「マンションを購入して後悔する理由は?」「後悔しないためには何をするべき?」などの疑問を解決します!
後悔せず買うための3つのポイントや、独自のアンケートで収集した体験談をまとめたので、ぜひ購入前の参考にしてください。
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井勇太さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
マンション購入で後悔した理由TOP10
マンション購入で後悔した理由TOP10を紹介します。
2021年6月に、株式会社groove agentが実施した「中古マンション購入における不満」に関するアンケート調査を基にしています。
30~40代の既婚男女1,000人が回答していて、全体の63.6%は、購入後に不満なしでした。不満がある36.4%の内訳をランキングにしました。
入居後の不満 | 割合 | |
---|---|---|
1位 | 住人の居住マナー | 24.2% |
2位 | 隣接住戸の騒音 | 21.4% |
3位 | 共用部分の管理状態 | 11.3% |
4位 | お部屋の間取り | 8.8% |
5位 | 建物の立地 | 6.9% |
6位 | お部屋の広さ | 6.9% |
7位 | 建物の周辺環境 | 6.0% |
8位 | 寒さや暑さ | 5.2% |
9位 | 修繕積立金などの費用 | 4.4% |
10位 | その他(建物の不具合など) | 4.9% |
出典:「ゼロリノベ調べ」(URL=https://www.zerorenovation.com/)
不満が出やすいのは、住人マナーや騒音など、主に外からの内容です。お部屋を内見(内覧)するときは、住人みんなで使う共用部分や、周辺環境まで調べることが大切です。
新築は買う前に内見できない場合が多いです。完成前に募集が始まり、モデルルームや資料だけを見て契約するケースが多いからです。
実際に見れないと、さらに注意点が増えます。長く住むなら、自分の目で確かめられる物件を選ぶべきです。
岩井
費用面で後悔した理由と対策
費用面での後悔は、予算を抑えれば防ぎやすいです。資産価値の大幅な下落や、入居後の固定費が高い物件は、物件探しで気を付ければ避けられます。
不満が出やすい内容 | 対策 |
---|---|
購入費用と住宅ローン | 無理のない資金計画と適切な住宅ローン選び |
資産価値の下落 | 立地と管理状況が良い資産価値が高い物件を選ぶ |
修繕積立金と管理費 | 固定費が妥当か管理組合の書類で確かめる |
予算が多いほど選択肢が増えますが、ローンの借りすぎには要注意です。主要駅に近い物件は利便性が高く、資産価値が高いです。
ただし、売主が売れると判断すれば販売価格は高くなります。相場の見極めや、物件が見つからないときは、希望条件をゆるめる判断も必要です。
一般公開されている物件情報だけでは足りないので、物件探しは不動産屋(仲介業者)を頼りましょう。
周辺環境と立地で後悔した理由と対策
周辺環境と立地の後悔は、住人の居住マナーや開発など、環境の変化によるものが多いです。購入前に確認できる内容であれば、後悔は防げます。
都市計画で道路を通すための取り壊しなどは、購入前の下調べで避けられるケースがほとんどです。
不満が出やすい内容 | 対策 |
---|---|
騒音問題など隣人とのトラブル | 住人の居住マナーを内見時に確認する |
通勤や通学のアクセスが良くない | 立地を優先するなら広さや階数は我慢する |
購入後の生活の変化に対応できない | 周辺環境を何度も下見する |
周辺環境と立地は、利便性や資産価値を総合的に評価して決めましょう。資産価値が高い物件は、ローン返済が難しくなったときに、資産として活躍してくれます。
開発が進んで発展していく街は、住みたい人が多く資産価値が保てます。高く売れる可能性はありますが、夜中などでもうるさく住みづらい場合があります。
都内でも駅から遠い閑静な住宅街は、利便性は低く賃貸に出すのは向いていません。将来性も考えて、住む街を決めましょう。
建物全体に関して後悔した理由と対策
建物全体に関する後悔は、耐久力や管理体制に対する不満が多いです。建物のメンテナンス状況や、災害リスクをチェックしましょう。
不満が出やすい内容 | 対策 |
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災害時に不安がある | 自治体のハザードマップを見る |
耐久性や劣化が心配 | 新耐震基準(目安として築35年まで)の物件を選ぶ |
共用設備が充分でない | 内見時によく確認する |
管理体制が心配 | 管理体制に問題がないか管理組合の書類で確かめる |
管理が良いと、築年数に関わらず物件の寿命は長いです。コンクリート自体は、メンテナンス次第で100年はもつと言われています。
新築でも管理体制が悪いと、傷みが早いです。マンションごとの長期的な修繕計画や、維持管理に適切なお金をかけているかが重要です。
築年数による違いについて詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
室内に関して後悔した理由と対策
室内に関する後悔は、内見でしっかり確認すれば、ほとんど防げます。中古なら、工事で作り変える手段もあります。
