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ALC造とは?建物の特徴や防音性などについて解説【軽量気泡コンクリート】

ALC造とは?のイメージイラスト

ALC造とは?どんな物件なの?
軽量気泡コンクリートの防音性はどう?

お部屋を探しているときに、物件情報で「ALC造」という文字を見たことはありませんか?地盤沈下の恐れがある地域で増えているため、耐震性を気にする人達の間で密かに有名です。

しかし、初めて聞く名前なのでどんな物件かわからない、耐震性だけでなく防音性や耐火性はどうなの?という不安が残ります…。

そこで当記事では、ALC造とはどんな物件なのかを徹底解説します!ALC造に住むメリットや注意点、耐用年数や、ほかの建物構造との比較を公開しています。ぜひ参考にしてください。

ALC造について最初に結論!
  • ALC造とは鉄骨で作られた骨組みにALCパネルを組み合わせた物件のこと
  • 耐火性や断熱性に優れているのが特徴
  • ALC造の物件を探すならネット不動産屋のイエプラに探してもらうのがおすすめ
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監修 阿部 陽一郎
不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長

「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。

ALC造とは?

ALCパネルの断面図
出典:ALC協会

「ALCパネル」を使った建物のこと

ALC造とは、鉄骨で作られた骨組みに「ALCパネル」という素材を組み合わせた物件のことです。建物構造ではなく、建築構造の1つに含まれます。

事前に加工されたパネルを使って建設します。そのため、運搬がラク・建設期間が短縮といった、建設現場寄りのメリットが多くコストを削減できます。

ALCとは軽量気泡コンクリートという意味

ALCとは「Autoclaved Lightweight Concrete」の頭文字をとったもので「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」という意味です。

セメントや生石灰などを高温で熱して気泡加工したコンクリートを素材に使っているので、耐火性に優れています。

建物構造は軽量鉄骨造に含まれることが多い

ALC造は、あくまでも壁などに使用された素材を指します。建物構造自体は、軽量鉄骨造に含まれることが多いです。

厚さが6mm未満の鉄骨を骨組みに使い、ALCパネルを埋め込んで造られています。

木造で使われる場合もある

ALC造の中には、骨組みが木造の建物があります。物件情報などには「木造ALC」「ALC造(木造)」などと記載されています。

地盤沈下が起こりやすい地域で主に用いられる

ALC造は地盤沈下が起こりやすい、埋め立て地や海沿い、河川敷や砂地などで主に用いられています。

気泡が入っているコンクリートを使っているため、建物自体の軽量化ができます。一般的なコンクリートと比較すると、約4分の1ほどまで重量を削れます。

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アパートがメインですが、マンションや高層ビル、大型商業施設などでも使用されています。

ALCを取り扱っている国内のメーカーと商品名

  • ・旭化成建材の「ヘーベル」
  • ・住友金属鉱山シポレックスの「シポレックス」
  • ・クリオン株式会社の「クリオン」

特にALC造は、旭化成ホームズの賃貸物件ブランド「ヘーベルメゾン」に使われていることでも有名です。

ヘーベルメゾンは、耐火性や耐震性に優れているだけでなく、オシャレなデザインで人気があります。

▶ヘーベルメゾンの評判についてはこちら

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ALC造の物件に住む5つのメリット

  • ・耐火性に優れている
  • ・ALCパネル自体の強度がある
  • ・断熱性が高い
  • ・普通の軽量鉄骨造より防音性がある
  • ・建物の歪みや地盤沈下の心配が少ない

耐火性に優れている

軽量気泡コンクリートは、セメントや生石灰といった材料を高温高圧で焼き固めるため、熱が伝わりにくく耐火性に優れています。

万が一火事が起きても燃え広がりにくいため、消火活動が遅れたとしても被害を食い止めるられます。

旭化成建材の実験では、加熱後30分で842℃、60分で945℃に温度を上昇させ続ける試験でも、裏面温度は木材の引火危険温度をはるかに下回ったというデータもあります。

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1995年に発生した阪神淡路大震災で多くの建物は火事によって倒壊しましたが、ヘーベルのALCパネルを使った物件は防火壁となり倒壊の被害を防ぎました。ALC造の物件なら万が一火事や災害が起きても、被害が小さくて済みます。

ALCパネル自体の強度がある

ALCパネルの内部に、補強材や金網が組み込まれているため、強度があります。モノをぶつけても穴が開きにくいですし、地震の際でも壁が崩れにくいです。

高層ビルや大型商業施設など強度が求められる建物の場合は、壁だけではなく仕切りや床、屋根などにも用いられます。

断熱性が高い

コンクリートにある無数の気泡が空気の層を作るため、断熱性が高いです。普通のコンクリートの約10倍の断熱性があると言われています。

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夏は涼しくて冬は暖かく過ごせるため、1年と通して快適に暮らせます。気温変化に弱い人にとくにおすすめです。

