連合会に相談しましょう。
不動産屋は注意を受け、速やかに申込金を返してくれます。
トラブル回避方法
申込金を預けた際は必ず「預かり証」を発行してもらいましょう。預かり証は預けたことを証明する唯一の証拠なので、返還トラブルが起こった際有利になります。
また、預かり証ではなく領収書として発行された場合は「預り金として」と書いてもらうことをおすすめします。
書面には必ず不動産屋の名前、社判、担当者名を入れてもらい「預り金は必ず返還されます」の一言が添えられていると尚良いです。
契約時によくあるトラブル
賃貸物件を契約する際によく起こるトラブルは以下の3つです。
・請求書に知らない費用が記載されている
・損害保険に入るように言われた
それぞれのトラブルに関して、実際の体験談を交えて対応策と回避方法を紹介します。
契約後のキャンセルで初期費用が返ってこない
賃貸契約を締結した後だと、キャンセルではなく解約という扱いになってしまうため、契約時に支払ったお金のすべてが返金されることはまずありません。
入居前だとしても礼金・仲介手数料・1ヶ月分の家賃は戻らないと考えたほうが良いです。
しかしお部屋を使用していないため、敷金は返ってくる可能性が高いです。火災保険料に関しても、自分で保険会社に連絡すれば返ってくる場合があります。
対応策
契約締結後のキャンセルが申込者の自己都合によるものである場合、返金されなかった分の初期費用を請求しても無駄です。
できる限り返金を受けるためには、理由を正直に話して、不動産屋に対して誠心誠意謝罪することが大切です。
トラブル回避方法
契約後にキャンセルせざるを得ない事態に陥らないよう、引っ越しは慎重にしましょう。
家庭の事情などどうすることもない理由でない限り、キャンセルしないことがトラブルを回避する唯一の方法です。
請求書に知らない費用が記載されている
鍵交換費用や退去クリーニング費用などの入居にかかる諸費用は、物件情報に記載されていないことが多いです。
そのため契約するまで知らされず、お金が足りなくなったり不動産屋の担当者と口論になってしまうといったトラブルがよくあります。
対応策
事前に説明されていなくても、契約書に記載されている以上支払わなければなりません。
お金が足りなくなったら保護者に借りたり、クレジットカード決済にしてもらうなどして工面しましょう。
トラブル回避方法
申込の際は、その物件はどんな費用がかかるのかあらかじめ不動産屋に確認するべきです。
どんな費用がかかるのかは物件によって異なる上に、物件情報に掲載されていない費用がかかる可能性もあります。
また、費用が足りなくならないようにお金は余裕をもって準備しておきましょう。
損害保険に入るように言われた
契約の条件として保険の加入を義務づけている場合には、損害保険に加入しなくてはいけません。物件が火災によって損害を受けた場合に、入居者が自分の財産を守り、原状回復の義務を果たすためです。
不動産屋によっては説明が不十分な場合があり、保険に関して知識がない人はそのまま加入せずにトラブルに発展してしまいます。
対応策
不動産屋に頼めば、提携している保険会社のパンフレットが貰えます。保険についてよく分からない場合は見ておくべきです。
また、必ずしも不動産屋指定の会社を利用する必要はなく、基本的に自分で選択できます。
保険会社や保険の種類によって保証内容が異なります。自分で加入する場合は、加入の条件としている内容を満たしているかどうかを不動産会社に確認しましょう。
トラブル回避方法
自分が申し込む物件は損害保険の加入が必須なのか、不動産屋に確認しましょう。
また、保険会社加入の有無は物件検索サイト等の情報欄に書かれていることが多いです。
入居時によくあるトラブル
賃貸物件に入居する際によく起こるトラブルは以下の3つです。
・駐輪場やバイク置き場がない
・入居当日に部屋を見たら傷があった
・室内の設備が壊れた
・家賃を滞納してしまった
それぞれのトラブルに関して、実際の体験談を交えて対応策と回避方法を紹介します。
隣からの音がうるさい
話し声やテレビの音がうるさい、というようないわゆる騒音トラブルは賃貸物件で特に多いトラブルの一つです。
特に深夜はアパート・マンション問わず音が響きやすいため、うるさすぎて眠れず体に不調をきたしてしまったという人もいます。
対応策
騒音被害は管理会社に相談するべきです。直接苦情を言いに行くと、口論になったり更にトラブルが悪化します。
隣の部屋との間にある壁を叩いて抗議する「壁ドン」も、相手を逆上させてしまうため、してはいけません。
管理会社に相談する際は「何時から何時まで」「何曜日に」「どんな音なのか」を明確に伝えましょう。更に録音データを送れば「確実に騒音が発生している」ことを管理会社に伝えられます。
トラブル回避方法
