「マンションは何階が地震に強いの?」
「地震に強いマンションの見分け方は?」
近年、大きな地震が世間を騒がせています。地震に強いマンションの需要がかなり高くなっています。しかし、地震に強いマンションの特徴や階数がいまいちわからないですよね…。
そこで、当記事では地震に強い階やマンションの見分け方、避けるべき特徴について解説します。すぐにできる地震対策も紹介するのでぜひ参考にしてください。
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- 新耐震基準のマンションは震度6~7の地震でも倒壊しない設計
- 階数によって避難のしやすさや揺れ方は違う
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不動産屋「家AGENT」
池袋店 店長
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
地震に強いマンションの簡単な見分け方
新耐震基準に適合済みなら震度6~7でも平気
地震に強いマンションの簡単な見分け方は、「新耐震基準」に適合しているかどうかです。
新耐震基準は「震度5強くらいの地震では軽微な損傷、震度6強から7に達するくらいの大きな地震でも倒壊は免れる」という2022年現在でも有効な設計基準です。
厳格な基準に基づいているので、適合済みのマンションであれば倒壊のリスクは小さいです。
築40年以内の物件は新耐震基準に適合している
新耐震基準に適合しているマンションは、1981年6月1日以降で建築確認(工事前の行政審査)を受けたものを指します。
通常、建築確認からマンションの完成までは1~2年かかるので、1982年に完成していても新耐震基準に適合していないケースがあります。
耐震性の高いお部屋を探す場合は2022年現在で築40年以内のものを探すと安全です。
耐震等級が高いとより安全
等級 | 必要な耐震性能 | 主な建物 |
---|---|---|
耐震等級1 | 新耐震基準と同程度 | 一般住宅 |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍 | 学校、病院 |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍 | 警察署、消防署 |
耐震等級とは、2000年4月1日に施行された「新築住宅の住宅性能表示性能ガイド」に準拠した住宅性能表示制度です。等級が高いほど、耐震性能も高く安全です。
耐震等級1は、新耐震基準と同じ耐震性能です。学校や病院などの公共施設は、必ず耐震等級2以上で建てることが義務付けられています。
ただし、新耐震基準に適合済みのマンションでも、耐震等級は表示していないものが多いです。理由は、新耐震基準は義務であるのに対し耐震等級は任意取得だからです。
約90%のマンションは耐震等級1
国土交通省の発表によると、耐震等級を表示しているマンションでも、90%近くは耐震等級1で建てられています。
理由は、耐震等級を上げると建築コストが大幅に上がるからです。販売価格や家賃が高くなるので、売れ行きや入居率も下がります。
耐震等級を上げるためには壁を厚くしたり、窓の数を減らす必要があります。結果的に居住性が悪くなってしまうので、あえて耐震等級1で建築するのが主流となっています。
普通のマンションは3階以下が地震に強い
- ・地震の揺れが小さいので2次被害が少ない
- ・エレベーターが止まっても階段移動がラク
- ・火災時の避難がスムーズにできる
- ・低層階ほど柱が太く、壁が厚いので丈夫
地震の揺れが小さいので2次被害が少ない
3階以下のお部屋であれば、高階層に比べて地震の揺れが少ないため、家具の転倒や怪我などの2次被害のリスクが小さいです。
マンションの地震では、高階層になるほど「長周期期震動」によって長時間大きく揺れる傾向にあります。地震の規模によっては数分間揺れが続くこともあります。
低階層であっても事前に家具・家電を固定するなどして地震に備えるのが重要です。
エレベーターが止まっても階段移動がラク
エレベーターは大規模な地震が起きた際、安全装置が働いて停止します。階段でしか移動できないので、3階以下のお部屋が良いです。
地震の規模によっては水も出なくなります。1階から水を持って高層階まで上がるのは、体力のある人でも負担が大きいです。
足の悪い人や小さい子がいる家庭であれば3階以下でお部屋探しをすると良いです。
火災時の避難がスムーズにできる
地震によって万が一火災が起きても、マンションの3階以下であれば、地震の避難がスムーズです。階段や避難はしごでの避難も短時間で完了します。
また、基本的にマンションは気密性が高いので、煙が上階にこもりやすいです。3階以下の低層階では一酸化中毒の可能性も下がります。
低層階ほど柱が太く壁が厚いので丈夫
マンションでは、下層階は上層階に比べて柱が太く壁が厚いケースが多いです。理由は、マンション全体の重さを支えられるように下層階を丈夫に作るためです。
柱や壁が丈夫なので、地震の際にも揺れが少なく倒壊しづらいです。