普通の軽量鉄骨造より防音性がある

建物構造 音の聞こえ方
SRC造 防音性が高く外からの音も軽減されている
RC造 子どもの泣き声や走り回る音は聞こえる
重量鉄骨造 足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえる
ALC造 足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえるが、普通の軽量鉄骨よりは軽減される
軽量鉄骨造 多少音量が軽減されるが、生活音はほとんど聞こえる
木造 隣室のテレビや電話の音など生活音がかなり聞こえる

引用:日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針」技報堂出版

ALCパネルを使用している場合は、べニアや石膏ボードより厚みがあるので普通の軽量鉄骨造よりやや防音性があります。

足音や家電製品など振動を伴う音は聞こえてきますが、隣人の生活音は軽減されます。

建物の歪みや地盤沈下の心配が少ない

ALCは気泡が入っていて普通のコンクリートよりも軽いため、地盤沈下の影響が少ないです。建物自体の重みで徐々に物件が傾く心配もありません。

建物が傾いてドアや窓が開きにくくなったり、壁に大きな亀裂が入ったりといった建物の歪みも軽減します。

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一般的に、1000分の6以上傾いているとNGと言われています。建物が傾いているか気になるときは内見時にビー玉を置いてみましょう。ビー玉はだいたい1000分の5以上の傾きがあると転がり始めるため、ある程度目安にできます。

ALC造の物件を選ぶ際の注意点

  • ・防音性は期待しすぎないほうが良い
  • ・パネルのつなぎ目の素材が劣化しやすい
  • ・水に弱いため定期メンテナンスが必要

防音性は期待しすぎないほうが良い

基本となる建物構造は「軽量鉄骨造」です。パネル部分の防音性はやや良いですが、骨組み自体が同じなど音が多少軽減される程度です。

ほか住民の質によっても騒音に差が出るので、期待しすぎないほうが良いです。

パネルのつなぎ目の素材が劣化しやすい

ALCパネルは、シリコンなどのシーリング材が使用されています。紫外線や水に弱く、劣化が早いので要注意です。

築年数が10年以上経過しているALC造の場合は、修繕がいつ入ったのか確認しておいた方が良いです。

水に弱いため定期メンテナンスが必要

外壁が定期メンテナンスで塗りなおされているかも、合わせて確認してください。

長時間水に触れると、気泡の中に水が溜まって腐食する恐れがあります。そのため、防水性が強い塗料の塗りなおしが必要です。

事前に不動産屋に確認しておくと失敗しにくい

ALC造のお部屋を選ぶなら、事前に不動産屋で「防音性」と「前回のメンテナンス日」を確認しておきましょう。

当サイトが運営するネット上の不動産屋「イエプラ」なら、来店不要でチャットやLINEから気軽にALC造の物件について相談できます。

予約なしでも相談できて、管理会社に直接確認してくれます。ALC造に絞らず、ほかの建物構造の物件もまとめて紹介してくれるので、比較して探しやすいです!

ALC造の耐用年数は物件による

基本は建物構造の耐用年数となる

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨造(厚み3mm以下):19年
  • 軽量鉄骨造(厚み4mm以下):27年

ALC造自体の建物構造は、木造もしくは軽量鉄骨造です。物件によって19年・22年・27年と差があります。

耐用年数はあくまでも、耐久性の目安です。メンテナンス状況や気候などによっても左右されます。

ALCパネル自体は劣化しやすいので定期メンテンナンスが必要

耐用年数はそこそこありますが、ALCパネル自体は劣化しやすいので定期メンテナンスが必要です。

期間目安は10年ほどです。水に弱いので、降水量が多い地域の場合は7~8年でメンテナンスが実施されることもあります。

ALC造のお部屋の内見ポイント

ALC造でとくに確認すべき3箇所
  • ・壁やドアなどの防音性
  • ・天井や壁に染みや結露が無いか
  • ・外壁が劣化していないか

壁やドアなどの防音性

内見時の防音性の確認方法
  • ・拳で壁をノックする
  • ・壁に耳を当てて聞いてみる
  • ・スタッフに共有部分を歩いてもらう

ALC造は物件によって使っているパネルが違うため、防音性の高さにはバラツキがあります。必ず自分の耳で防音性を確かめましょう。

拳で壁をノックしてみてください。ゴツゴツ鈍い音がした場合は、パネルが分厚いので防音性に期待できます。

廊下や階段部分を、同行スタッフに歩いてもらうのも手です。ドアや窓を閉め切っても音が響いてくるお部屋は避けてください。

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ベランダの窓を開けて、周辺に大きな音が出る施設が無いか、近くの建物と距離が近くないかも確認しましょう。

