「中古物件の効率的な探し方は?」「掘り出し物はどうやって見つけるの?」といった疑問を解決します!
中古物件を効率良く探す5つのコツや、探す際の注意点を徹底解説します。見学で気を付けるポイントも、わかりやすくご紹介します。
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
中古物件の探し方は主に3種類
中古物件の売主は「家を手放す個人」が多く、売られるタイミングや、物件の特徴はさまざまです。探し方は主に3種類あります。
- ①不動産ポータルサイトで探す
- ②新聞広告や宅配チラシを見る
- ③不動産屋に紹介してもらう
希望に合うお買い得な物件を逃さないために、物件の情報を手に入れる方法を知っておきましょう。
それぞれの手段にメリットとデメリットがあるので、続けてわかりやすく解説していきます。
①不動産ポータルサイトで探す
物件情報を自分で調べたいなら「at home」や「スーモ」などの不動産ポータルサイトが便利です。予算やエリアを絞って、色々な不動産屋が掲載している情報を見れます。
室内の写真や周辺情報など、物件の特徴がまとまっています。気になる物件が見つかったら、問い合わせフォームから見学予約できます。
自分のペースで探せますが、情報が古くて既に売れてしまっていたり、ネットに掲載されない物件もあるので要注意です。
岩井
②新聞広告や宅配チラシを見る
新聞の折り込み広告や、宅配チラシ(ポスティング)からも情報収集できます。近隣の不動産屋の広告が多いので、近場で探している人向けの方法です。
まだネットに載っていない情報が、早めに手に入る可能性があります。一方的に受け取る情報のため、希望に合うかどうかは運次第です。
気になる物件があれば、近隣の募集状況や不動産屋の情報を、ネットで調べてみてください。比較対象がないと、条件の良し悪しが判断しづらいからです。
岩井
③不動産屋に紹介してもらう
まとまった時間が作れるなら、売買物件を扱う不動産屋に、中古物件を紹介してもらえます。電話やメールで予約して、お店に行くのが基本です。
不動産屋は業者専用のデータベースで、物件の情報を共有しています。市場の膨大な物件情報から、理想に近い物件を探してくれます。
中古物件が流通する流れを、大まかに図解してみました。売却依頼を受けた不動産屋Aと、お客様に物件を紹介したい不動産屋Bがやりとりします。
物件紹介の他に、売主との交渉から引っ越しまで、手間のかかる手続きをサポートしてもらえます。
不動産会社が売主として、所有する物件を販売しているケースもあります。
岩井
中古は不動産屋に紹介してもらうべき
中古は自分で探すより、不動産屋に探してもらうべきです。情報が新しく、内見(内覧)までの段取りがスムーズです。
大切なのは、ヒアリングが丁寧な担当者を見つけることです。担当者によっては、営業が強引な場合があります。
いきなりお店に行くよりは、電話やメールで問い合わせて、雰囲気を確かめたほうが良いです。チャットやLINEで気軽に相談できると、スキマ時間が活かせて便利です。
入居希望の時期から3ヶ月以上前には相談するべき
購入の相談は、入居希望の時期から3ヶ月以上前には始めるべきです。中古の物件は、内装の手直しに時間が必要だからです。
物件の購入から引き渡しまでの、目安の期間をまとめたので参考にしてください。
目安期間 | |
---|---|
①情報収集して予算を決める | 1~2週間 |
②購入する物件探し | 1~2週間 |
③物件を決めたら申し込み | 1~3日 |
④不動産の売買契約 | 申し込みの1週間後が目安 |
⑤住宅ローンの本審査 | 本審査完了まで1~2週間 |
⑥ローンの金銭消費貸借契約 | 本審査に通過後、1日 |
⑦決済・物件の引き渡し | 平日の日中に、1日 |
①~⑦まで終わった後、内装工事にかかる期間は物件によって異なります。
リフォーム済みの物件や築浅なら、2~3ヶ月で入居できます。築古は大幅な工事が必要で、入居まで5~6ヶ月かかるケースもあります。
中古でも内装は新築同様にできるので、引っ越しまでの時間を考えながら探しましょう。相談が早いほど、選択肢を広げて探せます。
