マンションの維持費はいくら?抑えるコツや戸建てとの違いを徹底解説!

PR
マンションの維持費はいくら?のアイキャッチ

「マンションの維持費はいくら必要?」「安く維持していくための方法は?」といった疑問を解決します!

マンションの維持費を抑えるコツや、30年間住んだ場合のシミュレーションを交えてわかりやすく解説します。最後に維持費に関してよくあるQ&Aもまとめています。

この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井さんに監修してもらいました。

監修 岩井 勇太
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士

日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。

マンションの維持費の目安は?

マンションの維持費の目安は、少なくとも毎月3~4万円、年間で40万円ほどかかると考えておくべきです。

主に建物のメンテナンス費用や税金などです。種類と大まかな目安を表にまとめました。

毎月の目安 1年間の目安
修繕積立金 1~1.5万円 12~20万円
管理費 1~1.5万円 12~20万円
固定資産税など 年単位でかかる 10~20万円
火災保険・地震保険 数年分を支払う 2~4万円
駐車場代 1~5万円 10~40万円
駐輪場代 数百~千円程度 数千円
ルーフバルコニー・専用庭 千円程度 1万円前後
町内会費 数百~千円程度 数千円
合計 月3~6万円 年40~80万円

※3,000万円程度の物件を想定、駐車場代・駐輪場代は使用する場合のみ

維持費が適切かは、マンションごとに見極める必要があります。同じ広さでも築年数や立地で金額が変わるからです。

毎月かかる費用と、年単位の費用があります。内装や設備の修理費用など、不定期なコストもかかります。

維持費までふまえて物件を選びましょう。まとまった支払いに備えて、貯金できる余裕を作ることが大切です。

岩井
岩井
平均的な目安を知っておくと、物件の購入前に維持費が高すぎないか見分けられます。長く住むなら、必要以上に維持費が高い物件は避けるべきです。

主な維持費は修繕積立金と管理費

マンションの主な維持費は修繕積立金と管理費です。どちらも、みんなで使う「共用部分」の住みやすさや資産価値を保つための費用です。

修繕積立金は10数年に1度の「大規模修繕」に備えて、マンション管理組合で積み立てる費用です。管理費は敷地と共用部分の日常的なメンテナンスに使われます。

メンテナンスは管理会社がおこなう物件がほとんどで、依頼する料金も含まれています。統計から1都3県の平均価格をまとめたので、参考にしてください。

修繕積立金 管理費 合計
東京都 10,816円 13,566円 24,382円
埼玉県 10,647円 10,517円 21,164円
千葉県 11,523円 10,902円 22,425円
神奈川県 11,586円 11,900円 23,486円

出典:東日本不動産流通機構 REINS TOPIC(2020年度)

平均では合計2万円強で、大差がないとわかります。実際は、築年数や規模によって金額が異なります。

金額は安さより、管理状態に見合っているかが大切です。修繕積立金が不足したり、日々のメンテナンスがずさんだと、建物の寿命が縮まるからです。

修繕積立金と管理費や、マンション管理組合については、次の記事でも解説しています。

関連記事

▶修繕積立金と管理費の解説はこちら
▶マンション管理組合の解説はこちら

不動産の所有者には税金がかかる

マンションを購入すると、固定資産税と都市計画税(固都税)がかかります。どちらも不動産の所有者が納める税金です。

軽減措置をふまえると、年間で10~15万円が目安です。年4回に分けて払うケースが多く、月に直すと「0.8~1.3万円」です。

高額な物件ほど、税金は高くなります。建物と土地の評価額(固定資産税評価額)をもとに計算されるからです。

基本的な計算式
  • 固定資産税:固定資産税評価額×税率(1.4%)
  • 都市計画税:固定資産税評価額×税率(0.3%)

固定資産税評価額は新築時の50~60%ほどが目安です。税率は地域により異なるので、自治体のホームページなどでも確かめましょう。

収入に見合った物件を選べば、払えない事態は防げます。軽減措置が受けられる物件を選べば負担を抑えられます。

中古マンションでは、事前に税額を確かめられます。新築マンションは減税が手厚いですが、予算に余裕が必要です。購入時点では目安しかわからないからです。

岩井
岩井
固都税は所有者が払う税金なので、土地が「借地」の場合はかかりません。代わりに地主さんに「地代」を払う必要があります。以下の記事でも詳しく解説しています。

