「リフォームとリノベーションの違いは?」「どんなメリットがある?」などの疑問を解決します!
主にマンションについて、リフォームとリノベーションの違いや、さまざまなメリットとデメリットまで詳しく説明します。
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井勇太さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
リフォームとリノベーションの違いとは
リフォームとリノベーションの違いに、明確な定義はありません。工事の規模や内容によって言葉が使い分けられます。
一般的に、リフォームとは老朽化のマイナスをゼロに戻す工事で、リノベーションとは新たな価値を生み出す工事です。大まかな違いを表にまとめたので、参考にしてください。
リフォーム | リノベーション(リノベ) | |
---|---|---|
規模 |
・老朽化した部分の修理 ・新築時に戻すイメージ |
・全体的に見直す工事 ・新たな価値を生み出す |
デザイン |
・雰囲気を保ったままで綺麗になる ・部分的な工事は統一感が出ない |
・個性的な好みの内装が実現できる ・全体的な工事で空間に統一感が出せる |
期間 |
・1~2ヶ月 ・早いと2~3週間 |
・約3ヶ月 ・長いと4ヶ月以上 |
費用 |
・部分的な工事だと見積もりが簡単 ・イメージは300~600万円ほど |
・工事内容によって総額が大幅に変わる ・イメージは800~1,500万円ほど |
リノベーションは「スケルトンリフォーム」と呼ばれるケースもあります。全体的な工事を、リノベーションと表現しているイメージです。
岩井
工事の規模の違い
住める状態まで直すリフォームと異なり、リノベーションでは一度骨組みだけ(スケルトン)にして、お部屋を完全に作り変えるような工事が可能です。
3LDKの物件を購入して、LDKが広い2LDKに変更したり、天井隅に間接照明を入れたりして、家族構成やライフスタイルに合った内装にできます。
空き土地に建築したり、取り壊して建て直したりするより費用を抑えて、新たなお部屋が作れます。
デザインの違い
リフォームでは、お部屋の雰囲気を保ったまま綺麗にします。リノベーションでは、もともとない設備まで、室内の空間を総合的にデザインします。
完成物件には少ないインナーテラスや室内窓も作れます。
ベストな間取りの物件や、気に入る内装の物件が見つからない人は、作り変えることで効率的に理想の家に住めます。
家にいる時間が増えた現在、リモートワークが多い人にもおすすめです。
工事に必要な期間の違い
リノベーションは、リフォームより時間がかかります。お部屋全体の設計と、さまざまな調査が必要だからです。
工事の内容によりますが、リノベーションには少なくとも3ヶ月はかかると考えたほうが良いです。リフォームは、部分ごとに必要な期間の目安があります。
工期の目安 | |
---|---|
浴室リフォーム | 2~3日 |
キッチンリフォーム | 約1週間 |
フローリングの張り替え | 約3日 |
壁紙の張り替え | 1~2日 |
和室から洋室への変更 | 5日以上 |
出典:東京ガスリノベーション
マンションごとに、管理組合のルールがあり、工事の許可をとる時間が必要です。また、工事に適した物件を探す時間もかかります。
工事にかかる費用の違い
出典:リノベる 新宿西口ショールーム 床材が比較できるエリア
リフォームとリノベーションどちらでも、使う素材や設備のグレードによって工事費用は変わります。
大まかな目安は、㎡あたり10~15万円と言われています。単純計算だと50㎡なら500~750万円ですが、実際は工事内容で前後します。
岩井
リノベーションで選択肢が増える
リノベーションで、お部屋の選択肢が増やせます。内装は工事で作り変えられるので、築年数や設備で条件を絞りすぎずに探せます。
中古ならではのデメリットは、物件選びに気を付ければ、ほとんど避けられます。
リノベーションのメリットとデメリットをまとめたので、参考にしてください。
リノベーションのメリットは多い
リノベーションのメリットは多く、新築と中古の良いところを兼ね備えています。予算内だと新築が買えないときや、住みたい街に気に入る物件がないときにも最適な手段です。
販売価格が安いぶん、立地や階数にこだわれます。新築だと高いエリアでも、既にある中古をリノベーションすればコストが抑えられます。
- ・新築より安く新築同様のお部屋に住める
- ・自分好みに内装を変えられる
- ・立地や階数にこだわれる
- ・資産価値の大幅な下落がない
- ・購入前の情報が豊富なので失敗しづらい
- ・見えない部分の不具合まで発見できる
内装は工事で生まれ変わるので、工事に適したお部屋を安く買えれば、コストを抑えて理想の家に住めます。
管理組合の運営状況や建物のメンテナンス状況など、購入する前に調べられる内容が多いので失敗しづらいです。
以下の記事で内見(内覧)のポイントと注意点をまとめているので、参考にしてください。
中古は資産価値の大幅な下落が防げる