入居までの流れは、中古マンションを例にして、次の記事でより詳しく解説しています。
中古物件を効率良く探す5つのコツ
中古物件を効率良く探すための、5つのコツをご紹介します。良い物件ほど早く売れるため、コツをふまえて段取り良く探しましょう。
- ①予算の上限を決めておく
- ②希望の条件に優先順位をつける
- ③リノベーションで選択肢を広げる
- ④見に行く前に情報収集する
- ⑤定期的に物件を紹介してもらう
①予算の上限を決めておく
まず予算の上限を決めておくべきです。先に買いたい物件を決めてしまうと、予算をオーバーしやすいためです。
金融機関によっては、税込年収の35~40%を返済に回すようなローンが組めます。ただし、1年間の返済額は、税金などを引いた「手取り年収の25%まで」に抑えるべきです。
返済は長いと35年続くので、生活費を圧迫しすぎず、無理なく返済していける金額に抑えましょう。
借りられる上限(税込年収35%が基準)と、無理のないローン(手取り年収の25%が基準)の表をまとめたので、参考にしてください。年収別に解説記事にリンクしています。
借りられる目安 | 無理のない目安 | |
---|---|---|
年収350万円 | 2,830万円 | 1,876万円 |
年収400万円 | 3,773万円 | 2,167万円 |
年収500万円 | 4,717万円 | 2,684万円 |
年収600万円 | 5,661万円 | 3,040万円 |
年収700万円 | 6,604万円 | 3,526万円 |
年収800万円 | 7,548万円 | 4,043万円 |
※フラット35、ボーナス払いなし、金利1.56%、元利均等返済方式
家庭の事情によって、表の目安金額から前後します。年齢や貯金の額、家族構成などの違いで、住居費に回せる金額が変わるからです。
予算を決める際は、家計の専門家のFPや、住宅ローンに詳しい不動産屋に、無料で相談できるサービスを活用してみてください。
②希望の条件に優先順位をつける
立地や周辺環境など、希望の条件には優先順位をつけるべきです。中古の物件情報は、条件が厳しすぎると見つかりません。
不動産屋に希望を伝えるため、ポータルサイトの検索条件を参考に、以下のようなメモをとっておくとスムーズです。
- 東京23区:中古マンション
- 販売価格:3,500~4,000万円
- 専有面積:60㎡以上
- 間取り:2LDK以上
- 駅徒歩:10分以内
- 階数:2階以上
- 共用部:エレベーター、駐車場
- セキュリティ:オートロック
- 築年数:20年以内
- 方角:南向き
- 設備:浴室乾燥、ウォークインクローゼット
出典:at homeの検索条件を参考に作成
候補の物件が見つからない場合は、優先順位が低い条件から緩和して、理想に近づけていきましょう。
③リノベーションで選択肢を広げる
気に入る物件が見つからないなら「リノベーション」で選択肢を広げられます。
リノベーションとは、部分的なリフォームより大幅に工事して、物件に新たな価値を生み出す方法のことです。
新築よりコストを抑えて、自分好みの新しい内装にできます。現状の設備や間取りに関係なく、予算内で理想に近づけられます。
リノベーションにご興味があれば、関連記事で詳しく解説しています。
④見に行く前に情報収集する
候補が定まったら、インターネットで情報収集しましょう。災害リスクなどの重要なポイントは、内見に行く前に調べておくと良いです。
参考サイトを以下にまとめたので、確認したい内容によって見てみてください。
調べられる内容 | |
---|---|
ハザードマップ | 洪水や土砂災害などの災害リスクをチェックできる |
犯罪情報マップ | 犯罪発生状況などを見て治安を確かめられる |
ガッコム | 保育園~中学校までの学区や学校の口コミを確認できる |
大島てる | 事故物件の情報を確かめられる |
REINSの公開情報 | 過去の取引事例で相場がチェックできる |
ネガティブ情報検索 | 不動産屋が過去に行政処分を受けていないか調べられる |
街の評判ランキングや、口コミなども参考にできます。不安材料が見つかったら、不動産屋に質問して、事前に解決しておきましょう。