▶マンションの固都税の解説はこちら

保険料は補償の手厚さや広さで変わる

室内(専有部分)の保険料は、補償の手厚さや広さで変わります。火災や地震のリスクに備えて、最適なプランで契約しましょう。

最初は購入時に、数年分をまとめて支払います。年あたり2~4万円かかると考えて、貯金しておかないといけません。

共用部分の保険は管理組合で加入するケースがほとんどです。管理費に関係するので、どんな保険に入っているか確認が必要です。

必要に応じてかかる費用がある

駐車場や駐輪場の利用料金、ルーフバルコニーの専用使用料など、使う人だけがかかる費用もあります。

室内の維持費は基本的に自己負担です。設備に不具合があった場合や、内装のバリアフリーリフォームなど、まとまった出費に備えて貯金が必要です。

国土交通省の資料などを参考に、修理にいくらかかるかを考えておくべきです。予算ギリギリの物件を買うと、入居中のトラブルに備えられません。

岩井
岩井
マンションの維持費の他に、水道光熱費や生活費もふまえて予算を決めましょう。安く買えても、維持費がかさむと住宅ローンの返済が大変です。

維持費を抑える5つのコツ

維持費を抑える5つのコツをご紹介します。物件探しのときに意識しておくと、割高な物件を見分けられます。

  • ①新築マンションを選ぶ
  • ②駐車場代を抑える
  • ③保険の内容を見直す
  • ④戸数が多いマンションを選ぶ
  • ⑤管理状態を内見で確かめる

1つずつ詳しく説明します。

①新築マンションを選ぶ

新築マンションのイメージイラスト

新築マンションは、10年ほどは内装の修繕費がほとんどかかりません。また、修繕積立金が安く設定されているケースが多いです。

減税が中古より手厚く、トータルの出費を抑えられます。最大13年間も所得税が減らせる「住宅ローン控除」の上限額や、固定資産税の優遇で差が大きいです。

物件価格は高額で、初期費用で「修繕積立基金」「管理準備金」が合計20~50万円かかるので、予算には余裕が必要です。

関連記事

▶新築マンション購入の注意点はこちら
▶マンションの新築と中古の損得の比較はこちら

維持費は築年数とともに値上がりする

マンションの維持費は、新築に近いほど安く徐々に値上がりしていきます。時間が経つほどメンテナンス費用がかさんだり、必要な積立金が見直されたりするからです。

新築や築浅の維持費は、安すぎないかも考えるべきです。管理組合の収支状況によっては値上がりしていく幅が大きいです。

中古マンションは、維持費が妥当かチェックしやすいです。積み立ての状況や管理状態が事前に確かめられるためです。

②駐車場代を抑える

駐車場代が抑えられると節約の効果が大きいです。車があるなら、駐車場が高額でないか必ず確かめましょう。

好立地のエリアでは、月額が3~5万円など高めの物件があります。年間40~60万円の負担になるなら、近隣で駐車場を探すなど工夫するべきです。

駐車場は管理組合に利用料を払う「賃貸方式」が多いです。中には区画を購入する「分譲方式」もあり、固定資産税などの維持費が増える場合があります。

岩井
岩井
空きが多い機械式駐車場がある物件は特に慎重に見極める必要があります。駐車場代の収入よりもメンテナンス費用がかさむと、修繕積立金や管理費が値上がりする可能性が高いです。

③保険の内容を見直す

保険料は補償の手厚さによって変わります。不要なオプションを外して、年あたり数万円抑えられる場合があります。

例えば、2階以上で洪水のリスクが少ないなら水災のオプションを外すなどです。必要以上に手厚い内容となっていないかチェックしてみてください。

万が一に備えて、家財と地震の補償は付けたほうが良いです。「価格.com」などの比較サイトで、価格や内容を比べて検討できます。

ちなみに、新築マンションや築10年未満の中古マンションは、保険の「築浅割引」が受けられるケースがあります。

④戸数が多いマンションを選ぶ

戸数が多いマンションは、維持費が抑えられるケースが多いです。1世帯あたりの負担が減らせるためです。

国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果から戸数ごとの統計を紹介します。20戸以下の平均価格は高めです。

