「中古マンションは値引きできる?」「相場はいくら?」などの疑問を解決します!
値引き交渉を成功させるための5つのコツや、失敗しにくい交渉の例を紹介します。値切りが成功しやすい物件の特徴や、交渉のタイミングまで徹底解説します。
この記事は、ファイナンシャルプランナーの、岩井勇太さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
中古マンションは売主次第で値引き可能
中古マンションの多くは、値引きが可能です。物件情報の「販売価格」や「売り出し価格」はあくまで売主の希望で、定価はありません。
最終的に支払う「成約価格」は、売主と買主の交渉次第で決まります。
売買の値引き交渉は「指値(さしね)」とも呼ばれます。売主の「出値(だしね)」と調整して、双方が納得した金額で、売買契約に進みます。
中古マンションは、空きが出た賃貸と同様に、各地で1部屋ずつ募集されます。申し込みは、基本的に先着順です。ライバルが現れなければ交渉は通りやすいです。
新築マンションは、中古マンションより値引きが難しいです。建築中から募集が始まり、交渉のないライバルが現れやすいからです。また、申し込みが抽選のケースも多いです。
岩井
値引きの相場は販売価格の3~5%
一般的に、値引きの相場は販売価格の3~5%です。販売価格ごとに値引きの目安をまとめたので、参考にしてください。
値引きの目安 | 値引き率 | |
---|---|---|
1,000万円 | 約50~100万円 | 約5~10% |
1,500万円 | 約80~150万円 | 約5~10% |
2,000万円 | 約80~200万円 | 約4~10% |
2,500万円 | 約80~200万円 | 約4~8% |
3,000万円 | 約80~200万円 | 約3~7% |
3,500万円 | 約80~200万円 | 約2~6% |
4,000万円 | 約80~250万円 | 約2~6% |
4,500万円 | 約100~250万円 | 約2~5% |
5,000万円 | 約100~250万円 | 約2~5% |
5,000万円超 | 約100~300万円 | 約1~5% |
販売価格が安いほど値引ける額は少ないです。また、販売価格が高い物件は条件が良く人気があるので、値引き率が低いです。
売主の考え方は物件によって異なるので、相談次第だと覚えておいてください。
統計では募集より成約価格が5~10%安い
統計では、販売価格よりも成約価格が5~10%安い傾向があります。データからも、市場では値引き交渉が頻繁にあるとわかります。
東日本不動産流通機構の2020年度統計より、首都圏の成約価格と販売価格の平均を、築年数ごとにまとめました。
出典:REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)
以下にグラフの数字と、販売価格に対する成約価格の差を表にしました。
販売価格 | 成約価格 | 価格差 | |
---|---|---|---|
~築5年 | 6,203万円 | 5,883万円 | -5.2% |
~築10年 | 4,988万円 | 5,071万円 | +1.7% |
~築15年 | 4,320万円 | 4,484万円 | +3.8% |
~築20年 | 4,534万円 | 4,174万円 | -7.9% |
~築25年 | 3,370万円 | 3,202万円 | -5.0% |
~築30年 | 2,107万円 | 1,884万円 | -10.6% |
築31年~ | 2,275万円 | 1,904万円 | -16.3% |
出典:REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)
はっきり差がわかるのは築30年以降で、統計だけでは値引きの根拠として薄いです。データからは、築年数が経つほど、金額が安くなるとわかります。
築30年以上などの築古物件は、価格の安さが最大のメリットです。以下の記事でも、詳しく解説しています。
中古マンションの価格自体は上昇傾向
東日本不動産流通機構の2016~2020年統計によると、首都圏での中古マンションの価格は、成約価格と販売価格どちらも上昇傾向です。
出典:東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2020年度)
