「間取りで失敗した箇所は?」
「どこを確認しておけば失敗しない?」
引っ越しするなら、生活動線が確保しやすい間取りが良いですよね。広めのお部屋だと、なお快適に暮らせます。
しかし、間取りによっては住みづらい可能性があります。柱が出っ張っていたり、コンセントの位置が微妙なお部屋もあるんです。
そこで当記事では、間取りで失敗した人の経験をもとに、注意点を解説します。対策方法や内見時の確認ポイントもあるので、ぜひ参考にしてください。
「家AGENT」池袋店の店長で、賃貸業界歴10年以上です。管理職になる前の年間接客件数は380~400件と経験豊富です。お部屋探しに関して、設備や費用などの悩みも的確にアドバイスしています。
お部屋の間取りで失敗したと感じた箇所
20代~30代の男女に、お部屋の間取りで失敗したと感じたところを聞いてみた結果、以下のようなものが多かったです。
・収納スペースの広さや位置
・お部屋の広さや柱の出っ張り
・間取り全体(生活動線)
・壁の防音性
・日当たり良さや気温問題
・外からお部屋の中が丸見え
・外に洗濯物が干せない
・床が斜め
ちなみに、アンケートをとった全体の4割近くの人が、間取りに失敗したと感じていました。
箇所ごとにどういう失敗が多いのか、不便に感じることと対策方法をまとめて解説していきます。
コンセントやスイッチなどの配線
アンケート結果で一番多かった失敗は、コンセントやスイッチなどの配線場所が悪く、使いにくいという問題でした。
床からコンセント位置が離れすぎていてすぐにコードが切れる、コンセントが1ヶ所に集中していて家電を配置しづらい、そもそもコンセントの数が少ないなどの不満が多かったです。
スイッチに関しては、ドアを開けた側と反対の位置にスイッチがある、開けたドアでスイッチが隠れて押せない、スイッチの位置が遠くてすぐに灯りを付けられないという声ばかりでした。
収納スペースの広さや位置
収納スペースの広さや位置が、思っていた感じと違った、実際に使ってみたら使いにくくて不便が生じたという不満が多かったです。
とくにクローゼットは、家具を配置したらクローゼットの扉が開けづらいとい問題も起きていました。前開きやスライドなど、どういう扉の開け方になるのか把握しきっていないようでした。
お部屋の広さや柱の出っ張り
内見時は家具も何もない状態なので広く見えたお部屋も、実際に入居して家具を置いてみたら狭かった、柱が思ったより邪魔で家具を上手く置けなかったという失敗が多かったです。
また、キッチンが狭くて壁に当たる、冷蔵庫を置くスペースがなかったという声もありました。
間取り全体(生活動線)
家賃の安さを最優先した人は、生活動線が確保できずにお部屋の間取り自体が失敗だったと感じるようです。
玄関から居室に行きにくい、居室からトイレに行くまでに遠回りしなければいけないという不満が多かったです。また、ロフトの階段がお部屋の真ん中で、思ったよりも邪魔だったという声もありました。
壁の防音性
隣の生活音が聞こえる、窓から外の車が響いてくるなど、壁や窓の防音性について失敗する人もかなり多かったです。
内見時に大丈夫と思っていても、実際住んでみるとかなりうるさかった、1回気になったらずっと音が聞こえてきて神経質になったという人ばかりでした。
日当たり良さや気温問題
お部屋の中に日が射し込まない、電気をつけても暗い、夏は暑く冬は寒いという不満から、間取り選びを失敗したと感じる人がいました。
日当たりに関しては、南向きのお部屋であっても隣の建物で日が射し込まない、階数が低くて日が当たらないといった問題があります。
また、日当たりが良すぎるせいで夏は暑い、逆に日当たりが悪くて冬が寒いお部屋もあります。こういうお部屋に当たった場合は、エアコンをつけても暑い・寒いと感じるようです。
外からお部屋の中が丸見え
玄関を開けると通行人にお部屋の中が見える、カーテンを開けると通行人や隣の建物の人にお部屋の中を見られる不満は、女性から多々上がっていました。
また、ワンルームは間取り的に要注意です。キッチンと居室の間に仕切りがないタイプの間取りなので、玄関からお部屋の中が丸見えになります。
外に洗濯物が干せない
もともとベランダがないお部屋に住んだ人からも失敗したという声が上がっていましたが、1階なので外に干せない、高速道路が近くて洗濯物が黒くなるという声も多かったです。