修繕積立金 管理費
20戸以下 14,722円 13,260円
21~30戸 11,416円 12,106円
31~50戸 12,028円 9,847円
51~75戸 9,850円 10,386円
76~100戸 10,872円 11,490円
101~150戸 10,058円 9,451円
151~200戸 10,526円 10,989円
201~300戸 10,467円 11,662円
301~500戸 13,566円 14,022円
501戸以上 11,967円 10,767円

出典:平成30年度マンション総合調査結果 (専用使用料等は除いた統計)

100~200戸あたりは平均価格が安いですが、300戸を超える物件は高めです。大規模な分譲マンションは、共用設備が充実しているためと考えられます。

戸数が少ないほど、1世帯あたりの負担が増えやすい点は押さえておきましょう。

⑤管理状態を内見で確かめる

管理状態を、現地を内見(内覧)して確かめましょう。メンテナンスが不十分で傷んでいる物件は、大規模修繕の費用が高額になります。

修繕積立金が不足して、値上がりや一時金の請求がある可能性があります。外壁が傷んでいないか、コストがかかる共用設備がないかなど、自分の目で確かめるべきです。

ただし、新築マンションは購入前に見れないケースが多いです。建築中から販売開始するためです。内見のポイントは、中古マンションを例に、次の記事で解説しています。

▶中古マンションの注意点50項目はこちら

管理組合の書類でも維持費が確かめられる

中古マンションでは、管理組合の書類でも維持費が確かめられます。

不動産屋を通して取り寄せできる書類は、内見までに一通り見せてもらいましょう。

確認できる内容
重要事項調査報告書 管理体制や共用部分の情報、耐震診断の有無など幅広く記載
長期修繕計画 大規模修繕の部位ごとの計画と実施状況、収支状況など
総会議案書と議事録 管理組合の総会(話し合い)の議案や決定事項など
管理規約と使用細則 禁止事項やゴミ出しルール、違反者への措置など、入居中のルール

重要な情報は「重要事項調査報告書」にまとめられています。管理組合の収支や維持費が確認できます。

書類の取り寄せや、維持費が価格に見合っているかの見極めは、不動産屋のサポートを受けましょう。

周辺の似た物件と維持費を比較して、妥当な金額かチェックしてもらえます。入居後の負担も考えた予算内で、理想に近づける方法の提案が受けられます。

マンションより戸建てのほうが維持費を抑えられる?

マンションより戸建てのほうが維持費はかからないと言われています。ただし、戸建ては自分で維持管理する手間や、定期的な外壁塗装などまとまった出費があります。

維持費の安さだけを比べて戸建てを選ぶのは、おすすめしません。購入する物件の種類は住みやすさや必要性で決めるべきです。

マンションの維持費が割高かを考えるうえで、戸建ての維持費との比較も解説します。

戸建てはメンテナンス費用がかさむ

戸建てはマンションよりも、まとまったメンテナンス費用がかかります。

修繕積立金や管理費、駐車場代がかかりませんが、10~20年単位で外壁や屋根の補修が必要です。マンションと異なり、1世帯の負担が大きいです。

戸建てでかかるメンテナンス費用の例を、いくつかご紹介します。

価格 周期
白アリを防ぐ処理 15~30万円 5~10年
屋根の塗装 60~80万円 10~20年
屋根の張り替え 130~180万円 30年
外壁の塗装 100~200万円 10~20年
配管の点検や補修 1~3万円 5年
配管の交換 30~50万円 20年

マンションでは、修繕費の大半を毎月少しずつ払います。戸建ては年単位のまとまった出費に備えた貯金が必要で、マンションよりも家計の管理が大変です。

大事に使う、庭の手入れを自分でおこなうなど工夫すれば、マンションよりトータルの維持費を抑えられるケースはあります。

ただし、適切にメンテナンスして住みやすさを保つためには、管理状態の良いマンションより苦労は多いです。

岩井
岩井
建物のメンテナンスが面倒なら、毎月の費用負担で済むマンションがおすすめです。ただし、中には住人で管理する「自主管理マンション」もあるので、管理体制をしっかり確かめて探しましょう。