築年数の経ったマンションも「レトロモダン」「和モダン」などの人気が高まっています。
築年数に関わらず、中古マンションの値引きのハードルは、年々上がっていると言えます。
端数の値引きは応じてもらいやすい
値引きでもっとも多いのは端数の値引きです。例えば、販売価格が3,950万円なら、50万円の値引きが通る可能性は高いです。
端数と言っても十万円単位です。3,950万円から3,500万円といった交渉は、難易度が上がります。
また、交渉は購入前提でおこなうのが原則です。「安くなれば買う」ではなく「絶対に買うので○○円値引き希望」といった交渉のほうが通りやすいです。
中古マンションを値引く5つのコツ
値引き交渉を上手に進める5つのコツを紹介します。値引きの成功率を上げるためにも、ぜひ参考にしてください。
- ①仲介の担当者を味方につける
- ②関係者への印象を良くする
- ③住宅ローンの事前審査を受けておく
- ④購入の意思を伝えるため具体的な金額を示す
- ⑤ライバルの少ない時期を選ぶ
以下で、1つずつ詳しく解説します。
①仲介の担当者を味方につける
仲介の担当者は、確実に味方につけましょう。中古マンションは個人の売主が多く、買う側と売る側に、手続きを仲介(媒介)する不動産屋が入ります。
基本的に、交渉は仲介の担当者を通します。図で言うと、業者Aです。予算を正確に伝えて、値引き交渉にも尽力してもらいましょう。
不動産屋が間に入るときは、内見などで売主と話す機会があるとしても、お金の話は不動産屋に任せるべきです。
仲介の担当者は、交渉が原因で契約が流れないように、調整してきた経験が豊富です。自分で売主に交渉するよりスムーズで、成功率が高いです。
売主が不動産屋の物件は値引きが難しい
売主が不動産屋(法人)だと交渉は難しいです。会社のルールに基づいて、最初から売れそうな金額にしてあるからです。
大幅な値引きは難しいので、十万円単位で端数の値引きだけでも、成功と考えるべきです。
担当者の目標や決算期前などで、売上を急いでいるときは、値引きしてでも売りたいと考える場合はあります。
②関係者への印象を良くする
家を買う際に関わる関係者には、丁寧に接して印象を良くするべきです。見た目や態度の印象が悪いと、値引き交渉は断られてしまいます。
乱暴な言動で接したり、強気に交渉したりすると、購入自体を断られます。契約後のトラブルが予想されるからです。
内見などで売主が立ち会うケースもあります。建物の傷みや設備の故障を指摘した値引きや、不愛想な態度は禁物です。
書類の準備や待ち合わせなど、約束や時間も守りましょう。手続きが滞ると、返済期日や契約内容を守れるかを心配されて、ローンや売買契約を断られやすくなります。
岩井
③住宅ローンの事前審査を受けておく
交渉をスムーズに進めるために、住宅ローンの事前審査を受けておきましょう。値引きなしで買える支払い能力を、早めに示す必要があるからです。
金融機関によっては、物件が決まる前でも事前審査が受けられます。審査に出して3~7日で結果がわかります。
事前審査の前に値引き交渉すると、支払い能力を心配されます。ライバルにお部屋をとられてしまう可能性も上がります。
ちなみに、売買契約の後には「本審査」があります。事前審査に通っていれば、本審査は概ね通過できます。
事前審査の方法はさまざま
事前審査は、金融機関の窓口に申込書を提出するか、インターネット上で手続きします。
必要書類を持って窓口に行けば手続きできます。電話かWEBで予約してから行ったほうがスムーズです。
事前審査に必要な書類 | |
---|---|
身分証明書 | 運転免許証、健康保険証、パスポートなど |
収入証明書(前年分) | 源泉徴収票、確定申告書、納税証明書など |
印鑑 | 認印、実印 |
物件の資料 | 検討している物件や、予算に合う物件の図面など |
金融機関によって必要書類は異なるので、行く前に確認しましょう。
インターネットの簡易的な事前審査は、交渉の材料に使えないケースがあるので要注意です。
④購入の意思を伝えるため具体的な金額を示す
交渉の際は、いくら値引きがあると納得するか明確に伝えましょう。「限界まで値引いてほしい」などの曖昧な伝え方だと、買う気がないと心配されやすいです。