⑤定期的に物件を紹介してもらう
買いたい物件がない場合は、定期的に物件を紹介してもらいましょう。時期を変えれば、希望に合う物件が見つかる可能性が上がります。
不動産屋と繋がっておけば、情報を得られるチャンスが増えます。掘り出し物を逃さないように、相性の良い担当者を早めに見つけておいてください。
希望に合った新着物件を提案してもらったり、予算オーバーで諦めた物件の値下げ情報を教えてもらったりもできます。
中古物件を探すときの4つの注意点
中古物件を探すときの注意点を、4つにまとめました。
- ①築何年によって費用が大きく変わる
- ②ローンの事前審査が通るか確認すべき
- ③受けられる減税制度をチェックする
- ④売主が個人か法人か確認しておく
1つずつ詳しく解説していきます。
①築年数によって費用が大きく変わる
中古物件は、築年数によって費用が大きく変わります。販売価格の他にも、受けられる減税やローンの審査など、築年数の違いによる影響は大きいです。
国はどちらかというと新築の税金を優遇しています。築年数が古い物件は販売価格が安いですが、減税の制度は新築より少ないです。
また、金融機関によっては「築30年以上はローン対象外」など、借りるための条件が決まっています。
不動産屋は、ローン審査や税金の優遇まで意識して物件紹介しています。予算など、条件を正確に伝えられていれば、心配しすぎる必要はありません。
「既存不適格」の物件にも要注意
中古物件を探すときは「既存不適格」の物件に気を付ける必要があります。主に戸建てで注意したいポイントです。
既存不適格とは、建てられた当時から法律や環境が変わって、建て替えなどに制限がある建物のことです。将来の増改築や売却を考えると、購入のリスクが高いです。
気に入った物件が既存不適格なら、デメリットまで必ず説明を受けましょう。不動産屋が紹介する場合は、事前に伝えてもらえます。
②ローンの事前審査が通るか確認すべき
気になる物件が決まった段階で、ローンの事前審査(仮審査)を受けて、通るか確かめたほうが良いです。最終的な本審査に通るかの目安にできます。
金融機関は、不動産の価値(担保評価)を審査します。万が一、ローン返済が難しくなったときは、不動産を売り(競売)に出して、資金を回収するからです。
中古は新築より担保評価が低く、ローンの条件が厳しくなる傾向があります。既存不適格など担保評価が低い物件は、ローンが組めない場合があります。
「頭金が20%は必要」など、審査に通る条件を具体的に教えてもらえるケースもあるので、早めに動いておくべきです。
③受けられる減税制度をチェックする
国税庁の「暮らしの税情報」などを見て、マイホームに関する減税制度をチェックしておきましょう。中古と新築で、減税を受けられる条件が異なります。
「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が受けられると、節税の効果が大きいです。住宅ローンの残りの最大0.7%の減税を、10年間も受けられます。
- ・床面積が登記簿上の面積で50㎡以上
- ・合計所得が2,000万円以下
- ・取得後6ヶ月以内に入居して住み続ける
- ・家の半分以上が居住スペース
- ・耐震基準を満たす(1982年以降の建築)
- ・10年以上の住宅ローンを組む など
広さと築年数は、必要性の他に減税まで意識して決めたほうが良いです。不動産取得税や固定資産税、印紙税などの優遇にも関わります。
幅広い知識をつけて、少しでもお得に買いましょう。住宅ローン控除については次の記事でも詳しく解説しています。
④売主が個人か法人か確認しておく
売主が法人(不動産屋など)でないか確認しておきましょう。販売価格が割高な可能性があるためです。
不動産屋が買い取って再販している「リノベ済み物件」には、個人の売主から買うときは不要な「建物の消費税」が含まれています。
売主が不動産会社だと、仲介手数料が不要な場合があります。ただ、手数料は販売価格の3%+6万円なので、建物の消費税(10%)を含むならお得とは言いづらいです。
