「川の近くに住んではいけない?」「川沿いの物件の選び方は?」などの疑問を解決します!
川の近くに住むメリットとデメリットを比較して、向いている人の特徴を解説します。また、川沿い物件の探し方のコツも紹介します。
この記事は、ファイナンシャルプランナーで、宅地建物取引士の岩井さんに監修してもらいました!
チャット不動産イエプラ メディア事業部
ファイナンシャル・プランナー
宅地建物取引士
日本FP協会認定のFP。不動産やライフプランに関する専門知識と経験を活かして、最適な物件選びから、長期的にみて損しない住宅購入までをサポートしています。一人暮らしやファミリー世帯など、幅広い世帯からリピートをいただいています。
目次
川の近くに住むなら災害リスクを考えるべき
川の近くに住むなら災害リスクを考えるべきです。洪水などで川が氾濫した際、被害を大きく受ける可能性があるからです。
気象庁の統計によると、大雨(1時間の降水量が50mm以上)の回数が年々増えています。極端な大雨で、川が氾濫したときの影響を考える必要があります。
大切なのは、事前に災害リスクを確かめておくことです。購入したあとは簡単に引っ越しできなくなります。
物件が建つ場所の位置によってリスクが異なる
物件が建つ場所の位置によって、災害リスクが異なります。低地より高地のほうが、水が溜まりにくいからです。
エリアの高さ(標高)を確認するときは、国土交通省のウェブ地図「地理院地図」が便利です。カーソルを移動すれば、画面左下に標高が表示されます。
マンションの内見時は、物件の建っている場所の高さや、坂の有無も確かめておきましょう。
川の近くに住む4つのデメリット
川の近くに住むデメリットを4つにまとめました。災害リスクの他にも注意点があるので押さえておきましょう。
川の近くに住むデメリットの例
- ・川の氾濫などの災害リスクが高い
- ・地盤が弱いケースがある
- ・虫が発生しやすい
- ・湿気によるカビが生えやすい
事前にデメリットと対策を知れば、後悔しにくいです。以降で1つずつ解説していきます。
川の氾濫などの災害リスクが高い
川沿いのマンションは、川が氾濫したときの災害リスクが高いです。1階や2階のお部屋だと浸水の恐れがあります。エリアによっては3階以上でも油断できません。
洪水の規模によっては、ライフラインの復旧に時間がかかる可能性があります。
近年のマンションはスペースの有効活用のため、各部屋に電気を供給する「配電盤」を地下に配置するケースがあります。
お部屋が高層階でも、電気が止まりやすい場合があるため注意が必要です。
岩井
地盤が弱いケースがある
川の近くは地盤が弱いケースがあります。地震に備えて、インターネットで地盤の情報を確かめたほうが良いです。
東京建設業協会の調査によると、都内の東側は気を付けたほうが良い場所が多いです。
海沿いに多い埋立地も地盤が弱いです。地盤の改良工事がされているかは、入居前に不動産屋に確かめる必要があります。
虫が発生しやすい
草木や藪がある川だと虫が発生しやすいです。特に夏場は蚊が発生しやすいので注意です。
網戸を設置したり市販の虫よけ剤を使って、お部屋に虫が入らないように工夫が必要です。
整備されていない川だとニオイが気になる
整備されていない川はニオイが気になりやすいです。捨てられたゴミが何日間も放置されるケースがあります。
また、ゴミ溜まりから虫が発生しやすいので、川の清掃状況も確かめておきましょう。
湿気によるカビが生えやすい
川沿いは湿気によるカビが発生しやすいです。風通しの他、換気システムの性能まで確かめましょう。
壁紙や水回りの劣化が早まり、修繕費がかさむ可能性があります。窓の結露を拭いたり、防湿剤など置くなどの対策が必要です。
川の近くの物件でもメリットはある
川の近くの物件でもメリットはあります。代表的なものを3つまとめました。
川の近くに住むメリットの例
- ・日当たりや景観が良い
- ・風通しが良い
- ・河川敷や公園が近い
川沿いの物件に住むなら、メリットがデメリットを上回る物件を選びましょう。以降で詳しく解説していきます。
日当たりや景観が良い
川の近くのマンションは日当たりや景観が良いです。川があるぶん、日光を遮る建物がないからです。
リビング側に川があると、窓からの見晴らしが良く開放感があります。
また、川の近くは自然を多く感じられます。春は桜並木、秋は紅葉など、季節ごとに景色を楽しめます。
風通しが良い
川沿いは隣接する建物が少ないため、風が通りやすいです。水辺で冷やされた空気が流れてきて、夏でも涼しく快適に過ごせます。
川沿いなら、都市部の気温が島状に高くなる「ヒートアイランド現象」の軽減が期待できます。夏に上がりやすい電気代を節約できます。
ただし、高層階は強風が吹きやすいため、洗濯物が干せない場合があります。備え付けの浴室乾燥機などで干すと良いです。
河川敷や公園が近い