100万円単位など、キリの良い常識的な金額で伝えるべきです。計算しづらい金額より、検討してもらいやすいです。
また、優先順位を確保するためにも「値引きがなくても仕方ないので検討してほしい」と伝えましょう。
場合によっては、値引きがなくても購入するか確認が入らずに、他の購入希望者が優先されてしまうからです。
⑤ライバルの少ない時期を選ぶ
家を買う人が少ない5~8月と、年末の12月、年始の1月は交渉が通りやすいです。ライバルが少なく、売主が値引いてでも売りたいと考えるからです。
繁忙期は値引きしない買主が現れやすく、交渉が通りにくいです。子どもの入学や進学に備えた2~3月と、気候が穏やかで動きやすい9~10月は、値引きが難しいです。
統計から、月ごとの成約件数をグラフにまとめました。2018~2020年度の、首都圏での中古マンション販売件数です。
出典:東日本不動産流通機構 レインズデータライブラリー
中古マンションは、内装工事にかかる時間も考えて、早めに購入するケースが多いです。それでも2~3月と9~10月は、家を買う人が多いとわかります。
岩井
値引き交渉するときの伝え方の事例
「不動産屋A」に交渉を依頼する前提で、良い伝え方の例を3つ紹介します。実際に交渉するときの参考にしてください。
夫婦と子ども1人の3人暮らしで、販売価格は3,450万円の設定です。
他の物件を引き合いに出した交渉
他の物件との価格差を伝えると、検討してもらいやすいです。
値引きが0円でも買いたいのに、家族の了解がとれないときは相談してみましょう。
具体的に、金額と理由まで伝えられています。300万円は難しいかもしれませんが、交渉には前向きに動いてもらえます。
交渉が通らなかったときは、端数だけでも値引いてもらいましょう。
内装工事の費用がかさむ旨を相談
リフォーム前の物件なら、内装工事の費用がかさむ旨を相談してみましょう。見積もりまでとれると説得力が出ます。
ストレートに伝えるよりは、協力をお願いするような伝え方のほうがうまくいきます。
「リノベーション」とは、住める状態まで直すリフォームより大幅に内装工事して、お部屋を生まれ変わらせる方法のことです。
内装工事の代金を考えて値引きが入るケースは多いです。200万円の値引きが通らなければ、工事費用を抑えるか、ローンに含める方法もあります。
ちなみに、リフォーム済みの物件でも、設備や傷の状態が気になる場合があります。直す代金分の値引きが通らなくても、補修してもらえる場合があります。
家計の事情を話してみる
物件には値引きの理由が見つからないときは、家計を相談してみましょう。
支払い能力を心配されるマイナスの話ではなく、ライフイベントに関する前向きな話が良いです。
お祝いの意味で値引いてもらえる可能性が上がります。関係者も人間なので、関係を構築して誠実に対応することが大切です。
家は人生でもっとも大きな買い物です。少しでも安く買えるように相談してみましょう。
値引きが成功しやすい物件の3つの特徴
売る側の事情によって、値引きが成功しやすい物件があります。見分けられるものもあるので、特徴を3つ解説します。
- ・募集開始から時間が経っている
- ・周辺相場より販売価格が高め
- ・売主側に早く売りたい事情がある
募集開始から時間が経っている
募集開始から3ヶ月以上経過している物件は、値引き交渉が成功する可能性が高いです。多くの物件は、募集開始から3~4ヶ月以内には、買い手が付くからです。
一般的に、売主側の不動産屋は、3ヶ月単位で媒介契約を結んでいます。不動産屋は契約期間内に売れるように努力するので、3ヶ月以内に売れる傾向があります。
また、3ヶ月を節目に売主側の不動産屋が変わったり、価格の見直しが入ったりするので売れやすくなります。
統計でも募集開始から3ヶ月で売れている
中古マンションの募集情報を、不動産業者専用の物件情報サイト「REINS」に新規登録してから、成約までの平均日数の統計を5年分まとめました。
統計でも売れるまで約80~90日なので、3ヶ月程度で売れているとわかります。
平均日数 | |
---|---|
2016年 | 71.6日 |
2017年 | 75.8日 |
2018年 | 79.4日 |
2019年 | 82.4日 |
2020年 | 87.0日 |
出典:東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2020年)