不満が出やすい内容 | 対策 |
---|---|
間取りや広さ | 間取りや広さを優先するなら立地は我慢する |
設備への不満 | 内見時によく確認する |
日当たり、風通し |
室内に後悔が残るのは、確認不足と言えます。内装まで完成した物件を納得してから買うか、工事で希望通りに作り変えましょう。
岩井
購入して後悔した人のリアルな体験談
当サイト「スマイノ」で、2021年6月にインタビューを実施しています。マンションを買って後悔した人の事例を3つ、掲載許可がもらえた範囲で紹介します。
毎月のローン返済が思ったより大変
Tさんは、都内の築浅マンションを購入しています。住宅ローンの返済が思ったより大変とのことです。以下の条件で借り入れています。
- ・夫婦+子ども1人、3人暮らし
- ・妻は専業主婦
- ・借入時の年収 約600万円
- ・都内の築浅中古マンション 価格4,500万円
- ・頭金は500万円
- ・35年ローン 4,000万円
- ・変動金利 返済5年目
- ・毎月の返済額 約10万円
- ・固定費 月あたり約4万円
Tさんは新築時から気になっていた物件に空きが出て、即決しています。探し直していないので、他に予算が抑えられる手段がなかったかは考えてしまうそうです。
住宅ローンは借りすぎに注意
家族構成にもよりますが、住宅ローンには適切な借入額の目安があります。大まかに、年収の5~6倍程度です。
Tさんは約7倍のローンで頭金も払っているので、立地などを妥協して購入価格を抑える手もあったと考えられます。
住宅ローンの適切な借入額は、年収ごとに解説しているので参考にしてください。
年収ごとの住宅ローン記事 | |
---|---|
年収350万円 | 年収400万円 |
年収500万円 | 年収600万円 |
年収700万円 | 年収800万円 |
自分で予算を考えるのも大切ですが、客観的なアドバイスも受けたほうが良いです。
FPに家計を見直してもらったり、仲介の担当者に提携ローンを紹介してもらったりして、自分に合った無理のないローンを組みましょう。
岩井
近隣住人の生活音が気になる
Oさんは一人暮らしで、都内の新築マンションを購入しています。お部屋は気に入っていますが、近隣住人の生活音が気になるそうです。
騒音が心配なら、内見できる完成済み物件か、防音物件を選びましょう。一番多いトラブルは騒音なので、耐えられない人は事前に確かめるべきです。
管理会社は、騒音問題の対応ができないケースが多いです。管理組合で取り上げられる問題になって初めて、対応が入る可能性があります。
住人マナーのトラブルTOP5
国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果によると、住人マナーのトラブルTOP5は以下のとおりです。
トラブルの内容 | 割合 | |
---|---|---|
1位 | 生活音 | 38.0% |
2位 | 違法駐車 | 19.0% |
3位 | ペット飼育 | 18.1% |
4位 | 共用部分に私物放置 | 15.1% |
5位 | バルコニーの使用方法 | 12.9% |
出典:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果
統計からもわかるように、騒音問題が特に多いです。後悔しないためにも、買う前に念入りに確かめてください。
岩井
修繕積立金と管理費が高い
Uさんは、都内の中古マンションを購入しています。管理組合に毎月払う修繕積立金と管理費に、負担を感じるとのことでした。
修繕積立金とは、10~15年周期で実施する「大規模修繕」に備えた費用です。不足するとマンションの劣化が防げません。資産価値にも影響が大きいです。
日常の手入れに使う「管理費」と同様、毎月の必要経費です。値段が妥当かどうかは、物件によって異なります。値段設定と管理組合の収支について、見極めが必要です。
マンションの固定費は主に維持費と税金
マンションの固定費は、主に維持管理の費用と税金です。ローンを組む際は固定費まで考える必要があります。
入居中にかかる固定費を、以下にまとめたので紹介します。
相場 | |
---|---|
固定資産税 | 物件評価額の1.4%程度/毎年 |
都市計画税 (都市計画区域のみ) |
物件評価額の0.3%程度/毎年 |
管理費+修繕積立金 (分譲マンション) |
合計3万円程度/毎月 |
室内の修繕費 (不具合が生じた場合) |
実費(箇所による) |
駐車場代(使う場合) | 1~5万円/毎月 |
駐輪場代(使う場合) | 数百~千円程度/毎月 |
町内会費 | 数百~千円程度/毎月 |
2020年度の東日本不動産流通機構の統計によると、管理費と修繕積立金の合計は、平均で「約2.4万円」です。
年間10~15万円は、固定資産税と都市計画税(固都税)がかかります。
入居中に値上がりしても耐えられそうか、他に出費が増えないかなど、長期的に損得を考えましょう。
岩井
後悔しないための3つのチェックポイント
マンション購入で後悔しないための、チェックポイントを3つ紹介します。最低限チェックをするべき項目に絞ってあります。
- ①情報収集して予算を決める
- ②内見で周辺環境まで確かめる
- ③管理体制を確かめる
①情報収集して予算を決める