中古を買ってリノベーションすれば、資産価値の大幅な下落が防げます。すでに下がっている資産価値が回復するので、支払う金額と価値が一致しやすいです。
価格が新築より平均40%は安いですし、販売経費は価格全体の10%程度です。
新築は、購入時点で約20%価値が下がると言われています。広告宣伝費などの販売経費が、価格全体の約20%を占めるからです。
資産価値が下落すると、売却しても住宅ローンの残りが返せない「オーバーローン」の期間が長く続きます。
立地や管理状況など、総合的に資産価値を評価して中古を選べば、ローン破綻のリスクが抑えられるので安心して暮らせます。
リノベーションは入居まで時間が必要
リノベーションのデメリットは、入居まで時間がかかるところです。費用面のデメリットは、物件探しやローン選びで解決できます。
ローン返済が始まっても、工事で住めない期間が3~4ヶ月続きます。仮住まいのコストまで考えて、予算を組む必要があります。
- ・工事が終わるまで時間がかかる
- ・工事費用がわかりづらい
- ・物件によっては耐久力に不安が残る
- ・ローンを分けると金利が高くなりやすい
引っ越しのスケジュールに気を付ければ、工夫次第で対処できる内容ばかりです。
工事まで考えた物件探しが必要なので、物件の紹介から内装の工事まで、一貫して対応できる専門業者を頼りましょう。
実物を見て気になることを質問できる
リノベーションは物件探しさえ気を付ければ、メリットが大きい手段です。注意点も多いので、まず正確な知識をつけましょう。
中古×リノベーション専門業者「リノベる」が開催する無料講座では、住宅購入の初心者でもわかりやすく幅広い知識が学べます。
予約してショールームに行けば、以下のような項目が学べます。専門知識があるスタッフに、質問や相談もできるのでおすすめです。
- ・新築と中古のメリットとデメリットがわかる
- ・住宅ローン審査や資金計画の相談ができる
- ・物件購入の選択肢が増える
- ・リノベーションの実例紹介を受けられる
- ・リノベーション空間の体験ができる
- ・リノベーションの費用感がわかる
- ・資産価値の考え方がわかる
リノベるは、物件探しからリノベーションまでワンストップで対応していて、ノウハウが豊富です。
住宅ローンをお得に組む方法や、リノベーションの費用感や資産価値の考え方など、家を買うための知識を一通り学べます。
連日開催していて、フォームからの予約も簡単です。ショールームはアクセスしやすい各地にあるので、ぜひチェックしてみてください。
リノベーションは工事内容で費用に幅がある
2017年の住宅リフォーム推進協議会の統計によると、内装費用の平均は720.2万円です。極端な数字の影響を受けにくい「中央値」の価格は555万円です。
統計では500~1,000万円が多いですが、実現したい内容によって金額には幅があります。
出典:住宅リフォーム推進協議会 第15回 住宅リフォーム実例調査
リノベーションは工夫次第でお得な手段なので、専門業者の講座で質問したり見積もりをとったりして、相場の感覚を身に付けましょう。
社団法人マンションリフォーム推進協議会が運営する「REPCO」などで、さまざまな会社の実例が見れます。
中古の販売価格は築年数で差が大きい
中古の販売価格は、築年数によって大幅に差があります。
2021年4~6月のREINS TOPICの統計から、首都圏の中古マンション価格の、築5年以降の推移を紹介します。
平均価格 | 築5年までに対する下落率 | |
---|---|---|
~築5年未満 | 6,505万円 | – |
築5年~築10年未満 | 5,565万円 | 85.5% |
築10年~築15年未満 | 4,870万円 | 74.9% |
築15年~築20年未満 | 4,586万円 | 70.5% |
築20年~築25年未満 | 3,874万円 | 59.6% |
築25年~築30年未満 | 2,411万円 | 37.1% |
築30年以上 | 1,979万円 | 30.4% |
出典:東日本不動産流通機構 REINS TOPIC(2021年4~6月)
おすすめの築年数は30~35年です。価格が安く、耐久力の心配が少ないからです。築20年以上から、新築の半額以下で買える物件も増え始めます。
内装はリノベーションで新築同様にできるので、購入にかかる費用と内装工事のバランスをとって、予算内で理想を叶えましょう。
例えば、新築より2,000万円安い物件を1,000万円以内でリノベーションすれば、新築よりも1,000万円は予算が抑えられます。
リノベーションで実現できること・できないこと
リノベーションで実現できることと、できないことをまとめました。物件を探す際の、参考にしてください。
リノベーションで実現できること
紹介してきたように、リノベーションでは室内の骨組みだけ残して、大幅に作り変えることが可能です。
空間の広さは限られますが、その中でなら大抵のことは実現できます。
- ・間取りと内装の大幅な変更
- ・設備の変更(配線含む)
壁紙や床などの内装はもちろん、設備の交換も可能です。