中には珍しいもので、鳥がよくきてフンを落としていく場所だったという人もいました。
床が斜め
床が斜めになっていて、寝る位置に失敗すると頭に血が上るという声があります。ちなみに床が斜めで失敗したと答えた人は、みなさんアパートのお部屋でした。
失敗した間取り図例10選
アンケートを取った20~30代の間取りを参考に、失敗したと感じたお部屋の間取り図例を紹介します。
コンセントの位置が悪い
上記の画像の星印がコンセントの位置です。1面の壁にコンセントが集中しており、対面の壁に家具家電を置こうとしても線が届きません。
延長コードを使うか、コンセントがある壁側に家具家電を配置するしかありません。
また、コンセントの数を少なく、居室の中は全部で4口しか、コンセントを指す場所がないことも間取りに失敗したと思われる原因です。
一人暮らし向けの間取りである6畳なら、居室内にせめて6口のコンセント差込口が欲しいところです。
キッチンが狭い
キッチンが狭すぎる間取りは、料理をしない人でも不便に感じます。冷蔵庫や洗濯機を置く場所がなかったり、置けたとしてもサイズが決まっていて、新たに購入するしかありません。
また、画像のようにL字になっているキッチンは、移動が面倒なうえ、食器棚などの収納家具を置けません。
狭くても良いので2畳ほどの広さで、正方形か長方形になっているキッチンスペースがある間取りを選びましょう。
収納スペースがない
とくに荷物が多い人は、収納スペースがない間取りを選んでしまうと、お部屋の中が片付かなくなり高確率で失敗したと感じます。
また、お部屋の中に衣類が溢れてしまうので、こまめに整理整頓しないと見た目が汚いお部屋になってしまいます。
5畳以下のワンルームは、収納スペースが付いていないことが多いので、事前に間取り図で収納スペースの有無を確認しておきましょう。
玄関入ってすぐが居室になっている
玄関を開けるとすぐに居室があるタイプのお部屋は、宅配業者などの訪問者にお部屋の中を見られるうえ、ドアを大きく開くと通行人にもお部屋の中を見られてしまいます。
そのため、プライバシーやセキュリティ面を気にする女性の一人暮らしには向いていません。
また、このタイプの間取りはお部屋の中に虫が入りやすいので、虫が苦手な人にもおすすめできません。
生活動線が悪くて不便
居室とトイレが離れていて移動距離が長いお部屋は、住んでいるとどんどん不便に感じます。
寝起きすぐにトイレに駆け込めなかったり、いちいち遠回りしないとお風呂にも行けず面倒です。
また、キッチンと居室の間が玄関になっているので、またいで移動するか、足が汚れたままお部屋の中を移動するハメになります。
あまりないタイプの間取りですが、余った敷地を利用して建てられた幅が狭いマンションで稀に見かけます。
防音性がない設備配置
思った以上にお部屋の防音性がなくて失敗したという人は、居室と居室が隣同士になっている、シェアハウス型の間取りになっているアパートに住んでいる可能性が高いです。
基本的に賃貸物件の間取り図は、お部屋ごとになっていますが、不動産屋に「ほかのお部屋も同じ間取りですか?」と聞けばほかのお部屋と居室が隣接しているかわかります。
家賃の安さを重視して、居室が隣接しているタイプを選んだ場合は、防音シートを壁に貼るなど自分でできる防音対策をしておくと良いです。
柱が邪魔
お部屋の角に柱が出っ張っている間取りは、家具配置しにくく失敗したと感じることが多いです。
鉄骨造やRC造・SRC造といった建物構造のアパートやマンションは、お部屋の角に柱があるパターンが多いです。
どうしても柱がないお部屋を選ぶなら、木造がおすすめです。ツーバイフォー(2×4)工法という木材の面と面を組み合わせる手法で作られているので、部屋の角に梁がありません。
もしくは、柱と同じ幅の本棚やテレビボードを置くなど、デッドスペースを利用できる家具を配置するのも一つの手です。
家具配置しにくい
居室が細長く、一辺が長いほうにトイレやお風呂、キッチンや収納スペースがある間取りは、家具を置く場所が限られているのでレイアウトしにくく失敗しやすいです。
画像のように、赤線部分しか大型の家具を配置できません。凝ったレイアウトがしにくいので、荷物が多い人が向いていません。
バルコニーがなく外干しができない