買い手がつかない期間が3ヶ月を超えていて、売主が「値引いてでも早めに売りたい」と考えれば、販売価格の5%を超える大幅な値下げもあり得ます。
周辺相場より販売価格が高め
周辺相場より販売価格が高い物件は、値引きの余地があります。交渉が通りやすいのは、主に値引き前提で高くしている場合です。
理由によっては交渉が難しいので、値段設定が高い理由と、値引きの難易度を以下にまとめました。
交渉の通りやすさ | |
---|---|
値引き前提の価格設定 | 通りやすい |
高く売りたいが売却を急いでいる | 通りやすい |
高く売りたいため強気の価格設定 | やや難しい |
売主が相場に詳しくない | やや難しい |
土地価格(地価)が上昇する見込み | 難しい |
売却を急いでおらず高く売りたい | 難しい |
募集開始したばかり | 難しい |
内装工事にお金をかけている | 難しい |
戸数が少なく希少性が高い | 難しい |
募集から2~3ヶ月を超えるまでは、値引きの難易度が高い場合が多いです。売主が売れる値段と考えている間は、相場との差が大きくても様子を見るからです。
内装工事にお金をかけている、戸数が少なくて募集が珍しいなどの理由で、相場より高くても妥当な物件もあります。
周辺相場を調べる方法
周辺相場を調べたいときは、ネット上の査定で目安を確かめたあとに、募集情報や取引事例を比較する方法がおすすめです。
at homeの簡易査定などで、相場の目安を調べられます。エリアや駅からの徒歩距離、築年数や専有面積を入れれば、間取りごとの価格帯がわかります。
取引事例は、REINS Market Informationで確認できます。築年数や面積を指定できるので、候補物件と似た情報を見つけて、比較してみてください。
土地の価格(地価)は、国土交通省の「土地総合情報システム」で確認できます。地価の差が、販売価格に関係あるか確かめられます。
売主側に早く売りたい事情がある
売主側に売却を急いでいる理由があるときは、交渉が成功しやすいです。値引きしてでも早く売りたいと考えるからです。
以下のような理由であれば、急いで現金が必要な可能性が高いです。
- ・転勤や転職で引っ越しが決まっている
- ・離婚のため物件を早く手放したい
- ・新しい物件を買う予定がある
- ・ローンの残債務を売却代金で返済する予定
- ・売れない期間が長い(2~3ヶ月以上)
- ・相続税などのまとまった支払いがある
- ・決算期が近く売上がほしい(法人の売主)
売主が売却とあわせて住み替えを予定しているときは、値引きに応じてもらいやすいです。
投資目的の売買や相続した物件など、住んでいない家を売りに出しているケースもあります。現金化を急いでいるほど、交渉の成功率は高いです。
岩井
値引き交渉の適切なタイミングと流れ
値引き交渉は「購入申込」の前がベストです。申込書を出した段階で、金額に納得していると伝わるからです。
申込書を出した段階で、まだ売主に購入意欲を心配されている状態だと、他のライバルと天秤にかけられてしまいます。
内見を回って、購入予定の物件が決まった後の流れを、時系列に沿ってまとめました。実際の値引き交渉に活かしてください。
- ①売却の理由を確認する
- ②住宅ローンの事前審査をしておく
- ③値引き交渉と購入申込
- ④交渉結果が出て契約の判断をする
①売却の理由を確認する
売却の理由は、仲介の担当者を通して確認します。個人情報の関係で詳細が聞けない場合がありますが、できるだけ細かくヒアリングしてもらいましょう。
値引きの余地がある売却理由なら、相場や周辺の募集状況を調べて、金額が妥当かを確かめてください。実際の物件情報など、交渉のための資料も用意するべきです。
ちなみに、自分が納得できる金額なら、値引きしないのも手です。交渉しなければスムーズに手続きが進むからです。
②住宅ローンの事前審査をしておく
購入すると決めたら、住宅ローンの事前審査を進めましょう。金融機関を選んで、ローン審査の申込書を提出します。
金融機関の比較は、インターネットの比較サイトがおすすめです。住宅ローン比較窓口などのサイトで、ローンの内容や審査日数の目安まで比較できます。
住宅ローン選びは、年収ごとに記事をまとめているので、参考にしてください。
年収ごとの住宅ローン記事 | |
---|---|