ただし、低階層のお部屋は丈夫に造っているぶん専有面積が小さいことが多いです。
沿岸部は津波被害に備えて5階以上が良い
津波による浸水リスクが小さい
沿岸部のマンションに住む人であれば、津波による浸水のリスクが小さい5階以上がおすすめです。階数が高くても、築年数が浅ければ地震の揺れによる被害は少ないからです。
国土交通省の発表によると、東日本大震災での津波の高さは岩手県大船渡市の16.7mが最大でした。マンションであれば4~5階に相当する高さです。
浸水した場合、復旧までには半年~1年ほどかかるケースが多いです。
ハザードマップの事前確認がおすすめ
ハザードマップとは、防災を目的として自然災害によって起こりうる被害の予測や範囲が表示されている地図です。
国土交通省のハザードマップでは、津波や高水位のおそれがあるエリアなどを表示できます。
事前に確認することで、自分の住む地域にどんなリスクがあるか理解しましょう。
地震に弱いマンションの特徴
- ・1階に壁が少ない
- ・建物を上から見た形が四角形でない
- ・上層階と下層階で高さが違う
- ・埋立地の上に建っているマンション
1階に壁が少ない
ピロティ構造と呼ばれる建築形式は、1階が柱だけで壁がないのが特徴です。1階スペースを有効活用できますが、壁で支えてないので地震の揺れには弱いです。
阪神淡路大震災では、ピロティ構造の建物の倒壊が多く見られました。
1階に店舗があるマンションも耐震性が低いです。理由は、開放感を持たせるために壁を少なくしているケースが多いからです。
建物を上から見た形が四角形でない
上から見たときの形がコの字やL字型などの四角形でないマンションは、接合部分に力がかかるので地震の際は被害が発生しやすいです。
ただし、エキスパンションジョイント(伸縮性の継ぎ手)を使用しているマンションであれば、建物同士は構造上独立するので上記の形でも耐震性があります。
希望のマンションが上から見て四角形でない場合は、不動産屋にエキスパンションジョイントの有無を聞くと良いです。
上層階と下層階で高さが違う
セットバック構造と呼ばれる建築形式は、建物の上部を下部よりも後退させて周囲の住人の日照権を確保します。
大きな地震の際は高さの違う接合部分に負荷が集まるので、損傷・倒壊に繋がるリスクがあります。
埋立地の上に建っているマンション
埋立地に建設されたマンションには、液状化現象によって駐車場が崩落してしまったり、水道管やガス管などのインフラ設備が損壊するリスクがあります。
建設段階で通常の地盤より深く杭を打つなどの対策がされているので、マンション自体の倒壊の可能性は基本的にありません。
耐震・制震・免震の違い
耐震構造とは
耐震構造とは、頑丈な柱や梁を使って建物自体が地震に耐えることを目的とした構造です。
コストが低く、後付も容易なので多くのマンションで取り入れられている構造です。
地震のエネルギーが直接建物に伝わるので、上層階ほど揺れが大きく壁や家具の損傷が多い傾向にあります。
制震構造とは
制震構造とは、建物に振動軽減装置(制震ダンパー)を取り付けることで、揺れの衝撃を小さくする構造です。
高層マンションへの導入が多く、揺れ自体を軽減するので風揺れにも効果があります。
免震構造と組み合わせて使われることもあり、高い耐震性能を誇ります。
免震構造とは
免震構造とは、建物と地面の間に積層ゴムなどを設置して、揺れを吸収する構造です。地震の際は、積層ゴムが水平方向に柔らかく変形して地震エネルギーを受け止めます。
現在の耐震構造の中では最も揺れを抑えますが、導入コストが高いため一部の高層マンションでしか使用されません。
対応エリアは一都三県のみすぐにできるマンションでの地震対策3選
- ・家具家電を固定する
- ・避難経路を確保する
- ・災害時用に備蓄をする
家具家電を固定する
大型の家具家電は移動・転倒しないように固定しましょう。また、重量のあるものは低いところに置くと安全です。
下敷きを避けるため、寝る場所や普段生活する場所に本棚などの転倒しやすい大型家具を置くのは避けましょう。
地方自治体によっては家具転倒防止器具の無料取り付けをおこなっていたり、補助金を受けられます。
避難経路を確保する
避難経路を事前に確認し、メインルートが通れない場合に備えて他の経路も想定すると安全です。避難はしごが室内にあるお部屋なら、取り出しやすい位置で保管しましょう。
ベランダやバルコニーは避難ルートになるので、通路を塞ぐような物の設置は禁じられているマンションが多いです。
災害時用に備蓄をする
- ・水
- ・食料
- ・簡易トイレ
- ・トイレットペーパー
- ・ティッシュペーパ-
- ・カセットコンロ
- ・電池式充電器
- ・常備薬
- ・ポリ袋
- ・ラップ
一般的にマンションは耐震性が高いため、大きな地震の際は在宅避難が推奨されることが多いです。ライフラインの復旧まで過ごせるように、最低限の備蓄をしましょう。
目安は最低3日分、できれば1週間分の備蓄ができると安心です。
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