戸建ては水道光熱費もかさむ

戸建てはマンションより水道光熱費がかかりやすいです。ライフラインに関わる設備にお金がかかるためです。

毎月の費用を抑えたい場合、太陽光発電や都市ガス設備など、省エネ性能にお金をかける必要があります。新築は水道負担金が数十万円ほど必要です。

マンションのほうが冷暖房の効率が良いです。断熱性や気密性が優れているためです。光熱費を抑えたいときは、都市ガスの物件を選ぶくらいで済みます。

岩井
岩井
毎月の維持費の安さだけで戸建てを選ぶと後悔しやすいです。10年間隔のまとまった出費や、光熱費の違いまで長期的に考える必要があります。

注文住宅なら必要に応じた設備を整えられる

土地を購入して家を建てる「注文住宅」なら、完成している建売と異なり、必要に応じた設備を整えられます。

省エネ機能にお金をかけるぶん安い土地を選んだり、ローコスト住宅を建てるなど、費用を抑える工夫がしやすいです。

維持費を考えて家を建てたい場合は、予算を抑えるコツを知っておく必要があります。また、ハウスメーカーは全国に数百社あるので、値段を比較して決めたほうが良いです。

中立な立場のプロにサポートを受けられる

注文住宅に興味があれば「家づくりのとびら」で、経験豊富なアドバイザーに中立な立場からアドバイスがもらえます。

土地を買って家を建てる方法について、業界歴10年以上の専門家に、オンラインで無料相談できます。

資金計画の相談の他に、土地探しやハウスメーカー選びのサポートが受けられます。

HOME4Uのランディングページ

相談者の特典として、予算のシミュレーションと、失敗しない家づくりのノウハウをまとめたガイドがもらえます。

全国で厳選した120社を比較できるので、自分にピッタリのハウスメーカーや適切な予算がわかります。

以下リンク先から30秒程度で簡単に相談予約できます。家を建てたい人はぜひチェックしてみてください。

\ハウスメーカーの専門家に相談できる!/
オンライン無料講座はこちら

維持費をふまえた住居費の比較シミュレーション

維持費に注目して住居費のシミュレーションを作成してみました。30年間住む前提で、4つのパターンを解説していきます。

  • ①維持費が安いマンション
  • ②維持費が高めのマンション
  • ③平均的な修繕費の戸建て
  • ⑤購入せず賃貸に住んだ場合

実際は、維持費の内容によっては値段が上下します。30年間の、平均的な数字を考えて比較しています。

①維持費が安いマンション

維持費が安く、極端に値上がりしなかった場合のシミュレーションです。修繕積立金が1万円未満で、保険は手厚すぎず、車は使わない想定です。

維持費が安いマンション

  • 修繕積立金:年12万円(月1万円)
  • 管理費:年15万円(月1.3万円)
  • 固定資産税など:年12万円
  • 保険料:年1万円
  • 駐車場:利用しない
  • 1年間の合計:約40万円
  • 30年間の合計:約1,200万円

維持費が安いマンションでも、年に約40万円かかります。30年の合計は約1,200万円です。

老後に備えた貯金ができるように、少なくとも年あたり40万円はかかると考えて、家計に余裕を作りましょう。

購入時に新しいマンションは、修繕積立金や管理費が1万円未満だったり、税金の優遇があり安いケースが多いです。20年以内に住み替える前提で、新築や築浅を買うのも手です。

②維持費が高めのマンション

維持費が高めのマンションのシミュレーションを紹介します。

共用設備が充実していたり、積立金が不足して値上がりがあるなど、負担が増えた想定です。

維持費が高めのマンション

  • 修繕積立金:年18万円(月1.5万円)
  • 管理費:年24万円(月2万円)
  • 固定資産税など:年16万円
  • 保険料:年2万円
  • 駐車場:利用しない
  • 1年間の合計:約60万円
  • 30年間の合計:約1,800万円