年収350万円 | 年収400万円 |
年収500万円 | 年収600万円 |
年収700万円 | 年収800万円 |
物件が決まっていない段階でも、できれば事前審査を通しておくとスムーズです。借りられる金額を把握しておくと、予算を見誤らずに済みます。
事前審査の最適なタイミングについては、次の記事でも解説しています。
③値引き交渉と購入申込
事前審査に通っている前提で、仲介の担当者に値引き交渉を相談します。売主側との具体的な交渉は任せて、値引いてほしい理由や金額を、明確に相談してください。
仲介の担当者とは連絡を何度もとりあうので、電話やメールでこまめに連携しましょう。
値引き交渉の具体的な内容が決まったら、物件の「買付証明書(購入申込書)」に希望の値段を記載して提出します。
ちなみに、事前審査と購入申込、値引き交渉は、順番が前後するケースも多いです。仲介の担当者に確認しながら進めましょう。
④交渉結果が出て契約の判断をする
交渉の結果が出るまでは2~3日、長くて1週間程度が目安です。一般的に、購入申込から1週間を目安で売買契約を結ぶので、交渉の回答は早めにもらえます。
値引き交渉が通れば「売渡証明書」などの取引条件を示す書類がもらえます。
希望の交渉が通らないときは「値引きは○○円まで」「一切値引きはできない」などの回答が口頭でもらえます。
販売代金の他に交渉できる費用は少ない
値引き交渉を断られた場合は、販売価格10%ほど別にかかる「諸費用」を交渉したり、節約したりするのも手です。
諸費用のうち、交渉できるのは「仲介手数料」です。ただし、仲介手数料の値引きは、慎重におこなう必要があります。
不動産屋の主な収入源なので、担当者のやる気を削いでしまうリスクがあるからです。
「両手仲介」なら積極的に交渉するべき
取引が「両手仲介」の場合に限り、仲介手数料を交渉したほうが良いです。
以下の図のように、買う側と売る側の間に入る業者が1社の取引を「両手仲介」と言います。
仲介手数料の一般的な計算式は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。不動産屋にとっては、両手か片手かで売上に大幅な差が出ます。
-
▶販売価格が3,000万円の場合
片手:3,000万円×3%+6万円+税=105.6万円
両手:105.6万円×2=211.2万円
両手仲介なら、値引きの余地があるはずです。販売価格を値引けないなら、代わりに仲介手数料を値引いてもらう交渉をしましょう。
「片手仲介」の場合は交渉が難しい
買う側と売る側の間に、不動産屋が2社入る取引は「片手仲介」と呼びます。片手仲介のときは、値引きは難しいと考えたほうが良いです。
片手仲介か両手仲介かは、担当者に直接聞いて大丈夫です。
仕組みを知っていると伝われば、仲介手数料の値引きがなくても良いように、販売価格の交渉などを頑張ってもらえます。
諸費用の内訳を紹介
購入価格の10%程度の「諸費用」について、内訳を紹介します。少しでも節約したいときの節約術もあわせて紹介します。
効果が大きいものを中心にまとめました。住宅ローンに関する手数料や、入居後にずっと支払う保険料で節約できると、負担を抑える効果が大きいです。
内容 | 節約術 | |
---|---|---|
仲介手数料 | 不動産屋への報酬 | 不動産屋に値引き交渉する |
事務手数料 | 金融機関に支払う事務手数料 | 事務手数料が安いローンを選ぶ |
ローン保証料 | 保証会社に支払う手数料 | 保証料が安いローンか保証料不要のフラット35を選ぶ |
保険料 | 建物や家財、地震の保険料 | 保険料が安い保険を選ぶ |
リフォーム費用など | 内装工事費用・オプション設備費用 | 「一体型ローン」を使う |
内容 | 節約術 | |
---|---|---|
団体信用 生命保険料 |
死亡や万が一に備えた保険(金利に上乗せして支払う方法が多い) | 加入が任意のフラット35を選ぶ |
登記費用 | 司法書士への報酬など | 登記を依頼する専門家を自分で探す |
固定資産税 清算金 |
売主が1年分払う税金の日割り清算 | 滞納がないことを確認する |
登録免許税 | 所有権と抵当権の登記にかかる税金 | 軽減措置が受けられる物件を選ぶ |
不動産取得税 | 購入後に1度だけかかる税金(入居後に支払う) | 軽減措置が受けられる物件を選ぶ |