バルコニーやベランダなど、外に洗濯物を干すスペースがないお部屋も、人によっては間取り選びに失敗したと感じます。
部屋干しでいいと思っていても、特に5月~6月の梅雨の時期は湿気の独特の臭いが衣類につくうえ、下手をするとカビる可能性があります。
また、外に干すよりも洗濯物の乾きが遅く、衣類の量が少ない人は特に不便に感じます。
バルコニーやベランダ付きのお部屋を探すか、乾燥機付きの洗濯機を購入したほうが良いです。もしくは、窓近くに洗濯物を干して日光が当たるようにしましょう。
いびつな形
家賃の安さのみをを重視してお部屋を探すと、まれに家具が配置しづらいいびつな形の間取りに遭遇します。
ベッド以外の大型家具を配置しにくいうえ、体感的にお部屋が狭く感じるので間取り選びに失敗したと思う人が多いです。
画像のようにお部屋が三角形になっていたり、凸凹した箇所があると家具を複数配置したときにお部屋の中がゴチャゴチャするので、ミニマリスト以外にはおすすめめできません。
一人暮らししやすい間取り例
一人暮らししやすいお部屋の特徴を、ワンルーム・1Kの間取り図とともに解説していきます。
間取り例と全く同じお部屋を探すことは難しいですが、どういうお部屋にすべきかの参考にしてください。
ワンルームは玄関から居室が見えにくい間取りにする
ワンルームは、キッチンスペースと居室の間にドアなどの仕切りがないので、お部屋の中が訪問者に丸見えになります。
そのため、玄関すぐにキッチン設備があったり、玄関ドアの位置がお部屋から死角になる間取りを探せば、訪問者にお部屋の中を見られることはありません。
玄関から居室に繋がる部分が狭くなっているワンルーム
玄関から居室に繋がる部分が狭くなっているワンルームは、100円均一やホームセンターに売っている突っ張り棒を設置することで、のれんやカーテンでお部屋の中を隠せます。
また、のれんやカーテンは手軽に交換できるので、季節やほかの家具の色との兼ね合わせてオシャレにすることでレイアウトを楽しめます。
1Kでよく見かけるスタンダードタイプ
1Kは、お部屋全体が長方形になっている間取りが多いです。その中でも良くあるのは、玄関を挟むようにキッチン設備と、お風呂・トイレなどの水回りがある間取りです。
玄関から居室、トイレから居室など、どこを拠点にしても居室まで直線なので、移動が楽で住み心地が良いです。
水回りが集まっている1Kは生活動線が確保しやすい
水回りが1ヶ所に集まっているタイプの間取りはは、家事動線がスムーズなので一人暮らしするのに便利です。
とくに、朝の時間にバタバタしてしまう人は、移動する距離が短いので時間のロスを防げます。
間取りで失敗しないため内見で確認すべきポイント
内見時にとくに確認しておくべきポイントを紹介します。以下の箇所を最低限確認しておけば、間取りに失敗しにくいです。
・玄関、洗濯機置き場、家具配置予定箇所の幅
・収納スペースの広さ
・コンセントの位置と数
・日当たりの良さ
・ベランダの使い勝手と防犯性
・窓やドア枠のカビ、結露の跡
・風呂、トイレの広さや水圧
・スマホの電波が入るかどうか
・共有部分がきちんと管理されているか
とくに「防音性」「コンセントの位置と数」「各箇所の幅」「スマホの電波」は必ず確認してください。
防音性は、お部屋の壁の中心をノックするように叩いてみてください。軽く高い音がしたら、壁の中は空洞の可能性が高く防音性が低いです。
コンセントの位置と数は、見返して忘れないよう、不動産屋のスタッフから図面のコピーをもらっておいて書き込みしておきましょう。
玄関、洗濯機置き場、家具配置予定箇所は、メジャーできちんと採寸してください。測り忘れると、購入した家具が玄関からはいらない、置けないなどという問題が起きます。
スマホの電波は、玄関から居室の四方など、お部屋の隅々まで歩いてみてスマホのアンテナがきちんと立っているか確認しましょう。酷いお部屋だと、圏外で使えない箇所があります。
ちなみに、間取りで失敗しないためにもお部屋の内見は必ずすべきです。可能であれば、昼と夜、平日と休日のように2回以上内見してください。
昼は仕事に出て住民がいない建物も、夜には帰宅するのでリアルな生活音を確認できます。また、平日は閑静な住宅街だったとしても、休日は賑やかな街なのかも確認できます。
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