維持費が年間20万円違うと、30年で約600万円の差が出ます。駐車場代がかかるとさらに負担がかさみます。

月あたりの金額に大きな違いがなくても、長く住むとトータルの出費に差がつきます。維持費の負担まで長期的に考えて、無理のない予算を組みましょう。

③平均的な修繕費の戸建て

比較のため、平均的な修繕費の戸建てでシミュレーションしてみました。戸建ての維持費は、修繕次第で大幅に変わります。

修繕費が抑えられれば、維持費が安いマンションよりもトータルの出費を抑えられます。土地が広いぶん、物件によっては税金や保険料が多くかかります。

戸建てで修理が少ない場合

  • 修繕積立金:0円
  • 管理費:0円
  • 固定資産税など:年20万円
  • 保険料:年2万円
  • 駐車場:0円
  • 30年間の修繕費:500万円
  • 1年間の合計:約38万円
  • 30年間の合計:約1,140万円

固定資産税と保険料をやや高めに設定しても、維持費が安いマンションより総額で約60万円安い結果が出ました。

2021年にアットホーム株式会社が発表した「一戸建て修繕の実態調査」によると、36.8年の平均的な修繕費で約532.1万円です。

使い方や傷み具合によっては、修繕費がさらに数百万円かかります。自分で直せる部分には限界があるので、修繕費までふまえた予算を考えましょう。

岩井
岩井
マンションで駐車場代がかかるなら、戸建てのほうがトータルの維持費は抑えやすいです。好立地の戸建ては価格自体が高いので、郊外を選ぶなどの工夫は必要です。

④購入せず賃貸に住んだ場合

参考程度に、購入せず賃貸に住んだ場合の家賃負担を、10~30年間で表にまとめました。

維持費を節約するよりも、買い時を逃さないほうが重要です。現在の家賃負担がかさむ前に、住宅ローンの返済や維持費に回せばトータルの出費を抑えられます。

10年間 20年間 30年間
家賃7万円 840万円 1,680万円 2,520万円
家賃8万円 960万円 1,920万円 2,880万円
家賃9万円 1,080万円 2,160万円 3,240万円
家賃10万円 1,200万円 2,400万円 3,600万円
家賃11万円 1,320万円 2,640万円 3,960万円
家賃12万円 1,440万円 2,880万円 4,320万円

※更新料は考慮していない

購入したときの毎月のローン返済や維持費より、家賃の支払いは割高です。家賃は貸す側の利益や、維持費まで考えて金額が決められているためです。

岩井
岩井
維持費は単に安いかどうかだけでなく、払う価値があるかをしっかり見極めましょう。維持費が高額でも、同じような物件なら、借りるよりはお得に住めるとも考えられます。

マンションの維持費に関するQ&A

チャット不動産屋イエプラの岩井さんに、マンションの維持費に関するよくあるQ&Aに回答してもらいました。

岩井さん(宅建士、日本FP協会認定のFP)
チャット不動産イエプラの岩井さん不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
  • Q1.管理費は何に使われているの?
  • Q2.税金は値上がりしていく?
  • Q3.維持費が払えないとどうなる?
  • Q4.維持費が高いときの対処法は?
  • Q5.建替え費用も負担は必要?
  • Q6.維持費が値上がりする物件の見分け方は?
Q1.管理費は何に使われているの?
A 主に管理組合がおこなう業務に使われています。

管理組合の業務はマンション標準管理規約で15項目にまとめられています。

全部または一部の業務を、管理会社に任せるマンションがほとんどです。依頼する項目が多いほど、管理費が高い傾向があります。

管理組合の業務内容
  • ・共用部分の保全、清掃、ごみ処理など
  • ・共用部分の修繕、メンテナンス、記録
  • ・マンションに関する書類関係の保管
  • ・長期修繕計画の作成や変更、管理
  • ・修繕積立金や管理費の集金や運用
  • ・役所や警察、町内会などとの連絡
  • ・管理会社との連絡や管理員の雇用
  • ・公共料金や税金の支払い
  • ・マンション及び周辺の風紀や安全維持
  • ・総会(集会)の開催 など