トラブルを回避するには、まずは自分が騒音の原因になっていないか気を付けることが必要です。深夜帯は大きな音を出さないなど、周囲の入居者に配慮しましょう。
また、学生マンションは騒音が多発しやすいので、学生ではない限り避けるべきです。
閑静な住宅街にある物件は騒音が少ない可能性が高いので、騒音に悩みたくない人は内見の際に周辺地域の雰囲気を確認しましょう。
駐輪場やバイク置き場がない
共有部分に自転車やバイクが置いてあるのを見て、駐輪スペースだと勘違いしてしまったという人はよくいます。
中には不動産屋が適当な受け答えをしてしまい、契約時と話が違うと言ってトラブルに発展してしまう場合もあります。
対応策
残念ながら駐輪場が無い物件に、無理矢理自転車やバイクを停めるのはルール違反です。無視して停めてしまうと、最悪撤去されてしまいます。
どうしても駐輪したい場合は、外部の駐輪場を利用しましょう。
管理会社や大家さんに駐輪場を作ってほしいと頼んでも、スペース不足で難しい場合が多いです。
トラブル回避方法
内見時に自転車やバイクが置いてあっても、不法駐輪ではないかどうか聞きましょう。
また、スタンドやサイクルポートが設置されている物件は、自転車・バイクが停められる可能性が高いです。
入居直後なのに床や壁に汚れがある
入居者の故意過失による傷や汚れは、退去時に修復のための費用を請求されてしまいます。
入居直後にある、確実に自分がつけていない傷であってもその証拠がないと請求される可能性が高いです。
対応策
通常の賃貸物件は、入居開始時に元々あった傷や汚れを報告するための報告シートが用意されている場合が多いです。
もし用意されていれば、詳細を記入して管理会社に送りましょう。
もし報告シートがなかったら、該当箇所の写真を撮って管理会社に送れば記録してくれます。
トラブル回避方法
築年数が古い物件は、前の入居者がつけた傷が残っている場合が多いです。
入居日当日は、元からの傷や汚れが無いか必ずチェックしましょう。
室内の設備が壊れた
エアコンや給湯器などの室内設備の多くは、耐久年数が約10年です。築年数が古い物件だと、突然設備が壊れる可能性が高いです。
対応策
もし設備に不具合が生じたら管理会社に連絡しましょう。修理費用なしで無料で直してくれます。
自分で修理の手配をした場合、修理費用は負担してもらえないので注意です。
トラブル回避方法
内見時にエアコンをつける、キッチンの水を出すなどして、設備に不具合がないかどうか確認しましょう。
入居前に不具合を発見すれば、入居当日前に管理会社が修理してくれます。
家賃を滞納してしまった
生活が苦しかったり、ついつい振り込みを忘れてしまった、という家賃の滞納トラブルはよくあります。
特に入居直後は、保証会社からの引き落とし口座の設定を忘れてしまう人も多いです。
対応策
保証会社を利用している場合は、保証会社に連絡しましょう。滞納が続くとブラックリストに登録されてしまいます。滞納しても、すぐに電話したり振り込むなどの対応をすれば問題ありません。
保証会社を利用せず連帯保証人のみの場合の連絡先は、物件の管理会社です。
保証会社や管理会社に連絡する際は「いつまでに必ず支払う」という意思表示をしましょう。全額払えなくても、一部だけ払うなどして滞納額を貯めこまないよう努力が必要です。
トラブル回避方法
自分の手取り額を考慮し、十分家賃が支払える物件を選ぶのは重要です。
また、振り込みは忘れがちなので、口座振替がおすすめです。
入居直後は、保証会社から届く口座振替依頼書をすぐに返送し、引き落とし口座の設定を忘れないようにしましょう。
自分で解決できないトラブルはどうすればいい?
不動産屋や管理会社に相談しても解決できないトラブルは、各種相談窓口に連絡しましょう。
下記は、無料で相談できる窓口と連絡先です。
・消費生活センター:消費者ホットライン(電話番号188)
市区町村の相談窓口は、役所の生活課に設けられている場合が多いです。
申込方法などの詳細は、住んでいる市区町村のウェブサイトや役所の窓口で確認しましょう。
消費生活センターは、消費者ホットライン:188に電話して音声ガイダンスに従えば、最寄りの消費者生活相談窓口をアナウンスしてくれます。
もしそれでも解決しない場合、最終手段として民事調停があります。民事調停は、裁判所が間に入って最良な解決策を提案してくれます。
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他社が掲載している物件もまとめて紹介してもらえる
アエラスは、他の不動産屋が掲載している物件もまとめて調査し、紹介してくれます。複数の不動産屋に行かなくても、一度にすべて紹介してもらえるのは大きなメリットです。
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