パントリー(キッチンの収納)を作ったり、レンジフード(換気扇とカバー)を交換したりもできます。
見た目だけでなく、自分に合った利便性を追求できるのもメリットです。
完成物件には少ない広い空間が作れる
リノベーションでは、内装が完成している物件には少ない、広い空間が作れます。2LDKを1Rに変更するような工事も可能です。
一人暮らしで生活の質を上げたい場合にも、リノベーションはおすすめです。ファミリー向けのお部屋を買って、広々とした1室を作るのも手です。
リノベーションで実現できないこと
マンションには他にも住人がいるので、リノベーションで実現できないこともあります。みんなで使う共用部分だけでなく、室内にも注意点があります。
リノベーションの専門業者でお部屋を探せば、大きな問題にはなりません。最初から、工事ができるかまで考えて探せるからです。
- ・マンション管理規約で工事が制限される
- ・共用部分には基本的に手は加えられない
- ・耐久力に影響する壁は取り外せない
- ・水回りは位置変更が難しい場合がある
マンションによってルール(管理規約)があり、禁止されている工事はできません。みんなで使う共用部分の工事は、基本的に制限されます。
間取り変更の際に、耐久力に影響が大きい厚い壁は外せません。外せるかどうかは、購入する前に建築図面などで確認できます。
水回りの位置を変更したいときは、配管の延長が必要です。共用配管が通るパイプスペースの位置や、希望の場所によっては、変更が難しいケースがあります。
岩井
リノベーションの手続きの流れ
リノベーションする前提で物件を探すときの、手続きの流れを簡潔にまとめると以下のとおりです。
- ①情報収集して予算を決める
- ②購入する物件探し
- ③購入の申し込みとローンの事前審査
- ④不動産の売買契約
- ⑤住宅ローンの本審査
- ⑥ローンの金銭消費貸借契約
- ⑦決済・物件の引き渡し
- ⑧内装工事の請負契約
- ⑨内装工事開始
- ⑩決済・工事完了・引き渡し
関わる関係者は、不動産屋(仲介業者)と内装業者、金融機関、売主などです。窓口をどこまでまとめられるかで、手間が大きく変わります。
工事済みの「リノベ済み物件」はすぐに住める
「リノベ済み物件」とは、不動産屋が内装工事後に再販している物件のことです。住める状態で売られているので、買って引き渡しを受ければ、すぐに住めます。
新築より安いので、物件が気に入れば有効な手段です。しかし、工事前の中古を買ってリノベーションするより自由度が低く、購入の費用が割高です。
リノベ済み物件が割高な理由
費用が割高な理由は、販売業者の利益が含まれているのと、建物価格に消費税が含まれているからです。個人の売主から買った場合と比較してみます。
個人 | 法人(不動産屋) | |
---|---|---|
物件価格 | 消費税が不要 | 消費税を含んでいる |
仲介手数料 | 必要 | 不要のケースが多い |
値引き | 残債務による | 決算時期による |
新築やリノベ済み物件では、不動産屋が売主で仲介手数料が不要な場合が多いです。ただし、建物価格×10%の消費税が含まれるので割高になりやすいです。
仲介手数料の一般的な計算式は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。
売買価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
1,000万円 | 39.6万円 |
1,500万円 | 56.1万円 |
2,000万円 | 72.6万円 |
2,500万円 | 89.1万円 |
3,000万円 | 105.6万円 |
3,500万円 | 122.1万円 |
4,000万円 | 138.6万円 |
4,500万円 | 155.1万円 |
5,000万円 | 171.6万円 |
値引き交渉にも違いがあるので、以下の記事も参考にしてください。
リノベーションは見えない部分の問題が発見できる
リノベーションでは、室内を解体して何度も検査するため、見えない部分の問題が見つけられます。
配管の老朽化を発見して交換したり、断熱材を見直したりできます。配線や照明を新しくすることで、省エネにできる場合もあります。
リノベ済み物件では、見えない部分の工事内容まではわからないので、購入と同時のリノベーションがおすすめです。
見えない部分に心配が残るなら住宅診断を受ける
スケルトンにしないリフォームや、リノベ済み物件で見えない部分が心配なら、住宅診断(ホームインスペクション)を受ければ、安心して購入できます。
費用は10~15万円かかりますが、建物の耐震性や寿命も確かめられます。
スケルトンにするリノベーションでは、何度も中間検査するので心配は少ないです。
岩井
販売業者やFPの無料講座も活用すべき
マンションをお得に買うためには、幅広い知識が必要です。販売業者やFPの無料講座や相談会に参加すれば、手っ取り早く知識が学べます。
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