出典:国土交通省 マンション標準管理規約を参考に作成

管理組合の役員を引き受けると、管理費から3,000~5,000円程度の報酬がもらえる物件もあります。

値段が妥当かどうかは、入居後の手間や設備を考えて見極めましょう。

Q2.税金は値上がりしていく?
A 基本的に下がっていきます。

固都税の計算には、時間の経過に応じた「経年減点補正率」があります。下限が新築の20%などルールはありますが、税金は少しずつ安くなります。

3年ごとに見直しがあり、まれに材料費の高騰などの理由で安くならない場合があります。

実際の建物の価値ではなく、再建築価格(もう一度建てるとしたらかかる価格)を計算のもとにしているためです。

Q3.維持費が払えないとどうなる?
A 催促後に払わないと立ち退きが必要になるケースがあります。

住宅ローンの有無に関わらず、維持費を滞納すると督促されます。3~6ヶ月払わずにいると、管理組合の決議の後、競売に進んでしまいます。

競売とは、法律のルールに基づいて強制的に売りに出されることです。

維持費が払えずに家を手放すのはもったいないので、無理のない予算内で買える物件を選びましょう。

Q4.維持費が高いときの対処法は?
A 維持費が高すぎるなら住み替えるのも手です。

購入時から値上がりして割高だと考えるなら、住み替えが手っ取り早いです。

ただし、売却してもローンが残る「オーバーローン」の間は、売却しづらいです。マイナスは貯金から補填する必要があるためです。

以下の図のように、売却代金で完済できる状態以降は引っ越しやすいです。

オーバーローン解消までのイメージ図

購入時に資産価値が高い物件を選んだり、頭金を払って借り入れを減らしておくと、オーバーローンを早めに解消できます。

売買価格の相場や、管理組合の書類の見方が詳しい不動産屋にも相談して、維持費が極端に値上がりしそうな物件は避けましょう。

Q5.建替え費用も負担は必要?
A 基本的に必要ですが建替え自体が少ないです。

国土交通省の「令和3年マンション建替えの実施状況」によると、2021年4月に建替えが完了したマンション、計画中のマンションは303件のみです。

全国の分譲マンションストック戸数は「675.3万戸」あります。仮に一棟50~60戸としても全国に10万棟以上は建っている計算です。

建替えられるマンションは全国の0.3%未満なので、計画がないか確認する程度で当面は問題ありません。

Q6.維持費が値上がりする物件の見分け方は?
A 修繕積立金の「積み立て方式」と金額をチェックしてみてください。

主に修繕積立金が値上がりしていきます。「段階積立方式」なら値上がりすると考えて良いです。多くのマンションで採用されています。

また、お部屋の㎡数に目安の単価をかけて、充分な積立金額か確かめてみてください。

国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインによると、㎡単価の目安は以下のとおりです。

階数 延べ床面積 ㎡単価(平均) 多い金額帯
15階未満 5,000㎡未満 218円 165~250円
5,000~10,000㎡ 202円 140~265円
10,000㎡
以上
178円 135~220円
20階以上 206円 170~245円

出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン

例えば、15階未満、延べ床面積1,200㎡、専有面積70㎡だと、この表で考えた修繕積立金は約1.1~1.7万円です。

募集図面で0.6万円なら、0.5~1.1万円は値上がりしていく可能性があります。機械式駐車場がある場合は、以下の目安ぶん積立金を多く考えます。

機械式駐車場がある場合
修繕工事費
(1台当たりの月額)
2段昇降式 7,085円
3段昇降式 6,040円
3段昇降横行式 8,540円
4段昇降横行式 14,165円

出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン

適切な維持費の目安は物件によって異なります。少しでも安く維持していける物件を、不動産屋に紹介してもらってください。

維持費に問題ないかチェックするためのアドバイスや、管理状態と維持費が見合った物件の紹介が受けられます。


【必見】自分にあった住宅ローンを比較検討したい方

初めて自宅を購入する場合、「いったいどのくらい住宅ローンを借りればいいんだろう?」「ローンを組むのに損をしてしまうのではないか不安!」と悩みますよね。

そんな方におすすめなのがモゲチェックという無料の住宅ローン比較サービスです。

モゲチェックを使えば、たった5分の入力で、主要銀行の住宅ローンを一括比較できます。審査に通る確率までひと目で分かるのでおすすめです。

また、「金利タイプが選べないので教えてほしい」「団信の種類を教えてほしい」など、細かい質問をプロのアドバイザーにすることもできます!住宅ローンの下調べに活用しましょう。

利用手順
1.モゲチェックの公式サイトにアクセス
2.メールで会員登録&5分で情報入力
3.住宅ローンプランが比較できる
4.【必要に応じて】アドバイザーに質問できる