まず情報を集めて、予算を決めましょう。お得にマンションを買う手段がないか、少なくとも調べるべき内容をまとめました。
- ・住みたい街の相場や取引事例
- ・都市計画(区市町村の名前×都市計画で検索)
- ・住宅購入に関する減税や給付金の制度
- ・販売業者が開催する相談会やセミナー
- ・街や不動産屋のネットの口コミ
時期によって募集状況が異なりますし、減税や給付金は期間限定のものが多いです。販売業者の開催する相談会や、セミナーに参加するのも手です。
新築は第1期、2期のように時期を分けた募集が多いので、販売業者を特定して問い合わせましょう。中古も含めて探す場合は、不動産屋に相談するのが基本です。
中古マンションはお得な情報が集まりやすい
新築に住みたい人でも、中古を選択肢に入れて情報を集めるべきです。新築は募集が少ないですし、中古の内装はリノベーションで新築同様にできるからです。
リノベーションとは、骨組み以外を作り変えて、お部屋を生まれ変わらせることです。住める状態まで直すリフォームより大幅な工事で、間取りや内装を好みに変えられます。
中古は新築より募集が多く販売価格が安いので、立地にもこだわれます。中古にデメリットがないか心配な人は、以下の記事も参考にしてください。
②内見で周辺環境まで確かめる
後悔しないためには、実際に住む空間や街を、自分の目で確かめるのがベストです。
物件を内見で確かめて、周辺環境までチェックしてください。時間帯や曜日を変えて、交通量や街の雰囲気を何度も見に行くべきです。
以下の記事で、内見の注意点を詳しくまとめているので、参考にしてください。
内見では住人のマナーや工事中の物件も見る
みんなで使う共用部分を見ると、住人のマナーがある程度チェックできます。
ごみ捨て場や駐輪場が散らかっていたり、廊下に私物が放置されたりしている場合は要注意です。中古なら売主に、入居中の感想を質問するのも手です。
また、近所で進んでいる工事や、空き土地までチェックしたほうが良いです。近所に背の高い建物が建って、日当たりが悪くなる場合があるからです。
③管理体制を確かめる
マンションの管理体制は、住みやすさと資産価値を保つうえで重要です。管理組合の書類で、管理状況が確かめられます。
発行に手数料がかかる場合があるので、住みたい物件が見つかった段階で、不動産屋に見せてもらいましょう。管理組合の書類には、以下のような書類があります。
確認できる内容 | |
---|---|
重要事項調査報告書 | 管理体制や共用部分の情報、耐震診断の有無など幅広く記載 |
長期修繕計画 | 大規模修繕の部位ごとの計画と実施状況、収支状況など |
総会議案書と議事録 | 管理組合の総会(話し合い)の議案や決定事項など |
管理規約と使用細則 | 禁止事項やゴミ出しルール、違反者への措置など、入居中のルール |
重要な情報は、概ね重要事項調査報告書に記載されています。修繕積立金や管理費の収支と、滞納額などをチェックできます。
もし売主に滞納があると、購入時に買主が負担する必要があります。滞納が多いマンションには問題がある可能性が高いです。
「長期修繕計画」で、大規模修繕に向けた計画や、工事の履歴が確認できます。配管が15年ほどで点検されているか、30年ほどで交換されているかなども確かめましょう。
購入して後悔したときの3つの対処法
購入して後悔してしまったときの対処法を3つ紹介します。売却や賃貸に出すか、住みやすく工事する手段があります。
- ①売却して住み替える
- ②賃貸物件として貸し出す
- ③リノベーションで改善する
①売却して住み替える
資産価値が下落していなければ、売却して住み替えるのがおすすめです。まずは売却の査定をして、いくらで売れそうか確かめましょう。
売却価格より残債務のほうが上回る「オーバーローン」の状態なら、マイナスを補填する必要があります。
オーバーローンを解消するまでは、賃貸に出すなど別の手段も検討したほうが良いです。
買いたい人が多い物件なら、購入時より高く売れるケースもあります。売却して利益が出ると所得税がかかる場合があるので、税金の対策も必要です。
引っ越し先の家を買うときはタイミングも重要です。先に買うべきか売るべきかなど、不動産屋と打ち合わせながら進めましょう。
②賃貸物件として貸し出す
物件によっては、売却するより賃貸に出したほうが、長期的に考えてお得な場合があります。駅の近くでアクセスが良い街や、住みたい人が多い人気の街などです。
賃貸に出すときの注意点は、住宅ローンの借り換えが必要な場合があるところと、借主の入居から退去までに、トラブルが起きる場合があるところです。
無断で貸し出すと、ローンの一括返済を求められるケースがあるので要注意です。また、家賃収入には所得税と住民税がかかります。
③リノベーションで改善する
高く売れず、借り手もつかなそうな状況なら、リノベーションで改善する手段があります。ただし、リノベーションは購入と同時にしたほうが良いです。
内装工事のローンは一般的に金利が高く、返済期間を35年も伸ばせません。購入と同時なら、住宅ローンに組み込んで、返済期間も統一できます。
中古を買ってリノベーションすれば、新築より費用を押さえて、立地や住みやすさにこだわれます。最初の購入時点で理想に近づけるのが、後悔しないコツです。
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