印紙税 | 売買・ローンの契約書にかかる税金 | 軽減措置が受けられる物件を選ぶ |
内装が工事前の中古マンションを買うときは、リフォーム費用、リノベーション費用を考える必要があります。
内装工事の費用は値引くというよりも、工事の内容や建築素材で変わります。
諸費用は値引きや節約より、支払い方法に工夫したほうが、労力に対する効果は大きいです。
岩井
売買契約時に「手付金」が支払えるなら家は買える
家を買うときに、住宅ローン以外に必要な初期費用は、頭金と諸費用、手付金です。
購入時は、手付金を払えるなら家は買えます。頭金が0円の「フルローン」や、諸費用を住宅ローンに含める方法があるからです。
手付金とは、売買契約時に代金の一部を支払う慣習で、相場は「販売価格の5~10%」です。50~100万円など、定額のケースもあります。
売主から、販売代金を値引く代わりに、手付金の増額をお願いされる場合があります。
例えば、200万円値引く代わりに、本来30万円の手付金を100万円にするなどです。
家を買うなら手付金を払っても損はしない
手付金は購入代金に充てられるので、手続きを進めるなら払っても損はありません。ただし、手付金が高額だと一時的な出費は増えます。
また、手付金を払った後は買主から契約解除すると、ペナルティとして没収されます。手付金の値上げは、購入の意思をより強く確かめられていると言えます。
稀に売主側から、契約を解除される場合があります。その際は手付金を払っていると、倍額で返金してもらえます。
岩井
値引き交渉の4つの注意点
値引き交渉で特に気を付ける4つのポイントを解説します。損しないためにも、注意点をふまえた交渉と、引き際が大切です。
- ・ライバルがいるか常に意識する
- ・値引きの理由には根拠と正当性が必要
- ・値引き交渉を引きずらない
- ・すぐ交渉が通ったときも要注意
ライバルがいるか常に意識する
値引き交渉では、ライバルの存在を常に意識する必要があります。自分が1番手で買付申込書を出していても、他の購入希望者が優先されてしまうケースがあるからです。
2番手以降の申し込みが、先に事前審査に通ったときと、現金で購入する交渉を始めたときは要注意です。
特に、現金で買う予定のライバルは、ローンを組んで買う人より優先される傾向があります。売主にとって、契約を撤回されるリスクが少ないからです。
岩井
値引きの理由には根拠と正当性が必要
値引きの理由には、関係者全員が納得できる根拠が必要です。例えば、他にも気になる物件があると伝えるなら、物件の資料や募集状況まで示す必要があります。
相場より高いと伝えるときは、本当に相場より高いと伝わる事例が実在しないと、交渉は通りません。下調べは入念におこないましょう。
値引き交渉を引きずらない
値引き交渉が思い通りにいかなくても、引きずらないことが大切です。交渉結果が出た時点で、買うかどうか決めましょう。
交渉後に売主が示した条件に再度交渉したり、契約手続きの当日に、ハンコを押す前に交渉を蒸し返したりするのは禁物です。
契約するまでは、売る側は売らない判断をできます。契約が流れるのは時間や手間がもったいないので、心理戦に時間を使うのは避けたほうが良いです。
すぐ交渉が通ったときも要注意
すんなり交渉が通ったときも要注意です。最初から値引きを考えた価格設定なら、値引いた後も割高な金額かもしれません。
家に欠陥があったり、周辺住民のトラブルがあったりする可能性も0ではありません。値引きできる理由に問題がなさそうか、しっかり確認しましょう。
中古マンション購入前の注意点は、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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また、「金利タイプが選べないので教えてほしい」「団信の種類を教えてほしい」など、細かい質問をプロのアドバイザーにすることもできます!住宅ローンの下調べに活用しましょう。
利用手順 |
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1.モゲチェックの公式サイトにアクセス 2.メールで会員登録&5分で情報入力 3.住宅ローンプランが比較できる 4.【必要に応じて】アドバイザーに質問できる |