川の近くのマンションは河川敷や公園が近いケースが多いです。ファミリー世帯なら、気軽に子どもと散歩や運動ができます。
いろいろな世代の人が集まるので活気あふれる街になります。人の目が多いと防犯にも繋がります。
川沿いのマンションは、開放的で外観がおしゃれでも注意点が多いです。不動産屋にもアドバイスを受けて、入居後に安心して暮らせる物件を選びましょう。
川沿いマンションを選ぶ際の3つのポイント
川沿いマンションを選ぶときのポイントを3つ紹介します。
- ・ハザードマップで災害リスクを確認する
- ・中~高層階のお部屋を選ぶ
- ・土地の改良など対策があったか確かめる
ポイントを事前に知れば、川沿いのマンションでも失敗しにくいです。以降で1つずつ解説していきます。
ハザードマップで災害リスクを確認する
気になった物件があれば、まずハザードマップで災害リスクを確認すべきです。予想される「洪水」と「内水」の程度を把握できます。
「洪水」は河川から水が氾濫したときの水位が分かります。河川に近いほど被害が大きくなるリスクが高いです。
出典:板橋区役所ホームページ
「内水」は雨を排水できなくなった際の水位を表しています。川の近く以外でも被害が出るケースがあります。
出典:板橋区役所ホームページ
ハザードマップはインターネットで確認できます。しかし、載っている情報はあくまでも「被害予測」です。実際の被害は、予測と異なる場合があるので注意が必要です。
岩井
中~高層階のお部屋を選ぶ
川沿いに住むなら、中~高層階のお部屋を選ぶと良いです。低地のエリアであっても、直接的な被害を受けにくいからです。
海の近くは、津波があると氾濫しやすいです。2011年の東日本大震災では、陸でも15m以上(マンション5階相当)まで浸水しました。
間取りにもよりますが、階数が上がると販売価格も高くなりやすいです。お金と災害リスクのバランスは慎重に判断しましょう。
土地の改良など対策があったか確かめる
建築時に土地の改良などの対策があったか、不動産会社に確認しましょう。地盤調査書などの情報を確認してもらえます。
柔らかい地盤が補強されていたり、硬い地盤まで杭が刺してあれば、建物自体の強さは確保できます。
川沿いに住むなら水災に対する備えが必要
川沿いのマンションに住むなら、水災に対する備えが必要です。主に、保険の加入や防災対策についてです。
万が一のときに備えておくと、損害に対して保険がおりたり、ケガのリスクを減らせます。
保険は水災に手厚いプランを選ぶ
物件の入居前に加入する保険(火災保険)は、水災に手厚いプランを選びましょう。火災保険は火災だけではなく、風水害といった自然災害も保障できます。
2020年時点の損害保険料率算出機構の統計では、約66.6%の世帯が水災の補償を追加しています。
台風や豪雨による床上浸水で、建物や家財に損害があったときに補償を受けられます。1階に住む場合は加入しておいたほうが良いです。
岩井
最寄りの避難所を確認しておく
物件の契約前に、最寄りの避難所を確認しておきましょう。主に、学校や公園が避難所になるケースが多いです。
避難所の場所はハザードマップで確認できます。避難ルートも併せて確認しておくと、スムーズに避難できます。
災害時に備えたグッズを用意しておく
災害時に備えたグッズを用意しておくと、万が一のとき安心です。
内閣官房内閣広報室のホームページを参考に、災害時に備えるためのグッズを紹介します。
- ・飲料水3日分(1人1日リットルが目安)
- ・非常食(アルファ米やビスケットなど)
- ・トイレットペーパーやティッシュ
- ・携帯トイレ
- ・スマホなどの充電バッテリー など
非常食は、電気やガスを使用しないアルファ米があると便利です。避難情報を見逃さないために、スマホの充電バッテリーも多めに用意しておくと良いです。
また、大規模な災害時には、1週間分の備蓄があると望ましいと言われています。家族ぶん賄えるように、日頃から備えておきましょう。
非常用の持ち出しバッグを用意しておく
自宅での備えに加えて、非常用の持ち出しバッグも用意しておくと安心です。避難先で安全に生活できます。
- ・貴重品(財布・印鑑・通帳)
- ・飲料水3日分(1人1日リットルが目安)
- ・救急用品(絆創膏や常備薬)
- ・マスクや軍手
- ・衣類やタオル
- ・携帯ラジオ
- ・スマホなどの充電バッテリー など
避難するときに、貴重品を持っていけるようにしましょう。その他ケガを防ぐために軍手などがあると安心です。
川沿いのマンションを探すなら、メリットとデメリットを理解した上で慎重に探すべきです。
不動産屋に相談すれば、災害リスクも考慮した物件を提案してもらえます。希望エリアのなかで、安全な立地を聞いてみるのも手です。
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