「低層マンションのメリットは?」「どんな人なら失敗しにくい?」といった疑問にお答えします!
低層マンションが建てられているエリアの特徴や、高層マンションとの違いを解説します。
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
低層マンションのメリットは落ち着いて暮らせる住環境
低層マンションのメリットは、落ち着いて暮らせる住環境です。主に駅から離れていて、周りに戸建てが多い閑静な住宅街に建てられます。
低層マンションのメリットは他にもあります。以下にまとめてみました。
低層マンションのメリットの例
- ・落ち着いた住環境でゆったり暮らせる
- ・耐震性に優れている
- ・似たような世帯が集まりやすい
- ・エレベーター待ちのストレスがない
- ・資産価値が落ちにくい
低層マンションのメリットを確かめて、自分が暮らしたい生活スタイルと合っているかチェックしてみましょう。
岩井
落ち着いた住環境でゆったり暮らせる
低層マンションは、落ち着いた住環境でゆったり暮らせます。建物の高さや面積の条件が厳しい「低層住居専用地域」に多く建てられるためです。
基本的に低い建物しか建たないため、閑静な住宅街になりやすいです。主に戸建てや小中学校が建ちます。
建てられる建物の種類は、都市計画法に基づき「用途地域」で定められています。低層住居専用地域以外のエリアでは、背の高い建物や商業施設が多く建てられます。
特徴 | |
---|---|
低層住居専用地域 (第一種・第二種) |
・主に低層住宅のための地域 ・戸建てや小中学校などがある |
中高層住居専用地域 |
・大規模な建物が建てられる ・大学や病院などがある |
住居地域・準住居地域 | ・ホテルや娯楽施設などもある |
商業地域 |
・主に商業施設が建てられる ・大型デパートなどがある |
出典:国土交通省のホームページより作成
低層住居専用地域なら、敷地に占める建物の割合(建ぺい率)が少ないです。30~60%程度で、建物同士の距離にゆとりが持てます。
また、日当たりや風通しが良いのもメリットです。建物の高さには「10~12m以内」と制限があり、日当たりを悪くしないための規制もあります。
岩井
耐震性に優れている
低層マンションは耐震性に優れています。丈夫な壁で建物を支える「壁式構造」が、多くの低層マンションで採用されています。
壁式構造は「面」で建物を支えていて、地震への耐久力が強いです。高層マンションなどは柱と梁の「線」で支える「ラーメン構造」が多く、壁式構造より横揺れに弱いです。
また、壁式構造は壁が厚いため、断熱性や防音性も高いです。騒音などが気になる人に向いています。
壁式構造は室内を広く使える
壁式構造は室内を広く使えるのが魅力です。梁が少なくスッキリした空間を作れるからです。
柱による家具の置き場所を限定されないため、室内を自分好みのレイアウトにしやすいメリットがあります。
似たような世帯が集まりやすい
低層マンションは、同じような家族構成や価値観を持った世帯が集まりやすいです。お部屋の価格や間取りのバラつきが少ないためです。
総戸数が少ないため、住人同士で顔が合わせる機会が多いです。小さい子どもがいる世帯なら防犯対策に繋がり、安心して子育てできます。
エレベーター待ちのストレスがない
低層マンションはエレベーター待ちのストレスがないです。3階程度なら階段を使えば、朝の混み合う時間もスムーズに外出できます。
地震などで万が一エレベーターが止まっても、階段を使ってすぐに屋外へ避難できます。
岩井
資産価値が落ちにくい
低層マンションは資産価値が落ちにくいです。戸建てが建つような閑静な住宅街のマンションは、ファミリー世帯に需要があります。
駅近に新しく建てられるマンションは、高層マンションが多いです。住環境の整った低層マンションは、数が少ないぶん中古でも住みたい人は多く、価値が高いです。
資産価値が保たれる物件は、好条件で売却や賃貸に出しやすいです。近年では、築年数が経っても需要が高い「ヴィンテージマンション」が人気です。
低層マンションのデメリットは利便性の低さ
低層マンションのデメリットは利便性が低いところです。交通アクセスや、買い物環境が整ったエリアから離れているケースが多いです。
戸数の少なさや、建物の構造によるデメリットもあります。以下にまとめてみました。
低層マンションのデメリットの例
- ・駅から離れている物件が多い
- ・物件の維持費が高くなりやすい
- ・共有施設が少ない
- ・近所付き合いがストレスになる
- ・リノベーションが出来ないケースがある
以降で、1つずつ詳しく解説します。
駅から離れている物件が多い
駅から離れている物件が多く、通勤で利用する人には不便です。駅までの移動が徒歩や自転車の場合、雨の日はストレスに感じます。