売買価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
1,000万円 | 39.6万円 |
1,500万円 | 56.1万円 |
2,000万円 | 72.6万円 |
2,500万円 | 89.1万円 |
3,000万円 | 105.6万円 |
3,500万円 | 122.1万円 |
4,000万円 | 138.6万円 |
4,500万円 | 155.1万円 |
5,000万円 | 171.6万円 |
購入にかける費用と物件が見合っているかは、さまざまな視点から見極める必要があります。
FPや不動産屋のアドバイスを受けたり、幅広い知識をつけて、失敗しない中古物件探しをしてください。
内見でチェックする項目を決めておく
効率的な内見のために、チェックする項目を決めておきましょう。1~2回の内見で、問題がないか見極められると理想的です。
物件によっては、既にライバルがいたり、売主がまだ住んでいたりして、見れるチャンスが少ない場合があります。
基本的なチェック項目をまとめたので、参考にしてみてください。
室内のチェック項目 | |
---|---|
眺望・日当り・風通し | 洗濯物が乾かせそうか、湿気が逃がせそうか |
防音性の確認 | 室内での音の響き方や、外からの聞こえ方 |
におい | カビ臭さなど、近辺にゴミ屋敷がないかも確認 |
広さやお部屋の数 | 狭くないか、将来持て余さないか、減税を受けられるか |
水回り | 位置は問題ないか、配管の傷みは問題ないか |
リフォーム可否 | 希望のリフォームが可能か |
必要な施設はあるか | スーパー、コンビニ、病院、薬局、銀行、役所など |
---|---|
時間帯や曜日の違いは | 朝・昼・夜、平日・休日すべて問題ないか |
騒音やにおいの確認 | 感じ方は人により違うので、同居家族がいれば全員 |
外観など | 外壁の傷みや落書きの有無、排水周りの状態 |
---|---|
ゴミ捨て場や廊下 | 清掃されているか、物が散らかっていないか |
掲示板・共用ポスト | 掲示板は更新されているか、散らかっていないか |
家具の搬入経路 | エレベーターや階段も確認 |
防犯性のチェック | オートロック、防犯カメラ、侵入経路など |
内見には不動産屋のスタッフが同行します。お店から連れて行ってもらうか、現地で待合わせする方法が一般的です。
メールやLINEなどで物件紹介を受けて、候補を絞っておくとスムーズです。候補が決まっていれば、見に行く当日に、効率良く回れます。
物件の状態は書類でもチェックできる
内見の他に、書類でも物件の状態がチェックできます。契約時に使う説明書類を、早めに見せてもらえないか確認してみてください。
確認できる内容 | |
---|---|
物件状況報告書(告知書) | 雨漏りやシロアリ被害、修繕履歴などがまとめてある |
付帯設備表 | 物件と一緒に引き渡される設備や家具が示してある |
マンション管理組合の書類 | 大規模修繕の計画や管理状態、改修状況が確認できる |
重要事項説明書のひな型 | 契約不適合責任などの重要なルールがまとめてある |
売る側の事情で、内見までの取り寄せが難しい書類もあります。書類が見れないときは、確かめたい部分を文章にして、不動産屋に回答してもらいましょう。
主に中古のマンション購入についての注意点をまとめた記事で、より詳しく解説しています。
建物に不安があれば住宅診断を依頼する
建物の劣化が心配なら、住宅診断(ホームインスペクション)を依頼して、物件の状態が確かめられます。
住宅診断とは、住宅の専門家(ホームインスペクター)が物件を全体的に調査して、強度や経年劣化を報告してくれるサービスのことです。
費用の目安は10万円前後で、物件によって実施の有無や、誰が費用を払うかが異なります。
物件の状況が確認できる書類が少ない場合は、売る側の負担で実施してもらえないか、相談してみてください。
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利用手順 |
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