天井や壁に染みや結露が無いか

天井や壁を確認して、不自然な補修跡やシミ、壁紙の剥がれなどがないか確認しましょう。痕跡があると、雨漏りしやすいお部屋である可能性があります。

外側のサッシまわりのシーリング部分は見落としやすいので、1度ベランダに出て確認してください。シーリングがボロボロになっていたり、外壁がひび割れている物件は要注意です。

外壁が劣化していないか

外壁が色あせていたり、チョーキング(白亜化現象)を起こしていて触ると手に白い粉が付く状態はメンテナンスが不十分です。次の修繕日程を確認しておいた方が良いです。

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お部屋の中だけでなく、外壁も忘れずに確認しましょう。シーリング加工の劣化や、外壁のひび割れがあると雨漏りする物件の可能性があります。

ほかの建物構造との住み心地比較

家賃 防音性 耐震性 耐久性
木造 安い 低い やや低い 普通
軽量鉄骨造 普通 低い 普通 普通
ALC造 普通 やや低い やや良い 普通
RC造 普通 普通 良い やや良い
SRC造 高い 良い 良い 良い

家賃の安さ重視なら「木造」

ワンルーム 1K 1DK
木造 35,000円 42,000円 55,000円
鉄骨造 46,000円 50,000円 63,000円
RC造 51,000円 57,000円 74,000円
SRC造 62,000円 66,000円 82,000円

※2022年7月現在、家賃安い順30件の平均家賃

不動産業者の専用検索サイト「ATBB」で、東京都23区内の家賃を建物構造ごとにまとめてみました。どの間取りでも、もっとも木造が安かったです。

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木造ALC造であっても、軽量鉄骨造のALCと比べて1万円ほど安いです。年間で考えると、木造のほうが12万円も節約できます。

防音性を重視するなら「RC造」

RC造は、壁や柱に気密性の高いコンクリートを使用しているため防音性が期待できます。

また、鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは熱に強いので、耐震性・耐火性にも優れています。

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RC造は子どもの泣き声や走り回る音は聞こえますが、それ以外の音は軽減されます。家賃はやや高めですが、騒音に悩まされる心配が少ないです。

家賃より性能重視なら「SRC造」

SRC造とは、RC造をさらにコンクリートで補強したお部屋の造りです。素材や建設にコストがかかるため家賃は高いですが、金額にあった性能が整っています。

耐久性が高いので、ファミリー向けの集合住宅、デザイナーズマンション、タワーマンションなど、大型の建物で採用されていることが多いです。

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鉄骨造とは比べ物にならないほど防音性に優れてます。建物内だけでなく、外から聞こえてくる音も軽減されます。耐震性や耐火性など、安心して暮らせるお部屋が良いという人は検討してみてください。
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ALC造の物件に関するよくある質問

  • Q1.ALC造とRC造はどちらが防音性が良い?
  • Q2.ALC造の耐震性はどんな感じ?
  • Q3.ALC造か普通の鉄骨造かの見分け方ってある?
  • Q4.ALC造の物件ってどのくらいあるの?

ALC造に関するQ&Aを、弊社「家AGENT池袋店」の阿部さんに回答してもらいました。

「家AGENT」池袋店の店長:阿部さん
阿部さんのアイコン「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。お部屋探しに関する悩みや疑問を解決しています。

ALC造とRC造はどちらが防音性が良い?

RC造のほうが防音性が高いです。

ALC造はパネルの厚みが35mm~75mmで、RC造の壁の厚みは150~200㎜です。

どちらもコンクリートを素材としていますが、厚みが違います。防音性を重視するならRC造のほうが良いです。

ALC造の耐震性はどんな感じ?

ALC造の耐震性は軽量鉄骨造と同じです。

骨組み自体は鉄骨なので、地震による倒壊のリスクは低いです。

耐震性を気にするなら築浅の物件を探したほうが良いです。目安は築20年以内です。2000年に建築基準法が改正されており、地盤の強化基準が変わっています。

ALC造か普通の鉄骨造かの見分け方ってある?

プロの建築家でも見分けるのは難しいと言われています。

シーリングのゴムが埋められていることで一応判断はできますが、普通の鉄骨造でも隙間を埋めるためにシーリングが使われている場合があります。

物件情報に「ALC」の文字があるか、ALCを扱っているメーカーの物件かで判断するしかないです。

ALC造の物件ってどのくらいあるの?

普通の木造や鉄骨造と比べるとかなり少ないです。

埋立地や海岸、河口付近、河川の扇状地などの地盤沈下の恐れがある地域だと、そこそこ見つかりやすいです。

ALC造のみに絞って探したいのであれば、旭化成の「へーベルハウス」を選んだほうが手間が少ないです。

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