街灯が少ない場所は、女性や子どもにとって夜道での帰宅が心配です。購入する前に、現地で交番の位置や街灯の明暗、公共施設が近くにあるか確認しましょう。
物件の維持費が高くなりやすい
マンション全体の戸数が少ないと、物件の維持費が高くなりやすいです。主に、管理費や修繕積立金です。
建物に関する費用は入居者全員で払う必要があります。世帯数が少ない分譲マンションは、維持費が高い傾向にあります。
周辺のマンションと比べて、維持費が高すぎないか事前に確認すべきです。マンションの維持費については、次の記事で解説しています。
共有施設が少ない
高層マンションと比べると共有施設が少ないです。代わりに、エントランスやロビーが豪華だったり、広々と作られている物件が多いです。
キッズルームやゲストルームを使いたいなら、高層マンションで探すと見つかりやすいです。
近所付き合いがストレスになる
近所付き合いが苦手な人にとっては、ストレスになる可能性があります。戸数が少ないぶん、入居者同士の距離が近くなりやすいからです。
最近では、インターネットでマンションごとの口コミを確かめられます。気になるマンションがあれば、事前にチェックするのも手です。
内見時にも他の入居者の雰囲気を確かめておくと良いです。マンションの内覧に関しては、次の記事で解説しています。
リノベーションが出来ないケースがある
低層マンションは、お部屋のリフォームやリノベーションが難しいケースがあります。構造の兼ね合いで取り除けない壁が多いからです。
入居中の間取り変更が出来ない可能性が高いので、自分たちの生活スタイルに合う物件を見つける必要があります。
内装や間取りに納得できる物件がなければ、不動産屋に相談してみてください。低層マンションでも工事に適した物件や、予算内で理想を叶える方法の提案が受けられます。
低層マンションと高層マンションの違い
低層マンションと高層マンションの違いを解説します。代表的な項目で比較してみました。
高層マンション | 低層マンション | |
---|---|---|
眺望 | 高層階ほど良い | 戸建てとほぼ同じ |
立地 | 駅前などの好立地 | 閑静な住宅街 |
構造 | ラーメン構造が多い | 壁式構造が多い |
共有施設 | 充実している | 少なめ |
設備 | グレードが高い | 建物の規模による |
防犯性 | 高い | 物件による |
高層マンションとの大きな違いは眺望の良さです。景色を楽しみたいなら、高層マンションが向いています。
高層マンションは駅前などの利便性の良い場所に建てられます。設備のグレードが高く、共有施設も充実しています。
低層マンションは移動や買い物などの利便性は低いですが、マンションの住みやすさと戸建てのゆとりどちらも欲しい人に向いています。
管理会社がメンテナンスをおこなう物件がほとんどで、戸建てより維持していく手間は少ないです。コンクリート造で、木造の戸建てより安心感があります。
低層マンションでも高級住宅はある
高層階の物件にタワーマンションがあるように、低層マンションにも建物のグレードが高い高級志向の物件があります。
階数が低くても、値段が安いわけではない点に注意です。治安の良い住宅街の物件は高額なので、予算に余裕があれば検討しましょう。
低層マンションにもさまざまな価格帯の物件があります。予算に応じた理想に近い物件は、不動産屋に紹介してもらえます。
低層マンションが向いている人の特徴
解説してきたメリットやデメリットをふまえて、低層マンションが向いている人の特徴をまとめました。
当てはまる項目が多い人ほど、低層マンションがおすすめできます。
- ・静かな環境で暮らしたい
- ・隣に大きな建物が建つ心配をしたくない
- ・子育てに適したお部屋が良い
- ・安心できるコミュニティで暮らしたい
- ・地震に強いマンションが良い
- ・災害時に避難しやすいマンションが良い
- ・主な移動手段が車や自転車
静かな環境で子育てしたい家族や、耐震性の高いマンションに住みたい人に向いています。
主な交通手段が車なら、駅までの送り迎えや普段の買い物も不便に感じにくいです。
低層マンションに向いていない人の特徴
低層マンションに向いていない人の特徴もまとめてみました。
- ・利便性の良いエリアに住みたい
- ・眺めの良いお部屋に住みたい
- ・主な移動手段が電車
- ・ご近所付き合いが苦手
- ・将来的に間取りを変更したい
利便性の良さやお部屋からの眺望が譲れない人は、低層マンションに向いていません。
低層か高層かで迷ったら、家族の生活スタイルに合うかで判断すると良いです。エリアや間取りの悩みなどは、不動産屋からアドバイスしてもらえます。
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